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13話
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国王はホスキンス家側を見る。
「あ、ぅあ……」
国王に目を向けられた瞬間、ロバートはまた震え始めた。
「まずは事実の確認をしよう。説明してくれるか?」
「はい」
国王から目を向けられた私は頷く。
そして今までロバートにされたことについて話し始めた。
「彼はサラ・サリヴァンと浮気していました。また、メディナ家のお金を金貨百枚ほど横領し、メディナ家の名義で勝手に商会から金貨二百枚を借りていました。これは商会に証拠があります」
「そ、それは本当ですか!?」
ホスキンス家の当主のフィリップが驚愕して席から立ち上がる。
商会から金貨二百枚を勝手に借りていることはまだ話していなかったので、驚いているのだろう。
「本当です。証拠もありますよ」
「な、何ということだ……」
フィリップはその場に膝を突く。
国王はため息をついた。
「想像以上に酷い話だな。だがそれよりもまず知りたいことがある。ロバート・ホスキンス。何故そのような行動に及んだのだ?」
「え、あ……」
国王に目を向けられたロバートはまたもや言葉を詰まらせる。
答えられないと理解した国王は次に横のサラに目を向けられた。
「サラ・サリヴァン。貴様が説明しろ。ロバートが金貨三百枚を入れこんだのは貴様だろう?」
「……」
サラは俯いて言葉を詰まらせる。
「そうか、国王である私に向かって無視を決め込むか。なるほどな」
国王はトントン、と椅子を指で叩く。
国王はニッチに目を向ける。
ニッチは慌ててサラを怒鳴りつけた。
「おい! 早く訳を話さんか!」
「う、うう……」
それでもまだ訳を話さないサラに、ニッチは襟を掴んで迫る。
「いいから話せ! 話さねばこの家から追放するぞ!」
「う、うぅぅぅ……」
「話さんかあぁぁぁっっ!!」
ニッチの気迫についに負けたかのように、サラががっくりと項垂れる。
そして全てを説明し始めた。
「……子供が、います。私のお腹に」
「あ、ぅあ……」
国王に目を向けられた瞬間、ロバートはまた震え始めた。
「まずは事実の確認をしよう。説明してくれるか?」
「はい」
国王から目を向けられた私は頷く。
そして今までロバートにされたことについて話し始めた。
「彼はサラ・サリヴァンと浮気していました。また、メディナ家のお金を金貨百枚ほど横領し、メディナ家の名義で勝手に商会から金貨二百枚を借りていました。これは商会に証拠があります」
「そ、それは本当ですか!?」
ホスキンス家の当主のフィリップが驚愕して席から立ち上がる。
商会から金貨二百枚を勝手に借りていることはまだ話していなかったので、驚いているのだろう。
「本当です。証拠もありますよ」
「な、何ということだ……」
フィリップはその場に膝を突く。
国王はため息をついた。
「想像以上に酷い話だな。だがそれよりもまず知りたいことがある。ロバート・ホスキンス。何故そのような行動に及んだのだ?」
「え、あ……」
国王に目を向けられたロバートはまたもや言葉を詰まらせる。
答えられないと理解した国王は次に横のサラに目を向けられた。
「サラ・サリヴァン。貴様が説明しろ。ロバートが金貨三百枚を入れこんだのは貴様だろう?」
「……」
サラは俯いて言葉を詰まらせる。
「そうか、国王である私に向かって無視を決め込むか。なるほどな」
国王はトントン、と椅子を指で叩く。
国王はニッチに目を向ける。
ニッチは慌ててサラを怒鳴りつけた。
「おい! 早く訳を話さんか!」
「う、うう……」
それでもまだ訳を話さないサラに、ニッチは襟を掴んで迫る。
「いいから話せ! 話さねばこの家から追放するぞ!」
「う、うぅぅぅ……」
「話さんかあぁぁぁっっ!!」
ニッチの気迫についに負けたかのように、サラががっくりと項垂れる。
そして全てを説明し始めた。
「……子供が、います。私のお腹に」
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