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帰郷
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「っ!!」
焔は勢い良く上体を起こした。未だ暗い夜の森の中らしい、烏の鳴き声が聞こえた。何度か咳き込み、呼吸を整える。
「良かった……目が覚めた」
焔は仁之助が側に居た事にやっと気付く。彼は薺城で見た時と変わらず、傷だらけのまま隣に座っていた。
「いきなり倒れたから、驚いた」
「ご、ごめん」
反射的に謝った焔に仁之助は微笑みで答えた。すると、森の中から足音が聞こえた。
「気が付いたか」
「頭領、申し訳ありません」
「無事ならば良い」
頭領は淡々と会話を終わらせると近くの荷物をまとめ始めた。
「早速ですまないが、ここは危険だ。帰るぞ」
「う……」
焔は一瞬口元を歪めた。頭領は僅かな所作にも気付いたらしい。焔の顔をまじまじ眺めた。
「隆豪には報告は済んでいる。ここからは帰るだけだ。いつ戻っても構わん」
「え?」
「これから薺国は地獄と化すぞ。いや、もう成っているかもしれん。気を付けろ」
頭領は最後に付け加えた。
「用があるなら終わらせると良い。ただ、必ず戻って来い」
頭領は森の中へ消えた。静寂が残る。
「……行っちゃった」
「だな」
焔は独り言を言ったつもりが、隣から声が聞こえた。仁之助の事を忘れていた。
「え、なんで居るの?」
「酷くない?爺ちゃんには置いてかれたし、俺も行く!!」
「えぇ、悪いよ。私だけの問題だし……」
興奮状態の仁之助は、たじろぐ焔の両肩を掴む。
「危ないらしいなら、二人のが危なくない!!」
「そりゃ、そうだけど」
「頼むよ!!行かせてくれ!!」
仁之助の必死の懇願に、焔はついに折れた。二人は再び薺城へと向かった。
「……簡単に忍び込めたな」
「外が騒がしいから、兵は出払ってるのかも」
薺城までの道中、二人が懸念した程の障害は何一つ起こらなかった。薺城の敷地内、仁之助は周囲に人が居ない事を確認すると焔へ問い掛けた。
「で、何が気になってるんだ?」
「……私の生まれ」
焔は言葉を濁しつつ仁之助から目を背けた。仁之助は顎に手を当てて思案する。
「生まれ?この城になにか関係あるのか?」
焔は一息間を置くと、足元を見た。小石が転がっており、少し寂しく感じた。
「……定行が最後に、私を見て姉上と言った」
「それ、本当か?」
焔が仁之助をちらりと見た時、仁之助の顔は沈痛な面持ちであった。彼は両手を握り締めている。
「まだ、決まったわけじゃないよな」
「それを知りたいから、ここに来てる」
焔は敷地内に建つ幾つかの蔵に目を付けた。彼女は蔵の周囲をぐるりと一周りすると、戸を開けた。
「運が良い」
「おいおい、これ全部探すのか?」
その蔵は書庫として用いられていたようで、様々な書物が重なっていた。仁之助の目には膨大な量に見えた。
「この中で、新しいの本や日記を探せば良い。なんなら埃の薄い所、そこを見てくれれば……」
「わかったよ、手伝うって言ったのは俺だしな」
焔の指示で仁之助は文庫を漁り始める。何枚か紙を捲り、それらしいものでなければ端に寄せていく。焔は本を読む事が日課であったため、凄まじい速度で捌いていく。二人は黙々と本の山を積み上げていく。
「駄目だぁ、見つからん」
「んん、どうして……」
仁之助は天井を仰ぎ見て、焔は泣きそうな顔で紙片を捲る。いつ薺の兵に見つかるかもわからない焦燥感も二人を苦しめた。
「んああっ……ん?」
仁之助は俯こうとした顔を元に戻した。彼の視線は焔の積み上げた本の山に注がれた。開かれた本は薺城の城主の妻、彼女の身辺の記録であった。しかし、仁之助が気に掛かったのは別の部分であった。
「あ?ん?なんだ?」
「どうしたの?」
「いや、なんかこの名前、聞き覚えがな……?どこだったかな」
寄りかかった焔に見せるよう、仁之助は指を滑らせた。それは記録者の名前であった。そこには一文字だけ、継と書かれていた。
