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城主1年目
8月その2 大雨対策
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「やあ、親方。水路の進み具合はどうかな?」
「これはフミオ様!ご覧の通り、北門の下を通る水路もあと数日もすれば完成するでしょう」
「苦労掛けてすまない」
「いえいえ、井戸の水位が低くなっている話はリンディス様から既に伺っております。これは水不足対策としても有効な事業ですから皆喜んで参加していますよ」
「あと・・・急な相談で悪いんだけどさ、この城壁の周囲に空堀を作る事は出来ないかな?」
「空堀ですと?」
造成部隊の元隊長、通称親方はフミオの相談をとりあえず聞いてみる事にした。
「空堀もまあ造れない事もないですが、それですと防御面から見ると心許無い気がしますが?」
「だろうね、俺が考えているのは大雨で増水した時にその空堀に水を流してある程度の水路や貯水池からの氾濫を防ぐ為のものなんだ」
「なんと!?そうか、この町の城壁の周囲を空堀にしておけばいざという時は貯水池とほぼ同じ量の水を流して溜める事が出来る。名案ですぞ、すぐに取り掛かりましょう」
「だけど、その空堀まで通じる水路を作る予算が・・・」
「ご心配されなくとも大丈夫だ、北門手前の水路に幾つか分岐を作り空堀に流れる様にすれば良い。町に通じる部分に水門なり取り付ければ増水した水を全て空堀に流す事だって出来るぞ」
「それじゃあ、空堀も含めてこれ位の予算で可能かな?」
「今の人数ではちと厳しいが・・・畑仕事している者を何人かこちらに回そう、そうすれば工期を短く出来る分予算を減らせるだろう」
今回の貯水池からの水路建設に際し、北西に配置していた兵舎の脇にも50mプールサイズの貯水槽を同時に造ってもらっている。そうする事で井戸がいざ涸れても貯水槽の水を使用する事で水の心配をしなくて済むからだ。
こちらの世界に渡ってきて2ヶ月近く、ようやく生活にも慣れ始めてきたが未だに馴染めずにいるものが有る。・・・・行水だ。
一般家庭に風呂という物が存在せず、人は井戸の水を使って行水するのだがその場で服を脱ぐから夏のこの時期は町の至る所で全裸の女性や男性を目にする事となる。城の中でもリンやシィリスと鉢合わせしそうになり慌てて逃げ出した覚えが有る。
「行水くらいでそこまで恥ずかしがる事も無いのに」
リンはそう言うが、まだ式も挙げていない男女が裸を見せ合うというのに若干の抵抗も有るし自分の理性を保てる自信も無い。ただ、あと数ヶ月もすれば寒い季節となる筈なので冷たい井戸の水で行水させる訳にもいかないから城内に男女別の浴場でも造ろうと思っている。
「この世界ではさ、風呂とかって無いの?」
フミオはリンに試しに聞いてみる事にした。
「風呂なんて王侯貴族位しか入れないわよ、汲んで来た水を貯めて更に薪を燃やして一定の温度に温めておくなんて贅沢な事出来る訳無いじゃない」
「そうか残念、でも出来れば領民の皆にも風呂で疲れを癒して欲しいから冬が来るまで魔法書を読んで勉強しておくよ」
「頑張ってね、応援するわ。それで・・・その、私達の結婚式は何時挙げるつもりなの?」
リンが顔を赤くしてフミオから視線を逸らしながら聞いてきた。
「出来れば、秋に収穫祭を開く予定だからそのタイミングで式を挙げようと思う」
「収穫祭?」
「その年の収穫を祝う祭りかな?来年も豊かな実りを授けて貰える様に神に感謝の祈りを捧げる意味合いも有る」
「それは素晴らしい考えですわフミオ様!」
丁度近くを通りがかったシィリスがフミオの話を聞いて食いついてきた。
「神に感謝の祈りを捧げ翌年の豊穣を期待する・・・神に仕える者として断る理由は何ひとつ御座いません、当日は必ず参加させて頂きます」
「あ、ああ、その時はよろしく頼むよ」
「はい!」
