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5話
しおりを挟む私がアルバートと婚約したのはお互いが成人した、十三歳の頃だった。
まだその頃、アルバートは王太子という立場で、私も学園に通う学生だった。
アルバートはその学園で、エミーと知り合い、恋に落ちた。
しかしもちろん私という婚約者がいながらエミーと恋仲になることはできないし、そもそも身分が違う。
私はエミーに対してそう注意し、アルバートにも釘を刺した。
周囲の貴族も、前国王でさえも私の言葉に賛成した。
私の言葉は、アルバートとエミーを思っての親切の言葉だった。
だが──
「お前を、絶対に許さない……っ!」
アルバートは私へ憎悪の篭った声で、私を睨みつけた。
彼はエミーとの仲が引き裂かれた原因が、私にあると信じ込んでいた。
それから、アルバートは私への恨みを募らせ続けた。
そしてアルバートが二十歳になる半年前、前国王が病死した。
アルバートは国王となり、──私への復讐を始めた。
今まで出来なかったエミーをまるで恋人のように扱い、私にはあからさまな冷遇を与えた。
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