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第46話 帰省
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「ほら、あそこが俺が生まれ育ったカサッポだよ」
「へ~あそこがウィルの故郷なのね」
「わ、我々が急に押しかけて大丈夫なのでしょうか!?」
「良いに決まっている、何しろ我らは息子の大切な嫁なのだから」
「アリア殿もレーメル殿の様にもう少し謙虚さが有れば、婚姻の申し込みも多かったのではないかな?」
タツトの言にアリアは手を振りながら否定する。
「申し込みが増えようと無駄無駄、どの道ウィルを上回る非常識男など出てくる訳が無い」
「む、それは確かに」
「タツト、そこは否定くらいしたっていいだろ」
「主を越える非常識人間はこの世界には居ない・・・・他の世界では居るかもしれないが」
(俺を上回る非常識人間が居たら嫌だな・・・アリアはそちらに引き寄せられそうだけど)
ウィルがアリアを横目で見ながら考えていると、アリアはウィルの視線に気付いてこう言った。
「何だ、私が他の世界でお前以上の非常識男と遭遇したらそっちに鞍替えするとでも思ったか?そんな簡単に男を変える程私の貞操は軽くは無い、お前様と決めた以上どこまでも一緒だ。無論、リーンやレーメル達も同じ想いに違いないがな」
ウィルがリーン達に視線を移すとリーンは頬を紅く染めながら顔を逸らす様にして
「当たり前よ今更他の男と一緒になれと言われても御免だわ、それに皆には悪いけど初めて抱かれた時はウィルも初めてでお互い緊張してたのが懐かしいわね」
リーンの一言にレーメルとアリアの視線がウィルに向く。
「ほほ~お前様はリーンと会うまで女を知らなかったのか、それは良い事を聞いた」
「じゃ、じゃあ初めて会った時に抱かれていれば私がウィルの初めての相手になれたかもしれないのか」
レーメルがそんな事を言うものだから、リーンが癇癪を起こし始めた。
「ちょっとレーメル、その時はあなたはウィルの敵だったのでしょ!どうして抱かれるって選択肢が出てくるのよ?」
「でもオーク達を召喚する前にウィルと出会えていたのなら、その未来が起きた可能性だって有る訳じゃないですか?」
「リーン殿もレーメル殿も落ち着かれよ、誰が最初の相手だったかなど些細な事。これからの生活の方に目を向けられた方が良いと思うぞ」
「これからの方が大切ってどういう事?」
リーン・レーメル・アリアの3人はタツトの次の言を待つ。
「来年、一時帰国すればサチ殿も加わる事になる。主の寵愛をどうやって4人で分け合うのだ?1週間は7日しかないのだぞ、1人我慢するしかなくなるぞ」
ちょっと待てタツト、俺は毎日発情している様な非常識人間じゃないぞ。毎日毎晩、誰かを抱かないと居られない様な男が居れば会ってみたいものだ。
「そうなると・・・正妻四天王の中でも最弱のアリアに我慢して貰う他無いわね」
「なら、ウィルが1日休ませて欲しいと言ってきた時は次に弱いリーン様に我慢して頂かないとなりませんね」
レーメルが勝ち誇った様な顔で言う、確かに3人の中ではレーメルが1番強い。だが・・・
「夜の週休2日制を入れるとレーメルも諦めるしかないわね、四天王最強はあの人だから・・・」
そこまで言ってようやく無駄な事を話していたのに気付いた3人はため息を吐く、四天王最強のサチが居る限りウィルとより多く肌を重ねる事は不可能なのだ。
「でも・・・アリアさんを除外すれば、正妻御三家や正妻三羽烏とか正妻三連星とか組めそうじゃないですか?」
「お願いですから四天王のままでいてください」
ウィルは何故かサチ・レーメル・リーンの3人が縦に並んで寝室に突撃してくる姿を思い描いてしまった。それでも気を取り直して皆と町の入り口まで進むと、懐かしい町の住人達の姿が有った。
「お前、ウィルじゃねえか!この間、町を出たと思ったらいつの間にか皇太女の護衛になった上に自由騎士だって?一体何をすればこんな事になるんだ?」
「色々と有ったんだよ、本当に。それに・・・あと数年もすればこの町にも当分帰って来れなくなりそうだしね」
「そうか・・・スライム1匹倒せずにいたお前をバカにしていた頃が懐かしい気持ちもするが、騎士様に無礼を働いていた事をお詫びした方が良いのかな?」
「昔の事だよ、それにバカにされていたからこそ今の俺になるキッカケを貰う事が出来たんだ。詫びを言う必要は無いよ」
「そうか、ありがとよ。それはそうと、お前の後ろに居る美人さん達は一体どちらさまで?良かったら紹介してくれねえか?」
