29 / 37
第28話 魔王がもう1人増えました。
しおりを挟む
『貴様はなんて恐ろしい武器を作り上げていたのだ』
合体魔王さんは、疲れきっていて身動きもまともに取れない様だ。
「俺に言われても困るわ、もしも男だったらもっと悲惨だったと思うぞ」
『!?』
「後ろに刺さって、果てて周囲に撒き散らす光景は流石の俺も見たくないからな」
『たしかにそうかもしれん』
「あと、1番肝心な事だがな。本物のガングニールだったら、今頃とっくに死んでいた」
『はい・・・』
「合体後が女だから助けたが、男だったら死ぬまで放置していたぞ」
『助けて頂きありがとうございました、これより誠心誠意お仕えさせて戴きます』
「長ったらしい挨拶は抜きだ、まずはこのダンジョンをクリアして報酬を貰って早く帰るぞ!」
『分かりました』
俺は魔王の死体が転がっていた辺りを見てみるが、石ころばかりで目ぼしい鉱石類は見当たらなかった。
「魔王からのドロップ報酬はどこにあるんだ!?」
『足元に落ちている石がそうですよ』
足元に一杯落ちている、ただの石ころみたいのに鑑定を掛けてみた。すると
賢者の石 ミソロジー等級
錬金術の触媒として超有名、武器の素材として用いるとランダムに効果を発する。効果によっては神さえ斬る事も可能となる場合も有る。
(コレだ、コレを武器に用いればフローディアやヴェルドを殺す事が出来る。まずは全部拾って工房で大量複製しないとな)
アイテムボックスにどんどん放り込んでいると後ろから声を掛けられる。
『あ、あの・・・ミツクニ殿』
「どうした? 合体魔王」
『い、いえ。この石を拾い終わりましたらどうされるのですか?』
「もちろん、決まっている。自分の家に戻り、2人の神を殺す為の武器を作るんだよ」
『あなたは神を討つおつもりで、ここまで来たと言うのですか!?』
「ああ、そうだよ!笑いたきゃ笑えばいい」
『連れて行って戴けるのですよね?』
「はあ!?どういうことだ?」
『わたしはミツクニ殿に心も身体も捧げました。ですから、お供させてください』
「ウチには既にもう1人、魔王が居るんだぞ!?」
『いざという時は、ミツクニ殿の盾として代わりに刃をこの身で受け止めましょう』
「そこまでしなくていいからよ、戻れば赤ん坊も居るからあまり騒ぎを起こさない様にしてくれよな」
『はい、承知いたしました』
(サーラ達に何て言えばいいんだ?ダンジョンからの土産で、女の魔王を1人お持ち帰りしてきました何て言ったらまた怒られそうだ)
あまり長く考えている時間もないから、俺はこのダンジョンの1番奥に有る石碑前に急いで向かった。
石碑の前に到着すると、石碑の前に大小1つずつの宝箱が置かれていた。
『最後、この中から1つを選ぶ事が出来れば外に通じる魔法陣が現れます』
(この中から1つ?2つの中から1つじゃないのか!?俺は何か見落としている!?)
