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9話
しおりを挟む元々、ナタリーはレイにはお金目当てで近づいた。
王子であるレイと結婚すれば、私は王妃になり、贅沢三昧の日々を送ることが出来る。
その為、ナタリーはレイへ少しずつ距離を詰めていった。
偶然を装いレイと曲がり角でぶつかったり、レイの前でわざとハンカチを落としたりとレイに自然に近づいていった。
その結果、ナタリーはレイと親しい関係になることができた。
それからはレイの悩みを聞きだし、レイの欲しい言葉を投げかけ、レイの好感度を上げていった。
そしてレイがナタリーに好意を寄せてきた段階で、ナタリーはレイを誘惑した。
レイはすぐにナタリーに落ちた。
元々、婚約者であるローズとは疎遠になっており、堅苦しい関係に飽き飽きしていたレイは、ナタリーという理解者にどっぷりと浸かった。
レイはナタリーを深く愛し、周囲に「これが真実の愛なんだ!」と喧伝するようにもなった。
だが、恋人関係になったはいいものの、ローズというライバルには手を焼いていた。
相手は公爵家であり、簡単には手を出せない。
しかし、レイとこれから結婚するためにはローズの存在は邪魔だった。
だから、ナタリーはレイに『お願い』をした。
「レイ様。私、レイ様と本当の恋人関係になりたいですっ!」
レイはあっさり『ローズに冤罪を着せて婚約破棄する!』と言い出した。
ナタリーは上機嫌だった。
王子であるレイが直々にローズへ冤罪を着せてくれるなら、失敗は無いだろう。
しかし、実際はレイのやり口は驚くほど杜撰だった。
しかもローズが留学していたことすら知らなかったらしい。
ナタリーは心配になった。
もしかしたら、レイはとんでもなくバカなのではないか、と。
王宮に来るときもずっと「これで大丈夫なのだろうか?」と自問していた。
だが、王宮へ来てもレイの行動は支離滅裂な言動で国王に訴えていただけだった。
ナタリーは焦った。
ようやくここまで来たのに、このままでは玉の輿どころか、処罰すらもあり得る。
そして現在、今正にレイは王子としての立場を失いかけていた。
ナタリーはいても立っても居られず、国王の許可すらもなく、話し始めた。
レイを切り捨てるために。
「わ、私が証言します! 私はローズ様に虐められていません! レイ王子が勝手に言い出しただけです!」
自分だけは、助かるために。
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