「そういえば紹介していなかったね。こちらが皇太女のリーンで隣が護衛騎士のレーメル、そしてシャイカの姫君のアリアだ。あとはドラゴニュートのタツトでダンジョンのボスだけど訳有って俺の従者になった」
ウィルの紹介を聞いていつもバカにしていた住人が急に考え込み始めた。
「どうかした?」
「いや、こっちの聞き間違いで無ければそちらにいらっしゃるのが皇太女様であらせられますか?」
「はじめまして、アルスト皇太女のリーンと申します。ウィルは私の命を救って頂いたばかりでなく生涯を共に歩んでいく未来も築いてくれました、1度お義母様に挨拶をしておこうと思いましてこの町に来ました」
「お義母様?ウィル、皇太女様は何か変な事を言ってないか?」
「いや、変じゃないよ。他の皆にはまだ内緒にしておいて欲しいんだけど、外遊からの一時帰国の時にこの3人と後1人加えた4人を妻に迎えて結婚するんだ」
「ようやくお前も結婚するのかウィル、おめでとう!」
ウィルと和やかに握手して少し経ってから、住人は事の重大さにようやく気が付いた。
「皇太女様だけじゃなく、大国シャイカの姫君とも結婚するだって!?さらに他にも妻2人を1度に迎えるってウィルお前非常識すぎるだろ!?」
「まあ、その非常識さがウィルの欠点でも有り魅力でも有りますから」
レーメルが住人の言葉に訂正を入れながらウィルの手を握る、それを見たリーンとアリアも残る手を握ろうと詰め寄ってきた。
「ちょっとレーメル、どさくさ紛れにウィルの手を握るなんて良い度胸ね」
「その手を離しなさいリーン、残る手は私の物よ」
ついこの間までスライム1匹倒せなかった男の手を皇太女と他国の姫君が奪い合う光景に住人は唖然とするしかなかった、このまま放っておくと混乱すると思ったのでウィルはその場を離れて久しぶりに実家の玄関を潜った。
「母ちゃん、ただいま~!!」
「ウィル、一体急にどうしたのさ!?それに後ろの綺麗なお嬢さん方と・・・こちらの異形の方は一体?」
「あ~1番後ろに居るのはドラゴニュートのタツト。俺の従者をしてくれてる」
「お初にお目にかかる、俺の名はタツト。訳有ってウィル様を主とさせて頂きました」
龍人を従者にしたと軽く言い放つ息子にミラは驚くが、それを面に出さず
「うちの息子が今後もご迷惑を掛けると思いますが、よろしくお願いします」
何とか気付かせずに話す事が出来た。しかし、続くウィルの言葉で流石に面に出てしまう。
「あと悪いんだけど母ちゃん。来年外遊から一時帰国したら俺、隣に居る皇太女のリーンと護衛騎士のレーメル、シャイカの姫のアリアにルトの村の出身で今アルストリアの教会本部で司祭をしているサチの4人と結婚するから式の日取りが決まったら来てくれないかな?」
「ちょっと待ちなさいウィル!お前は1度に4人の女性と結婚するつもりなのかい!?」
「そうだけど何か問題有る?」
「幾ら何でも非常識過ぎやしないかい?相手の女性の気持ちを考えて行動しなきゃいけないよ」
ミラの言う事も尤もではある、しかしそんな心配は無用だとリーンは一歩前に出て語りかける。
「お義母様はじめまして、私の名はリーンと申します。今は皇太女となっておりますがウィルに命を助けられる前はただの町娘にすぎませんでした。これからはウィルの傍で共に歩んでいこうと考えております、それは他の3人も一緒です。彼との出会いで多少の差は有りますがその後の運命を変えられた者達です」
「私の名はレーメル、彼の非常識のお陰で双子の妹共々死ぬ運命から解放されました。リーン様と同様、彼の傍を離れるつもりは有りません。4人全員を妻に迎えてもらうのは私達にとっても1番幸せな道ですのでご安心ください」
「私はアリア、シャイカの姫だが他の者達と違いウィルに命を助けてもらった訳では無い。ウィルの中に他の者には無い素晴らしい物が秘められているのに気付き一瞬で心を奪われました。その素晴らしい物を傍で見続けたいので妻に迎えてもらう事に決めました」
「母ちゃん、アリアは非常識な男が好みらしくてこうなった。本来は3人だったのかもしれないけど4人と俺は結婚する。その報告の為にカサッポに帰ってきたんだ」
本人達がそれで良いと言っているのでそれ以上ミラから口出しする事は出来なかった、しかし町を出る時にはこんな未来がやってくるとは思ってもいなかったので予想外だ。
「それからあと2つだけ報告しておきたい事が有るんだけど」
「どうせ大した事じゃないんだろ?」
ミラは4人との結婚以上に大事は起きないと思ったが、それは当然間違いだった。
「今この場に居ないサチだけど、俺の子を宿させた。来年の結婚する頃には母ちゃんに初孫を見せられると思うよ」
ミラは目の前が真っ暗になった様な気がした、結婚前の女性に手を出して子を孕ませるなんてそんな息子に育てた覚えは無かった。
(もしかして!?)
