あなたはその人が好きなんですね。なら離婚しましょうか。

水垣するめ

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18話

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 自殺か。
 それとも恐ろしい処刑か。

 選べるはずのない二択。
 しかし今、アルバートとエミーは強制的に選ばされようとしていた。

 アルバートはガチガチと歯を鳴らす。
 初めて直面する死の恐怖に、震えが止まらなくなったからだ。

「アルバート様」

 その時、貴族の中からエミリアが出てきた。

「え、エミリア! 助けてくれ!」

 アルバートはこれ幸いと、エミリアに助けを乞う。

「やっぱり本当の王妃は君しかいない! こんな男爵家の下等な女なんて選んだのが間違いだった! 君以上に素晴らしい女性はいない!」

「なっ!? 何言ってんのよ!」

 隣でエミーが叫ぶ。
 アルバートはエミーを無視した。

 今までのことをすっかり忘れたようにアルバートは手の平を返してエミリアに媚びへつらう。

 しかしそれは公爵家という立場のエミリアが自分の助命を乞えば、命が助かるかもしれない、という打算から出た言葉だった。

 当然エミリアはそんなものはお見通しだ。

「分かりました」

 ニコリ。
 エミリアは頷いた。

(やった! 騙せたぞ! やっぱりエミリアは馬鹿な女だ!)

 アルバートは心の中でほくそ笑む。
 しかし、次のエミリアの言葉を聞いて凍りついた。

「やっぱり処刑しましょう」

「え?」

 アルバートは素っ頓狂な声をあげた。
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