スキルメーカー ~運命を変えた非常識なスキル~

いけお

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第17話 ダンジョンの最終ボスにお説教されたウィル

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名前 ウィル

種族 ヒト

職業 冒険者

年齢 25

LV 42

HP 458745/458745

MP 458745/458745

力  458745

魔力 393210

素早さ 458745

体力 458745

物理防御 458745

魔法防御 393210

(数値最小0、最大65535 上限を超えている為正しい数値に修正)

スキル スキルメーカー(残り製作可能数2) 携帯保管庫 地域安全安心MAP 完治の光改良型※NEW 光の群像※NEW



ステータスを見直してみたら、表記がおかしくなっていたのを修正してくれていた様だ。しかし・・・

(ステータスが軒並み45万越え!?低い魔力と魔法防御でさえも39万って一体・・・)

だけど、これでもあのレーメルには遠く及ばないだろうな。あの時の攻撃だって簡単に避けていたんだし、もしかしたらこの倍の強さを持っていると考えておいた方が良いかもしれない。今後何時襲われるか分からない不安から、ウィルはある程度長期戦が可能になるスキルを1つ作る事にした。



スキル名 【HP・MP自動回復】

スキルLV 1(MAX)

効果 傷ついた身体(HP)と消費した魔法力(MP)を1秒につき10%回復する。

補足 光の群像で呼び出した分身にも同じ効果を与える。


回復する量を数値ではなく割合にしてしまったので、スキルLVは1で固定になった様だ。ただし、光の群像で呼び出した分身も回復する様になったので弓兵は弓矢撃ち放題と化した。

(もうここまで来たら、最下層まで余裕で行けると思うけどパーティーの上限人数の6人を越えて分身体を出せるのか実験してみよう)

ウィルは1度光の群像をキャンセルしてから、再度光の群像を使ってみた。

「【光の群像】歩兵50弓兵50」

スキルを使用すると同時に一際明るくなるダンジョン内、そして通路が最大数まで召喚された分身達でギュウギュウ詰めの状態と化した!
「う~苦しい!?」

しばらくすると、MAPの敵性反応を感知したのか一斉に散らばっていった。

「よし、今の内に下の階に降りちゃおう」

ウィルは早足で下の階に降りる階段まで着くと、1人で降り始めた。そして地下2階に着いて一息入れようとした時に背後からガチャガチャと大勢の足音と共に分身達も後を追って降りてきたのだった。だが、分身達はウィルの横を通り過ぎると今度は降りた階で反応した敵を倒し始めまた自動で経験値とお金が入ってくる。しかも、最大数まで召喚されているのでペースも20倍だ。

「うわ!?何だこの光の兵士達は!」

「おい、俺達が倒す筈の獲物だぞ!」

「危ない所を助けて頂いてどうもありがとうございました!」

どうやら、他のパーティーの皆さんにも影響を与えている様だ。早急により深い階へ向かわないと!!以降のウィルのやっていた事といえば、下の階へ降りる階段までダッシュ!急いで降りて分身達が全部通り過ぎたらまた更に下の階へ降りる階段までダッシュ!!の繰り返しだった。

「はぁはぁ!どうやら・・・ここが最下層みたいだな」

現在地下10階、このダンジョンの最下層に無事(?)に到着した様だ。何故なら1本道の通路の正面に大きくて豪華な扉が1つ在るのみだからだ。しかし、道中ですれ違った他のパーティーの方々には本当に申し訳無い事ばかりしてしまったと思う。それに分身達が片っ端から狩り尽くすお陰でモンスター達のドロップで溢れ返りそうになったので、片っ端から携帯保管庫に入れたお陰で携帯保管庫のレベルも一気に4まで上がっている。だが、ここまでモンスターの姿を全く見ていない・・・分身達がサーチ&デストロイするので姿を見る前に倒されている為だ。

(これまでに手に入れたドロップ素材で途中にデュラハンやオーガ等が居たのだけは分かったんだけどね)

並みのパーティーでは苦戦したであろうモンスター達も、1人1人が勇者や騎士の力を上回り始めた分身達の前では赤子同然だった。何しろ10秒以内に倒しきらないとウィルと同様に分身も鬼の様な早さで回復してしまう。その間にウィルのレベルが上がればそれと同時に分身も強化される為モンスター達にとっては悪夢だったに違いない。最後位は自分の手で倒そうと光の群像をキャンセルしたが、分身達を最大数呼び出してから最下層まで到着するまでのに2時間も掛かっていない筈なのにウィルのレベルは更に6も上がっていた。



名前 ウィル

種族 ヒト

職業 冒険者

年齢 25

LV 48

HP 524280/524280

MP 524280/524280

力  524280

魔力 425978

素早さ 524280

体力 524280

物理防御 524280

魔法防御 425978


(数値最小0、最大65535 上限を超えている為正しい数値に修正)

スキル スキルメーカー(残り製作可能数1) 携帯保管庫 地域安全安心MAP 完治の光改良型 光の群像 HP・MP自動回復※NEW


ドロップで手に入れたお金も重すぎて持ちきれなくなったので携帯保管庫に入れてみると、全額を1つのアイテムとして計算してくれるみたいで総額で金貨150枚を超えていた。

「このダンジョンで最初に出会うモンスターが最終ボスなんて思いもしなかったよ・・・」

ウィルは最終ボスに少しだけ期待して扉をゆっくりと開け中に入ると扉が勝手に閉まり内側から開かなくなった、そしてよく見ると大広間の中央で巨大な1つ目の鬼サイクロプスが仁王立ちして待ち構えていたのだった!

