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17話
しおりを挟む「ええ、大丈夫だけど……」
「それじゃあついてきてくれ」
そして私はエドワードに連れられてサリヴァン家の屋敷を出た。
外はもうすでに真っ暗になっていた。
そしてやけに雰囲気のいい明かりで雰囲気がいい噴水広場へと連れて来られた。
それにしても、何を話すんだろう……。
「今日、サラとの婚約は破棄されるだろう」
「ええ、おめでとう。あまりサラとの婚約は嬉しくなかったみたいだし」
「当然だ!」
エドワードは食い気味に答えた。
「ええと、それでなんだけど……」
エドワードは何か言いづらそうにしている。
「どうしたの?」
「私と結婚して欲しい」
「はぁ!?」
私はエドワードの突然のプロポーズに驚愕した。
「な、なんで急にそんな……」
「元々、サラとの婚約が破棄出来たらこうするつもりだったんだ」
「そうじゃなくて! 何で私にプロポーズしてるよ、ってことよ!」
「それはアリシアのことが好きだったからに決まっているじゃないか」
「………………え?」
エドワードが、私のことを?
それも昔から?
全然分からなかった。
今突然エドワードの好意に触れた私は顔が赤くなっていくのを感じた。
「い、いつから……?」
エドワードはやれやれ、といった感じで頭を振った。
「ずっと昔からだよ。だから今回のことも頑張ったのに。全く、本当に君は昔から鈍感だな。ちゃんと言葉にしないと全然伝わらない」
そしてエドワードは「だから」と言って、私の前に膝をついて私の手を取った。
「好きだ。アリシア。私と結婚してくれ」
差し出された手。
幼馴染の時に何度も繋いだ手だ。
しかし昔とは違う大きな手を、私はそっと握った。
「……はい」
エドワードは安心したようにニッコリと笑う。
何回も見た笑顔なのに、今は新鮮だった。
「これからよろしく、アリシア」
「ええ、よろしく。エドワード」
そうして私達は結婚することになった。
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