シィリスが去っていくのを見ていた2人だったが、リンが急に真面目な顔になるとフミオを執務室まで連れてきた。
「大切な話が有るの、ドアに鍵を掛けておいてもらってもいい?」
「良いけど、誰かに聞かれちゃ困る話なのか?」
「ええ、これは今後あなたの愛妾となる女性達に関しての事だから」
「愛妾って俺は君しか妻にする気はないよ」
「そう言ってもらえると、1人の女として非常に嬉しいわ。だけどあなたはこのサイハテの領主であり、希実族の初代希導王でもあるの。この世界で未だに苦しめられている魔族を救うつもりならば、幾つもの城を手に入れていかなければならない。けれど、あなた1人で全ての城と城下町を管理する事は出来ないわ。誰か信頼出来る者を代わりの領主にしないと・・・」
「それが愛妾とどう繋がるんだ?」
リンは一呼吸置いてから静かに語り始める。
「あなたは代わりの領主となる子孫を作らなければならない、しかも男の子は多いほど良いわ。私1人に愛情を注いでくれるのも有り難いけど毎年子供を産めるか分からない以上、多くの女性を愛妾として招き入れて寵愛し子供を作らせるの。そうすれば自身の子が領主となるのだから王国から文句も出ないし、誰も裏切ろうとしない筈よ」
「リン、君はそれでいいのか?俺が他の女性を寝室に招き入れる事に抵抗は無いのか!?」
「嫌に決まってるでしょ!あなたを誰にも触れさせたくなんてないわ、だけど私は前魔王の娘でありあなたと共にこの希実族の未来を築き上げていかなければならないの」
「・・・リン」
「フミオ」
フミオは優しくリンを抱きしめると静かに口付けを交わす、唇を離して見つめ合っているとリンが口を開いた。
「私達の結婚式は収穫祭に合わせると言っていたわよね?」
「ああ、そう言った」
「なら秋までの2ヶ月の間だけ、あなたを1人占めさせて。あなたの全ての愛を私に頂戴、愛妾を寝室に招き入れても嫉妬せずに済むくらい」
(リンを今すぐ自分の物にしたい)
フミオはリンをソファーに押し倒すと着ていたメイド服を荒々しく剥ぎ取る、そして自身の愛を強く刻み込む様にリンの中へ全てを吐き出すのだった。
「これはフミオ様!ご覧の通り、北門の下を通る水路もあと数日もすれば完成するでしょう」
「苦労掛けてすまない」
「いえいえ、井戸の水位が低くなっている話はリンディス様から既に伺っております。これは水不足対策としても有効な事業ですから皆喜んで参加していますよ」
「あと・・・急な相談で悪いんだけどさ、この城壁の周囲に空堀を作る事は出来ないかな?」
「空堀ですと?」
造成部隊の元隊長、通称親方はフミオの相談をとりあえず聞いてみる事にした。
「空堀もまあ造れない事もないですが、それですと防御面から見ると心許無い気がしますが?」
「だろうね、俺が考えているのは大雨で増水した時にその空堀に水を流してある程度の水路や貯水池からの氾濫を防ぐ為のものなんだ」
「なんと!?そうか、この町の城壁の周囲を空堀にしておけばいざという時は貯水池とほぼ同じ量の水を流して溜める事が出来る。名案ですぞ、すぐに取り掛かりましょう」
「だけど、その空堀まで通じる水路を作る予算が・・・」
「ご心配されなくとも大丈夫だ、北門手前の水路に幾つか分岐を作り空堀に流れる様にすれば良い。町に通じる部分に水門なり取り付ければ増水した水を全て空堀に流す事だって出来るぞ」
「それじゃあ、空堀も含めてこれ位の予算で可能かな?」
「今の人数ではちと厳しいが・・・畑仕事している者を何人かこちらに回そう、そうすれば工期を短く出来る分予算を減らせるだろう」
今回の貯水池からの水路建設に際し、北西に配置していた兵舎の脇にも50mプールサイズの貯水槽を同時に造ってもらっている。そうする事で井戸がいざ涸れても貯水槽の水を使用する事で水の心配をしなくて済むからだ。
こちらの世界に渡ってきて2ヶ月近く、ようやく生活にも慣れ始めてきたが未だに馴染めずにいるものが有る。・・・・行水だ。
