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第3話 新しいスキル
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ウィルとサチは日も暮れかけた頃、ようやくルトの村に到着した。
「夜になる前に村に戻れて良かったね」
「はい、村に戻る道中も守って下さり本当にすいません」
「空き部屋を貸してもらうのだから、これ位は当然だよ」
ウィルは森の中でゴブリンの血の臭いに引き寄せられたウルフ2頭からもサチを守っていた。
ウルフ LV4 HP30/30
腹を空かせていた所為か力の差に気付く事も無く襲い掛かるウルフ達をウィルは難無く片付ける、そして戦いを終えるとその場に2枚の毛皮が残されていた。
【ウィルは獣の皮を2枚手に入れた】
ウィルはこの戦利品を丁寧に扱う、何故なら部屋を貸してもらうお礼として渡すつもりだったからだ。
「そういえば、サチの弟さんって何て病気に罹っているのかな?」
「弟は・・・鬼面症という特異な病に罹っております」
鬼面症・・・それは発生原因や治療方法も不明の奇病の1つで、ある日突然顔が徐々に鬼となっていく病気である。そして顔が完全に鬼と化すと治療は不可能となり全身の鬼化も始まってやがて身も心も完全な鬼となり1匹のモンスターが誕生する事となる。人に感染するのかさえも分からない為、その病気に罹った者は通常家族の手によって永遠の眠りを与えられるのだがサチの家族は何とかして弟を救おうと村に住む祈祷師を訪ねて鬼面症の進行を抑えるという霊薬を買っていたのだそうだ。
「その薬は効果有ったの?」
「効果が有ったのか分かりませんが最初に飲ませた時に祈祷師様が『お~見ろ、鬼面症の進行が鈍くなったぞ!』と言ったので両親はその言葉を信用して高価な霊薬を買い続けました。そして次第に材料が不足している等を理由に霊薬の値が上がっていきニジイロタケとほぼ同額になってしまいました」
(その祈祷師は家族の不安を良い事に効き目の無い薬を売って金を手に入れているな。サチの家族達から搾れるだけ搾ったらこの村の住人に話してサチの家族ごと葬るつもりかもしれない)
人を疑う事をほとんどしないウィルでさえも、この祈祷師は怪しいと思った。
「もしかしたらサチの家族は祈祷師に騙されているのかもしれない、弟さんが心配だから早く見てみよう」
「分かりました、お願いします。あら、何か変だわ?うちの辺りがやけに明るいわね」
サチが指差した方向が薄闇の中やけに明るくなっている、あの明るさは火の明かりだ!?
「急ごう!急がないとサチの家族が手遅れになるかもしれない!?」
「どうされたのですか、急に!?」
ウィルが突然走り出したのでサチも慌てて追いかける、しかしウィルの素早い動きに付いていく事が出来ずにサチとウィルの間はどんどん離れていった。
「早く火を放て!鬼が村の中で暴れだす前に始末するんだ!?」
「うちの家族に手出しさせるものか!立ち去れ!!」
ウィルが見た物は、1件の家の周囲を大勢の男達が松明を持って囲み家の入り口で1組の夫婦が両手を広げ家を守ろうとしている現場だった。
「あの家の者は鬼面症に罹っている者をわざと隠し、この村を鬼の村としようとする不届き者達だ。きっとこの家族皆鬼面症に罹っているに違いない、この家ごと燃やし災いの種を消し去るのだ!」
男達の後ろで叫んでいる男・・・こいつがきっと祈祷師なのだろう。
「待て、その男の言っている事は嘘だらけだ。効きもしない薬を与えて金を奪い用が済んだら家族ごと始末する。こんな男の心こそ鬼そのものだと思わないのか?」
