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第50話 【ダイナス恐怖の10日間】~8日目午後の部~
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ダイナスに戻ると昼を少し過ぎていた、遅めの昼食を食べていると始達が帰還してきたと連絡が入った。
「随分早いな、1日で片が付いたのか?」
いや、それだと計算が合わない。半日掛けずに決着したのか?
「まあ、この位で帰って来れないと再訓練だから皆必死で走ったでしょうね」
アーシュラさんの言葉を聞いて大体の予想が付いた、魔族軍の皆さんがまた強行軍をしたに違いない。しかし予想以上の行軍速度だ、間近で見た始に聞いてみる事にしたハジメは今回のコルティナイト防衛戦が非常識な呆気無い幕切れを迎えていたのを知る事となった。
「いや、本当にマジで異常な早さで移動するから驚いた!俺やセレスが馬で駆けているのにその横を並走して息も切らさないんだぜ?オマケに現地に到着したら戦闘すら無かったし・・・」
戦闘が無かった?もしかしてセイレーンの奴が先行して敵を壊滅状態にしていたのだろうか、その疑問の答えは別の方向から返ってきた。
「どうせ優しい始殿が早目に出立したり、早目の野営をするだろうと思ったからすぐに帰還出来る様にラーセッツと2人で数を減らしておいてあげたのよ」
アーシュラさんが戻ってくるのが遅かったのは、始が着くよりも先にコルティナイト領に攻め入ろうとしていた周辺の貴族軍を各個撃破していたのが理由だった。始達がした事はというと残敵の掃討と領内の被害を調べ物資の支援を行う位だけだったそうな。
「ただ残念だったのは、セレスの母親が実家に逃げようとした際に野盗の集団に襲われていたって事だな」
セレスが悲痛な面持ちで堪えているが、実は彼女の母親は夫が簒奪を企み領を出立した直後に実家に早馬で使者を送り公爵討伐を大義名分とした即席の連合軍を挙兵させていた。セレスが生まれた事で夫が用済みで有った事や縁者の男性をセレスと婚姻させてコルティナイト家を乗っ取る目的だったらしい、しかしその連合軍も集結直前にアーシュラさんとラーセッツの手によって完膚なきまでに叩き潰され自領の維持さえ困難となった。
更に追い討ちを掛ける様にセレスが始とラン率いる魔族軍と共に到着し、事が露見するのを恐れたセレスの母親は持てる限りの宝石や金品を持って実家に逃げ込もうとした所を嗅ぎ付けた野盗の集団に襲われ命を落としていた・・・。その後、野盗の集団はジィ率いる捜索隊に捕捉され一網打尽にされたが野盗に情報を売り渡していたのが長年公爵家に仕えてきた者だった事もセレスにはショックだった様だ。
「セレスはダイナスに戻ってたった数日で両親を失い長年仕えてきた者にも裏切られてしまった、これからの公爵領に住む住人はセレスが守らなければならない。だからダイナスが落ち着いたら俺はセレスと共にコルティナイト領に移り住む事に決めた。家名をどうするかとか課題は山積みだが、まあ何とかなるだろう」
始はセレスの生まれ故郷を共に守る道を選んだみたいだ、そんな始にハジメはシスティナからの伝言を伝えた。
「実は午前中にシスティナと話す機会を得たんだが、そのシスティナから始へ伝言だ『魔王や魔族と停戦するのであれば勇者としての役目はそこでお終い、残りの人生をシスティーナで好きに生きれば良い。暇が出来たら様子を間近で見させて貰うわね』だそうだ。始・コルティナイト公爵や始・佐藤公爵になろうが好きにして構わないみたいだぞ」
「そうか、そりゃ都合が良いな。この機会に俺もサトウ・ハジメに名を改めようと考えているんだ」
「おいおい、それだと俺とまた名前被るだろうが!?」
「お前の方こそ間違えてるぞ、これからはサトウを下の名にしてハジメを家名にすると言っているんだ俺は」
つまり・・・そうなると
「鈍い奴だな、俺はハジメ家をお前はサトウ家をこの世界に興すって事だよ。2人の佐藤 始が始まりの家系だからな、これならすぐに分かるだろう」