一般家庭に風呂という物が存在せず、人は井戸の水を使って行水するのだがその場で服を脱ぐから夏のこの時期は町の至る所で全裸の女性や男性を目にする事となる。城の中でもリンやシィリスと鉢合わせしそうになり慌てて逃げ出した覚えが有る。
「行水くらいでそこまで恥ずかしがる事も無いのに」
リンはそう言うが、まだ式も挙げていない男女が裸を見せ合うというのに若干の抵抗も有るし自分の理性を保てる自信も無い。ただ、あと数ヶ月もすれば寒い季節となる筈なので冷たい井戸の水で行水させる訳にもいかないから城内に男女別の浴場でも造ろうと思っている。
「この世界ではさ、風呂とかって無いの?」
フミオはリンに試しに聞いてみる事にした。
「風呂なんて王侯貴族位しか入れないわよ、汲んで来た水を貯めて更に薪を燃やして一定の温度に温めておくなんて贅沢な事出来る訳無いじゃない」
「そうか残念、でも出来れば領民の皆にも風呂で疲れを癒して欲しいから冬が来るまで魔法書を読んで勉強しておくよ」
「頑張ってね、応援するわ。それで・・・その、私達の結婚式は何時挙げるつもりなの?」
リンが顔を赤くしてフミオから視線を逸らしながら聞いてきた。
「出来れば、秋に収穫祭を開く予定だからそのタイミングで式を挙げようと思う」
「収穫祭?」
「その年の収穫を祝う祭りかな?来年も豊かな実りを授けて貰える様に神に感謝の祈りを捧げる意味合いも有る」
「それは素晴らしい考えですわフミオ様!」
丁度近くを通りがかったシィリスがフミオの話を聞いて食いついてきた。
「神に感謝の祈りを捧げ翌年の豊穣を期待する・・・神に仕える者として断る理由は何ひとつ御座いません、当日は必ず参加させて頂きます」
「あ、ああ、その時はよろしく頼むよ」
「はい!」
シィリスが去っていくのを見ていた2人だったが、リンが急に真面目な顔になるとフミオを執務室まで連れてきた。
「大切な話が有るの、ドアに鍵を掛けておいてもらってもいい?」
「良いけど、誰かに聞かれちゃ困る話なのか?」
「ええ、これは今後あなたの愛妾となる女性達に関しての事だから」
「愛妾って俺は君しか妻にする気はないよ」
「そう言ってもらえると、1人の女として非常に嬉しいわ。だけどあなたはこのサイハテの領主であり、希実族の初代希導王でもあるの。この世界で未だに苦しめられている魔族を救うつもりならば、幾つもの城を手に入れていかなければならない。けれど、あなた1人で全ての城と城下町を管理する事は出来ないわ。誰か信頼出来る者を代わりの領主にしないと・・・」
「それが愛妾とどう繋がるんだ?」
リンは一呼吸置いてから静かに語り始める。
「あなたは代わりの領主となる子孫を作らなければならない、しかも男の子は多いほど良いわ。私1人に愛情を注いでくれるのも有り難いけど毎年子供を産めるか分からない以上、多くの女性を愛妾として招き入れて寵愛し子供を作らせるの。そうすれば自身の子が領主となるのだから王国から文句も出ないし、誰も裏切ろうとしない筈よ」
「リン、君はそれでいいのか?俺が他の女性を寝室に招き入れる事に抵抗は無いのか!?」
「嫌に決まってるでしょ!あなたを誰にも触れさせたくなんてないわ、だけど私は前魔王の娘でありあなたと共にこの希実族の未来を築き上げていかなければならないの」
「・・・リン」
「フミオ」
フミオは優しくリンを抱きしめると静かに口付けを交わす、唇を離して見つめ合っているとリンが口を開いた。
「私達の結婚式は収穫祭に合わせると言っていたわよね?」
「ああ、そう言った」
「なら秋までの2ヶ月の間だけ、あなたを1人占めさせて。あなたの全ての愛を私に頂戴、愛妾を寝室に招き入れても嫉妬せずに済むくらい」
(リンを今すぐ自分の物にしたい)
フミオはリンをソファーに押し倒すと着ていたメイド服を荒々しく剥ぎ取る、そして自身の愛を強く刻み込む様にリンの中へ全てを吐き出すのだった。
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