「何者だ貴様!余所者が口出しするな!?」
「俺はカサッポから来たウィル、俺が今この場で鬼面症の息子を救ってみせよう。そうすれば村の心配事は無くなるし。今後はこのエセ祈祷師を信用せずに済むだろう」
俺はスキルメーカーを発動させると、サチの弟を助ける為の新しいスキルを創造した。
スキル名 【完治の光】
スキルLV 1(効果範囲5m)
効果 あらゆる怪我、状態異常、病気を瞬時に回復させる事が出来る。スキルLVが上がる事によって回復の効果を与える範囲が段階的に増えていく。
備考 長い年月が経っている怪我や死亡状態からの回復は不可能
(よし、こんな物で良いだろう)
俺は家を囲んでいる男達の間を抜けると家の前で息子を必死で守ろうとする両親の前まで進んだ。
「サチから大体の話は聞いている、弟を助けに来た。済まないが息子を家の前に出してくれないか?村の者達に治す所を直接見せないと納得しないと思うから」
「わ、わかった!このままでは家族も皆あの嘘つき祈祷師の所為で殺されてしまう所だった!?あなたの言う事を信じよう」
父親は家の中に入ると、息子を連れて表に出てきた。思った以上に鬼面症が進行していたらしく息子の顔はあと数mmで鬼となる寸前となっていた。
「見ろ、最早あの状態では手遅れだ!急いで松明を投げ入れろ!」
祈祷師は村の男達を煽るが俺は周囲に殺気を振りまく事で抑えた。しかし、よく周りを見ずに殺気を振りまいた為にようやく追いついたサチまで殺気を浴びて腰を抜かしていたので悪い事をしたかもしれない。スカートも少し濡れている様に見える。
「今までよく我慢したな、もう大丈夫だから安心しろ。【完治の光】」
俺は早速サチの弟に【完治の光】を使用すると眩しい白い光が俺を中心に広がっていく、その光がサチの弟の全身を包み込みながら癒していく。1分ほどで光が収まると、サチの弟の顔は元に戻っていた。
「見ろ、元の顔に戻ったぞ。鬼面症から回復したんだ!?」
「待て、元の顔に見える様に細工しているだけかもしれないぞ」
半信半疑の男達を納得させる為に俺は祈祷師に一足飛びで近づくとおもむろに片手を斬り落とした。
「ぎゃああああ!?」
祈祷師の叫び声で周囲は沈黙する。
「この程度の痛み、サチの家族に与えていた苦しみに比べれば対した事も無いだろうが!?」
俺は吐き捨てる様に祈祷師に言うと、本当は治したくない落ちた腕で治した事を証明する為に再度【完治の光】を使った。
「祈祷師の腕が元に戻っているぞ、ならばやはり細工では無く鬼面症から完全に回復しているんだ!?」
「これで俺の言っている事が証明出来ると思う、この祈祷師はサチの家族から有りもしない鬼面症の進行を抑えるという霊薬を高額で金額で売り続けあげくの果てに村の男達まで騙し人殺しをさせようとする最低の人間だ」
男達の視線が一斉に祈祷師に向けられた。
「ひぃっ!?」
祈祷師は一目散にその場を離れ、そのまま村から逃げ出した。
「どうやら俺達は祈祷師に騙されていた様だ、済まなかった」
「いや、息子を最後まで匿おうとしていた私達も悪かったんだ許して欲しい」
サチの両親も村の男達に謝罪していた、村人達に相談せずに祈祷師なんかに相談した所為でこんな大きな騒ぎになってしまった。幸い、息子の病気が完治させる事が出来たお陰で誰も不幸にならずに済んで良かったと思う。
「ウィル君だったかな?息子の命ばかりだけでなく我々も救って頂き感謝する」
「気にしないでください、サチさんから助けたお礼に宿の代わりに空き部屋を貸してくれる事になっていたのでついでみたいなものです」
(愛する息子の命を奪わないといけなかったかもしれない病気を治したのがついで!?)
