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16話
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「決着したようだな」
国王が告げる。
「横領された金と借金を全て請求するのは当然、浮気の慰謝料を請求するのも当然だ。総額金貨六百枚もホスキンス家の色々を売り払えば出せないこともないだろう。それでいいな、フィリップ・ホスキンス」
「……はい、異存はございません」
フィリップからすれば何もしていないのに、金貨六百枚も払わなければならなくなって不憫だが、国王の言っていたとおり子のしたことは親の責任でもある。真に恨むべきは自分の育て方だろう。
「う、うわぁぁぁぁ!」
ロバートが泣き叫び始めた。
その形振り構わない惨めな姿は流石に可哀想になる。
「ロバート様……」
「アリシア、捨てないでくれぇ! このままだと僕は、僕は!」
ロバートが私の足に縋りついて泣き叫ぶ。
「頼む! 許してくれアリシア……!」
私はニッコリと笑い、ロバートの前に膝をついて頬に手を当てた。
その私の表情を見て、ロバートは感激したような表情になった。
「アリシア……!」
そんなロバートに向かって私はハッキリと告げる。
「許す? そんなことするわけないじゃないですか」
「……え?」
「当たり前ですよね? あなたが今までしたことを思えば当然です。それに、今までチャンスは何度も与えました。それを全て無視したのはあなた自身です」
「あ、アリシアっ……まっ──」
「ああ、そういえば、あなたその女性が好きなんでしょう? だからいいですよ。離婚しましょう?」
そして、あなたも地獄に落としてあげましょう。
「あ、あぁ……」
「よし。これで決まりだ。今から速やかに手続きを行わせてもらう。……そなたら、逃げようなんて考えるではないぞ。今から王家の衛兵をつけて手続きが終わるまで監視するからな」
国王は逃げ道まで封じる。
流石は国王、隙が無い。
ニッチは逃げようとしていたのか、「逃げるなよ?」と言われてビクリと肩を震わせた。
ともかく、これで完全に決着だ。
後は手続きを終えるだけ。
ふぅ、と息を吐き出した時、エドワードが声をかけてきた。
「今から少しだけ、いいかい?」
国王が告げる。
「横領された金と借金を全て請求するのは当然、浮気の慰謝料を請求するのも当然だ。総額金貨六百枚もホスキンス家の色々を売り払えば出せないこともないだろう。それでいいな、フィリップ・ホスキンス」
「……はい、異存はございません」
フィリップからすれば何もしていないのに、金貨六百枚も払わなければならなくなって不憫だが、国王の言っていたとおり子のしたことは親の責任でもある。真に恨むべきは自分の育て方だろう。
「う、うわぁぁぁぁ!」
ロバートが泣き叫び始めた。
その形振り構わない惨めな姿は流石に可哀想になる。
「ロバート様……」
「アリシア、捨てないでくれぇ! このままだと僕は、僕は!」
ロバートが私の足に縋りついて泣き叫ぶ。
「頼む! 許してくれアリシア……!」
私はニッコリと笑い、ロバートの前に膝をついて頬に手を当てた。
その私の表情を見て、ロバートは感激したような表情になった。
「アリシア……!」
そんなロバートに向かって私はハッキリと告げる。
「許す? そんなことするわけないじゃないですか」
「……え?」
「当たり前ですよね? あなたが今までしたことを思えば当然です。それに、今までチャンスは何度も与えました。それを全て無視したのはあなた自身です」
「あ、アリシアっ……まっ──」
「ああ、そういえば、あなたその女性が好きなんでしょう? だからいいですよ。離婚しましょう?」
そして、あなたも地獄に落としてあげましょう。
「あ、あぁ……」
「よし。これで決まりだ。今から速やかに手続きを行わせてもらう。……そなたら、逃げようなんて考えるではないぞ。今から王家の衛兵をつけて手続きが終わるまで監視するからな」
国王は逃げ道まで封じる。
流石は国王、隙が無い。
ニッチは逃げようとしていたのか、「逃げるなよ?」と言われてビクリと肩を震わせた。
ともかく、これで完全に決着だ。
後は手続きを終えるだけ。
ふぅ、と息を吐き出した時、エドワードが声をかけてきた。
「今から少しだけ、いいかい?」
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