召喚に巻き込まれた冴えないおっさんのハーレムライフ?

いけお

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第23話 磐咲へ急げ!

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今回は短めです。




「ルナの言っている事が本当なら、門音やみどり先生達も危ない!急いで来た道を通って磐咲へ戻ろう」

「ですが王道さん、イーヴィルの配下が途中で待ち構えているかもしれませんよ」

奈央の言っている事も確かに合っている、だが他に磐咲に戻るルートが有るとも思えなかった。

「けどな奈央、他に磐咲に戻れる道が有るとは思えないぞ?」

「恐らく・・・いいえ、間違い無く峠を越えて割頤使に行けば轟もしくは渇濡馬を通り磐咲へ繋がる道が在る筈です」

奈央には何故か確信が有る様だ。

「奈央、何でそこまではっきりと答える事が出来るんだ?分かる様に教えてくれ」

「分かりました、ではこれまでに立ち寄った村や町等の地名を言ってみて貰えますか?」

「地名?まず最初が轟(とどろき)だろ、そして渇濡馬(かつぬま)・長出(おさで)・臼束(きゅうそく)・乃炉(のろ)・渡使(わたづか)を回った後で磐咲(いわさき)から山都(やまと)に立ち寄り佐々碁峠(ささごとうげ)か醍慕刹峠(だいぼさつとうげ)のどちらに向かうか話し合って後者を選び、典杢(てんもく)近くでサクラと出会いその先の嵯峨塩(さがしお)の湯でルナ達に追いつかれた」

「ここまで言って気付きませんか?」

「何に?」

奈央の言っている事がまだ分からない。

「これ、山梨に実際に在る地名ですよ。等々力・勝沼・小佐手・休息・野呂・綿塚・岩崎・大和・笹子峠・大菩薩峠・天目と漢字は違いますが全く同じ地名です。嵯峨塩が同じ漢字だったので確信出来ました」

(山梨に実際に在る地名だって!?何でこの異世界に同じ地名の場所が在るんだ?)

「アクア!ここは本当に俺達の居た世界とは異なる世界なのか?それとも、ここは俺達が居た時代から遥か遠い未来なのか!?」

アクアの顔を見ると、アクアも知らなかったらしく驚きを隠せないでいた。

『同じ地名があなた方の世界にも在るのですか!?そんな筈は有りません、私達は今回あなた達を召喚するまで他の世界の住人と接触した事が無いのですから』

「嘘じゃないんだな?」

『こんな時に嘘を言う必要がどこに有りますか?』

それならば奈央の言葉を信じてこのまま峠の先の割頤使(さけいし)を目指すとしよう。

「割頤使、元の世界では裂石ですがそこから南西の方角に向かえば赤尾(あかお)という場所が見つかる筈です。更に南に向かうと今度は西広門田(かわだ)という地名の場所が在るのでその付近から轟か渇濡馬に向かう道が出ていると思います」

「随分と詳しいな奈央、昔この周辺にでも住んでいたのか?」

「ええ少しだけ、昔話はまた今度2人きりでじっくりと聞かせてあげますのでまずは峠を越えましょう」

「王道、私の昔話も今度聞かせてあげる!」

華憐も奈央に対抗心を抱いたらしい、しかし対抗心を持ったのは華憐だけでは無かった。

『王道様、私も父からどの様に迫られたのかやどうやってこの世界まで逃げてきたのか事細かに説明しとうございますので、今晩辺り伽の相手に選んで頂けませんか?』

「「あんたはずっと却下よ!!」」

一気に人数が12人に増えた王道一行は峠を越えるべく頂上へ歩き始めた、ちなみにドームタートルを起こした邪族の小隊の面々はルナから命を奪われずに済んだ代わりに嵯峨塩の湯の護衛兼従業員として働いて罪を償う事となった。





その頃、磐咲ではライアや門音達が手分けしてミレイアを捜索していた。

「ミレイア~!居たら返事して~!!」

「ミレイアさんを見た方居たら、教えてください~!」

探し始めて2日目になろうとしているのに、姿を消したミレイアの足取りが全く掴めない。ミレイアの自室の机の上に置いてあった羊皮紙のノートには王道への告白計画が書きかけのままで置いてあった。

『おかしいです、ミレイアの気配がこの世界のどこからも感じ取れません。まるで何者かに他の世界に連れて行かれてしまったみたいで凄く不気味です』

「外の邪族に攫われた可能性はどうなんですか?」

『邪神ルナの命令に従って街へ侵入する者を防いでいます、比較的自由に行動しているのは邪王とそれに近い実力を持つ邪族だけです。では、念の為にその者達の街の中への進入を禁止しましょう』

しかし、翌日今度は渇濡馬の町から1人の女性が突然姿を消したと連絡が入った。その女性は女性陣は気付いていないが、王道が滞在時にお世話になった連れ込み宿のお姉さんだった。





「・・・・・・うんっ!?」

女性が目を覚ました、頭がまだ上手く回っていないが自室では無いのだけは確かみたいだ。

「良かった、気付かれた様ですね。私は磐咲の教会でシスターをしていますミレイアと申します」

「ミレイアさんですか、私は渇濡馬の・・・ある宿で働いているノアと言います」

「ノアさんですね、ここは一体どこでしょうか?」

「私も目覚めたばかりなので、さっぱり分かりません」

『ふふふ、目覚めたみたいだな。我が楽園を彩る2輪の花よ』

「「誰っ!?」」

ミレイアとノアが振り返ると、大勢の女性達を侍らせた不気味な男が豪華な椅子に腰掛けていた。

『我が名はイーヴィル、邪神にしてこのハーレムの主である。お前達はこのハーレムの末席に名を連ねる栄誉を得た。これよりその栄誉に報いる為に我に奉仕するのだ』

「何をふざけた事を!?お断りです」

『嫌ならば、このハーレムから出て行け。邪族しか住んでいないこの世界で、お前ら人間が生活出来る場所など無い。ゴブリン達の嬲り者やサラマンダーのエサでも自由に選ぶが良い』

絶望に怯える2人を余所にイーヴィルの下衆な高笑いがハーレムに木霊していた。
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