ミラは思わずリーン達の方を向く。
「わ、私達は大丈夫ですよ!ウィルの作ってくれたシールのお陰で子を宿す時期を選べますから」
ミラを安心させようと思って言ったのかもしれないが、結局の所ウィルと全員肌を重ねていますと白状した様なものだ。類は友を呼ぶ、ミラは常識が通じない者同士が集まって夫婦になろうとしているのだと思う事にした。
「ウィル、最後の報告はこれ以上非常識な報告には無らないだろうね?」
「ごめん母ちゃん、最後が1番非常識だと思う。全ての外遊が終わったら、俺は神様から別の世界に飛ばされる事になった。リーン達も連れていくけど、もしかしたらこちらの世界に帰る事が出来なかったら会えなくなるかもしれない」
ミラはあまりにも多くの非常識な報告に耐え切れず気を失う、そして目を覚ますまで未来の息子の妻達が争う様にしながら交代で介抱するのだった。
「へ~あそこがウィルの故郷なのね」
「わ、我々が急に押しかけて大丈夫なのでしょうか!?」
「良いに決まっている、何しろ我らは息子の大切な嫁なのだから」
「アリア殿もレーメル殿の様にもう少し謙虚さが有れば、婚姻の申し込みも多かったのではないかな?」
タツトの言にアリアは手を振りながら否定する。
「申し込みが増えようと無駄無駄、どの道ウィルを上回る非常識男など出てくる訳が無い」
「む、それは確かに」
「タツト、そこは否定くらいしたっていいだろ」
「主を越える非常識人間はこの世界には居ない・・・・他の世界では居るかもしれないが」
(俺を上回る非常識人間が居たら嫌だな・・・アリアはそちらに引き寄せられそうだけど)
ウィルがアリアを横目で見ながら考えていると、アリアはウィルの視線に気付いてこう言った。
「何だ、私が他の世界でお前以上の非常識男と遭遇したらそっちに鞍替えするとでも思ったか?そんな簡単に男を変える程私の貞操は軽くは無い、お前様と決めた以上どこまでも一緒だ。無論、リーンやレーメル達も同じ想いに違いないがな」
ウィルがリーン達に視線を移すとリーンは頬を紅く染めながら顔を逸らす様にして
「当たり前よ今更他の男と一緒になれと言われても御免だわ、それに皆には悪いけど初めて抱かれた時はウィルも初めてでお互い緊張してたのが懐かしいわね」
リーンの一言にレーメルとアリアの視線がウィルに向く。
「ほほ~お前様はリーンと会うまで女を知らなかったのか、それは良い事を聞いた」
「じゃ、じゃあ初めて会った時に抱かれていれば私がウィルの初めての相手になれたかもしれないのか」
レーメルがそんな事を言うものだから、リーンが癇癪を起こし始めた。
「ちょっとレーメル、その時はあなたはウィルの敵だったのでしょ!どうして抱かれるって選択肢が出てくるのよ?」
「でもオーク達を召喚する前にウィルと出会えていたのなら、その未来が起きた可能性だって有る訳じゃないですか?」
「リーン殿もレーメル殿も落ち着かれよ、誰が最初の相手だったかなど些細な事。これからの生活の方に目を向けられた方が良いと思うぞ」
「これからの方が大切ってどういう事?」
リーン・レーメル・アリアの3人はタツトの次の言を待つ。
「来年、一時帰国すればサチ殿も加わる事になる。主の寵愛をどうやって4人で分け合うのだ?1週間は7日しかないのだぞ、1人我慢するしかなくなるぞ」
ちょっと待てタツト、俺は毎日発情している様な非常識人間じゃないぞ。毎日毎晩、誰かを抱かないと居られない様な男が居れば会ってみたいものだ。
「そうなると・・・正妻四天王の中でも最弱のアリアに我慢して貰う他無いわね」
「なら、ウィルが1日休ませて欲しいと言ってきた時は次に弱いリーン様に我慢して頂かないとなりませんね」