サチの父親はウィルの無神経な言葉遣いに少し腹立たしい思いを感じたが、それが人が良すぎる所為で正直に話しているのだと分かると、それはむしろこれまでに接してきた男達とは異なる好印象に変わっていった。
「ウィルさん、私や弟だけでなく両親の危機まで救っていただき有難うございました」
「空き部屋を貸してもらえるんだから、当然の事をしたまでだよ。あっ!さっき急いで走った時にお金を少し落としたみたいだから拾ってくるね!すぐ戻るから」
ウィルはサチの返答を待たずに走り出してあっという間に姿を消した、サチの父親はサチの肩に手を置きながらこう告げた。
「サチよ、あのウィルの様な男を夫にすれば多少心配させられるかもしれないがきっと幸せになれる筈だぞ」
サチは父から突然そんな事を言われて顔を赤面させる。
「と、父さん!?急に変な事を言わないで頂戴!」
しかし恋愛経験の無いサチにとって父の言葉はウィルを意識する様になるキッカケとして充分効果が有ったみたいだ。
一方その頃ウィルはお金を拾いに向かったのではなく、逃げた祈祷師の後を追いかけていた。
「お前、どこに逃げようとしているんだ?サチの家族に謝罪する訳でも無くお金を返そうとするでも無く、そんなお前を逃がす訳が無いだろうに」
ウィルは感情が一切篭っていない言葉で祈祷師を追い詰める、祈祷師は慌てて服の内側から財布を出すとウィルに持っているお金を全て差し出した。
「すまない、あの家族から頂いた金は半分以上酒と女を買うのに使っちまった。残りはこれだけしか無いんだ、これで勘弁して欲しい」
「分かった、サチにはお前が謝罪して残ったお金を返してくれたと伝えておこう」
「本当か!?助かったよ、有難う」
「例には及ばん、お前はこれから罰を受けるのだからな」
「え?」
ウィルは祈祷師の全身に小さな傷を幾つも与えた、傷から少しずつ血が流れて行く。
「一晩も有れば血も止まるだろう、だがウルフに血の臭いを嗅ぎ付けられてどこまで逃げられるかな?これがお前に与える罰だ」
ウィルは祈祷師の助けを求める叫びを無視して村へと戻っていく。そして翌朝、道から外れた人目の付かない場所にウルフに喰い散らかされた1人の男の死体が転がっていたのだった。
「夜になる前に村に戻れて良かったね」
「はい、村に戻る道中も守って下さり本当にすいません」
「空き部屋を貸してもらうのだから、これ位は当然だよ」
ウィルは森の中でゴブリンの血の臭いに引き寄せられたウルフ2頭からもサチを守っていた。
ウルフ LV4 HP30/30
腹を空かせていた所為か力の差に気付く事も無く襲い掛かるウルフ達をウィルは難無く片付ける、そして戦いを終えるとその場に2枚の毛皮が残されていた。
【ウィルは獣の皮を2枚手に入れた】
ウィルはこの戦利品を丁寧に扱う、何故なら部屋を貸してもらうお礼として渡すつもりだったからだ。
「そういえば、サチの弟さんって何て病気に罹っているのかな?」
「弟は・・・鬼面症という特異な病に罹っております」
鬼面症・・・それは発生原因や治療方法も不明の奇病の1つで、ある日突然顔が徐々に鬼となっていく病気である。そして顔が完全に鬼と化すと治療は不可能となり全身の鬼化も始まってやがて身も心も完全な鬼となり1匹のモンスターが誕生する事となる。人に感染するのかさえも分からない為、その病気に罹った者は通常家族の手によって永遠の眠りを与えられるのだがサチの家族は何とかして弟を救おうと村に住む祈祷師を訪ねて鬼面症の進行を抑えるという霊薬を買っていたのだそうだ。
「その薬は効果有ったの?」
「効果が有ったのか分かりませんが最初に飲ませた時に祈祷師様が『お~見ろ、鬼面症の進行が鈍くなったぞ!』と言ったので両親はその言葉を信用して高価な霊薬を買い続けました。そして次第に材料が不足している等を理由に霊薬の値が上がっていきニジイロタケとほぼ同額になってしまいました」
(その祈祷師は家族の不安を良い事に効き目の無い薬を売って金を手に入れているな。サチの家族達から搾れるだけ搾ったらこの村の住人に話してサチの家族ごと葬るつもりかもしれない)
人を疑う事をほとんどしないウィルでさえも、この祈祷師は怪しいと思った。
「もしかしたらサチの家族は祈祷師に騙されているのかもしれない、弟さんが心配だから早く見てみよう」
「分かりました、お願いします。あら、何か変だわ?うちの辺りがやけに明るいわね」
サチが指差した方向が薄闇の中やけに明るくなっている、あの明るさは火の明かりだ!?