俺はしばらくじっと眺めていると、有る事に気付き宝箱を両方蹴飛ばした。
「ああ、そうだよな!鉱物を取りに来た筈なのに宝箱の中にご丁寧に入れておく訳無いわな。まさか、この石碑自体が偽装したクリア報酬だったとは恐れ入ったぜ!」
そう言うと、石碑は振動を始め表面の石が少しずつ剥がれていく。そして中からは太陽の様に輝く金属がその姿を現した。
青生生魂(アポイタカラ) ミソロジー等級
大昔の日本に有ったとされる伝説の金属で、ヒヒイロカネと同質の物とも言われている。
(ヒヒイロカネと同質なのに、別の存在となっているのか。試しにこいつで打ってみるといいかもしれんな)
俺は青生生魂で出来た石碑をそのままアイテムボックスに入れると、目の前に現れた魔法陣にデウスと合体魔王と共に入る。すると俺達3人はダンジョンの入口まで戻る事が出来た。
「やっとクリア出来たか、デウスこのダンジョンはこれからどうなるんだ?」
「そうですね、最下層の魔王さん達は今頃この合体してる方達を除いて全員復活している筈です」
「リポップするのかよ!?」
「そうでないと、ダンジョンが成立しないじゃないですか?」
「ここに居る魔王達は死ぬ事も許されないって事か?」
「もう既に死んでおりますが?」
「・・・デウス、次は無いぞ。最下層の魔王達は次に死んだらもう2度と復活させるな」
「何故そこまでお怒りになっているのですか?」
「お前もフローディアやヴェルドと同じなんだよ、自由研究と称して既に死んでいる魔王達を眠りから無理やり起こし何度も復活させる。魔王達の人生を弄んでいた事がまだ分からないのか?」
「・・・・承知しました、これ以降は2度と復活しない様に今すぐ変更致します」
「あと、ドラゴンやミミズ共もな望む奴は外に出してやれ。お前が好き勝手にしていい奴なんてどこにも居ないんだからよ」
「わかりました」
「まずは俺とこの合体魔王を工房まで運んでくれ、そうしたらお前はまたここへ戻りミミズやドラゴン達全員から外に出たい奴を聞き出して望み通りにしてやれ。全て終わって工房に戻って来た時にまたお前の望み通り抱いてやるから」
「約束ですからね、破ったらあなた1人に最下層で無限リポップして貰いますからね」
「お前は少しは反省の態度を示せ!俺の死後を踏みにじるな!?」
「てへっ♪」
デウスはまた舌を出して、照れた様に微笑む。
そうして、俺と合体魔王はデウスに工房まで転移して貰いダンジョンの攻略は終わった。しかし、後日ダンジョンから外の世界に出る事を許されたミミズやドラゴン達の一部は俺に恩義を感じたのか工房の近くに住み着く様になり大量のミミズの糞と鱗が店の隣に放置される様になり材料に困らなくなった。
合体魔王さんは、疲れきっていて身動きもまともに取れない様だ。
「俺に言われても困るわ、もしも男だったらもっと悲惨だったと思うぞ」
『!?』
「後ろに刺さって、果てて周囲に撒き散らす光景は流石の俺も見たくないからな」
『たしかにそうかもしれん』
「あと、1番肝心な事だがな。本物のガングニールだったら、今頃とっくに死んでいた」
『はい・・・』
「合体後が女だから助けたが、男だったら死ぬまで放置していたぞ」
『助けて頂きありがとうございました、これより誠心誠意お仕えさせて戴きます』
「長ったらしい挨拶は抜きだ、まずはこのダンジョンをクリアして報酬を貰って早く帰るぞ!」
『分かりました』
俺は魔王の死体が転がっていた辺りを見てみるが、石ころばかりで目ぼしい鉱石類は見当たらなかった。
「魔王からのドロップ報酬はどこにあるんだ!?」
『足元に落ちている石がそうですよ』
足元に一杯落ちている、ただの石ころみたいのに鑑定を掛けてみた。すると
賢者の石 ミソロジー等級
錬金術の触媒として超有名、武器の素材として用いるとランダムに効果を発する。効果によっては神さえ斬る事も可能となる場合も有る。
(コレだ、コレを武器に用いればフローディアやヴェルドを殺す事が出来る。まずは全部拾って工房で大量複製しないとな)
アイテムボックスにどんどん放り込んでいると後ろから声を掛けられる。
『あ、あの・・・ミツクニ殿』
「どうした? 合体魔王」
『い、いえ。この石を拾い終わりましたらどうされるのですか?』
「もちろん、決まっている。自分の家に戻り、2人の神を殺す為の武器を作るんだよ」
『あなたは神を討つおつもりで、ここまで来たと言うのですか!?』
「ああ、そうだよ!笑いたきゃ笑えばいい」
『連れて行って戴けるのですよね?』
「はあ!?どういうことだ?」
『わたしはミツクニ殿に心も身体も捧げました。ですから、お供させてください』
「ウチには既にもう1人、魔王が居るんだぞ!?」
『いざという時は、ミツクニ殿の盾として代わりに刃をこの身で受け止めましょう』
「そこまでしなくていいからよ、戻れば赤ん坊も居るからあまり騒ぎを起こさない様にしてくれよな」
『はい、承知いたしました』
(サーラ達に何て言えばいいんだ?ダンジョンからの土産で、女の魔王を1人お持ち帰りしてきました何て言ったらまた怒られそうだ)
あまり長く考えている時間もないから、俺はこのダンジョンの1番奥に有る石碑前に急いで向かった。
石碑の前に到着すると、石碑の前に大小1つずつの宝箱が置かれていた。
『最後、この中から1つを選ぶ事が出来れば外に通じる魔法陣が現れます』
(この中から1つ?2つの中から1つじゃないのか!?俺は何か見落としている!?)
