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城主1年目
6月その3 勇者から魔族を解放する
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クルーガー達が王都にまだ到着していなかったので、フミオとリンは王都から最も近い転移門まで直接迎えに行く事にした。転移門とは広大な国を移動する為の手段の1つで任地へ向かう際や捕虜を護送する時は無料で使えるがそれ以外の時は法外な利用料金を請求されるらしい。なので、お金に余裕の無い層は徒歩での移動が一般的となっている。
「もう少しで転移門とやらが見えてくる筈だぞ」
息切れをしながら坂道を登っていくと、少し先の丘の上に石造りの大きな門が見えてきた。あれがきっと転移門なのだろう、丁度クルーガー達も到着していたらしく転移門から大勢の人が出てきていた。
「ねえフミオ、ちょっと様子が変よ」
リンが転移門周辺の様子がおかしい事に気が付いた、よく見ると誰かに足蹴にされながら門の外に出されているみたいだ。
「リン、急ごう。魔族の人達が酷い目に遭わされているかもしれない!」
これまでの疲れを忘れて2人は駆け出した、ステータス的に息切れを起こす筈は無いのだがこれまでの不摂生な生活が身体に染み付いていたのか精神的な疲れを感じたりもしていた。緩やかな長い坂道を登り終え転移門のすぐ傍まで来ると目の前でクルーガーが魔族の少女に平手打ちをしていた。
「立ち止まらず急いで門から出ろ!後ろが詰まっているだろうが!?早くお前らを突き出して酒場で飲まなきゃ憂さ晴らしが出来ねえじゃねえか」
「待ちなさい、クルーガー!こんな少女に平手打ちをするなんて、勇者として恥ずかしくないのですか!?」
「黙れ、シィリス。こいつら魔族の所為で仲間が何人殺されたと思っているんだ?どうせ王都に届ければ死ぬまで城造りに従事させられるんだ、こいつらに何かしたとしても文句を言う奴なんて居ないよ」
少女の顔に向かい唾を吐くクルーガー、それを見たルドガーが前に出て少女の顔を持っていたハンカチで拭いながらクルーガーを睨む。
「これがお前の本性か、勇者という事で黙って見ていたがこれ以上は我慢出来ん。俺はお前のパーティーから抜ける、彼ら魔族を傷付けると言うのなら俺がまず相手をしよう」
剣を抜きクルーガーの前に立ちはだかるルドガー、その横にシィリスも並んだ。
「ルドガーのおっしゃる通りです、これ以上の狼藉は私も見ていられません。神の加護は全ての者に平等に与えられなければなりません」
魔族を庇おうとする2人を見たクルーガーは笑い声をあげながら、2人を嘲笑する。
「おいおいマジか!お前ら、魔族を庇うって事はお前達も魔族の仲間入りしたと報告しても問題無いんだぞ?それじゃあ、お前らは後ろで庇っている魔族の仲間になったと勇者の名において認定する。俺に叩き伏せられ、死ぬまで城造りに励むといい」
「残念だけど、そうはならないよクルーガー」
「何っ!?」
背後からの声に驚いて振り向くクルーガー、そこにはフミオとリンが立っていた。
「お前ら、いつの間に!?」
「悪いけど、お前が連れてきた魔族の人達は全員俺が褒賞として与えられた領地の領民として貰い受けた。ルドガーとシィリスも魔族として認定した以上、俺の領民だ。手を出そうとするのであれば、容赦しないから覚悟しろ」
「そんな訳が有るか!魔族をそのまま領民として与えた事は1度も無い、口から出任せを言うな」
「出任せなんかじゃない、これが証拠の国王の念書だ。それからこの転移門前でも自衛の為の戦闘行為は許可されているからな、お前をボコボコにしても俺は魔王になる事は無い」
ルドガーとシィリスの後ろに居た魔族の者達は固唾を呑んで見ていた、魔王を倒した男が何故自分達を守ろうとしているのだろうか?それと魔王の娘が何故仇である男の横で並んで立っているのだろうか?