サイクロプス LV50 HP7000/7000

(うわ!?HPが高すぎ!)

自分の事は棚に上げてウィルはサイクロプスのHPの高さに舌を巻いていた。しかし、それでも今のウィルの前では紙切れ同然。さっさと終えてダンジョンを出ようと考えていたウィルを前にしてサイクロプスが突如話しかけてきた。

「・・・貴様がここまで来るのを待っていたぞ」

「何だって!?もしかしてお前はレーメルとかいう女の手下か?」

「違う、俺が貴様を待っていたのは別の用件だ」

「別の用件?」

「おい、とりあえずそこに正座しろや」

「えっ?」

「いいから早く正座しろ!」

「は、はい!」

ウィルは般若よりも怖い形相で怒っているサイクロプスに気圧されて思わず正座してしまった。

「お前な・・・やって良い事と悪い事が有るだろ?」

「俺、何かしました?」

「分身を召喚するのは別に構わないけどよ、物には限度ってものが有るだろ。100体も召喚して他のパーティーにも迷惑掛けて更にお前はここまで一切戦う事も無くレベルを上げまくるって人としてどうよ?」

モンスターから人の道理についてお説教されるとは思ってもみなかった・・・。

「あと1番の問題はな、モンスターが新たに沸くまでの時間差で他のパーティーまで戦う事無くこの最下層まで来ちまったんだぞ!?」

サイクロプスが手を勢い良くあげると扉が開き、扉の向こう側で順番待ちしているパーティーが全部で20以上居てウィルはようやく自分の仕出かした事の大きさを理解した。

「え~と皆さんには申し訳有りませんが、こいつがダンジョン内のモンスターを狩り尽くしてしまった所為で本来皆さんが相手をする筈のモンスターが規定人数に届きませんでした。よってこれより1ヶ月間モンスターが元の数に戻るまでダンジョンに入れない様に致します。ここまでお越し頂いたお詫びとして【地下5階への転移札】を配らせて頂きます。この札を持つ限り何度でも地下5階から再挑戦出来ますのでダンジョンが再開されましたら、またお越し下さい」

「え~!?マジかよ!?」×扉の外に居る全員

「この大広間の奥に入り口まで帰還出来る転移サークルが有りますので、転移札を受け取った方から順に退場して下さい」

サイクロプスが「すいませんでした」と頭を下げながら転移札を1枚1枚渡していく。その横でウィルはずっと正座させられたままだった。

「余計な事するじゃねえ馬鹿!」

「ほんと、ぬか喜びさせられちゃったわよ!」

「もう2度とこのダンジョンに来るんじゃねえ!」

口々に罵倒されてウィルは穴が有ったら入りたい心境になった。ようやく全てのパーティーが出て行って扉が閉じるとサイクロプスがウィルに近づいてきた。

「ほらよ、お前にはこれをやる。どうせまともに戦っても俺の勝ち目なんて最初から無い。だから本来俺を倒せば手に入る筈だったダンジョンクリアの報酬をやるから、さっきの奴のセリフじゃないがもう2度とこのダンジョンには来るなよ。お前のやった事はダンジョンの営業妨害だ」

「ご迷惑お掛けしました」

「分かってくれれば、それでいい。まあ、お前に瞬殺されずに済んだから俺も死ぬ時が先延ばしになって助かったよ」

「もしかして、死ぬ度に蘇ってるの!?」

「このダンジョンが完全に破壊されない限り本当の永遠の眠りは訪れないな、けど俺と戦った経験で自信を付けた冒険者達が巣立っていく姿を見ながら死ぬのも悪くないから不思議だよ」

そう言いながら、サイクロプスがウィルに報酬を手渡した。

【ウィルはダンジョンのクリア報酬として 魔動馬 を手に入れた】

「魔動馬?」

「所有者のMPを消費して動くミスリル製の馬だ、多くMPを与えればその分だけ少し早く走ってくれる。移動手段として馬車にでもしたらどうだ?」

ウィルは出入り禁止と引き換えにイスタブ神殿跡のダンジョン最短クリアの記録を打ち立てる結果となった。また翌日からダンジョンが1ヶ月の臨時休業に入った為に駆け出しの冒険者の人達が練習場を使えずに困る羽目となったのは余談である。
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