レーメルが勝ち誇った様な顔で言う、確かに3人の中ではレーメルが1番強い。だが・・・
「夜の週休2日制を入れるとレーメルも諦めるしかないわね、四天王最強はあの人だから・・・」
そこまで言ってようやく無駄な事を話していたのに気付いた3人はため息を吐く、四天王最強のサチが居る限りウィルとより多く肌を重ねる事は不可能なのだ。
「でも・・・アリアさんを除外すれば、正妻御三家や正妻三羽烏とか正妻三連星とか組めそうじゃないですか?」
「お願いですから四天王のままでいてください」
ウィルは何故かサチ・レーメル・リーンの3人が縦に並んで寝室に突撃してくる姿を思い描いてしまった。それでも気を取り直して皆と町の入り口まで進むと、懐かしい町の住人達の姿が有った。
「お前、ウィルじゃねえか!この間、町を出たと思ったらいつの間にか皇太女の護衛になった上に自由騎士だって?一体何をすればこんな事になるんだ?」
「色々と有ったんだよ、本当に。それに・・・あと数年もすればこの町にも当分帰って来れなくなりそうだしね」
「そうか・・・スライム1匹倒せずにいたお前をバカにしていた頃が懐かしい気持ちもするが、騎士様に無礼を働いていた事をお詫びした方が良いのかな?」
「昔の事だよ、それにバカにされていたからこそ今の俺になるキッカケを貰う事が出来たんだ。詫びを言う必要は無いよ」
「そうか、ありがとよ。それはそうと、お前の後ろに居る美人さん達は一体どちらさまで?良かったら紹介してくれねえか?」
「そういえば紹介していなかったね。こちらが皇太女のリーンで隣が護衛騎士のレーメル、そしてシャイカの姫君のアリアだ。あとはドラゴニュートのタツトでダンジョンのボスだけど訳有って俺の従者になった」
ウィルの紹介を聞いていつもバカにしていた住人が急に考え込み始めた。
「どうかした?」
「いや、こっちの聞き間違いで無ければそちらにいらっしゃるのが皇太女様であらせられますか?」
「はじめまして、アルスト皇太女のリーンと申します。ウィルは私の命を救って頂いたばかりでなく生涯を共に歩んでいく未来も築いてくれました、1度お義母様に挨拶をしておこうと思いましてこの町に来ました」
「お義母様?ウィル、皇太女様は何か変な事を言ってないか?」
「いや、変じゃないよ。他の皆にはまだ内緒にしておいて欲しいんだけど、外遊からの一時帰国の時にこの3人と後1人加えた4人を妻に迎えて結婚するんだ」
「ようやくお前も結婚するのかウィル、おめでとう!」
ウィルと和やかに握手して少し経ってから、住人は事の重大さにようやく気が付いた。
「皇太女様だけじゃなく、大国シャイカの姫君とも結婚するだって!?さらに他にも妻2人を1度に迎えるってウィルお前非常識すぎるだろ!?」
「まあ、その非常識さがウィルの欠点でも有り魅力でも有りますから」
レーメルが住人の言葉に訂正を入れながらウィルの手を握る、それを見たリーンとアリアも残る手を握ろうと詰め寄ってきた。
「ちょっとレーメル、どさくさ紛れにウィルの手を握るなんて良い度胸ね」
「その手を離しなさいリーン、残る手は私の物よ」
ついこの間までスライム1匹倒せなかった男の手を皇太女と他国の姫君が奪い合う光景に住人は唖然とするしかなかった、このまま放っておくと混乱すると思ったのでウィルはその場を離れて久しぶりに実家の玄関を潜った。
「母ちゃん、ただいま~!!」
「ウィル、一体急にどうしたのさ!?それに後ろの綺麗なお嬢さん方と・・・こちらの異形の方は一体?」
「あ~1番後ろに居るのはドラゴニュートのタツト。俺の従者をしてくれてる」
「お初にお目にかかる、俺の名はタツト。訳有ってウィル様を主とさせて頂きました」
