22 / 52
22.
しおりを挟む
リーナを迎えに行ったのはハルフォーフ侯爵家。珍しい青碧の虹彩。そして、盗賊五人をあっさりと倒してしまった強さ。
「まさかな」
小さいく呟いたエドガーは、ディルクを見つめながら頭を振った。
「どうかしたのか?」
不思議そうに見返すディルクの穏やかな表情に、エドガーは救国の闘神の面影を見ることはできなかった。
「いや、何でもない」
エドガーはあの盗賊五人組が弱かっただけだと結論付けた。シュニッツラー侯爵領は広大であり、施作が行き届かない僻地の領民は貧しい暮らしをしている。そのような地域の農民が貧しさに耐えきれず、盗賊に身を落とすのは珍しいことではない。彼らは農民時代に剣など持ったことがないので弱いのは当たり前だ。
「もうすぐウェイランド伯爵領に着く。しかし、油断はするなよ」
エドガーは自らに言い聞かせるように、ディルクに警告した。
ウェイランド伯爵領はそれほど広くはなく田舎であるが、美しい湖と森を持つ風光明媚な土地である。領民は飢えることなどなく、穏やかに暮らしていた。
見渡す限りの麦畑の中を馬車は進んでいく。
「エックハルト様、お帰りなさい」
農作業をしていた農民たちが、前領主の乗った馬車を見て手を振っている。前ウェイランド伯爵夫妻も窓から手を振り返していた。
豊かな自然と優しい人々は、リーナの心も体も癒してくれるだろうとディルクは安心していた。
「俺の故郷はいいところだろう?」
エドガーは見慣れた風景を目にして嬉しくなり、ついディルクに自慢した。
「本当にいいところだ」
柔らかい日差しと微かの吹く風を受けながら、ディルクも同意していた。
程なくしてウェイランド伯爵邸に着く。現ウェイランド伯爵であるクリストは財務局に努めており、家族と共に王都住まいをしているので、エックハルトが実質上の当主である。
屋敷は深い森を背に建てられていた。広さはそれほどではないが、美しい佇まいを見せていた。
「美しいお屋敷ですね。とても素敵です」
馬車から降りたリーナが目を輝かせている。その様子を見たディルクは、リーナがここを気に入りすぎて王都に行きたくないと思ったらどうしようと心配していた。
「父様、お帰りなさい」
前ウェイランド伯爵夫妻とリーナが屋敷に入ると、エドガーの元へ赤い髪を三つ編みにした可愛らしい少女が走ってきた。
「アリーセ、ただいま。いい子にしていたか」
エドガーは愛娘を抱き上げてそう言った。
「父様、私はもう十五歳です。そのような子供扱いは止めてください!」
頬を膨らませて文句を言うアリーセは十分子どもであるとエドガーは思ったが、愛娘の機嫌を損ねたくはなかったので素直にアリーセを地に降ろした。
「俺の娘のアリーセなんだ。可愛いだろう? こいつは王都からお嬢様を護衛してきたディルクだ」
エドガーは親馬鹿の自覚があるのか少し照れている。
「アリーセです。お嬢様の侍女になる予定なんです。よろしくお願いします」
侍女の制服姿も初々しいアリーセが頭を下げる。
「僕はディルク。えっと、リーナ様の護衛かな? リーナ様をよろしく」
ディルクはリーナの侍女になるというアリーセが優しそうな少女で安心していた。アリーセは護衛にしては強そうに見えないディルクを不思議そうに見ている。
「俺の妻は奥様の侍女なんだ。アリーセの下に初等学校へ通っている娘が二人いる。本当は息子が欲しかったんだがな。娘婿に期待だな」
ディルクは娘を欲しがっていた母を思い浮かべ、子の性別は思うようにならないのだなと遠い目になった。そして、リーナとの子ならば男女どちらでもいいと考えて頬を染めていた。
「お嬢様に仕えさせていただきますアリーセです。父は護衛のエドガーなんです。よろしくお願いいたします」
元気よく挨拶するおさげの初々しいアリーセを、リーナはひと目で気に入った。年も近いのですぐに仲良くなれそうだ。
「私はリーナです。お世話をおかけすると思いますが、よろしくお願いいたします」
リーナの美しい笑顔にアリーセは魅せられていた。
