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7話

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「フィオナ!」

 ロバートはフィオナの姿を見るとフィオナの名を叫び駆け寄った。

「どうしたんだ? 何日もお前の顔を見てなかったから心配したんだぞ。っ、そうだ! フィオナ、あいつらに虐められてたんだろ? 何ともないか?」

 ロバートは心配そうにフィオナの体に傷がないかどうか確かめた。
 レオとドミニクもフィオナへと駆け寄る。

「大丈夫か!」
「フィオナさんっ!」

 もう私たちには目もくれずにフィオナだけを見ている。

「お前がアリスに虐められて学園を追い出されたって聞いて心配したんだぜ! 今お前を虐めた奴らを懲らしめてやるからな」
「ええ、あなたに卑劣な手で傷を負わせた彼女たちに容赦は必要ありません!」

「……」

 わいわいとロバートたち三人に声をかけられているなか、フィオナは黙っている。
 そしてポツリと呟いた。

「何ですかあの傷は……」
「え?」

 ロバートは素頓狂な声をあげる。

「アリスさん……っ!」

 するとフィオナは私の名前を叫んで走り出した。
 そしてレオに殴られてできた頬の傷へ手を当てる。

「なんでこんな酷い傷が……!」
「ちょっと冤罪で……」
「なっ……! 酷すぎですそんなの!」

 私はチラリとレオを見ながら答える。
 するとフィオナは振り返りレオを睨みつけた。

「いかなる理由があろうと女性に手を上げる騎士は最低です!」
「そっ、それはフィオナがアリスに虐められてたって聞いてカッとなって……」
「はぁ!?」

 そしてフィオナは眉を寄せて言い放った。

「私はアリスさんに虐められてなんかいません!」

「「「え?」」」

 ロバートたち三人は何を言われたのか理解できていないようだった。

「私はアリスさんに虐められたことなんて一度もありません! これはアリスさんに対する冤罪です!」

 私の無罪を主張するフィオナにロバートは汗をかきながら尋ねる。

「し、しかしそこの三人にがフィオナを虐めていたことをアリスは黙っていたのだろう? なら、同罪じゃないか……」
「それはすでに両者の間で和解が済んでいます!」

「嘘だろ……」
「まさか本当に……?」

 レオとロバートもフィオナの言葉を聞いて、私に冤罪をかけていたことを悟り始めたようだった。

「冤罪をかけたうえにこんな暴力まで振るったんですか!? 王族といえど立派な犯罪ですよ!」

 フィオナはロバートを責める。
 するとロバートはとんでもないことを言い始めた。

「いいや、嘘だ! アリスッ! お前がフィオナにそう言うように脅しているんだろ!」
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