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『勇敢職』になってみた編
第28話 デキるお姉さんはありがたい。(1)
しおりを挟む「その後は買い物だな、装備品とか買わないと。ダンノさんの所にでも行ってみよう」
ぶっちゃけ土地勘が無いから、物の良し悪しは分かってもより良いものを置いている店をピンポイントで当てるのは難しい。
ダンノさんに紹介してもらうのが一番早い。
(『天使のゆりかご』は当たりだったしな)
と、思った時だった。
何時にもない強さで服が引っ張られる。
「メルティ―のところ?!」
「そうだな、居るかもしれない」
俺がそう答えると、彼女は両手で口元を抑えてフフフッと笑いだす。
とりあえず機嫌が直ったようなので一安心だ。
と、どうやら手続きができたらしい。
「お待たせしました。これがギルドに所属している証のプレートです。プレートの再発行は可能ですが時間とお金がかかるので無くさないようにご注意ください」
「分かりました」
「では、そのプレートに向かって『ステータス』と言ってみてください」
そう言われ、プレートを手に取って「『ステータス』?」と唱えてみる。
と。
「ぅわっ!」
プレートからなんと何かが飛び出してきたので、俺は思わず仰け反ってしまった。
出てきたそれを恐る恐る触ってみようとするが、手をすり抜けてしまった。
どうやら実体はないらしい。
不思議だなぁと思っていると、彼女が説明してくれる。
「そこには、読み取った貴女の情報が表示されます。冒険者登録されている情報の他、HP・MPなどの持ち主のステータス情報があります。これらのデータは、初回は先ほど頂いた血液から情報を得、以降は依頼達成の度に更新されていきます」
「えっ、もしかして依頼達成の度に血を……?」
だとしたらクイナの機嫌が心配なんだが。
そう思っていると彼女が首を横に振ってくれる。
「血の採取はあくまでも、プレートの不正な複製を防ぐために必要な遺伝子情報登録のための手順です。たまたま同時にステータス情報も得られるので一緒に行っただけで、ステータス情報だけであれば専用の魔道具だけで読み取りが出来ます。二回目以降はそれを使いプレートに更新していく形になります」
「そっか、よかった」
ならとりあえず一安心だ。
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