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性癖と功績は別のもの
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「マヤ、馬車の揺れに任せてダンスでもどうかね?」
どうかね? ってよかねーよ。
しかも、この状況では声や音がハンス・ユーホルトに聞かれる。
俺は見られて興奮する性癖は持ってない!
オーケルマンに跨り、耳打ちする。
「だぁめ。でもこれだけはして差し上げますね」
オーケルマンのズボンを脱がし、ゲンナリしたソレを口に咥えた。
「んほぉ!」
すぐに口を離して
「声を出したら終わりです。どこまで我慢できるか見せてくださいね」
無言で首をカクカクと縦に振るオーケルマン。
こんな感じでカクカク腰を振ってくるんだから、殺意しか沸かない。
フィニッシュは口内発射からの――。
しまった!
ここは王宮じゃないから、水を無駄にするわけにはいかない。
吐き出して見せることも、水で口直しでもできないのだ。
仕方なく、オーケルマンに見せつけるように、喉をゴクリと鳴らした。
喉の奥に張り付く感じ。
これからの旅が思いやられる……。
馬車で連れられたのは、人々が行き交う街。
野菜や果物、衣服など、様々な店が並んでいる。
どうやらここはラムハリ王国ではなく、まだロマーリア王国内らしい。
「先は長いからの。ここらで一旦食糧と水を確保しておこう。モルク、お前はここで待っておれ。マヤ、お前はどうする? 馬車に残るか?」
モルクは御者の名前だ。
もちろん、俺も行きたい!!
オーケルマンと俺、そしてハンス・ユーホルトという全然気の合わない3人。
「宰相様、食い物をお探しですかい? これなんかどうだい?」
羽をむしり取られた、皮の色目が強烈な鶏丸々1羽。
「最近、家畜の調子はどうだ? 流行病が出たら、一刻も早く伝えるのだ」
「ええ、大丈夫ですよ。私等は、王様の加護に守られていますから。もちろん宰相様からいただいた見舞金も助かりました。あれがなけりゃ、家族が飢え死にするところでしたよ!」
「そうか、そうか。民の幸福が王国の安寧を支えておるからの。では、その鶏とハーブを数種類もらおうか」
オーケルマンも案外仕事してるんだな。
俺は王国のことを何も知らないが、この街の店は繁盛しているし、人々はエネルギッシュだ。
あのボケた王様も、この街では偉大なんだろう。
王と宰相という立場に敬意がなさ過ぎたかな。
ハンス・ユーホルトは黙って俺たちの後ろを付いて来ている。
買った荷物を全部押し付けられているが、俺たちが歩いた後は街の女性たちがざわつく。
「まあ! 騎士団長様だわ!!」
「黒髪が素敵ね~」
俺もなかなかの美男子のはずなんだけど。
慣れない男性服を着て周りをキョロキョロする観光客気分の俺。
方や、武装せずとも腰から剣を提げ、腕の血管を浮かび上がらせながら荷物を持つハンス・ユーホルト。
そりゃ、圧倒的に格が違いますねぇ。
この胸元の高貴なフリフリも、俺とハンス・ユーホルトでは印象が違うんじゃないか。
「……フンッ」
オーケルマンと気が合うようだ。
俺も今、そんな気持ち。
必要な物を買い込んで馬車へ戻ろうとした時、女性たちが群れになって押し寄せて来た。
どうかね? ってよかねーよ。
しかも、この状況では声や音がハンス・ユーホルトに聞かれる。
俺は見られて興奮する性癖は持ってない!
オーケルマンに跨り、耳打ちする。
「だぁめ。でもこれだけはして差し上げますね」
オーケルマンのズボンを脱がし、ゲンナリしたソレを口に咥えた。
「んほぉ!」
すぐに口を離して
「声を出したら終わりです。どこまで我慢できるか見せてくださいね」
無言で首をカクカクと縦に振るオーケルマン。
こんな感じでカクカク腰を振ってくるんだから、殺意しか沸かない。
フィニッシュは口内発射からの――。
しまった!
ここは王宮じゃないから、水を無駄にするわけにはいかない。
吐き出して見せることも、水で口直しでもできないのだ。
仕方なく、オーケルマンに見せつけるように、喉をゴクリと鳴らした。
喉の奥に張り付く感じ。
これからの旅が思いやられる……。
馬車で連れられたのは、人々が行き交う街。
野菜や果物、衣服など、様々な店が並んでいる。
どうやらここはラムハリ王国ではなく、まだロマーリア王国内らしい。
「先は長いからの。ここらで一旦食糧と水を確保しておこう。モルク、お前はここで待っておれ。マヤ、お前はどうする? 馬車に残るか?」
モルクは御者の名前だ。
もちろん、俺も行きたい!!
オーケルマンと俺、そしてハンス・ユーホルトという全然気の合わない3人。
「宰相様、食い物をお探しですかい? これなんかどうだい?」
羽をむしり取られた、皮の色目が強烈な鶏丸々1羽。
「最近、家畜の調子はどうだ? 流行病が出たら、一刻も早く伝えるのだ」
「ええ、大丈夫ですよ。私等は、王様の加護に守られていますから。もちろん宰相様からいただいた見舞金も助かりました。あれがなけりゃ、家族が飢え死にするところでしたよ!」
「そうか、そうか。民の幸福が王国の安寧を支えておるからの。では、その鶏とハーブを数種類もらおうか」
オーケルマンも案外仕事してるんだな。
俺は王国のことを何も知らないが、この街の店は繁盛しているし、人々はエネルギッシュだ。
あのボケた王様も、この街では偉大なんだろう。
王と宰相という立場に敬意がなさ過ぎたかな。
ハンス・ユーホルトは黙って俺たちの後ろを付いて来ている。
買った荷物を全部押し付けられているが、俺たちが歩いた後は街の女性たちがざわつく。
「まあ! 騎士団長様だわ!!」
「黒髪が素敵ね~」
俺もなかなかの美男子のはずなんだけど。
慣れない男性服を着て周りをキョロキョロする観光客気分の俺。
方や、武装せずとも腰から剣を提げ、腕の血管を浮かび上がらせながら荷物を持つハンス・ユーホルト。
そりゃ、圧倒的に格が違いますねぇ。
この胸元の高貴なフリフリも、俺とハンス・ユーホルトでは印象が違うんじゃないか。
「……フンッ」
オーケルマンと気が合うようだ。
俺も今、そんな気持ち。
必要な物を買い込んで馬車へ戻ろうとした時、女性たちが群れになって押し寄せて来た。
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