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6話

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 ガラガラと、馬車に揺られる。

 パーティーから一夜明けて、私は王宮へと参内していた。
 本来ならパーティーが終了した後、アルバートに王宮へと連れられ初夜を迎えるはずだったが、もちろん不可能だった。

 アルバートは代わりにエミーを王宮へと連れて行ったからだ。

 そのため、こうして私は翌日わざわざ王宮へと移動しなければならなかった。

「こんなの、最低ですよ。エミリア様は何もしていないのに……」

 使用人のジェーンが私の扱いに対して憤りを示す。
 私も全く同じ気持ちだった。

「昨日のパーティーだって、当主様達がいればあんな扱いは許されるはずはありませんでした」

「そうね。だからこそ、きっとアルバート王はお父様達を隣国へと向かわせたのでしょう」

 父と母はパーティーの一週間前、隣国へと外交のための任務がアルバートから与えられていた。

 父と母は私のパーティーに出ることが出来ないのを残念がっていたが、アルバートはそれを望んでいたのだろう。

 私に恥をかかせ、屈辱を味わわせるために。

 王宮に馬車が着いた。

「アメリア・ラブレスです。王妃として参内しました」

 名を名乗り王宮の門が開くのを待つが、いつまで経っても門は開かない。

 不審に思った私は門番へ再度名を名乗る。

「公爵家のエミリア・ラブレスです。早く門を開けなさい」

 私がそう告げると、二人の門番はわざとらしく首をひねった。

「ラブレス様……はて、どなたでしょうか?」
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