聖女の笑顔も三度までです。

主人公、リズ・シモン伯爵令嬢はユークリッド王国の聖女だった。

シモン伯爵家は代々聖女を排出する家系であり、リズも聖女になってからは国のために尽してきた。

しかし──

「リズ・シモン! お前との婚約を破棄する!」

婚約していたセルジュ・ユークリッド王子は『下級貴族のリズは婚約者に相応しくない』と婚約を破棄する。
リズは聖女として笑顔でそれを受け入れた。

「一回目」

そして次に、国王はリズを聖女の座から下ろし、聖女へ別の人物を据え、変わらずリズを酷使しようとした。王族が聖女の力を得るためだった。
しかし、リズは国を守れるなら構わない、とそれを笑顔で了承した。

「二回目」

最後に国王は数年前に亡くなったリズの両親は自分が聖女の力を得るために殺したのだと説明し、リズを冤罪にかけ処刑しようとした。

「三回目」

度重なる裏切りに対してリズはついに愛想を尽かした。
そしてリズはユークリッド王国を出ていった。

すると王国では異変が次々と生じるようになり……?

国王は知る。
なぜリズが聖女の座についていたのか。
そして聖女がユークリッド王国にとってどれほど大切な存在だったかを。

しかし時すでに遅し。
国が滅亡の危機に瀕しても、リズは隣国で聖女として暮らしているので、もう戻らない。


「聖女の笑顔も三度までです」
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