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9話

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 三人が沈黙していると、一人の衛兵が入ってきて、国王に耳打ちした。

 そして国王はその報告を聞き終わると、深くため息をつく。

「今、調査の結果が出た。レイラは無実だ」

「は?」
「えっ?」
「そんな……」

 ノーマンのロナルド、フィリップは驚いていた。

「衛兵がパーティーにいた者たちにレイラがサリーを虐めいたのか、という事情聴取を行ったところ、誰もがそんな事実は知らない、と答えたそうだ」

「う、嘘だ!あり得ない!」
「そんなはずは無い!そうだよな、サリー!?」
「まさか……」

 ノーマンは国王の言葉を嘘だと断じ、ロナルドはサリーに縋るように質問し、フィリップは真実に気づき始めていた。
 そしてサリーは青い表情で黙っていた。

「加えて、レイラとサリーが話していたところを初めて見たという証言も出ている。ここまでくれば理解できるだろう?──レイラは、完全なる無実だ」

「そんなの信じられない!全員嘘をついているに決まっている!」

「事情聴取をしたのはパーティーにいた全員だ。その一人からもレイラが虐めていたという言葉は出ていない。ほぼ確実に無実だろう」

「嘘だ!そんな証言だけで無実になるはずが──」

「たった一人の証言だけで有罪だと決めつけたのは、お前だったはずだが?」

「っ……!」

 さっきの自分の行動を国王に突きつけられノーマンは反論出来ない。
 国王が集めた証言はサリーという一人だけの証言よりも多い。

「パーティーにいた全員に口裏を合わせさせるのはいくら公爵家でも現実的に不可能だ。ノーマン、まだ理解していないのか?お前はレイラに、冤罪を着せたんだ」
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