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その白ウサギの本性は……?
しおりを挟む私はウサギ。
汚れ一つない真っ白な毛並みを持つ私は、ご主人様から「白まんじゅうみたいで可愛い」なんてよく言われるの。
今日も背中に温かみを感じてゆっくりと目を開けてみると、ご主人様がお仕事から帰って来たばっかりみたい。
「あ、起きちゃったか。ただいまぴょん吉」
そう言いながら、彼は片手で私の背中をナデナデしたまま、首に巻いていたチョコレート色のマフラーを器用に解いてソファーに掛けたわ。
っていうか、私はれっきとした女の子よ?
それなのに「ぴょん吉」なんてそんな名前、ホントにすっとぼけたご主人様よね。
さて、と。
もう完全に目が覚めちゃったし、本格的に起きますか。
カーペットの上でグーッと伸びてから、起き上がって毛づくろい。
寝起きだからね、ちゃんと身だしなみを整えなくっちゃ。
コレが乙女の嗜みよ。
顔を両手でコシコシして、よしコレで今日も可愛い。
さぁ次は、お腹も減ったしおねだりね。
中腰にかがんでいるご主人様に私のモフ手が届くところまで、仕方がないから近づいてあげる。
「ん? どした?」
ご主人様が不思議そうに小首を傾げた。
だから私、ご主人様のふくらはぎに前足でポスッとモフアタック!
そして私の『必殺☆真っ黒な目で上目遣い』でいかがかしら?
……って、あら?
何でかは良く分からないけど、ご主人様の動きが完全に停止したわ。
っていうか、息してるかしらご主人様。
そう思うこと数秒後、ご主人様はスクッと立ち上がった。
「し、仕方がないなぁ~今日だけは特別だぞ?」
そう言いながらキッチンの方へと消えていったご主人様は、顔を見なくっても分かる。
間違いなくデレ顔ね。
イソイソしちゃってもうホント……
ちょろくて良い、カモだこと。
仕事に行ってせっせと働き、その金を私の食費につぎ込みなさい。
そして私を養うがいい。
―――――
あとがき。
因みにこの後、ご主人様が帰ってくるとこのぴょん吉(メス)はこのいつもの愛らしい顔に早変わりします。(笑)
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うふふふふっ、度肝が抜けたようで何よりです(o^^o)笑
うふふふふっ
そう言ってくださると書いた甲斐がありました(←笑
((( ;゚Д゚)))ぴょん、ぴょん吉ちゃん?
すごいインパクトだったでしょう?(笑)