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中編 死闘!
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2人は思わず甲板を走って船べりに手を掛けた!
そこにあったのは・・・
一面の水平線だった!
前も後ろも、右も左も、見渡す限りの水平線!大海原のド真ん中にいたのだ。
しかもメインマストに帆を張った帆船が快晴の太陽の下、悠然と疾走している!!その帆船の周りにはカモメが優雅に飛んでいるのが分かる。
「・・・おいおいー、俺は夢を見てるのかあ?」
「私だって信じられませんよ!出来れば夢であって欲しいと真剣に願ってますけど、この爽やかな潮風も潮の香りも紛れもなく本物ですし、これが魔術か何かで作られた空間だったら、ここまでリアルになれませんよ!」
「まさかとは思うけど、俺たち、あの船が実際に海の上にいた時代に連れていかれたとか・・・」
「言いたくないけど・・・あの難破船から魔術の波動らしき物を感じなかったから、瞬間移動の魔法の罠があったとは思えません。女神が何らかの奇跡を起こしたとしか言いようがないですよ」
「勘弁して欲し・・・おええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!」
「ちょ、ちょっと兄様!」
オリオールはいきなり海に向かって嘔吐し始めたから、仕方なくエストは背中をさすって介抱してあげたほどだ。だが、『悪魔の刻印』の死の恐怖から満足な食事をしてないから、出てきたのは殆どが胃液だ。
ひとしきり吐いて気分が楽になったのか、オリオールは甲板の上に蹲るようにして横になった。
「・・・まさかとは思うけど、女神の台座を見付けるどころか訳の分からない世界に強制的に連れて来られた事で、緊張の糸が切れたんですかあ?」
「それを言わないでくれよお」
「ったくー。今は波も殆ど無い微風だから、まさに順風満帆という言葉がピッタリなのに、これでも船酔いしてるとは『船酔い王子』そのものです!」
「もう俺は海賊王の息子じゃあねえぞー」
「船酔い王子から海賊王になるために、大海原の女神の加護を欲しがった男の言う台詞とは思えません!恥を知りなさい!!」
エストは聖職者らしく威厳を持ってオリオールを叱責したが、オリオールは苦笑するしか無かった。
その時だ!
” ずっどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん ”
いきなりオリオールたちがいる甲板の反対側に一筋の雷が落ちたかと思ったら、そこに片膝をついた鎧武者が現れた!
しかもその鎧は太陽の光を反射して眩しいまでに黒く輝いている!伝説や小説では銀色に輝く甲冑を全身にまとった騎士の姿をした鎧武者が海賊王の前に立ちはだかったが、そこにいるのは黒一色の金属鎧を纏った騎士だがフルフェイスの兜の目の部分だけが赤く輝いてるから、絶対に人間ではない!!
「ま、まさか・・・」
「ここで最強の守護者の登場ですかあ?」
「で、でも、伝説では白銀に煌めく全身鎧の聖騎士なんだろ?」
「それも伝説です!実際には暗黒騎士だったとしても全然不思議ではありません!!」
オリオールもエストも咄嗟に立ち上がったけど、立ち上がった途端、オリオールが再び「おええええええっ」と嘔吐したけど今度はエストもオリオールを介抱する気配は全然なく緊張の眼差しで暗黒騎士を見ている。オリオールも口元を左手の袖で拭うと右手を剣の柄にかけた。
その暗黒騎士がゆっくりと立ち上がった!
