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Hum-Fulouk
-HAKURAI-
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「どういうこと...ですか...機械なんて...」
僕は言い表しずらい心を、どうにか言葉にしようとした。
「はい?えっとですね...んっ」
彼女自らが説明しようとしたが、総司令が手で口を塞いだ。
「白雷、私から話そう。」
「了解です」
「元々、我々【Hum-Fulouk】はメンバーが少ない。故に戦いで死んでいった盟友の傷は、とても大きいものだ。奴らの方も強くなりつつある。昨日の作戦でレイルドラから、今まで見なかったパーツが見つかったのも事実だ。それを踏まえた上で、前から考えていた、【LOZE】と同じ、自立型ロボットの導入を決めた。気に入らない者などがいるのはわかっている、が、彼女の力が必要なんだ。わかってくれ」
総司令は全体に聞こえる声量で説明をした。
当然、僕の耳にも届いていた。
「僕は...僕は...」
どうしても、あの日を壊した機械仲間として迎え入れるなど、僕にはできなかった。
反論しようとした、その時だった
「私は反対です!冗談じゃない!俺のダチや仲間も、全員機械に殺された!なのに、同じ機械を仲間として入れるだと!?私は到底理解できません!総司令は我々の心を嬲る気なのですか!?」
後ろから大声で怒鳴り声をあげる者がいた。
彼の顔には、怒りと憎しみが浮かんでいた。
彼の怒りは、僕以上なのだろう
「違う!死んでいった仲間のためにも、我々は必ず勝利しなければならない!勝利には、彼女の力が必要なんだ。わかってくれ!」
「いいえ、私も反対です!ロボットの力に頼らずとも、我々の力で勝利することができます!」
「そうです!ロボットに対抗するためにロボットが必要だなんて、到底理解できません!」
「我々の体の機械と、そのロボットの機械の体は全く違う物です!私も認められません!」
1人、2人と、反論の声はどんどん増えていった。
全員、僕と同じで恨みを持っているんだ。
そして、僕がやっと言葉にできたのは、たった一言だけだった。
「ロボットに、心はありません」
僕は、うつむきながら、そう言った。
「総司令、一旦白雷を下げましょう、あとで落ち着いてから話しをしたほうがいいかと」
近くにいた幹部の一人が総司令にそう言っているのが聞こえた。
「動揺させてしまってすまなかった。もう少しだけ考えさせてくれ」
そう言って、総司令は今来た道を幹部と一緒に戻っていった。
総司令の後を続けて歩く白雷の表情は、なにもわかっていないような顔だった
「やっぱり、ロボットに心なんてあるわけがないんだ」
あの日の記憶が蘇り、僕は椅子に倒れるように座り、涙を流した。
僕は言い表しずらい心を、どうにか言葉にしようとした。
「はい?えっとですね...んっ」
彼女自らが説明しようとしたが、総司令が手で口を塞いだ。
「白雷、私から話そう。」
「了解です」
「元々、我々【Hum-Fulouk】はメンバーが少ない。故に戦いで死んでいった盟友の傷は、とても大きいものだ。奴らの方も強くなりつつある。昨日の作戦でレイルドラから、今まで見なかったパーツが見つかったのも事実だ。それを踏まえた上で、前から考えていた、【LOZE】と同じ、自立型ロボットの導入を決めた。気に入らない者などがいるのはわかっている、が、彼女の力が必要なんだ。わかってくれ」
総司令は全体に聞こえる声量で説明をした。
当然、僕の耳にも届いていた。
「僕は...僕は...」
どうしても、あの日を壊した機械仲間として迎え入れるなど、僕にはできなかった。
反論しようとした、その時だった
「私は反対です!冗談じゃない!俺のダチや仲間も、全員機械に殺された!なのに、同じ機械を仲間として入れるだと!?私は到底理解できません!総司令は我々の心を嬲る気なのですか!?」
後ろから大声で怒鳴り声をあげる者がいた。
彼の顔には、怒りと憎しみが浮かんでいた。
彼の怒りは、僕以上なのだろう
「違う!死んでいった仲間のためにも、我々は必ず勝利しなければならない!勝利には、彼女の力が必要なんだ。わかってくれ!」
「いいえ、私も反対です!ロボットの力に頼らずとも、我々の力で勝利することができます!」
「そうです!ロボットに対抗するためにロボットが必要だなんて、到底理解できません!」
「我々の体の機械と、そのロボットの機械の体は全く違う物です!私も認められません!」
1人、2人と、反論の声はどんどん増えていった。
全員、僕と同じで恨みを持っているんだ。
そして、僕がやっと言葉にできたのは、たった一言だけだった。
「ロボットに、心はありません」
僕は、うつむきながら、そう言った。
「総司令、一旦白雷を下げましょう、あとで落ち着いてから話しをしたほうがいいかと」
近くにいた幹部の一人が総司令にそう言っているのが聞こえた。
「動揺させてしまってすまなかった。もう少しだけ考えさせてくれ」
そう言って、総司令は今来た道を幹部と一緒に戻っていった。
総司令の後を続けて歩く白雷の表情は、なにもわかっていないような顔だった
「やっぱり、ロボットに心なんてあるわけがないんだ」
あの日の記憶が蘇り、僕は椅子に倒れるように座り、涙を流した。
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