「お前が国王に書かせた念書には少しばかり穴があるな、俺は王国の正規兵では無い単なる義勇兵みたいなものだ。だから、俺が何をしても王国から攻め入った事にはならない。例え、この場に居る魔族全員を殺したとしてもだ」
ゆっくりと剣を抜くクルーガー、目は既に血走っている。
「やっぱりそう言うと思ったよ、リンを斬ろうとしていた時も情けと言うよりも人を殺す事を楽しんでいる様に見えたからな」
「勇者が魔族を殺すのは当然の権利だからな、大手を振って人を斬れるんだ。楽しまなくてどうする?」
剣を舌で舐めながら、答えを返すクルーガー。表面上は狂気を隠し続けてきたのだろう。
「お前の言い分は分かったよ、クルーガー。お前は王国とは無関係だ、だが俺の領民に危害を加えようとする以上ここで徹底的に潰させてもらう!」
「ほざけ!」
バキッ!グシャッ!?
フミオとクルーガーの死闘は始まりすらしなかった。何故なら一瞬でクルーガーの間合いに入ったフミオがクルーガーの持つ剣を拳で砕くとそのまま顔面を地面に叩きつけ粉砕したからだ。勇者を名乗る男をいとも簡単にあの世に送ったフミオの姿に見ていた誰もが恐怖した。
「女性や子供達の前で見せるべきじゃなかったな済まない。だけど、この場を借りて皆とお互い誓い合いたい。俺は魔族の皆を絶対に傷付けたりしないし、どんな引渡し要求にも応じるつもりも無い。だから暴発して他の城や領地に攻めたりしないで欲しい。けれども、戦の準備だけは常日頃から欠かさないでいてくれ」
何か言っている事がおかしくないか?魔族達は不思議に思った、他の城や領地に攻めてはいけないのに何故戦の準備をしておかないとならないのか?リンだけはフミオの説明を既に聞いていたので驚いたり不思議がる様子は無い。
「国王と交わした念書で自衛の為の戦闘行為は国内全てで許される事になった。今みたいに勇者を倒したのも自衛だし、10年も経てば王宮内でも誰かが良からぬ企てを考えるかもしれない。そうなれば直接企てを止める目的で王都に直接戦闘を仕掛ける事が出来る様になる。だから今俺達がやるべき事は城下町を発展させて他の空いている城と城下町を国から買い取り領地を増やして王国側から暴発するのを待つだけだ。城作りに従事させられている魔族達を領民として受け入れながら、魔族と呼ばれ虐げられている者が安心して暮らせる町を作るのに協力してくれ」
魔族達は一斉に歓声を上げる、フミオは領民達を並べ直すと転移門を操作する者に任地へ向かう旨を伝えた。戦をしない魔族の領土拡大、夢と希望に溢れながらサイハテの地に飛んだフミオ達は本当に城と城壁以外何もない城下町を見て先行きに不安を覚えざるを得なかった・・・。
「もう少しで転移門とやらが見えてくる筈だぞ」
息切れをしながら坂道を登っていくと、少し先の丘の上に石造りの大きな門が見えてきた。あれがきっと転移門なのだろう、丁度クルーガー達も到着していたらしく転移門から大勢の人が出てきていた。
「ねえフミオ、ちょっと様子が変よ」
リンが転移門周辺の様子がおかしい事に気が付いた、よく見ると誰かに足蹴にされながら門の外に出されているみたいだ。
「リン、急ごう。魔族の人達が酷い目に遭わされているかもしれない!」
これまでの疲れを忘れて2人は駆け出した、ステータス的に息切れを起こす筈は無いのだがこれまでの不摂生な生活が身体に染み付いていたのか精神的な疲れを感じたりもしていた。緩やかな長い坂道を登り終え転移門のすぐ傍まで来ると目の前でクルーガーが魔族の少女に平手打ちをしていた。
「立ち止まらず急いで門から出ろ!後ろが詰まっているだろうが!?早くお前らを突き出して酒場で飲まなきゃ憂さ晴らしが出来ねえじゃねえか」
「待ちなさい、クルーガー!こんな少女に平手打ちをするなんて、勇者として恥ずかしくないのですか!?」
「黙れ、シィリス。こいつら魔族の所為で仲間が何人殺されたと思っているんだ?どうせ王都に届ければ死ぬまで城造りに従事させられるんだ、こいつらに何かしたとしても文句を言う奴なんて居ないよ」
少女の顔に向かい唾を吐くクルーガー、それを見たルドガーが前に出て少女の顔を持っていたハンカチで拭いながらクルーガーを睨む。
「これがお前の本性か、勇者という事で黙って見ていたがこれ以上は我慢出来ん。俺はお前のパーティーから抜ける、彼ら魔族を傷付けると言うのなら俺がまず相手をしよう」
