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これで立派なお妾様

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 男の子の話は本当だった。


 俺が王宮をフラフラうろついても、つまみ出されることはない。

 むしろ仰々しく頭を下げられる。

「オーケルマン様の新しい……」

 って会話が次々と耳に入る。

 ネットもないのに、1日でこんなに情報が回るんだな。


 俺は大事なものの代わりに、王宮内での高い地位を得た。

 今、こうやって過ごしている部屋だってそうだ。

 ふかふかのベッドに豪華な装飾品の数々。

 好きな時に湯浴みできるバスタブもある。

 ……まぁ、使うタイミングは、オーケルマン次第なんだろうけど。


 オーケルマンに呼ばれさえしなければ、快適なニート生活ができる。

 部屋に運ばれる飯は美味いし、女の子たちも可愛い。

 何を隠そう俺はノンケなので、異世界彼女でも作れば、オーケルマンから受けたトラウマなんてへっちゃらだ!


 で、俺は、この後部屋に来いって言われてるから、ベッドで大の字になって思考停止中。

 あぁ、仕事行きたくねぇ……。

 憂鬱で現実逃避したくなるが、これが俺の仕事なわけで。

 あの男の子みたいな仕事はできないから、ケツを差し出す。

 このロマーリア王国で生き抜くため、ひいては真実の愛を手に入れるためには仕方ない!



 オーケルマンは部屋でアレをビンビンにさせながら待っていた。

「おお、待っておったぞ。お前は本当に可愛いのう……。ほれ、早く尻を突き出せっ」


 渋々ベッドに四つん這いになって、今回は割とすんなり挿入った。

 人体の神秘だな。

「ほう、穴の具合が良くなってきたのう。ワシのを咥えて喜んでおるわい」

 ……んなわけねぇだろ!!


 オーケルマンは一通り満足して、ピロートークが始まった。

 何が楽しくて、臭いオッサンの腕枕に体を寄せねばならない!!

「お前にはまだ名前を与えていなかったか。……マヤ! お前は今日からマヤだ!」


 マヤ!?

 俺、男なのに!?

 純っていう親がくれた立派な名前があるんですけど!?

 問題しかないが、微笑んで見せた。

 この国で生きていくための処世術ってやつだ。


「嬉しいか、マヤ! 決めたぞ! ワシのお気に入りは、今日からマヤ、お前だ。これからは毎晩相手してもらうぞお~」

 ……処世術が裏目に出た。

「ワシはな、自分の妾には名前を与えるんだ」


 えっ、ちょっと待てよ?

 あの男の子は10年後に名前をもらえるって言ってたぞ?

 ってことは、つまり……。


 ブタ野郎は、俺の乳首をツンツンと弄んでいる。

「オーケルマン様。ところで、真実の愛は……?」

「ああ、それのことか。お前がもう少し頑張ってワシを満足させられたら、教えてやろう」


 いやいや、十分満足してるだろ!

 だが、現状の俺はコイツを頼るしかない。

 あと何日かかるか分からないが、可及的速やかにコイツから真実の愛を奪い取らねば!!
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