「ああ!ようやく分かった、だがお前ハジメ家なんて家名で本当に良いのか?」
「もちろん、これは今後の俺達の子孫の為でも有るからな」
「俺達の子孫の為?」
「コルティナイトやシスティナイトの様に勇者の血を受け継いでいくといずれその力を求める連中がきっと現れる筈だ。だからその時に備えてお互いに約束しよう、『ハジメ家が危機の時はサトウ家が、サトウ家が危機の時はハジメ家が、両家が危機の時は両家で力を合わせて解決する』ってな!」
口約束に過ぎないこの約定を俺達の子孫が必ず守るとは限らない、だがお互いに力を合わせる事が出来れば多くの問題も退けられる気がした。
「ところでお前の方はどうするんだ?」
「俺の家はルピナスに在るからそっちに戻るよ、ダイナスはラーセッツがジィさんを摂政にしてクレアの面倒を見ながら持ち堪えてみせるって言ってるよ」
「クレア?クレアって一体誰だ?」
そういえば、始にクレアやマリアをまだ紹介していなかったな。あと何か大切な事を忘れている様な・・・。
「あっ、しまった!」
「急に叫んでどうしたんだ!?」
「始悪い、戻ってきて早々なんだがちょっと手伝ってくれ」
「人使いが荒いな、まったく!」
始やセレスはもちろんだが、場合によってはジィさん達魔族の方の人海戦術も必要な頼み事。それはクレアの母親の安否の確認だ、クレアが組織に引き渡されるまでの10年間は共に王城で暮らしていたみたいだがその後の足取りをクレアが知る由も無い。なので近衛騎士の皆さんにお願いして王城内に残っている侍従や侍女に声を掛けさせ情報を集めてみたものの有力な情報を得るに至っていなかったのだ。唯一分かった情報が
「侯爵の令嬢を妾にして、実家の家を伯爵にしていた。それでクレアを組織に渡した際に実家の伯爵家には『郊外へ散策に出かけた所を襲撃され母娘共々行方不明になった』と簡単に説明していた」
母親の安否を確認してからジェラールを始末しておけば良かったとハジメは後悔した、しかし実家に嘘の使者を送っている以上生存の可能性はかなり低い。空気を掴む様な情報収集に苛立ちを隠せなくなってきた頃、近衛騎士団の団長さんが顔を出してきた。
「ハジメ殿、ちょっとよろしいですか?」
「緊急の用事で無いのなら、後でも良いかな?今はクレアの母親の安否確認を優先してあげたいんだ」
「実は・・・その事でお話が有るのです」
「なんだって!?」
団長がすかさず口に人差し指を当ててきた、周囲の人に気付かれたくないのだろう。
「それで?団長さんはクレアの母親について何か知っているのか?」
「アインで良いですよ、近衛騎士団も近々解体する事にしましたので」
「何で急に!?」
「皇太子直属だった事も有りますが、アーシュラ様と出会うまで民を守る事を怠っていた我らに国の重鎮を守護する近衛を名乗る資格は有りませんから・・・」
多少は柔らかくなったかと思っていたが、まだ固い部分が残っていたか。今後クレアの身を守れるのはラーセッツとジィさんを除けば近衛の方達だけになるんだぞ。
「解体をそんなに急ぐ必要は無いよ、今後の国の体制が定まってからでも遅くない筈だ。今、下手に解体すれば正規軍の中で暴走してクーデターを起こす奴だって出る恐れも有る。急いては事を仕損じると言うし、焦らずやろう」
「急いては事を仕損じる・・・良い言葉ですね、肝に銘じます」
「話が逸れてしまったけど、クレアの母親について何を知っているんだ?」
「そうそう、そちらが先でした」
アインはハジメの耳元で小さく呟いた。
(クレアの母親は私の屋敷で保護しています。ただし少々困った状況となっておりますので今晩クレア様や口の堅い御仁を数人お連れの上お越し下さい。今後の事について相談したいのです)
生きている事をすぐに公表出来ない困った状況とは一体何なのだろう?ハジメはラーセッツや始達に声を掛けて夜にアインの屋敷を尋ねる事にした。
「随分早いな、1日で片が付いたのか?」
いや、それだと計算が合わない。半日掛けずに決着したのか?