リーナはウェイランド伯爵家縁の令嬢で、父が亡くなった後継母に監禁されていたと使用人たちは聞かされている。もちろん、アリーセもその話を信じていた。思った以上に痩せているリーナを心配し、アリーセは誠心誠意仕えようと決意していた。
その夜、リーナはバルコニーに出て少し欠けている月を見上げていた。
王都からウェイランド伯爵領まで五日間、ディルクと共に旅をしたが殆ど会話をしていない。
「あの時もそうだった」
リーナは一年前のブランデス訪問の時のことを思い出していた。国境からブランデスの王都まで五日間の旅、リーゼは第二王子と馬車の中で、甲冑姿のハルフォーフ将軍は馬にまたがっていた。必要最低限の会話しか交わさなかったが、大国の将軍らしからぬ気遣いが感じられて嬉しかったのを覚えている。
そして、この旅でもディルクの暖かさに安心感を抱いていた。
「それでも、もっと話したかった」
ディルクは翌朝に王都へと旅立つ予定になっているので、今宵が一緒にいられる最後の夜だ。
ディルクが外に出てリーナを想い月を見上げていると、二階のバルコニーで人影が見えた。部屋からの明かりに照らされて輝くプラチナブロンドの美しい髪を見誤るはずはない。
ディルクは壁に手をかけてするすると登り始める。
「ディルク、逢いたい」
リーナが呟く。
「僕も逢いたかった」
バルコニーに降り立ち、ディルクが微笑んだ。
「ディルク!」
隣の部屋に控えているアリーセに聞かれぬように、声を抑えたリーナがディルクに駆け寄る。
「リーナ!」
リーナを軽く抱きしめながら、ディルクも声を抑えて愛しい人の名を呼んだ。
「逢いたかった。ずっとディルクのことを想っていたの。昨年出会った時のことや、ハルフォーフ家のことも」
ディルクから受ける二度目の抱擁は、夜風に冷えたリーナの体にとても気持ちがいい。
「僕もずっとリーナを想っていた。あの月がもう一度満ちたら必ず迎えに来る。そうしたら、リーナは僕の婚約者だよ。そして、半年後には結婚式だ」
ディルクはリーナを抱きしめる腕を片方外して、リーナの顎を持ち上を向かせて触れるだけの口づけを落とした。
リーナの部屋の隣には侍女の部屋がありアリーセが控えていた。小さな窓から外を見ると、リーナの部屋から続くバルコニーで抱き合うリーナとディルクが見えた。
会話内容は聞こえないアリーセは、二人は禁断の恋人同士だと勘違いをする。
「応援してあげたいけれど、伯爵令嬢とただの護衛。難しいわよね」
それでも今夜のことは父にも話さず、自分の胸だけに仕舞っておこうとアリーセは考えていた。
***
二千十八年四月二十八日 鈴元 香奈 著
「まさかな」
小さいく呟いたエドガーは、ディルクを見つめながら頭を振った。
「どうかしたのか?」
不思議そうに見返すディルクの穏やかな表情に、エドガーは救国の闘神の面影を見ることはできなかった。
「いや、何でもない」
エドガーはあの盗賊五人組が弱かっただけだと結論付けた。シュニッツラー侯爵領は広大であり、施作が行き届かない僻地の領民は貧しい暮らしをしている。そのような地域の農民が貧しさに耐えきれず、盗賊に身を落とすのは珍しいことではない。彼らは農民時代に剣など持ったことがないので弱いのは当たり前だ。
「もうすぐウェイランド伯爵領に着く。しかし、油断はするなよ」
エドガーは自らに言い聞かせるように、ディルクに警告した。
ウェイランド伯爵領はそれほど広くはなく田舎であるが、美しい湖と森を持つ風光明媚な土地である。領民は飢えることなどなく、穏やかに暮らしていた。
見渡す限りの麦畑の中を馬車は進んでいく。
「エックハルト様、お帰りなさい」
農作業をしていた農民たちが、前領主の乗った馬車を見て手を振っている。前ウェイランド伯爵夫妻も窓から手を振り返していた。
豊かな自然と優しい人々は、リーナの心も体も癒してくれるだろうとディルクは安心していた。
「俺の故郷はいいところだろう?」
エドガーは見慣れた風景を目にして嬉しくなり、ついディルクに自慢した。
「本当にいいところだ」