「……嘘」
「ん?知って……」
「貸して!!」
焔は仁之助の手から本を奪い取ると、勢い良く本の頭から尻まで目で追い続けた。そして再び、焔の育ての親である継の名前が出てきたのは定行の御産の記録の事であった。
「つまり……」
「あ、思い出した!!継って名前、世話になったって婆ちゃんか!!」
「……うん、そうだ。いや、そうかも、しれないってだけだけど」
焔は確信に到りかけた言葉を訂正した。それもその筈、城主の妻は一人息子の定行を産んだ事しか記載されていなかったのだ。しかし、仁之助は焔の肩を揺すった。
「どちらにせよ、これしかない!!行こう!!会いに!!」
「わかった!!」
そう言った時、大きな音がした。遠くで何かが崩れ落ちる音。焔と仁之助は急いで蔵を出た。
「あ、あ、薺の町が」
焔は慄いた。遠くの空が薄紅く染まりかけ、夜の色と混ざっている。
「燃えている」
薺の町に火が放たれた。
「助けてくれぇ!!」
「命だけは!!」
聞こえてくるは民の叫び、悲鳴。流す涙は乾いて落ちていく。
「奪え!!邪魔者は殺せ!!」
「使えぬ者は野晒しで良い!!子供を攫え!!」
簒奪者の怒号と時折の笑い声。蹂躙の快楽に身を窶した者達の宴。
「うおおおっ!!」
「仇を討つぞぉ!!」
国盗りを狙う他国の武者と薺の残党。威勢はどちらも負けていない。ただ、勝敗は誰もが理解していた。意志だけが介在する死体を積み重ねるだけの行為。その意味は戦った者のみが知り、決める。
「……酷い」
「これが、人のやる事かよ」
焔と仁之助は長屋の屋根を伝って町を行く。軒下を覗き込めば人の影、震える者も居れば息絶えた者も居る。半々程である。薺の城主の死が何処からか伝わったのだろう。盗賊、他国の侍、追い剥ぎ、敗残兵。人、思惑、欲、意志。有象無象が寄せては返す地獄に薺の国は呑まれていた。目を背けたくなる光景に吐き気を催す。足早に目的地へ向かう。目的地は焔が幼少期を過ごした家屋。微かな記憶を頼りに、残滓を一片、一片拾い集めるように薺の町を彷徨う。
「思い出せそうか?」
「この辺りに……」
焔は、不意に振り返る。遠方には薺城。薄暗い景色は何度かの瞬きのうち、一瞬青空に天守が映った。脳裏に僅かばかり残った絵のような風景。晴天と、見上げる程に大きく感じられた城。
「昔、ここから薺城を見た事がある」
焔は長屋の屋根から飛び降りた。周囲をぐるりと見渡した。
「ここだ。私の、昔過ごした」
古臭い家屋の前には箒や壺が乱雑に並べられている。幼い頃、壺によじ登ろうとして怒られた事を不意に思い出した。幾年、時が経とうとも幼少期を過ごした家屋の雰囲気は健在であった。
「行って来な」
「仁之助は?」
「火の手が近い。ここで見ておくから」
「ごめん、ありがとう」
「いいって」
仁之助に燃え盛る薺の町の注視を頼み、焔は家屋の戸を開けた。
「ようやく来たかい」
一声はそれであった。焔は面を食らう。奥には暗闇の中で、もぞもぞと動く影があった。どうやら、老婆は荷造りをしているらしい。彼女は此方を見ずに話を続けた。
「年寄りは物も多くてね。……まぁ、この期に及んで必要な物なんてないのだけども」
独特の抑揚、焔の中で確信に変わる。この老婆は、継であると。
「さて、逃げると……」
老婆が立ち上がり振り返る。ぎょろりとした目がさらに大きく開かれた。
「け、けい……」
「誰だい?アンタ」
「っ!?」
焔は息が詰まった。眼の前の老婆は焔の顔を睨みつけている。顔も、その眼も、忘れる事は無い。継婆ちゃん、本人である。しかし、継は私を私と認識していない。自分は今、どんな顔をしているだろう。焔の耳に声が流れる。
「野盗か、武士か、忍、忍が正しいか。赤毛を見るに、薺の者ではないな」
「私は」
焔が言いかけた時、継はその場に座り込んだ。
「……さぁ、おやりよ」
「な、何を言って」
「因果だよ。赤毛の」
継は頼み込むように両手を合わせた。