「急ごう!急がないとサチの家族が手遅れになるかもしれない!?」
「どうされたのですか、急に!?」
ウィルが突然走り出したのでサチも慌てて追いかける、しかしウィルの素早い動きに付いていく事が出来ずにサチとウィルの間はどんどん離れていった。
「早く火を放て!鬼が村の中で暴れだす前に始末するんだ!?」
「うちの家族に手出しさせるものか!立ち去れ!!」
ウィルが見た物は、1件の家の周囲を大勢の男達が松明を持って囲み家の入り口で1組の夫婦が両手を広げ家を守ろうとしている現場だった。
「あの家の者は鬼面症に罹っている者をわざと隠し、この村を鬼の村としようとする不届き者達だ。きっとこの家族皆鬼面症に罹っているに違いない、この家ごと燃やし災いの種を消し去るのだ!」
男達の後ろで叫んでいる男・・・こいつがきっと祈祷師なのだろう。
「待て、その男の言っている事は嘘だらけだ。効きもしない薬を与えて金を奪い用が済んだら家族ごと始末する。こんな男の心こそ鬼そのものだと思わないのか?」
「何者だ貴様!余所者が口出しするな!?」
「俺はカサッポから来たウィル、俺が今この場で鬼面症の息子を救ってみせよう。そうすれば村の心配事は無くなるし。今後はこのエセ祈祷師を信用せずに済むだろう」
俺はスキルメーカーを発動させると、サチの弟を助ける為の新しいスキルを創造した。
スキル名 【完治の光】
スキルLV 1(効果範囲5m)
効果 あらゆる怪我、状態異常、病気を瞬時に回復させる事が出来る。スキルLVが上がる事によって回復の効果を与える範囲が段階的に増えていく。
備考 長い年月が経っている怪我や死亡状態からの回復は不可能
(よし、こんな物で良いだろう)
俺は家を囲んでいる男達の間を抜けると家の前で息子を必死で守ろうとする両親の前まで進んだ。
「サチから大体の話は聞いている、弟を助けに来た。済まないが息子を家の前に出してくれないか?村の者達に治す所を直接見せないと納得しないと思うから」
「わ、わかった!このままでは家族も皆あの嘘つき祈祷師の所為で殺されてしまう所だった!?あなたの言う事を信じよう」
父親は家の中に入ると、息子を連れて表に出てきた。思った以上に鬼面症が進行していたらしく息子の顔はあと数mmで鬼となる寸前となっていた。
「見ろ、最早あの状態では手遅れだ!急いで松明を投げ入れろ!」
祈祷師は村の男達を煽るが俺は周囲に殺気を振りまく事で抑えた。しかし、よく周りを見ずに殺気を振りまいた為にようやく追いついたサチまで殺気を浴びて腰を抜かしていたので悪い事をしたかもしれない。スカートも少し濡れている様に見える。
「今までよく我慢したな、もう大丈夫だから安心しろ。【完治の光】」
俺は早速サチの弟に【完治の光】を使用すると眩しい白い光が俺を中心に広がっていく、その光がサチの弟の全身を包み込みながら癒していく。1分ほどで光が収まると、サチの弟の顔は元に戻っていた。
「見ろ、元の顔に戻ったぞ。鬼面症から回復したんだ!?」
「待て、元の顔に見える様に細工しているだけかもしれないぞ」
半信半疑の男達を納得させる為に俺は祈祷師に一足飛びで近づくとおもむろに片手を斬り落とした。
「ぎゃああああ!?」
祈祷師の叫び声で周囲は沈黙する。
「この程度の痛み、サチの家族に与えていた苦しみに比べれば対した事も無いだろうが!?」
俺は吐き捨てる様に祈祷師に言うと、本当は治したくない落ちた腕で治した事を証明する為に再度【完治の光】を使った。