『我が名はアバーヴサスピション!女神ダンファームリンの忠実なる僕にして魂の審判者なり!』
暗黒騎士は船内にいても聞こえるのではないかという位の大声で叫んだが、その声は魂を揺さぶるかのような響きがあり、聞いただけで圧倒されそうだ!その威圧感は凄まじく、オリオールもエストも思わず『ゴクリ』と唾をのみ込んだほどだ。
『・・・汝らに問う。ここに何をしに来た!』
再び暗黒騎士は船内にいても聞こえるのではないかという位の大声で叫んだから、2人とも怯みそうになったけどオリオールは全身全霊の力を使って恐怖に耐えた。
「そんなのは決まってる!俺は女神の力が欲しい、ただそれだけだ!!」
オリオールは暗黒騎士の威圧感を跳ね返すかのように大声で叫んだが、暗黒騎士は大仰に頷いた。
『では再び汝に問う。その力を何に使うのだ!』
「そんなの決まってる!俺は死の恐怖から解放されたいだけだ!」
『笑止!汝、死に怯えし臆病者であり、我は笑いに堪えぬ』
「うるせえ!お前のような魂だけの存在の奴に死の恐怖が分かってたまるかあ!俺は女神の力を手に入れて『悪魔の刻印』を浄化する。それ以上でもそれ以下でもねえ!」
『汝の魂の叫び、我は真実と受け止めた。ならば我を試せ!我に勝てた時、それは即ち女神が汝を従者と認め、女神が奇跡を起こすであろう』
暗黒騎士はそう言うと腰から剣を一気に抜いたが、その剣は鎧と同じく黒く輝いていた。
「言われなくてもやってやる!」
オリオールは剣を鞘から一気に引き抜いた!エストも腰にぶら下げていた鎚鉾を右手に持つと同時に左手をオリオールに向けた。
【大海原の女神ダンファームリンよ、我が友に力を与えたまえ】
エストが神聖語を唱え終わった時、オリオールの剣が真っ白な輝きを放った!
「兄様!暗黒騎士の弱点は『聖』の力です!」
「恩に着るぜ」
オリオールはそう言うと「ぬおおおおおおおおおお!」と気合を込めて暗黒騎士に突進した!
” ガッキーーーーーーーーーーーーーーーーーーン! ”
オリオールの剣と暗黒騎士の剣が重なり合った時、火花ではなく互いの剣から青白い光がきらめいた。という事は暗黒騎士の剣は最初から魔法を付与された剣としか思えない!しかもエストだけでなくオリオールにもピリピリするほどの波動を感じるほどだ。
オリオールは暗黒騎士に最初から全力で挑んでるが、その暗黒騎士は全て剣で受け止めている。まるでオリオールを試しているかのように、自分から攻める気配は全くない。だが、オリオールの技は全て受け止められるからダメージを全然与えられない!しかもオリオールは『悪魔の刻印』の恐怖から食事もロクに喉を通らないのだから、早くも息が上がってきた。
エストは暗黒騎士には魔法による攻撃が殆ど効かないのは知識として知ってる。だから素早さを上げる呪文や肉体強化の呪文を次々とオリオールに唱え、自らも隙を見て鎚鉾で暗黒騎士に攻撃するが、その全てを受け止められて、鎧に当てられないのだ。
『・・・どうした、女神の力が欲しいのではないのか?』
「うっせー!」
オリオールは剣を打つと見せ掛けて右足の回し蹴りを使った。さすがの暗黒騎士も不意を突かれたようで初めて『グラリ』と来たが、殆どダメージを受けてるようには見えない。
その暗黒騎士の赤い目の輝きが増した。
『汝、我を傷付けた。汝の力、我はしかと受け止めた』
「それがどうした!」
『我、汝を女神の従者たる資格を持つ者として認め、汝を試す!』
暗黒騎士はそう言ったかと思ったら、突然、船が大きく揺れた!いつの間にか快晴の空から太陽が消え、風が急に強くなり波が高くなった!船が左右に大きく揺れ出したが、それを意に介さず暗黒騎士は初めて自分から前へ出た!オリオールはその漆黒の剣を自分の剣で受け止めているが、その嵐のような攻撃の前にオリオールは防戦一方だ!いつ致命傷を受けてもおかしくない!!
【大海原の女神ダンファームリンの名において命じる、盾よ、我が友を守れ!】
エストが『不可視の盾』の呪文を唱えた時、暗黒騎士の漆黒の剣は見えない盾に弾き返された!
その一瞬の隙を突いてオリオールは暗黒騎士の懐に飛び込んだ!!
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
オリオールが気合の声と共に駆け抜けるようにして暗黒騎士の横を駆け抜けた時、漆黒の鎧が白銀に煌めく火花を上げたが、暗黒騎士はそのオリオールの背中に向けて漆黒の剣を振るった!
