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15話
しおりを挟む「ぼ、暴君!? 俺が!?」
アルバートは驚愕したように目を見開く。
これまで好き勝手やっていて、まさか自分が暴君になっているとは考えていなったからしい。
貴族たちは呆れてため息をつく。
「はぁ……」
「こんな王に一時でも仕えていたとは……」
「まさかここまで馬鹿だったとはな」
貴族たちは口々にアルバートを馬鹿にする。
あからさまな罵倒は初めてで、アルバートは呆気にとられていたが、すぐに怒りを込めて叫び始めた。
「ふざけるな! 俺が暴君な訳がないだろう! 俺は国王として命令をだしただけだ!」
「では、その命令で民や貴族はどうなるか考えなかったのか?」
エミリアの父はアルバートに質問する。
しかしアルバートはよく考えもせず断言した。
「はぁ!? 国王に仕えるのがお前らの役目だ! 考えるわけが無いだろう!」
「だから、それが暴君だろう」
「おい! 誰か兵士はいないのか! コイツらを今すぐに捕らえろ! 王に楯突く犯罪者だ! 処刑してやる!」
アルバートは周囲にいたはずの兵士へ命令する。
しかし兵士たちはアルバートに目線を合わせず、無視した。
今まで経験したことのない部下にあからさまに無視をされたことに、アルバートは驚愕した。
エミリアの父は部下にも見捨てられたアルバートを嘲笑する。
「見ろ。どんな王も民や貴族の信頼が無ければ成り立たない。なぜなら、部下は道具ではなく、人間だからだ。お前はそれを勘違いした。今からその罰を受けてもらおう」
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