「祈祷師の腕が元に戻っているぞ、ならばやはり細工では無く鬼面症から完全に回復しているんだ!?」
「これで俺の言っている事が証明出来ると思う、この祈祷師はサチの家族から有りもしない鬼面症の進行を抑えるという霊薬を高額で金額で売り続けあげくの果てに村の男達まで騙し人殺しをさせようとする最低の人間だ」
男達の視線が一斉に祈祷師に向けられた。
「ひぃっ!?」
祈祷師は一目散にその場を離れ、そのまま村から逃げ出した。
「どうやら俺達は祈祷師に騙されていた様だ、済まなかった」
「いや、息子を最後まで匿おうとしていた私達も悪かったんだ許して欲しい」
サチの両親も村の男達に謝罪していた、村人達に相談せずに祈祷師なんかに相談した所為でこんな大きな騒ぎになってしまった。幸い、息子の病気が完治させる事が出来たお陰で誰も不幸にならずに済んで良かったと思う。
「ウィル君だったかな?息子の命ばかりだけでなく我々も救って頂き感謝する」
「気にしないでください、サチさんから助けたお礼に宿の代わりに空き部屋を貸してくれる事になっていたのでついでみたいなものです」
(愛する息子の命を奪わないといけなかったかもしれない病気を治したのがついで!?)
サチの父親はウィルの無神経な言葉遣いに少し腹立たしい思いを感じたが、それが人が良すぎる所為で正直に話しているのだと分かると、それはむしろこれまでに接してきた男達とは異なる好印象に変わっていった。
「ウィルさん、私や弟だけでなく両親の危機まで救っていただき有難うございました」
「空き部屋を貸してもらえるんだから、当然の事をしたまでだよ。あっ!さっき急いで走った時にお金を少し落としたみたいだから拾ってくるね!すぐ戻るから」
ウィルはサチの返答を待たずに走り出してあっという間に姿を消した、サチの父親はサチの肩に手を置きながらこう告げた。
「サチよ、あのウィルの様な男を夫にすれば多少心配させられるかもしれないがきっと幸せになれる筈だぞ」
サチは父から突然そんな事を言われて顔を赤面させる。
「と、父さん!?急に変な事を言わないで頂戴!」
しかし恋愛経験の無いサチにとって父の言葉はウィルを意識する様になるキッカケとして充分効果が有ったみたいだ。
一方その頃ウィルはお金を拾いに向かったのではなく、逃げた祈祷師の後を追いかけていた。
「お前、どこに逃げようとしているんだ?サチの家族に謝罪する訳でも無くお金を返そうとするでも無く、そんなお前を逃がす訳が無いだろうに」
ウィルは感情が一切篭っていない言葉で祈祷師を追い詰める、祈祷師は慌てて服の内側から財布を出すとウィルに持っているお金を全て差し出した。
「すまない、あの家族から頂いた金は半分以上酒と女を買うのに使っちまった。残りはこれだけしか無いんだ、これで勘弁して欲しい」
「分かった、サチにはお前が謝罪して残ったお金を返してくれたと伝えておこう」
「本当か!?助かったよ、有難う」
「例には及ばん、お前はこれから罰を受けるのだからな」
「え?」
ウィルは祈祷師の全身に小さな傷を幾つも与えた、傷から少しずつ血が流れて行く。
「一晩も有れば血も止まるだろう、だがウルフに血の臭いを嗅ぎ付けられてどこまで逃げられるかな?これがお前に与える罰だ」
ウィルは祈祷師の助けを求める叫びを無視して村へと戻っていく。そして翌朝、道から外れた人目の付かない場所にウルフに喰い散らかされた1人の男の死体が転がっていたのだった。
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