オリオールは暗黒騎士が襲ってきたことに一瞬、ヒヤッとしたが、その攻撃は『不可視の盾』が防いだけど暗黒騎士は全然ダメージを受けている様子は見られず、さっき以上に苛烈な攻撃をオリオールに仕掛けているから、とうとう『不可視の盾』が破壊され、オリオールは自分の剣で受け止めるしかなくなった。
オリオールは暗黒騎士の攻撃を全身全霊で受け止めながら怒鳴った!
「エスト!こいつは不死身なのかよ!!」
「そんな事はありません!たしかに兄様の剣を受けたとき、鎧が光りました!」
「それは俺も見た!だけど殆どダメージを与えてないぞ!」
「それは私も分かります!あきらかにおかしいです!!」
「そんな事を言ってる暇があったら早く盾の呪文をかけ直せ!」
「分かったわ」
エストは再び『不可視の盾』を唱えたけど、暗黒騎士の攻撃は凄まじくて、わずか2、3回の攻撃を受けただけで青白い光を放って破壊されるから、エストは立て続けに呪文を唱えるしかなくなった。しかもオリオールの剣にかけていた聖属性の魔法も時間切れで消えてしまい、今は光を放っていない!
エストはポケットの中から飲み薬を取り出してフタを開けると一気に飲んで魔法力を回復させ、再び『不可視の盾』の呪文を唱えたが、これではさっきまでの繰り返しだ。飲み薬が無くなったら呪文を唱える事が出来なくなって、その時点でジ・エンドだ!
エストは呪文を唱えながら必死になって考えた!
(・・・おかしい。たしかに兄様の剣が暗黒騎士の鎧に当たった時、あの鎧が輝いた。という事はダメージを受けた証拠だ・・・魔法生物である暗黒騎士が属性を帯びてるのは全然おかしくないし、普通なら闇属性の暗黒騎士に聖属性の武器で攻撃したら効果抜群のはず。あきらかに不自然だ・・・)
そこにあったのは・・・
一面の水平線だった!
前も後ろも、右も左も、見渡す限りの水平線!大海原のド真ん中にいたのだ。
しかもメインマストに帆を張った帆船が快晴の太陽の下、悠然と疾走している!!その帆船の周りにはカモメが優雅に飛んでいるのが分かる。
「・・・おいおいー、俺は夢を見てるのかあ?」
「私だって信じられませんよ!出来れば夢であって欲しいと真剣に願ってますけど、この爽やかな潮風も潮の香りも紛れもなく本物ですし、これが魔術か何かで作られた空間だったら、ここまでリアルになれませんよ!」
「まさかとは思うけど、俺たち、あの船が実際に海の上にいた時代に連れていかれたとか・・・」
「言いたくないけど・・・あの難破船から魔術の波動らしき物を感じなかったから、瞬間移動の魔法の罠があったとは思えません。女神が何らかの奇跡を起こしたとしか言いようがないですよ」
「勘弁して欲し・・・おええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!」
「ちょ、ちょっと兄様!」
オリオールはいきなり海に向かって嘔吐し始めたから、仕方なくエストは背中をさすって介抱してあげたほどだ。だが、『悪魔の刻印』の死の恐怖から満足な食事をしてないから、出てきたのは殆どが胃液だ。
ひとしきり吐いて気分が楽になったのか、オリオールは甲板の上に蹲るようにして横になった。
「・・・まさかとは思うけど、女神の台座を見付けるどころか訳の分からない世界に強制的に連れて来られた事で、緊張の糸が切れたんですかあ?」
「それを言わないでくれよお」
「ったくー。今は波も殆ど無い微風だから、まさに順風満帆という言葉がピッタリなのに、これでも船酔いしてるとは『船酔い王子』そのものです!」
「もう俺は海賊王の息子じゃあねえぞー」
「船酔い王子から海賊王になるために、大海原の女神の加護を欲しがった男の言う台詞とは思えません!恥を知りなさい!!」
エストは聖職者らしく威厳を持ってオリオールを叱責したが、オリオールは苦笑するしか無かった。
その時だ!
” ずっどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん ”
いきなりオリオールたちがいる甲板の反対側に一筋の雷が落ちたかと思ったら、そこに片膝をついた鎧武者が現れた!
しかもその鎧は太陽の光を反射して眩しいまでに黒く輝いている!伝説や小説では銀色に輝く甲冑を全身にまとった騎士の姿をした鎧武者が海賊王の前に立ちはだかったが、そこにいるのは黒一色の金属鎧を纏った騎士だがフルフェイスの兜の目の部分だけが赤く輝いてるから、絶対に人間ではない!!
「ま、まさか・・・」
「ここで最強の守護者の登場ですかあ?」
「で、でも、伝説では白銀に煌めく全身鎧の聖騎士なんだろ?」
「それも伝説です!実際には暗黒騎士だったとしても全然不思議ではありません!!」
オリオールもエストも咄嗟に立ち上がったけど、立ち上がった途端、オリオールが再び「おええええええっ」と嘔吐したけど今度はエストもオリオールを介抱する気配は全然なく緊張の眼差しで暗黒騎士を見ている。オリオールも口元を左手の袖で拭うと右手を剣の柄にかけた。
その暗黒騎士がゆっくりと立ち上がった!
『我が名はアバーヴサスピション!女神ダンファームリンの忠実なる僕にして魂の審判者なり!』
暗黒騎士は船内にいても聞こえるのではないかという位の大声で叫んだが、その声は魂を揺さぶるかのような響きがあり、聞いただけで圧倒されそうだ!その威圧感は凄まじく、オリオールもエストも思わず『ゴクリ』と唾をのみ込んだほどだ。
『・・・汝らに問う。ここに何をしに来た!』
再び暗黒騎士は船内にいても聞こえるのではないかという位の大声で叫んだから、2人とも怯みそうになったけどオリオールは全身全霊の力を使って恐怖に耐えた。
「そんなのは決まってる!俺は女神の力が欲しい、ただそれだけだ!!」
オリオールは暗黒騎士の威圧感を跳ね返すかのように大声で叫んだが、暗黒騎士は大仰に頷いた。
『では再び汝に問う。その力を何に使うのだ!』
「そんなの決まってる!俺は死の恐怖から解放されたいだけだ!」
『笑止!汝、死に怯えし臆病者であり、我は笑いに堪えぬ』
「うるせえ!お前のような魂だけの存在の奴に死の恐怖が分かってたまるかあ!俺は女神の力を手に入れて『悪魔の刻印』を浄化する。それ以上でもそれ以下でもねえ!」
『汝の魂の叫び、我は真実と受け止めた。ならば我を試せ!我に勝てた時、それは即ち女神が汝を従者と認め、女神が奇跡を起こすであろう』
暗黒騎士はそう言うと腰から剣を一気に抜いたが、その剣は鎧と同じく黒く輝いていた。
「言われなくてもやってやる!」
オリオールは剣を鞘から一気に引き抜いた!エストも腰にぶら下げていた鎚鉾を右手に持つと同時に左手をオリオールに向けた。
【大海原の女神ダンファームリンよ、我が友に力を与えたまえ】
エストが神聖語を唱え終わった時、オリオールの剣が真っ白な輝きを放った!
「兄様!暗黒騎士の弱点は『聖』の力です!」
「恩に着るぜ」
オリオールはそう言うと「ぬおおおおおおおおおお!」と気合を込めて暗黒騎士に突進した!
