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あの日助けていただいた者ですけどー?

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■助けてもらったお礼をしようと、お爺さん(お婆さんでも可です)の家に行った鶴。しかし、何度扉を叩いても気づいてもらえません。■






人間:
うぅぅぅぅ、さっむい寒い。今日は一段と冷えるのぉ。どうやら外は吹雪のようじゃ。よっこいせ、と。そろそろ鍋が煮えたかのぉ~。


鶴:
やっと見つけた・・・ここが、あの日ワナにはまった私を助けてくれた命の恩人の家ね!もぅ、吹雪で全然前が見えなくて、危うく迷子になるところだったわ。


人間:
おぉ、そろそろ良い頃合いじゃな。ズルズル・・・ん、美味い美味い。体の芯から温まるようじゃ~。


鶴:
ごめんくださーーーい。あの日、助けて頂いた者でーーす。お礼しに来ちゃいましたー!


人間:
ふぅ、満足満足。やっぱり寒い日は鍋がいいのぉ~。


鶴:
あのー!!開けてくださーいーー!


人間:
相変わらず外はえらい吹雪いとるのぉ・・・。戸がガタガタ揺れて、今にも壊れそうじゃわい。


鶴:
あのー?・・・って、この扉、建て付け悪いわね!なんか知らないけど2ミリだけ開いたんですけど!?


人間:
うぅぅ、なんだか知らんが寒くなってきたわい。


鶴:
ちょっとぉー、お鍋のいいにおいがするんですけどー?居るのは分かってるんですけどー?


人間:
こんな日は、さっさと寝てしまうかのぉ。


鶴:
もーしーもーしー?


人間:
起きたら扉を直さんといかんのぉ。


鶴:
ちょっとー?開けなさいよ!!何度言ったらわかるのよー!!


人間:
ZZZZ(寝てる)


鶴:
お礼、させなさいよぉぉーーー!!!!!
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