柔らかい日差しと微かの吹く風を受けながら、ディルクも同意していた。
程なくしてウェイランド伯爵邸に着く。現ウェイランド伯爵であるクリストは財務局に努めており、家族と共に王都住まいをしているので、エックハルトが実質上の当主である。
屋敷は深い森を背に建てられていた。広さはそれほどではないが、美しい佇まいを見せていた。
「美しいお屋敷ですね。とても素敵です」
馬車から降りたリーナが目を輝かせている。その様子を見たディルクは、リーナがここを気に入りすぎて王都に行きたくないと思ったらどうしようと心配していた。
「父様、お帰りなさい」
前ウェイランド伯爵夫妻とリーナが屋敷に入ると、エドガーの元へ赤い髪を三つ編みにした可愛らしい少女が走ってきた。
「アリーセ、ただいま。いい子にしていたか」
エドガーは愛娘を抱き上げてそう言った。
「父様、私はもう十五歳です。そのような子供扱いは止めてください!」
頬を膨らませて文句を言うアリーセは十分子どもであるとエドガーは思ったが、愛娘の機嫌を損ねたくはなかったので素直にアリーセを地に降ろした。
「俺の娘のアリーセなんだ。可愛いだろう? こいつは王都からお嬢様を護衛してきたディルクだ」
エドガーは親馬鹿の自覚があるのか少し照れている。
「アリーセです。お嬢様の侍女になる予定なんです。よろしくお願いします」
侍女の制服姿も初々しいアリーセが頭を下げる。
「僕はディルク。えっと、リーナ様の護衛かな? リーナ様をよろしく」
ディルクはリーナの侍女になるというアリーセが優しそうな少女で安心していた。アリーセは護衛にしては強そうに見えないディルクを不思議そうに見ている。
「俺の妻は奥様の侍女なんだ。アリーセの下に初等学校へ通っている娘が二人いる。本当は息子が欲しかったんだがな。娘婿に期待だな」
ディルクは娘を欲しがっていた母を思い浮かべ、子の性別は思うようにならないのだなと遠い目になった。そして、リーナとの子ならば男女どちらでもいいと考えて頬を染めていた。
「お嬢様に仕えさせていただきますアリーセです。父は護衛のエドガーなんです。よろしくお願いいたします」
元気よく挨拶するおさげの初々しいアリーセを、リーナはひと目で気に入った。年も近いのですぐに仲良くなれそうだ。
「私はリーナです。お世話をおかけすると思いますが、よろしくお願いいたします」
リーナの美しい笑顔にアリーセは魅せられていた。
リーナはウェイランド伯爵家縁の令嬢で、父が亡くなった後継母に監禁されていたと使用人たちは聞かされている。もちろん、アリーセもその話を信じていた。思った以上に痩せているリーナを心配し、アリーセは誠心誠意仕えようと決意していた。
その夜、リーナはバルコニーに出て少し欠けている月を見上げていた。
王都からウェイランド伯爵領まで五日間、ディルクと共に旅をしたが殆ど会話をしていない。
「あの時もそうだった」
リーナは一年前のブランデス訪問の時のことを思い出していた。国境からブランデスの王都まで五日間の旅、リーゼは第二王子と馬車の中で、甲冑姿のハルフォーフ将軍は馬にまたがっていた。必要最低限の会話しか交わさなかったが、大国の将軍らしからぬ気遣いが感じられて嬉しかったのを覚えている。
そして、この旅でもディルクの暖かさに安心感を抱いていた。
「それでも、もっと話したかった」
ディルクは翌朝に王都へと旅立つ予定になっているので、今宵が一緒にいられる最後の夜だ。
ディルクが外に出てリーナを想い月を見上げていると、二階のバルコニーで人影が見えた。部屋からの明かりに照らされて輝くプラチナブロンドの美しい髪を見誤るはずはない。
ディルクは壁に手をかけてするすると登り始める。
「ディルク、逢いたい」
リーナが呟く。
「僕も逢いたかった」
バルコニーに降り立ち、ディルクが微笑んだ。
「ディルク!」
隣の部屋に控えているアリーセに聞かれぬように、声を抑えたリーナがディルクに駆け寄る。
「リーナ!」
リーナを軽く抱きしめながら、ディルクも声を抑えて愛しい人の名を呼んだ。