俺はしばらくじっと眺めていると、有る事に気付き宝箱を両方蹴飛ばした。
「ああ、そうだよな!鉱物を取りに来た筈なのに宝箱の中にご丁寧に入れておく訳無いわな。まさか、この石碑自体が偽装したクリア報酬だったとは恐れ入ったぜ!」
そう言うと、石碑は振動を始め表面の石が少しずつ剥がれていく。そして中からは太陽の様に輝く金属がその姿を現した。
青生生魂(アポイタカラ) ミソロジー等級
大昔の日本に有ったとされる伝説の金属で、ヒヒイロカネと同質の物とも言われている。
(ヒヒイロカネと同質なのに、別の存在となっているのか。試しにこいつで打ってみるといいかもしれんな)
俺は青生生魂で出来た石碑をそのままアイテムボックスに入れると、目の前に現れた魔法陣にデウスと合体魔王と共に入る。すると俺達3人はダンジョンの入口まで戻る事が出来た。
「やっとクリア出来たか、デウスこのダンジョンはこれからどうなるんだ?」
「そうですね、最下層の魔王さん達は今頃この合体してる方達を除いて全員復活している筈です」
「リポップするのかよ!?」
「そうでないと、ダンジョンが成立しないじゃないですか?」
「ここに居る魔王達は死ぬ事も許されないって事か?」
「もう既に死んでおりますが?」
「・・・デウス、次は無いぞ。最下層の魔王達は次に死んだらもう2度と復活させるな」
「何故そこまでお怒りになっているのですか?」
「お前もフローディアやヴェルドと同じなんだよ、自由研究と称して既に死んでいる魔王達を眠りから無理やり起こし何度も復活させる。魔王達の人生を弄んでいた事がまだ分からないのか?」
「・・・・承知しました、これ以降は2度と復活しない様に今すぐ変更致します」
「あと、ドラゴンやミミズ共もな望む奴は外に出してやれ。お前が好き勝手にしていい奴なんてどこにも居ないんだからよ」
「わかりました」
「まずは俺とこの合体魔王を工房まで運んでくれ、そうしたらお前はまたここへ戻りミミズやドラゴン達全員から外に出たい奴を聞き出して望み通りにしてやれ。全て終わって工房に戻って来た時にまたお前の望み通り抱いてやるから」
「約束ですからね、破ったらあなた1人に最下層で無限リポップして貰いますからね」
「お前は少しは反省の態度を示せ!俺の死後を踏みにじるな!?」
「てへっ♪」
デウスはまた舌を出して、照れた様に微笑む。
そうして、俺と合体魔王はデウスに工房まで転移して貰いダンジョンの攻略は終わった。しかし、後日ダンジョンから外の世界に出る事を許されたミミズやドラゴン達の一部は俺に恩義を感じたのか工房の近くに住み着く様になり大量のミミズの糞と鱗が店の隣に放置される様になり材料に困らなくなった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,576
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる