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42.S字トラップ
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数日後、屋敷探索や欲しいものリストを作ったりしていると、サムから水場用の排水管が出来上がったと面会の申し込みがあった。
早速、『水場へ設置してもらおう』と思ったのだが、以前水場に入って倒れたこともあったので、メリアやメイドたち全員に止められた。
だが、翌日、サムの森番小屋に仮設置したという連絡があったので、ボク達はサムの小屋へと向かう。
今回はマルカとテレサ、レーネという前回のメンバーに加えて、メリアも一緒に来た。
森番小屋まで行くと、サムとターナー、それともう1人、サム達より身なりの良い恰好をした背が低くてガッシリとしたヒゲモジャの男の人が待っていた。
「本日はいい天気で良いこって、ご主人様に来てもらってありがてえことです。」
と、サムが挨拶をする。
おそらく出来るだけ丁寧な言葉遣いで挨拶してるつもりなんだと思うけど、サムのその挨拶を受けてメリアとマルカはちょっと顔を顰めている。
そんなメリアとマルカはさておき、早速出来上がったモノを見せてもらう。
見ると、庭の井戸の横、排水溝の上にレンガを組んだ台が作られており、その上に便座のない洋式水洗便器のようなものが鎮座していた。
うーむ、図面を描いているときもそうだったが、前世には便器だったモノだけに、便座がなかったり、色が茶色だったり、下部が壺のような形をしていたりしても、やっぱり洋式便器に見えるから不思議だ。
もちろん便器に見えているのはボクだけなので、他の者たちは気にしていない。
サムとターナーなどは、便器の横で誇らしげに便器に手をかけて、
「ご指示いただいたモノでごぜえます。
どうぞ、ご確認くだせえませ。」
と、恭しく礼をしている。
「どれどれ?」
ボクが便器が据え付けられた台の上に登ると、マルカとテレサが傍に立つ。
便器にはすでに水が溜まっていた。
「コレはなんですの?ご主人様。」
メリアがボクの後ろから肩越しに便器を見る。
「コレは、水場の排水溝からの匂いを防ぐための水のフタだよ。」
「水のフタ?しかし、水は流れ落ちてしまいますわよね?」
メリアは前回居なかったから仕方ないんだけど、また説明が必要なのか。
そう思ったけど、
「まあ、見てくだせえ。」
サムが水の入った木のバケツを持ってきた。
そして、一気に便器の中へ水を流し込む。
バシャー、ゴボゴボ、ズ、ブゴゴゴ。
水はいったん便器の中に溜まったかと思うと一気に水かさが減り、次の瞬間には一気に吸い込まれ、台の下の排水溝へ水が勢いよく流れていった。
「んな!?なんですの?コレは?」
前回の説明を聞いていなかったメリアはもちろん、マルカやテレサたちも目を丸く見開いて驚いている。
まあ、前回の説明じゃあただ水が越流して流れただけだったからねぇ。
「コレはサイフォンの原理っていう水が流れる時の力を使った排水管なんだ。
コレを設置すれば、もう穴から匂いが上がってくることもないよ。」
ボクが得意げに説明すると、
「失礼いたしまする。トマスと言いまする。少し、お話しさせていただけたらと存じまする。」
そう言ってもう1人のヒゲモジャの人が話し出した。
「説明しやすいように、このようなモノを作ってみました。」
そう言って、金属のパイプでできた、まさに排水管のS字トラップの模型を持ってきた。
す、スゴい!ちゃんとした排水トラップだ!
「なぁんだ、ちゃんとこういうのがあるんじゃないか。」
ボクがそういうと、トマスは首を振り、
「いえ、私もこのようなモノを作ったのは初めてでございまする。」
「え?そうなの?」
スゴくよくできているから、初めて作ったとは思わなかった。
「こちらご主人様の設計図を元に簡単に配管の部分だけを取り出したモノでございまするが、この仕組みは、はじめ注ぎ口より注ぎたる水はその重みにより下へと下り、直下の配管の折り返しを過ぎても勢い収まらず、上側の折り返しを過ぎたりて再度落下するに至りまする。その際、この上側の折り返しを過ぎたる水は流れ落ちる際、自らより後進の水を引き下ろしたる力を持ちたることを確認いたしましてございまする。」
うん、その通り。
でも、それにしても変なしゃべり方する人だなぁ。
「説明ありがとう。」
「恐悦至極にござりまする。」
ヒゲモジャの人はそう言って恭しく礼をすると、一歩後ろへ下がった。
「という訳で、上からゴミを入れる、ある程度の水を入れる、すると水と一緒にゴミが流れていく。そういう仕組みなんだ。」
みんな『へぇ~』って感じの顔をしていたけれど、物珍しいのか代わる代わるバケツで水を流してみている。
それを眺めていると、さっきの髭もじゃのトマスさんがやって来た。、
「こちらの仕掛けについてご質問させていただきたく候えば、お知恵をご教授いただけるならば誠にこの身、光栄の至りにて御座候。」
「うん構わないよ?でも、そのしゃべり方、もう少し楽にできない?言葉わかんなくて答えにくくなっちゃうよ。」
正確にはちょっと違うんだろうけど『候う候う御座候う』って感じで、なんだか仰々しい言い方で話し続けられると、ただでさえ言葉がわからないのに、聞き取り辛くて何を言っているのかわからなくなってしまう。
なんだか彼もそういう話し方にあんまり慣れていない感じがするし、わからない同士ならそんな無駄なことはやりたくはない。
「よろしいのですか?……それでは、少々崩させて頂きまする。」
チラリとメリアの顔色を伺った彼は、そう言ってそれまでの中腰っぽい体勢から真っ直ぐに背筋を伸ばした。
「こちらの排水菅を水場へ設置せよとお伺いいたしておりまするが、どのようにいたせば宜しいでしょうか?なにかご要望などございまするか?」
さっきよりマシになっているけど、相変わらず変な感じだなぁ。
それはさておき、
「うん。今回の排水菅は水場用だけど、今後はこれに『便座』をつけて『トイレ』に設置したいと思ってる。ボクもいつまでも自分の部屋で用をたすのはイヤだからね。」
トマスは大きく頷きながらボクの話を聞いている。
「なるほど、誠にご立派なお考えでございまする。して、『トイルェ』とはいかなるモノでございましょうや?」
「え?」
「はい……?」
トマスの言葉に驚いたボクとボクの次の言葉を待つトマス。
1~2秒ほど見つめあった後、
「申し訳ござりませぬ。この身、不勉強なためトイルェなるモノを知らぬのです。」
不味いことを言ったと思ったのか、両手を胸の前でクロスさせて跪いて謝罪する。
それまで洋式便器で水を流して不思議がっていた全員の注意が一斉にこっちに向いた。
「いやいや、怒ってないよ。それより『トイレ』知らない?オシッコとかするところ。」
ボクが慌てて説明すると、
「なるほど!水場のことだったので御座いまするな!お教えいただき有り難き幸せにございまする。」
そう言ってヒゲを揺らしてガハハと笑った。
もしかして、水場ってトイレも兼ねてるのかな?。
そういえば、前世語でも『御手洗い』とかって言ってたもんね。
「別に構わないよ。それよりも、水場ってオシッコとかも捨てたりするの?」
「捨てまするな。主に水物、ナマモノ、排泄物などを捨てまする。地下の川に詰まるようなモノはダメですが。」
どうやら水場って、下水とダストシュートを兼ねたようなものらしい。
「でも、そんなに何もかも捨てたら埋まっちゃうんじゃないの。」
「数日に一度は大きな水を流して川に押し流すので大丈夫でございますよ。」
おいおい。
数日に一度とはいえ、そんなゴミや排泄物が流されてるなんて、近くの川はひどい状態かもしれない。
「ところで、ヴェンザというのはいかなるモノでしょうか?よろしければお作りさせていただきまするぞ?」
ボクがウンザリしたような顔をしていると、トマスがご機嫌を伺うように提案をしてきた。
「うーん、あれの上でオシッコ出来るような椅子みたいなのを設置したいんだけど、出来る?」
「なるほど、あの上で用を足すということは、あのタライの上の部分を『詩作りの椅子』として使用するということなのですな!用を足した後は即座に水を流して匂いを断つとは、流石でございますな。」
う~ん、何がさすがなのかわからないが『詩作りの椅子』ってなんだ?
「詩作りの椅子ってナニ?」
「おや?あの椅子に座ると落ち着いた気持ちになり、普段より詩作りの思索に耽ることが出来ると聞いておりまする。故に『詩作りの椅子』であると聞いたことがありまするが、違うのでございまするか?」
「へぇ~、なるほどね。」
そういえば前世の知識にも、便器に座って考えてる人がいたなぁ。
トイレしている時って、妙に達観したような気持ちになるし、そういう効果があるのかもしれない。
「そうだね。それじゃあ、落ち着いて考え事ができるように、良い香りのするお香なんか置いて、じっくりと考え事が出来るようにしたいものだね。」
ボクの言葉に、トマスは、ホウと感心したような顔をして少し考え、
「なるほど椅子だけではなく、香りなどを用いて落ち着けるようにでございまするか……。それは良きお考えにございまするな!」
そう言ってまた感心したように頷いた。
なんだろうな、どこに感心する要素があったのかはわからないが、とりあえずその場では水場への設置と便座付きの便器の作成を頼んで屋敷へ帰った。
その日は、知らない人とよくわからない会話をしたので疲れていたのか、夕方ぐらいから眠くなってしまい、その夜はスゴくよく眠ったのだった。
早速、『水場へ設置してもらおう』と思ったのだが、以前水場に入って倒れたこともあったので、メリアやメイドたち全員に止められた。
だが、翌日、サムの森番小屋に仮設置したという連絡があったので、ボク達はサムの小屋へと向かう。
今回はマルカとテレサ、レーネという前回のメンバーに加えて、メリアも一緒に来た。
森番小屋まで行くと、サムとターナー、それともう1人、サム達より身なりの良い恰好をした背が低くてガッシリとしたヒゲモジャの男の人が待っていた。
「本日はいい天気で良いこって、ご主人様に来てもらってありがてえことです。」
と、サムが挨拶をする。
おそらく出来るだけ丁寧な言葉遣いで挨拶してるつもりなんだと思うけど、サムのその挨拶を受けてメリアとマルカはちょっと顔を顰めている。
そんなメリアとマルカはさておき、早速出来上がったモノを見せてもらう。
見ると、庭の井戸の横、排水溝の上にレンガを組んだ台が作られており、その上に便座のない洋式水洗便器のようなものが鎮座していた。
うーむ、図面を描いているときもそうだったが、前世には便器だったモノだけに、便座がなかったり、色が茶色だったり、下部が壺のような形をしていたりしても、やっぱり洋式便器に見えるから不思議だ。
もちろん便器に見えているのはボクだけなので、他の者たちは気にしていない。
サムとターナーなどは、便器の横で誇らしげに便器に手をかけて、
「ご指示いただいたモノでごぜえます。
どうぞ、ご確認くだせえませ。」
と、恭しく礼をしている。
「どれどれ?」
ボクが便器が据え付けられた台の上に登ると、マルカとテレサが傍に立つ。
便器にはすでに水が溜まっていた。
「コレはなんですの?ご主人様。」
メリアがボクの後ろから肩越しに便器を見る。
「コレは、水場の排水溝からの匂いを防ぐための水のフタだよ。」
「水のフタ?しかし、水は流れ落ちてしまいますわよね?」
メリアは前回居なかったから仕方ないんだけど、また説明が必要なのか。
そう思ったけど、
「まあ、見てくだせえ。」
サムが水の入った木のバケツを持ってきた。
そして、一気に便器の中へ水を流し込む。
バシャー、ゴボゴボ、ズ、ブゴゴゴ。
水はいったん便器の中に溜まったかと思うと一気に水かさが減り、次の瞬間には一気に吸い込まれ、台の下の排水溝へ水が勢いよく流れていった。
「んな!?なんですの?コレは?」
前回の説明を聞いていなかったメリアはもちろん、マルカやテレサたちも目を丸く見開いて驚いている。
まあ、前回の説明じゃあただ水が越流して流れただけだったからねぇ。
「コレはサイフォンの原理っていう水が流れる時の力を使った排水管なんだ。
コレを設置すれば、もう穴から匂いが上がってくることもないよ。」
ボクが得意げに説明すると、
「失礼いたしまする。トマスと言いまする。少し、お話しさせていただけたらと存じまする。」
そう言ってもう1人のヒゲモジャの人が話し出した。
「説明しやすいように、このようなモノを作ってみました。」
そう言って、金属のパイプでできた、まさに排水管のS字トラップの模型を持ってきた。
す、スゴい!ちゃんとした排水トラップだ!