「まあ、この位で帰って来れないと再訓練だから皆必死で走ったでしょうね」
アーシュラさんの言葉を聞いて大体の予想が付いた、魔族軍の皆さんがまた強行軍をしたに違いない。しかし予想以上の行軍速度だ、間近で見た始に聞いてみる事にしたハジメは今回のコルティナイト防衛戦が非常識な呆気無い幕切れを迎えていたのを知る事となった。
「いや、本当にマジで異常な早さで移動するから驚いた!俺やセレスが馬で駆けているのにその横を並走して息も切らさないんだぜ?オマケに現地に到着したら戦闘すら無かったし・・・」
戦闘が無かった?もしかしてセイレーンの奴が先行して敵を壊滅状態にしていたのだろうか、その疑問の答えは別の方向から返ってきた。
「どうせ優しい始殿が早目に出立したり、早目の野営をするだろうと思ったからすぐに帰還出来る様にラーセッツと2人で数を減らしておいてあげたのよ」
アーシュラさんが戻ってくるのが遅かったのは、始が着くよりも先にコルティナイト領に攻め入ろうとしていた周辺の貴族軍を各個撃破していたのが理由だった。始達がした事はというと残敵の掃討と領内の被害を調べ物資の支援を行う位だけだったそうな。
「ただ残念だったのは、セレスの母親が実家に逃げようとした際に野盗の集団に襲われていたって事だな」
セレスが悲痛な面持ちで堪えているが、実は彼女の母親は夫が簒奪を企み領を出立した直後に実家に早馬で使者を送り公爵討伐を大義名分とした即席の連合軍を挙兵させていた。セレスが生まれた事で夫が用済みで有った事や縁者の男性をセレスと婚姻させてコルティナイト家を乗っ取る目的だったらしい、しかしその連合軍も集結直前にアーシュラさんとラーセッツの手によって完膚なきまでに叩き潰され自領の維持さえ困難となった。
更に追い討ちを掛ける様にセレスが始とラン率いる魔族軍と共に到着し、事が露見するのを恐れたセレスの母親は持てる限りの宝石や金品を持って実家に逃げ込もうとした所を嗅ぎ付けた野盗の集団に襲われ命を落としていた・・・。その後、野盗の集団はジィ率いる捜索隊に捕捉され一網打尽にされたが野盗に情報を売り渡していたのが長年公爵家に仕えてきた者だった事もセレスにはショックだった様だ。
「セレスはダイナスに戻ってたった数日で両親を失い長年仕えてきた者にも裏切られてしまった、これからの公爵領に住む住人はセレスが守らなければならない。だからダイナスが落ち着いたら俺はセレスと共にコルティナイト領に移り住む事に決めた。家名をどうするかとか課題は山積みだが、まあ何とかなるだろう」
始はセレスの生まれ故郷を共に守る道を選んだみたいだ、そんな始にハジメはシスティナからの伝言を伝えた。
「実は午前中にシスティナと話す機会を得たんだが、そのシスティナから始へ伝言だ『魔王や魔族と停戦するのであれば勇者としての役目はそこでお終い、残りの人生をシスティーナで好きに生きれば良い。暇が出来たら様子を間近で見させて貰うわね』だそうだ。始・コルティナイト公爵や始・佐藤公爵になろうが好きにして構わないみたいだぞ」
「そうか、そりゃ都合が良いな。この機会に俺もサトウ・ハジメに名を改めようと考えているんだ」
「おいおい、それだと俺とまた名前被るだろうが!?」
「お前の方こそ間違えてるぞ、これからはサトウを下の名にしてハジメを家名にすると言っているんだ俺は」
つまり・・・そうなると
「鈍い奴だな、俺はハジメ家をお前はサトウ家をこの世界に興すって事だよ。2人の佐藤 始が始まりの家系だからな、これならすぐに分かるだろう」
「ああ!ようやく分かった、だがお前ハジメ家なんて家名で本当に良いのか?」
「もちろん、これは今後の俺達の子孫の為でも有るからな」