「逢いたかった。ずっとディルクのことを想っていたの。昨年出会った時のことや、ハルフォーフ家のことも」
ディルクから受ける二度目の抱擁は、夜風に冷えたリーナの体にとても気持ちがいい。
「僕もずっとリーナを想っていた。あの月がもう一度満ちたら必ず迎えに来る。そうしたら、リーナは僕の婚約者だよ。そして、半年後には結婚式だ」
ディルクはリーナを抱きしめる腕を片方外して、リーナの顎を持ち上を向かせて触れるだけの口づけを落とした。
リーナの部屋の隣には侍女の部屋がありアリーセが控えていた。小さな窓から外を見ると、リーナの部屋から続くバルコニーで抱き合うリーナとディルクが見えた。
会話内容は聞こえないアリーセは、二人は禁断の恋人同士だと勘違いをする。
「応援してあげたいけれど、伯爵令嬢とただの護衛。難しいわよね」
それでも今夜のことは父にも話さず、自分の胸だけに仕舞っておこうとアリーセは考えていた。
***
二千十八年四月二十八日 鈴元 香奈 著
32
お気に入りに追加
3,231
あなたにおすすめの小説

【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています

デブスの伯爵令嬢と冷酷将軍が両思いになるまで~痩せたら死ぬと刷り込まれてました~
バナナマヨネーズ
恋愛
伯爵令嬢のアンリエットは、死なないために必死だった。
幼い頃、姉のジェシカに言われたのだ。
「アンリエット、よく聞いて。あなたは、普通の人よりも体の中のマナが少ないの。このままでは、すぐマナが枯渇して……。死んでしまうわ」
その言葉を信じたアンリエットは、日々死なないために努力を重ねた。
そんなある日のことだった。アンリエットは、とあるパーティーで国の英雄である将軍の気を引く行動を取ったのだ。
これは、デブスの伯爵令嬢と冷酷将軍が両思いになるまでの物語。
全14話
※小説家になろう様にも掲載しています。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
【完結】ふざけるのもいい加減にしてください。お金に困った婚約者が私を賭け事のチップの担保にしてました。
西東友一
恋愛
目が覚めると、私は椅子の上で縛られており、目の前には婚約者のカイジンがポーカーをしていた。
なんと、金に困った彼は私を賭けのチップにしていた。
相手はなんと…王子であるウィン王子だった。
※※
5/5に完成予定でしたが、5/8になりました。
ご容赦ください。

時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
屋月 トム伽
恋愛
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。(リディアとオズワルド以外はなかった事になっているのでifとしてます。)
私は、リディア・ウォード侯爵令嬢19歳だ。
婚約者のレオンハルト・グラディオ様はこの国の第2王子だ。
レオン様の誕生日パーティーで、私はエスコートなしで行くと、婚約者のレオン様はアリシア男爵令嬢と仲睦まじい姿を見せつけられた。
一人壁の花になっていると、レオン様の兄のアレク様のご友人オズワルド様と知り合う。
話が弾み、つい地がでそうになるが…。
そして、パーティーの控室で私は襲われ、倒れてしまった。
朦朧とする意識の中、最後に見えたのはオズワルド様が私の名前を叫びながら控室に飛び込んでくる姿だった…。
そして、目が覚めると、オズワルド様と半年前に時間が戻っていた。
レオン様との婚約を避ける為に、オズワルド様と婚約することになり、二人の日常が始まる。
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。
第14回恋愛小説大賞にて奨励賞受賞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる