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34.S字トラップとサイフォンの原理
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森番の小屋から戻った翌日、再び森番の小屋へ行くことにした。
メリアは
「どうして今日も森番の小屋に向かうのですか?」
と、明らかに躊躇っていたが、帰ってから夜に思いついたことがあったのだ。
「今日はテレサだけでも良いよ。」
と言ったが、結局、マルカも付いてくることになった。
ボクとしてはついてくるなら一番扱いやすいテレサか、ちょっと抜けているレーネが良かったんだけど、しっかり者っぽいマルカがついてくるのはお目付役ってことだろうか。
馬車に乗って森番の小屋へと着くと、今日はサムとターナーが表で待っていた。先に連絡が行っていたらしい。
「ええと、ご主人様、ようこそおいで下さいました。今日はいい日です。」
うん?緊張しているのか、ターナーが変な言葉使いになってる。
こっちも言葉は覚えたてなので、変な言葉使いされると理解できなくて困る。
なので、
「楽にしてよ。ボクよくわかんないんだから。」
と言って楽にしてもらう。
とは言ったものの、テレサとマルカには2人ともビビってる感が強い。
特にマルカは地味だけどスゴい美人なので黙って立っているだけで圧がすごい。
「マルカ、テレサ、怖い顔したらダメだよ?」
ここは先に釘を刺しておこう。
「はっ、仰せのままに。」
「仰せの、ままに……。」
相変わらずテレサは返事は良いな。
対してマルカはちょっと歯切れが悪い。
うーん、マルカはちょっと真面目すぎるとこがあるからなぁ、仕方ないかな。
「今日なんだけど、ちょっと頼みたいことがあって来たんだ。昨日焼いてた配管は出来上がったの?」
昨日は陶器製の排水菅を作ってるって言ってたはずだ。
「へい、昨日素焼きが終わったんで、これから泥を塗ってもう一回焼くんでさ。今日はまだ熱いまんまだから冷ましているところでさあ。」
なんだ、まだ実物は見れないのか。
「うまく行くと良いね。ところで、頼みたいモノなんだけど、テレサ、絵を見せてあげて。」
実は今日、朝から簡単な絵を描いておいたのだ。
テレサが絵図面を広げてくれると、そこには三面図で描いた設計図が描いてある。
もちろん手書きなので、直線は曲がっていたりするけれど、簡単なモノなので、大体伝わればいけるはずだ。
「こ、これは!?……何ですか?」
サムとターナーが驚いている。
と、いうよりはなんだかさっぱりわからない様子だ。
まあ、図面を見ただけじゃなんだかわからないよね。
マルカに図面の横に説明書きを書いて貰ってあるんだけど、説明は必要かな?
「これは水場のゴミ受けタライの設計図なんだ。このタライの部分にゴミを捨てるのは変わらないけど、捨てたら水で洗い流すようになってる。」
水場とはボクが入ってニオイが臭すぎて倒れてしまった因縁の場所である。
今は、下水に直管で繋がっており下水のニオイが素通りしてしまっている。
そこにはS字トラップ、簡単に言えば水洗トイレの便器の構造をしたタライを設置することでニオイを防ぐのだ。
「ここに説明を書いてもらったからわからないときは読んでね。」
と言うと、サムとターナーは書かれた字を見て、
「すいやせん。あっしらこういう字は読めねえんでさ。」
と言って首を振った。
うん?こういう字?
図面を見ると、とても流麗なというかキレイな筆記体のような文字が書かれている。
実は何が書いてあるのか、ボクも読めない。
ボクがマルカを見ると、みんな一斉にマルカを見る。
「申し訳ございません。まさか読めないとは思わず……。書き直します。」
マルカはそう言って流麗な文字の下にカクカクした字を書きはじめる。
「すみません。失念いたしておりました。『真の文字』はあまり下の者に通じないことを忘れておりました。申し訳ございませんでした。」
どうやらこの流麗な文字は『真の文字』と言うらしい。
何が『真』なんだろう?
もしかして『母国語』とかいう意味だろうか?
「まあ、仕方ないよ。」
そんなことを言っていると、図面を見ていたサムがオズオズと手を上げる。
「この配管ですが、途中で曲がっとりやす。これじゃあ水は流れんと思うんですが、本当にこれでよろしいんでごぜえますか?」
サムが指差しているのはS字トラップのパイプが下から上に曲がっている部分だった。
「こっちのタライの方が高い位置まで水を入れられるから流れるよ?あとはサイフォンの原理で一気に流れてくれるんだよ。」
と説明すると、テレサは無表情、マルカ、サムは少し困惑した表情、ターナーはあからさまに『そんなバカな』的な顔をしている。
あれ?サムとターナーはともかく、マルカまでなんでそんな顔してんの?
次の瞬間、テレサがターナーの方を睨むと、ターナーは泣きそうな表情になる。
「あれ?サイフォンの原理、知らない?」
テレサ以外はお互いの顔を見合わせる。
どうやらテレサ以外の人は理科は苦手らしい。
「はいテレサ、説明してあげて。」
「はい。わかりません。」
……おい。
わかってるから平気な顔をしてたんじゃなかったのか?
仕方がない。
説明するか。
「簡単に言うなら、密閉された管の水の吐き出し口を片方の水面より下にしている限り水は流れ続けるってこと。」
「「「?」」」
説明したボクの言葉にテレサを含めた全員の顔が『?』になっている。
言葉だけじゃわかんないかな。
「なにか曲がった管があれば見せてあげられるんだけどねぇ。」
ボクの言葉にサムが、
「曲がった管が有れば良いんででございやすか?」
そう言って奥へと行くと奥から壊れたラッパを持ってきた。
銅製なのか青黒く錆びており、へんな形に曲がっているが元々は真っ直ぐのラッパだったようだ。
「昔拾ったもんですが、これではどうでやしょうか?」
曲がってはいるが、見たところ穴などは空いて無さそうだ。
「やってみる?タライか桶はある?」
今度はターナーが表へ走っていくと、人が入れるくらいのタライを運んできた。
折角持ってきてくれたが、小屋の中では水が使えないので井戸の近くへ移動する。
そして水を張って貰う。
そしてボクが見本を見せようと腕まくりをしようとすると、マルカが、
「ターナー、あなたがやりなさい。ご主人様、ご指示をお願いします。」
と言った。
ボクが直接やるのはダメらしい。
「それじゃあ、ラッパ全部を水のなかに沈めて。そのラッパの吹き口を指でふさいで持ち上げて、タライの外へ向けて。ああ、ラッパの先を水から出さないように気をつけてね。」
ターナーは失敗しないようにすごく丁寧にラッパを扱っている。
原因は多分、明らかに威圧しているマルカのせいだろう。
無言の『失敗したらどうなるか、わかっていますね?』って圧力がスゴい。
いや、失敗してももう一度やり直せば良いだけだから。
ターナーがすごい汗かいているからやめてあげて欲しいものだ。
この時点でラッパは先っぽの方が水の中、吹き口の方がタライの縁を越えてタライの外に出ている状態になっている。
ターナーはタライの外へ引っ張り出したラッパの吹き口を塞いでいた指を離す。
と、ラッパの吹き口からは水が吹き出し、水が流れ始めた。
「「「「「え!?」。」。」。」。」
ボク以外の5人が驚きの声を上げる。
いや、サムとターナーはともかく、マルカとテレサはボクの言葉を信じてたんじゃなかったのか?
ツッコミたいボクをよそに、4人は流れ続ける水をマジマジと見ている。
「え?どうしてこんな……。」
「タライの縁の上を越えとる?なぜじゃ?」
「こんな不思議なことが?」
「コレは、魔法?」
見た目、水が水面より上に上ってタライの縁を越えて流れ続けているように見えるため、確かに不思議な現象のようには見える。
だけど、気圧と重力の作用を利用した越流なので、元の水面の位置がラッパの吹き口より低くなれば越流は止まる。
「あ、止まった?」
「勝手に止まった?なぜ?」
「わ、私は何もしておりなせんよ!?」
いや、水面の位置が吹き口より低くなったから止まっただけなんだけど、マルカに睨まれていたターナーは気が気じゃないらしい。
「初めに言ったでしょ?吐き出し口よりこっちの水面が下がったら水は止まるんだ。」
ボクの言葉にターナーがホッとした顔をする。
「そんなことより、水はちゃんと流れたでしょ?だから、新しい水場の配管、頼んだよ?」
サムとターナーはまだラッパの管を水につけたりして触っていたので、ボク達はそう言い残して屋敷に戻った。
メリアは
「どうして今日も森番の小屋に向かうのですか?」
と、明らかに躊躇っていたが、帰ってから夜に思いついたことがあったのだ。
「今日はテレサだけでも良いよ。」
と言ったが、結局、マルカも付いてくることになった。
ボクとしてはついてくるなら一番扱いやすいテレサか、ちょっと抜けているレーネが良かったんだけど、しっかり者っぽいマルカがついてくるのはお目付役ってことだろうか。
馬車に乗って森番の小屋へと着くと、今日はサムとターナーが表で待っていた。先に連絡が行っていたらしい。
「ええと、ご主人様、ようこそおいで下さいました。今日はいい日です。」
うん?緊張しているのか、ターナーが変な言葉使いになってる。
こっちも言葉は覚えたてなので、変な言葉使いされると理解できなくて困る。
なので、
「楽にしてよ。ボクよくわかんないんだから。」
と言って楽にしてもらう。
とは言ったものの、テレサとマルカには2人ともビビってる感が強い。
特にマルカは地味だけどスゴい美人なので黙って立っているだけで圧がすごい。
「マルカ、テレサ、怖い顔したらダメだよ?」
ここは先に釘を刺しておこう。
「はっ、仰せのままに。」
「仰せの、ままに……。」
相変わらずテレサは返事は良いな。
対してマルカはちょっと歯切れが悪い。
うーん、マルカはちょっと真面目すぎるとこがあるからなぁ、仕方ないかな。
「今日なんだけど、ちょっと頼みたいことがあって来たんだ。昨日焼いてた配管は出来上がったの?」
昨日は陶器製の排水菅を作ってるって言ってたはずだ。
「へい、昨日素焼きが終わったんで、これから泥を塗ってもう一回焼くんでさ。今日はまだ熱いまんまだから冷ましているところでさあ。」
なんだ、まだ実物は見れないのか。
「うまく行くと良いね。ところで、頼みたいモノなんだけど、テレサ、絵を見せてあげて。」
実は今日、朝から簡単な絵を描いておいたのだ。
テレサが絵図面を広げてくれると、そこには三面図で描いた設計図が描いてある。
もちろん手書きなので、直線は曲がっていたりするけれど、簡単なモノなので、大体伝わればいけるはずだ。
「こ、これは!?……何ですか?」
サムとターナーが驚いている。
と、いうよりはなんだかさっぱりわからない様子だ。
まあ、図面を見ただけじゃなんだかわからないよね。
マルカに図面の横に説明書きを書いて貰ってあるんだけど、説明は必要かな?
「これは水場のゴミ受けタライの設計図なんだ。このタライの部分にゴミを捨てるのは変わらないけど、捨てたら水で洗い流すようになってる。」
水場とはボクが入ってニオイが臭すぎて倒れてしまった因縁の場所である。
今は、下水に直管で繋がっており下水のニオイが素通りしてしまっている。
そこにはS字トラップ、簡単に言えば水洗トイレの便器の構造をしたタライを設置することでニオイを防ぐのだ。
「ここに説明を書いてもらったからわからないときは読んでね。」
と言うと、サムとターナーは書かれた字を見て、
「すいやせん。あっしらこういう字は読めねえんでさ。」
と言って首を振った。
うん?こういう字?
図面を見ると、とても流麗なというかキレイな筆記体のような文字が書かれている。
実は何が書いてあるのか、ボクも読めない。
ボクがマルカを見ると、みんな一斉にマルカを見る。
「申し訳ございません。まさか読めないとは思わず……。書き直します。」
マルカはそう言って流麗な文字の下にカクカクした字を書きはじめる。
「すみません。失念いたしておりました。『真の文字』はあまり下の者に通じないことを忘れておりました。申し訳ございませんでした。」
どうやらこの流麗な文字は『真の文字』と言うらしい。
何が『真』なんだろう?
もしかして『母国語』とかいう意味だろうか?
