追放殿下は隣国で、セカンドライフを決意した。 〜そしてモフっ子と二人、『ずっとやりたかった10の事』を叶える事にします〜

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歩き食いは超痛い編

第24話 野菜もきちんと食べましょう。(2)

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 俺はこのサラダに掛かったドレッシングも美味しいなと思って食べたが、どうやら彼女はそれよりも「野菜嫌い」の気持ちの方が勝ったらしい。
 飲み干した後で「うへぇー」という声を小さく上げた。

「おー、食えたな。偉い偉い」

 言いながら、俺はクイナの頭をナデナデしてやる。
 するとそれを見て、グイードはフッと微笑んだ後「クイナちゃん、甘いものは好きかな?」と聞いてきた。

「大好きなの!」
「そうか、じゃぁご褒美にプリンを付けてあげよう」
「わぁい、やったの!」

 クイナが盛大に苦しみ盛大に喜んだので、周りの人達も一部始終を見聞きしていた。
 お陰で周りからは「頑張ったな!」とか「偉いぞ嬢ちゃん!」なんていう声が上がる。

 そんな中、グイードが俺に「サービスだよ」と言ってきたので、少し躊躇った。
 市井の食事処でご飯なんて食べた事が無いからいまいち良く分からないが、普段はしないから「サービス」なんて言葉が出てくるんだろう。

「えっ、元々ご褒美は上げる予定だったし、普通に払いますよ!」
 
 俺がそう言うと、彼は「良いの良いの」と手を振った。

「可愛い子供の頑張りを、俺達にも褒めさせてよ」

 更にそう言われてしまっては、逆にここで断るのも失礼だ。

「すみません、ありがとうございます」

 俺がそうお礼を言うと、無言の笑顔で答えられた。



「……まぁダンノさんってかなりシビアな人だし、娘とクイナちゃんの気が合ったからっていう理由だけじゃぁそこまで世話しないんじゃないかなぁ」

 プリンを取りに行くズイードさんが、何かをつぶやいたような気がした。
 が、内容は聞き取れず、またあくまでも独り言のようだったので、俺も聞き返しはしなかった。


 そして運ばれたプリンを食べたクイナは。

「……アルド、大変なの」
「どうした、いきなり真顔で」
「クイナ、一日一個このプリン食べないと、多分禁断症状になっちゃうの……!」
「つまり相当気に入ったんだな?」

 これ以降、クイナの食いしん坊により拍車がかかる事となる。

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