「俺達の子孫の為?」
「コルティナイトやシスティナイトの様に勇者の血を受け継いでいくといずれその力を求める連中がきっと現れる筈だ。だからその時に備えてお互いに約束しよう、『ハジメ家が危機の時はサトウ家が、サトウ家が危機の時はハジメ家が、両家が危機の時は両家で力を合わせて解決する』ってな!」
口約束に過ぎないこの約定を俺達の子孫が必ず守るとは限らない、だがお互いに力を合わせる事が出来れば多くの問題も退けられる気がした。
「ところでお前の方はどうするんだ?」
「俺の家はルピナスに在るからそっちに戻るよ、ダイナスはラーセッツがジィさんを摂政にしてクレアの面倒を見ながら持ち堪えてみせるって言ってるよ」
「クレア?クレアって一体誰だ?」
そういえば、始にクレアやマリアをまだ紹介していなかったな。あと何か大切な事を忘れている様な・・・。
「あっ、しまった!」
「急に叫んでどうしたんだ!?」
「始悪い、戻ってきて早々なんだがちょっと手伝ってくれ」
「人使いが荒いな、まったく!」
始やセレスはもちろんだが、場合によってはジィさん達魔族の方の人海戦術も必要な頼み事。それはクレアの母親の安否の確認だ、クレアが組織に引き渡されるまでの10年間は共に王城で暮らしていたみたいだがその後の足取りをクレアが知る由も無い。なので近衛騎士の皆さんにお願いして王城内に残っている侍従や侍女に声を掛けさせ情報を集めてみたものの有力な情報を得るに至っていなかったのだ。唯一分かった情報が
「侯爵の令嬢を妾にして、実家の家を伯爵にしていた。それでクレアを組織に渡した際に実家の伯爵家には『郊外へ散策に出かけた所を襲撃され母娘共々行方不明になった』と簡単に説明していた」
母親の安否を確認してからジェラールを始末しておけば良かったとハジメは後悔した、しかし実家に嘘の使者を送っている以上生存の可能性はかなり低い。空気を掴む様な情報収集に苛立ちを隠せなくなってきた頃、近衛騎士団の団長さんが顔を出してきた。
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「実は・・・その事でお話が有るのです」
「なんだって!?」
団長がすかさず口に人差し指を当ててきた、周囲の人に気付かれたくないのだろう。
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「アインで良いですよ、近衛騎士団も近々解体する事にしましたので」
「何で急に!?」
「皇太子直属だった事も有りますが、アーシュラ様と出会うまで民を守る事を怠っていた我らに国の重鎮を守護する近衛を名乗る資格は有りませんから・・・」
多少は柔らかくなったかと思っていたが、まだ固い部分が残っていたか。今後クレアの身を守れるのはラーセッツとジィさんを除けば近衛の方達だけになるんだぞ。
「解体をそんなに急ぐ必要は無いよ、今後の国の体制が定まってからでも遅くない筈だ。今、下手に解体すれば正規軍の中で暴走してクーデターを起こす奴だって出る恐れも有る。急いては事を仕損じると言うし、焦らずやろう」
「急いては事を仕損じる・・・良い言葉ですね、肝に銘じます」
「話が逸れてしまったけど、クレアの母親について何を知っているんだ?」
「そうそう、そちらが先でした」
アインはハジメの耳元で小さく呟いた。
(クレアの母親は私の屋敷で保護しています。ただし少々困った状況となっておりますので今晩クレア様や口の堅い御仁を数人お連れの上お越し下さい。今後の事について相談したいのです)
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