「まあ、仕方ないよ。」
そんなことを言っていると、図面を見ていたサムがオズオズと手を上げる。
「この配管ですが、途中で曲がっとりやす。これじゃあ水は流れんと思うんですが、本当にこれでよろしいんでごぜえますか?」
サムが指差しているのはS字トラップのパイプが下から上に曲がっている部分だった。
「こっちのタライの方が高い位置まで水を入れられるから流れるよ?あとはサイフォンの原理で一気に流れてくれるんだよ。」
と説明すると、テレサは無表情、マルカ、サムは少し困惑した表情、ターナーはあからさまに『そんなバカな』的な顔をしている。
あれ?サムとターナーはともかく、マルカまでなんでそんな顔してんの?
次の瞬間、テレサがターナーの方を睨むと、ターナーは泣きそうな表情になる。
「あれ?サイフォンの原理、知らない?」
テレサ以外はお互いの顔を見合わせる。
どうやらテレサ以外の人は理科は苦手らしい。
「はいテレサ、説明してあげて。」
「はい。わかりません。」
……おい。
わかってるから平気な顔をしてたんじゃなかったのか?
仕方がない。
説明するか。
「簡単に言うなら、密閉された管の水の吐き出し口を片方の水面より下にしている限り水は流れ続けるってこと。」
「「「?」」」
説明したボクの言葉にテレサを含めた全員の顔が『?』になっている。
言葉だけじゃわかんないかな。
「なにか曲がった管があれば見せてあげられるんだけどねぇ。」
ボクの言葉にサムが、
「曲がった管が有れば良いんででございやすか?」
そう言って奥へと行くと奥から壊れたラッパを持ってきた。
銅製なのか青黒く錆びており、へんな形に曲がっているが元々は真っ直ぐのラッパだったようだ。
「昔拾ったもんですが、これではどうでやしょうか?」
曲がってはいるが、見たところ穴などは空いて無さそうだ。
「やってみる?タライか桶はある?」
今度はターナーが表へ走っていくと、人が入れるくらいのタライを運んできた。
折角持ってきてくれたが、小屋の中では水が使えないので井戸の近くへ移動する。
そして水を張って貰う。
そしてボクが見本を見せようと腕まくりをしようとすると、マルカが、
「ターナー、あなたがやりなさい。ご主人様、ご指示をお願いします。」
と言った。
ボクが直接やるのはダメらしい。
「それじゃあ、ラッパ全部を水のなかに沈めて。そのラッパの吹き口を指でふさいで持ち上げて、タライの外へ向けて。ああ、ラッパの先を水から出さないように気をつけてね。」
ターナーは失敗しないようにすごく丁寧にラッパを扱っている。
原因は多分、明らかに威圧しているマルカのせいだろう。
無言の『失敗したらどうなるか、わかっていますね?』って圧力がスゴい。
いや、失敗してももう一度やり直せば良いだけだから。
ターナーがすごい汗かいているからやめてあげて欲しいものだ。
この時点でラッパは先っぽの方が水の中、吹き口の方がタライの縁を越えてタライの外に出ている状態になっている。
ターナーはタライの外へ引っ張り出したラッパの吹き口を塞いでいた指を離す。
と、ラッパの吹き口からは水が吹き出し、水が流れ始めた。
「「「「「え!?」。」。」。」。」
ボク以外の5人が驚きの声を上げる。
いや、サムとターナーはともかく、マルカとテレサはボクの言葉を信じてたんじゃなかったのか?
ツッコミたいボクをよそに、4人は流れ続ける水をマジマジと見ている。
「え?どうしてこんな……。」
「タライの縁の上を越えとる?なぜじゃ?」
「こんな不思議なことが?」
「コレは、魔法?」
見た目、水が水面より上に上ってタライの縁を越えて流れ続けているように見えるため、確かに不思議な現象のようには見える。
だけど、気圧と重力の作用を利用した越流なので、元の水面の位置がラッパの吹き口より低くなれば越流は止まる。
「あ、止まった?」
「勝手に止まった?なぜ?」
「わ、私は何もしておりなせんよ!?」
いや、水面の位置が吹き口より低くなったから止まっただけなんだけど、マルカに睨まれていたターナーは気が気じゃないらしい。
「初めに言ったでしょ?吐き出し口よりこっちの水面が下がったら水は止まるんだ。」
ボクの言葉にターナーがホッとした顔をする。
「そんなことより、水はちゃんと流れたでしょ?だから、新しい水場の配管、頼んだよ?」
サムとターナーはまだラッパの管を水につけたりして触っていたので、ボク達はそう言い残して屋敷に戻った。
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