” ガッキーーーーーーーーーーーーーーーーーーン! ”
オリオールの剣と暗黒騎士の剣が重なり合った時、火花ではなく互いの剣から青白い光がきらめいた。という事は暗黒騎士の剣は最初から魔法を付与された剣としか思えない!しかもエストだけでなくオリオールにもピリピリするほどの波動を感じるほどだ。
オリオールは暗黒騎士に最初から全力で挑んでるが、その暗黒騎士は全て剣で受け止めている。まるでオリオールを試しているかのように、自分から攻める気配は全くない。だが、オリオールの技は全て受け止められるからダメージを全然与えられない!しかもオリオールは『悪魔の刻印』の恐怖から食事もロクに喉を通らないのだから、早くも息が上がってきた。
エストは暗黒騎士には魔法による攻撃が殆ど効かないのは知識として知ってる。だから素早さを上げる呪文や肉体強化の呪文を次々とオリオールに唱え、自らも隙を見て鎚鉾で暗黒騎士に攻撃するが、その全てを受け止められて、鎧に当てられないのだ。
『・・・どうした、女神の力が欲しいのではないのか?』
「うっせー!」
オリオールは剣を打つと見せ掛けて右足の回し蹴りを使った。さすがの暗黒騎士も不意を突かれたようで初めて『グラリ』と来たが、殆どダメージを受けてるようには見えない。
その暗黒騎士の赤い目の輝きが増した。
『汝、我を傷付けた。汝の力、我はしかと受け止めた』
「それがどうした!」
『我、汝を女神の従者たる資格を持つ者として認め、汝を試す!』
暗黒騎士はそう言ったかと思ったら、突然、船が大きく揺れた!いつの間にか快晴の空から太陽が消え、風が急に強くなり波が高くなった!船が左右に大きく揺れ出したが、それを意に介さず暗黒騎士は初めて自分から前へ出た!オリオールはその漆黒の剣を自分の剣で受け止めているが、その嵐のような攻撃の前にオリオールは防戦一方だ!いつ致命傷を受けてもおかしくない!!
【大海原の女神ダンファームリンの名において命じる、盾よ、我が友を守れ!】
エストが『不可視の盾』の呪文を唱えた時、暗黒騎士の漆黒の剣は見えない盾に弾き返された!
その一瞬の隙を突いてオリオールは暗黒騎士の懐に飛び込んだ!!
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
オリオールが気合の声と共に駆け抜けるようにして暗黒騎士の横を駆け抜けた時、漆黒の鎧が白銀に煌めく火花を上げたが、暗黒騎士はそのオリオールの背中に向けて漆黒の剣を振るった!
オリオールは暗黒騎士が襲ってきたことに一瞬、ヒヤッとしたが、その攻撃は『不可視の盾』が防いだけど暗黒騎士は全然ダメージを受けている様子は見られず、さっき以上に苛烈な攻撃をオリオールに仕掛けているから、とうとう『不可視の盾』が破壊され、オリオールは自分の剣で受け止めるしかなくなった。
オリオールは暗黒騎士の攻撃を全身全霊で受け止めながら怒鳴った!
「エスト!こいつは不死身なのかよ!!」
「そんな事はありません!たしかに兄様の剣を受けたとき、鎧が光りました!」
「それは俺も見た!だけど殆どダメージを与えてないぞ!」
「それは私も分かります!あきらかにおかしいです!!」
「そんな事を言ってる暇があったら早く盾の呪文をかけ直せ!」
「分かったわ」
エストは再び『不可視の盾』を唱えたけど、暗黒騎士の攻撃は凄まじくて、わずか2、3回の攻撃を受けただけで青白い光を放って破壊されるから、エストは立て続けに呪文を唱えるしかなくなった。しかもオリオールの剣にかけていた聖属性の魔法も時間切れで消えてしまい、今は光を放っていない!
エストはポケットの中から飲み薬を取り出してフタを開けると一気に飲んで魔法力を回復させ、再び『不可視の盾』の呪文を唱えたが、これではさっきまでの繰り返しだ。飲み薬が無くなったら呪文を唱える事が出来なくなって、その時点でジ・エンドだ!
エストは呪文を唱えながら必死になって考えた!
(・・・おかしい。たしかに兄様の剣が暗黒騎士の鎧に当たった時、あの鎧が輝いた。という事はダメージを受けた証拠だ・・・魔法生物である暗黒騎士が属性を帯びてるのは全然おかしくないし、普通なら闇属性の暗黒騎士に聖属性の武器で攻撃したら効果抜群のはず。あきらかに不自然だ・・・)
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