龍人を従者にしたと軽く言い放つ息子にミラは驚くが、それを面に出さず
「うちの息子が今後もご迷惑を掛けると思いますが、よろしくお願いします」
何とか気付かせずに話す事が出来た。しかし、続くウィルの言葉で流石に面に出てしまう。
「あと悪いんだけど母ちゃん。来年外遊から一時帰国したら俺、隣に居る皇太女のリーンと護衛騎士のレーメル、シャイカの姫のアリアにルトの村の出身で今アルストリアの教会本部で司祭をしているサチの4人と結婚するから式の日取りが決まったら来てくれないかな?」
「ちょっと待ちなさいウィル!お前は1度に4人の女性と結婚するつもりなのかい!?」
「そうだけど何か問題有る?」
「幾ら何でも非常識過ぎやしないかい?相手の女性の気持ちを考えて行動しなきゃいけないよ」
ミラの言う事も尤もではある、しかしそんな心配は無用だとリーンは一歩前に出て語りかける。
「お義母様はじめまして、私の名はリーンと申します。今は皇太女となっておりますがウィルに命を助けられる前はただの町娘にすぎませんでした。これからはウィルの傍で共に歩んでいこうと考えております、それは他の3人も一緒です。彼との出会いで多少の差は有りますがその後の運命を変えられた者達です」
「私の名はレーメル、彼の非常識のお陰で双子の妹共々死ぬ運命から解放されました。リーン様と同様、彼の傍を離れるつもりは有りません。4人全員を妻に迎えてもらうのは私達にとっても1番幸せな道ですのでご安心ください」
「私はアリア、シャイカの姫だが他の者達と違いウィルに命を助けてもらった訳では無い。ウィルの中に他の者には無い素晴らしい物が秘められているのに気付き一瞬で心を奪われました。その素晴らしい物を傍で見続けたいので妻に迎えてもらう事に決めました」
「母ちゃん、アリアは非常識な男が好みらしくてこうなった。本来は3人だったのかもしれないけど4人と俺は結婚する。その報告の為にカサッポに帰ってきたんだ」
本人達がそれで良いと言っているのでそれ以上ミラから口出しする事は出来なかった、しかし町を出る時にはこんな未来がやってくるとは思ってもいなかったので予想外だ。
「それからあと2つだけ報告しておきたい事が有るんだけど」
「どうせ大した事じゃないんだろ?」
ミラは4人との結婚以上に大事は起きないと思ったが、それは当然間違いだった。
「今この場に居ないサチだけど、俺の子を宿させた。来年の結婚する頃には母ちゃんに初孫を見せられると思うよ」
ミラは目の前が真っ暗になった様な気がした、結婚前の女性に手を出して子を孕ませるなんてそんな息子に育てた覚えは無かった。
(もしかして!?)
ミラは思わずリーン達の方を向く。
「わ、私達は大丈夫ですよ!ウィルの作ってくれたシールのお陰で子を宿す時期を選べますから」
ミラを安心させようと思って言ったのかもしれないが、結局の所ウィルと全員肌を重ねていますと白状した様なものだ。類は友を呼ぶ、ミラは常識が通じない者同士が集まって夫婦になろうとしているのだと思う事にした。
「ウィル、最後の報告はこれ以上非常識な報告には無らないだろうね?」
「ごめん母ちゃん、最後が1番非常識だと思う。全ての外遊が終わったら、俺は神様から別の世界に飛ばされる事になった。リーン達も連れていくけど、もしかしたらこちらの世界に帰る事が出来なかったら会えなくなるかもしれない」
ミラはあまりにも多くの非常識な報告に耐え切れず気を失う、そして目を覚ますまで未来の息子の妻達が争う様にしながら交代で介抱するのだった。
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