上 下
1 / 3

『探偵』なので。

しおりを挟む
 

 室内には、ひどく物が散乱していた。

 各所には激しく争ったような跡があり、今帰宅したばかりの私でさえ、そこで何かがあった事は如実に感じ取る事ができる。

「これは……」

 あまりの惨状に、私は思わずそう呟く。



 ーー事件の匂いだ。
 私の鋭い嗅覚が、まさかそれを見逃す筈はない。

 何故なら私は、この事件の謎を解くべき『探偵』なのだから。
しおりを挟む

処理中です...