「時間があるなら聞いてっておくれ。老耄の昔話よ」
そう言うと、継は語り始めた。言葉の節々に、火の粉が弾ける音が重なった。
焔は勢い良く上体を起こした。未だ暗い夜の森の中らしい、烏の鳴き声が聞こえた。何度か咳き込み、呼吸を整える。
「良かった……目が覚めた」
焔は仁之助が側に居た事にやっと気付く。彼は薺城で見た時と変わらず、傷だらけのまま隣に座っていた。
「いきなり倒れたから、驚いた」
「ご、ごめん」
反射的に謝った焔に仁之助は微笑みで答えた。すると、森の中から足音が聞こえた。
「気が付いたか」
「頭領、申し訳ありません」
「無事ならば良い」
頭領は淡々と会話を終わらせると近くの荷物をまとめ始めた。
「早速ですまないが、ここは危険だ。帰るぞ」
「う……」
焔は一瞬口元を歪めた。頭領は僅かな所作にも気付いたらしい。焔の顔をまじまじ眺めた。
「隆豪には報告は済んでいる。ここからは帰るだけだ。いつ戻っても構わん」
「え?」
「これから薺国は地獄と化すぞ。いや、もう成っているかもしれん。気を付けろ」
頭領は最後に付け加えた。
「用があるなら終わらせると良い。ただ、必ず戻って来い」
頭領は森の中へ消えた。静寂が残る。
「……行っちゃった」
「だな」
焔は独り言を言ったつもりが、隣から声が聞こえた。仁之助の事を忘れていた。
「え、なんで居るの?」
「酷くない?爺ちゃんには置いてかれたし、俺も行く!!」
「えぇ、悪いよ。私だけの問題だし……」
興奮状態の仁之助は、たじろぐ焔の両肩を掴む。
「危ないらしいなら、二人のが危なくない!!」
「そりゃ、そうだけど」
「頼むよ!!行かせてくれ!!」
仁之助の必死の懇願に、焔はついに折れた。二人は再び薺城へと向かった。
「……簡単に忍び込めたな」
「外が騒がしいから、兵は出払ってるのかも」
薺城までの道中、二人が懸念した程の障害は何一つ起こらなかった。薺城の敷地内、仁之助は周囲に人が居ない事を確認すると焔へ問い掛けた。
「で、何が気になってるんだ?」
「……私の生まれ」
焔は言葉を濁しつつ仁之助から目を背けた。仁之助は顎に手を当てて思案する。
「生まれ?この城になにか関係あるのか?」
焔は一息間を置くと、足元を見た。小石が転がっており、少し寂しく感じた。
「……定行が最後に、私を見て姉上と言った」
「それ、本当か?」
焔が仁之助をちらりと見た時、仁之助の顔は沈痛な面持ちであった。彼は両手を握り締めている。
「まだ、決まったわけじゃないよな」
「それを知りたいから、ここに来てる」
焔は敷地内に建つ幾つかの蔵に目を付けた。彼女は蔵の周囲をぐるりと一周りすると、戸を開けた。
「運が良い」
「おいおい、これ全部探すのか?」
その蔵は書庫として用いられていたようで、様々な書物が重なっていた。仁之助の目には膨大な量に見えた。
「この中で、新しいの本や日記を探せば良い。なんなら埃の薄い所、そこを見てくれれば……」
「わかったよ、手伝うって言ったのは俺だしな」
焔の指示で仁之助は文庫を漁り始める。何枚か紙を捲り、それらしいものでなければ端に寄せていく。焔は本を読む事が日課であったため、凄まじい速度で捌いていく。二人は黙々と本の山を積み上げていく。
「駄目だぁ、見つからん」
「んん、どうして……」
仁之助は天井を仰ぎ見て、焔は泣きそうな顔で紙片を捲る。いつ薺の兵に見つかるかもわからない焦燥感も二人を苦しめた。
「んああっ……ん?」
仁之助は俯こうとした顔を元に戻した。彼の視線は焔の積み上げた本の山に注がれた。開かれた本は薺城の城主の妻、彼女の身辺の記録であった。しかし、仁之助が気に掛かったのは別の部分であった。
「あ?ん?なんだ?」
「どうしたの?」
「いや、なんかこの名前、聞き覚えがな……?どこだったかな」
寄りかかった焔に見せるよう、仁之助は指を滑らせた。それは記録者の名前であった。そこには一文字だけ、継と書かれていた。
「……嘘」
「ん?知って……」
「貸して!!」