剣を抜きクルーガーの前に立ちはだかるルドガー、その横にシィリスも並んだ。
「ルドガーのおっしゃる通りです、これ以上の狼藉は私も見ていられません。神の加護は全ての者に平等に与えられなければなりません」
魔族を庇おうとする2人を見たクルーガーは笑い声をあげながら、2人を嘲笑する。
「おいおいマジか!お前ら、魔族を庇うって事はお前達も魔族の仲間入りしたと報告しても問題無いんだぞ?それじゃあ、お前らは後ろで庇っている魔族の仲間になったと勇者の名において認定する。俺に叩き伏せられ、死ぬまで城造りに励むといい」
「残念だけど、そうはならないよクルーガー」
「何っ!?」
背後からの声に驚いて振り向くクルーガー、そこにはフミオとリンが立っていた。
「お前ら、いつの間に!?」
「悪いけど、お前が連れてきた魔族の人達は全員俺が褒賞として与えられた領地の領民として貰い受けた。ルドガーとシィリスも魔族として認定した以上、俺の領民だ。手を出そうとするのであれば、容赦しないから覚悟しろ」
「そんな訳が有るか!魔族をそのまま領民として与えた事は1度も無い、口から出任せを言うな」
「出任せなんかじゃない、これが証拠の国王の念書だ。それからこの転移門前でも自衛の為の戦闘行為は許可されているからな、お前をボコボコにしても俺は魔王になる事は無い」
ルドガーとシィリスの後ろに居た魔族の者達は固唾を呑んで見ていた、魔王を倒した男が何故自分達を守ろうとしているのだろうか?それと魔王の娘が何故仇である男の横で並んで立っているのだろうか?
「お前が国王に書かせた念書には少しばかり穴があるな、俺は王国の正規兵では無い単なる義勇兵みたいなものだ。だから、俺が何をしても王国から攻め入った事にはならない。例え、この場に居る魔族全員を殺したとしてもだ」
ゆっくりと剣を抜くクルーガー、目は既に血走っている。
「やっぱりそう言うと思ったよ、リンを斬ろうとしていた時も情けと言うよりも人を殺す事を楽しんでいる様に見えたからな」
「勇者が魔族を殺すのは当然の権利だからな、大手を振って人を斬れるんだ。楽しまなくてどうする?」
剣を舌で舐めながら、答えを返すクルーガー。表面上は狂気を隠し続けてきたのだろう。
「お前の言い分は分かったよ、クルーガー。お前は王国とは無関係だ、だが俺の領民に危害を加えようとする以上ここで徹底的に潰させてもらう!」
「ほざけ!」
バキッ!グシャッ!?
フミオとクルーガーの死闘は始まりすらしなかった。何故なら一瞬でクルーガーの間合いに入ったフミオがクルーガーの持つ剣を拳で砕くとそのまま顔面を地面に叩きつけ粉砕したからだ。勇者を名乗る男をいとも簡単にあの世に送ったフミオの姿に見ていた誰もが恐怖した。
「女性や子供達の前で見せるべきじゃなかったな済まない。だけど、この場を借りて皆とお互い誓い合いたい。俺は魔族の皆を絶対に傷付けたりしないし、どんな引渡し要求にも応じるつもりも無い。だから暴発して他の城や領地に攻めたりしないで欲しい。けれども、戦の準備だけは常日頃から欠かさないでいてくれ」
何か言っている事がおかしくないか?魔族達は不思議に思った、他の城や領地に攻めてはいけないのに何故戦の準備をしておかないとならないのか?リンだけはフミオの説明を既に聞いていたので驚いたり不思議がる様子は無い。
「国王と交わした念書で自衛の為の戦闘行為は国内全てで許される事になった。今みたいに勇者を倒したのも自衛だし、10年も経てば王宮内でも誰かが良からぬ企てを考えるかもしれない。そうなれば直接企てを止める目的で王都に直接戦闘を仕掛ける事が出来る様になる。だから今俺達がやるべき事は城下町を発展させて他の空いている城と城下町を国から買い取り領地を増やして王国側から暴発するのを待つだけだ。城作りに従事させられている魔族達を領民として受け入れながら、魔族と呼ばれ虐げられている者が安心して暮らせる町を作るのに協力してくれ」
魔族達は一斉に歓声を上げる、フミオは領民達を並べ直すと転移門を操作する者に任地へ向かう旨を伝えた。戦をしない魔族の領土拡大、夢と希望に溢れながらサイハテの地に飛んだフミオ達は本当に城と城壁以外何もない城下町を見て先行きに不安を覚えざるを得なかった・・・。
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