「なぁんだ、ちゃんとこういうのがあるんじゃないか。」
ボクがそういうと、トマスは首を振り、
「いえ、私もこのようなモノを作ったのは初めてでございまする。」
「え?そうなの?」
スゴくよくできているから、初めて作ったとは思わなかった。
「こちらご主人様の設計図を元に簡単に配管の部分だけを取り出したモノでございまするが、この仕組みは、はじめ注ぎ口より注ぎたる水はその重みにより下へと下り、直下の配管の折り返しを過ぎても勢い収まらず、上側の折り返しを過ぎたりて再度落下するに至りまする。その際、この上側の折り返しを過ぎたる水は流れ落ちる際、自らより後進の水を引き下ろしたる力を持ちたることを確認いたしましてございまする。」
うん、その通り。
でも、それにしても変なしゃべり方する人だなぁ。
「説明ありがとう。」
「恐悦至極にござりまする。」
ヒゲモジャの人はそう言って恭しく礼をすると、一歩後ろへ下がった。
「という訳で、上からゴミを入れる、ある程度の水を入れる、すると水と一緒にゴミが流れていく。そういう仕組みなんだ。」
みんな『へぇ~』って感じの顔をしていたけれど、物珍しいのか代わる代わるバケツで水を流してみている。
それを眺めていると、さっきの髭もじゃのトマスさんがやって来た。、
「こちらの仕掛けについてご質問させていただきたく候えば、お知恵をご教授いただけるならば誠にこの身、光栄の至りにて御座候。」
「うん構わないよ?でも、そのしゃべり方、もう少し楽にできない?言葉わかんなくて答えにくくなっちゃうよ。」
正確にはちょっと違うんだろうけど『候う候う御座候う』って感じで、なんだか仰々しい言い方で話し続けられると、ただでさえ言葉がわからないのに、聞き取り辛くて何を言っているのかわからなくなってしまう。
なんだか彼もそういう話し方にあんまり慣れていない感じがするし、わからない同士ならそんな無駄なことはやりたくはない。
「よろしいのですか?……それでは、少々崩させて頂きまする。」
チラリとメリアの顔色を伺った彼は、そう言ってそれまでの中腰っぽい体勢から真っ直ぐに背筋を伸ばした。
「こちらの排水菅を水場へ設置せよとお伺いいたしておりまするが、どのようにいたせば宜しいでしょうか?なにかご要望などございまするか?」
さっきよりマシになっているけど、相変わらず変な感じだなぁ。
それはさておき、
「うん。今回の排水菅は水場用だけど、今後はこれに『便座』をつけて『トイレ』に設置したいと思ってる。ボクもいつまでも自分の部屋で用をたすのはイヤだからね。」
トマスは大きく頷きながらボクの話を聞いている。
「なるほど、誠にご立派なお考えでございまする。して、『トイルェ』とはいかなるモノでございましょうや?」
「え?」
「はい……?」
トマスの言葉に驚いたボクとボクの次の言葉を待つトマス。
1~2秒ほど見つめあった後、
「申し訳ござりませぬ。この身、不勉強なためトイルェなるモノを知らぬのです。」
不味いことを言ったと思ったのか、両手を胸の前でクロスさせて跪いて謝罪する。
それまで洋式便器で水を流して不思議がっていた全員の注意が一斉にこっちに向いた。
「いやいや、怒ってないよ。それより『トイレ』知らない?オシッコとかするところ。」
ボクが慌てて説明すると、
「なるほど!水場のことだったので御座いまするな!お教えいただき有り難き幸せにございまする。」
そう言ってヒゲを揺らしてガハハと笑った。
もしかして、水場ってトイレも兼ねてるのかな?。
そういえば、前世語でも『御手洗い』とかって言ってたもんね。
「別に構わないよ。それよりも、水場ってオシッコとかも捨てたりするの?」
「捨てまするな。主に水物、ナマモノ、排泄物などを捨てまする。地下の川に詰まるようなモノはダメですが。」
どうやら水場って、下水とダストシュートを兼ねたようなものらしい。
「でも、そんなに何もかも捨てたら埋まっちゃうんじゃないの。」
「数日に一度は大きな水を流して川に押し流すので大丈夫でございますよ。」
おいおい。
数日に一度とはいえ、そんなゴミや排泄物が流されてるなんて、近くの川はひどい状態かもしれない。
「ところで、ヴェンザというのはいかなるモノでしょうか?よろしければお作りさせていただきまするぞ?」
ボクがウンザリしたような顔をしていると、トマスがご機嫌を伺うように提案をしてきた。
「うーん、あれの上でオシッコ出来るような椅子みたいなのを設置したいんだけど、出来る?」
「なるほど、あの上で用を足すということは、あのタライの上の部分を『詩作りの椅子』として使用するということなのですな!用を足した後は即座に水を流して匂いを断つとは、流石でございますな。」
う~ん、何がさすがなのかわからないが『詩作りの椅子』ってなんだ?
「詩作りの椅子ってナニ?」
「おや?あの椅子に座ると落ち着いた気持ちになり、普段より詩作りの思索に耽ることが出来ると聞いておりまする。故に『詩作りの椅子』であると聞いたことがありまするが、違うのでございまするか?」
「へぇ~、なるほどね。」
そういえば前世の知識にも、便器に座って考えてる人がいたなぁ。
トイレしている時って、妙に達観したような気持ちになるし、そういう効果があるのかもしれない。
「そうだね。それじゃあ、落ち着いて考え事ができるように、良い香りのするお香なんか置いて、じっくりと考え事が出来るようにしたいものだね。」
ボクの言葉に、トマスは、ホウと感心したような顔をして少し考え、
「なるほど椅子だけではなく、香りなどを用いて落ち着けるようにでございまするか……。それは良きお考えにございまするな!」
そう言ってまた感心したように頷いた。
なんだろうな、どこに感心する要素があったのかはわからないが、とりあえずその場では水場への設置と便座付きの便器の作成を頼んで屋敷へ帰った。
その日は、知らない人とよくわからない会話をしたので疲れていたのか、夕方ぐらいから眠くなってしまい、その夜はスゴくよく眠ったのだった。
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