焔は仁之助の手から本を奪い取ると、勢い良く本の頭から尻まで目で追い続けた。そして再び、焔の育ての親である継の名前が出てきたのは定行の御産の記録の事であった。
「つまり……」
「あ、思い出した!!継って名前、世話になったって婆ちゃんか!!」
「……うん、そうだ。いや、そうかも、しれないってだけだけど」
焔は確信に到りかけた言葉を訂正した。それもその筈、城主の妻は一人息子の定行を産んだ事しか記載されていなかったのだ。しかし、仁之助は焔の肩を揺すった。
「どちらにせよ、これしかない!!行こう!!会いに!!」
「わかった!!」
そう言った時、大きな音がした。遠くで何かが崩れ落ちる音。焔と仁之助は急いで蔵を出た。
「あ、あ、薺の町が」
焔は慄いた。遠くの空が薄紅く染まりかけ、夜の色と混ざっている。
「燃えている」
薺の町に火が放たれた。
「助けてくれぇ!!」
「命だけは!!」
聞こえてくるは民の叫び、悲鳴。流す涙は乾いて落ちていく。
「奪え!!邪魔者は殺せ!!」
「使えぬ者は野晒しで良い!!子供を攫え!!」
簒奪者の怒号と時折の笑い声。蹂躙の快楽に身を窶した者達の宴。
「うおおおっ!!」
「仇を討つぞぉ!!」
国盗りを狙う他国の武者と薺の残党。威勢はどちらも負けていない。ただ、勝敗は誰もが理解していた。意志だけが介在する死体を積み重ねるだけの行為。その意味は戦った者のみが知り、決める。
「……酷い」
「これが、人のやる事かよ」
焔と仁之助は長屋の屋根を伝って町を行く。軒下を覗き込めば人の影、震える者も居れば息絶えた者も居る。半々程である。薺の城主の死が何処からか伝わったのだろう。盗賊、他国の侍、追い剥ぎ、敗残兵。人、思惑、欲、意志。有象無象が寄せては返す地獄に薺の国は呑まれていた。目を背けたくなる光景に吐き気を催す。足早に目的地へ向かう。目的地は焔が幼少期を過ごした家屋。微かな記憶を頼りに、残滓を一片、一片拾い集めるように薺の町を彷徨う。
「思い出せそうか?」
「この辺りに……」
焔は、不意に振り返る。遠方には薺城。薄暗い景色は何度かの瞬きのうち、一瞬青空に天守が映った。脳裏に僅かばかり残った絵のような風景。晴天と、見上げる程に大きく感じられた城。
「昔、ここから薺城を見た事がある」
焔は長屋の屋根から飛び降りた。周囲をぐるりと見渡した。
「ここだ。私の、昔過ごした」
古臭い家屋の前には箒や壺が乱雑に並べられている。幼い頃、壺によじ登ろうとして怒られた事を不意に思い出した。幾年、時が経とうとも幼少期を過ごした家屋の雰囲気は健在であった。
「行って来な」
「仁之助は?」
「火の手が近い。ここで見ておくから」
「ごめん、ありがとう」
「いいって」
仁之助に燃え盛る薺の町の注視を頼み、焔は家屋の戸を開けた。
「ようやく来たかい」
一声はそれであった。焔は面を食らう。奥には暗闇の中で、もぞもぞと動く影があった。どうやら、老婆は荷造りをしているらしい。彼女は此方を見ずに話を続けた。
「年寄りは物も多くてね。……まぁ、この期に及んで必要な物なんてないのだけども」
独特の抑揚、焔の中で確信に変わる。この老婆は、継であると。
「さて、逃げると……」
老婆が立ち上がり振り返る。ぎょろりとした目がさらに大きく開かれた。
「け、けい……」
「誰だい?アンタ」
「っ!?」
焔は息が詰まった。眼の前の老婆は焔の顔を睨みつけている。顔も、その眼も、忘れる事は無い。継婆ちゃん、本人である。しかし、継は私を私と認識していない。自分は今、どんな顔をしているだろう。焔の耳に声が流れる。
「野盗か、武士か、忍、忍が正しいか。赤毛を見るに、薺の者ではないな」
「私は」
焔が言いかけた時、継はその場に座り込んだ。
「……さぁ、おやりよ」
「な、何を言って」
「因果だよ。赤毛の」
継は頼み込むように両手を合わせた。
「時間があるなら聞いてっておくれ。老耄の昔話よ」
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