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第一章:初めての社交で暗躍する。
第12話 面白そうなコミュニティー(1)
しおりを挟むセシリアが次に訪れた先にあったのは、とある子供達のコミュニティーだった。
とは言っても、流石にセシリアと同年代の子達はその中には居ない。
居るのは2~5歳ほど年上の子達である。
2~5歳上となると、年齢的でいう所の12~15歳だ。
丁度貴族達が通うことを義務づられた『学校』在学中の年齢にあたる。
「この頃になると子供達は皆一様に、社交の大切さを痛感し始める」というのは先日兄・キリルから聞いた話だったが、どうやらそれは事実の様だった。
適度に散らばっている大人達とは違い、子供達は何故かみんな会場の一角に集まり、その上で幾つものコミュニティーを作っていた。
どうやらそれぞれに話の花を咲かせている様だが、大人達よりもぎこちなく社交の真似事をする姿が随所に見受けられる。
『学校』への入学まではまるで車校に興味のなかった子供達が、入学した途端に社交に勤しみだすのは一体何故か。
その答えは簡単だ。
学校生活というものが集団行動だからである。
入学前は、親に連れられてくる子供達の中から好きな相手を選んで遊んでいれば事足りた。
だから親の真似事よりも目の前の楽しさ優先でいられた。
遊び相手も、家同士で仲の良い者、同じ派閥の者、気の合う者を自分たちで選び、その中でのやりとりだけあれば、それで十分だった。
しかし学校に通い始めるとそれも変わってくる。
親元から離れ、子供達は要所要所で互いに協力しなければならなくなる。
時には特段仲が良い訳ではない相手とも、共同作業をする必要性が出てくるのだ。
そうなって初めて、子供達は今まで積み上げてきた物の、周りとの差を明確に感じる事になる。
『仲が悪い』という相手の数は、案外少ない。
しかし『顔は知っているが殆ど話した事がない』者の人数は意外と多い。
そう、気が付くのだ。
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