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10話
しおりを挟む「そ、そんな……」
ノーマンは国王に反論を全て潰される。
ノーマンはたった今やっとレイラに冤罪を着せたことを理解した。
もはや謝ったとしても許されることは無いような、取り返しのつかない過ちを犯してしまったのだ。
ノーマンは隣にいるサリーの肩をつかむ。
「サリー!俺を騙していたのか!?レイラに虐められていたというのは、全て嘘だったのか!?」
「そうだ!俺達はお前のことを信じたからレイラを……っ!」
「何とか言ったらどうなんですか!」
ノーマンとロナルド、フィリップは手のひらを返してサリーを責めはじめた。
三人に詰め寄られてサリーは冷や汗をかく。
「…………」
サリーは無言で何も答えない。
「嘘、だったのか……?」
「そんな……」
「私たちを騙していたのか……?」
ノーマンは呆然と呟き、ロナルドは膝をつく。そしてフィリップはサリーと同様に冷や汗をかいていた。
三人とも、レイラに行った蛮行を思い出していた。
取り返しのつかない過ちを。
「甘えるな。嘘の言葉を信じ、レイラに冤罪を着せ、暴行を加えたのはお前たち自身の判断だ。騙されたお前たちが悪い」
国王は断ち切る。
「…………」
三人には何も言い返すことが出来ない。
一方でサリーは、これは自分は助かるのではないか、と考えていた。
その時だった。
部屋の中に二人の人物が入ってきた。
ロナルドの父である騎士団長と、宰相であるフィリップの父だった。
「ち、父上!」
「お父様……」
ロナルドとフィリップは父がやって来たことに安堵する。
「ロナルドッ!」
しかし騎士団長は次の瞬間、ロナルドを思い切り殴った。
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