7 / 29
転生~旅立ちの章
秘密特訓の開始
しおりを挟む
セラとリリアは1時間ほどお昼寝すると、着替えて今度は訓練場へ向かう事にした。そして訓練場の中に入るとそこは断崖絶壁が背になっており、まるで追い込まれた状況に今まさに立っているかの様に思えた。
「こっちはね、訓練場になっていて色んな状況の戦闘を想定して実戦練習をする事が出来るの。とりあえず村の近くに似ている草原を出してみるから、ちょっと待ってね」
リモコンを取り出したセラが操作を始めると空間が歪みながら、岩山や海岸の景色が次々と流れていく。そして空間の歪みが収まると目の前には広大な草原が広がっていた。
「ほへ~! 何だか、もうどうでも良くなってくるね。 これが有ればセラは村の中で何時でも冒険者で生きていく為の訓練が出来るのだから」
「そうだよ、それにいざとなったらこの中に逃げ込めば良いからね」
「ためしにセラがどんな訓練をしているのか、見せてもらっても良い?」
「良いよ、でもリリアに見られていると思うと何だか緊張しちゃうな」
「そんな事無いでしょ、スキルを覚えた途端にいきなり冒険者崩れを追い払った村のヒーローが謙遜しすぎ」
リリアの期待に応える様にセラは準備運動代わりのゴブリン100匹を出した。
「ちょっ! 何よこれゴブリンが一杯居る、一体何匹出したの!?」
「う~んと100匹かな?」
「100匹って、セラ無理だよ危ないよ」
「大丈夫、私にはこれが有るから」
そう言って左腕を上げるといつのまにかセラの左腕に白く輝く小楯が装着されていた。
「セラ、何それ?」
「これはガトリングバックラーと言って、こう使うんだよ。でも私にしか使えないから参考にならないかも」
目の前のまだ襲い掛かってこないゴブリンに怯えているリリアの前でセラは小楯をコツンと叩いてガトリンガンを出した。そして準備が出来た所で実戦練習を開始する。
「それじゃ始めるからリリアは少しだけ離れていてね」
戦闘の開始と同時に一斉に向かってくるゴブリン、セラは落ち着いてガトリングガンの照準を合わせると無慈悲な攻撃を開始した。
ドルルルルルルルルル・・・・・・!!
次々と肉の塊からミンチへと姿を変えるゴブリン達、突然の出来事と大きな音にリリアは耳を塞ぎながら唖然とした様子で見ていた。
ドルルルル・・・・・! カラララララララ・・・・・。
魔力を使い果たして残弾が無くなった様で、銃身は空回りを始めるとやがて完全に停止した。
「はぁ、やっぱりまだ魔力が低いから長時間の連射は厳しいな。でも、これを続けていればきっと上限まで上げられる筈だから頑張らないと!」
地面に座り込みながらも両手でガッツポーズするセラ、鳥のモンスターを創るだけでも凄かったのにコレはそれすら霞んで見えてしまう。リリアは父がなんで急にセラを様付けで呼ぶようになったのか感覚で理解した。更にはこのままセラに置いていかれる焦燥感にまで襲われた。
「セラ、私も頑張るから! 私も一杯練習して、セラの隣にずっと居るから」
それからセラとリリアはよくこの訓練場に来てはお互いの魔力を上げる秘密の特訓をする様になった、しかし2人の異常な魔力の上昇はすぐに村人の間に知れ渡ってしまった。村長とセラの称号の事を知る者達はある夜、皆が寝静まった頃を見計らって集まり対応を話し合った。
「これは・・・セラが原因でほぼ間違い無いだろう。最近2人の姿が村からよく消えておる、我らの想像の及ばない場所で魔力を上げる練習でもしているのではないだろうか?」
「実は昔うちの娘が1度だけ聞いた話なのですが、セラはどうやら冒険者を目指しているようなのです」
「冒険者とな!? なるほど、そう考えればこれ位の練習をしておかねば生きてゆけないかも知れぬな」
「あの子の場合は、爆撃する鳥で脅迫すれば皆従うしかないのですけどね・・・・」
ハハハハ・・・・と乾いた笑いが広がる、とりあえず村に危害を加える意思は無いのでこのまま様子を見るという事でこの日の話し合いは終わった。この数日後、セラが村の経済を根底から覆す事を仕出かすとは気付かないまま。
その日、セラとリリアは今日も秘密の特訓をしようと見つからない場所を探していると、村の広場で猟師の人が数人集まって話し合いをしているのを見つけた。
「こんにちわ~! 一体、何を話し合いしているの?」
「ああ、セラちゃんか。 実は村の南の森にゴブリンとオークがエサを求めて住処を移動してきたらしくてね、どうやって追い払おうか相談していた所なんだよ。 鹿や兎の狩場がその森を抜けた先に在るからどうしても通らないといけなくてね」
「それなら、私がゴブリン達が潜んでいる森を今から爆撃します。 そうすれば、拓けた場所に住み続けようとは流石のゴブリン達もしないでしょうから」
セラは止めようとする村人の声も聞かずに爆撃鳥を新たに10羽創り出した、だが新たに産み出された鳥は最初に創ったのより二回りほど大きなカラスの姿をしていた。
「あれ? もしかして、この爆撃鳥って私の魔力とフンの爆弾の威力が連動してるのかな?」
(おいおい、まさか冗談だろ?)
最初冗談かと思っていた猟師達だったが、たった10羽の鳥のフンで森があっという間に更地と化すのを見てセラが女の子の姿をした魔王に見えた。
セラはゴブリンの【怪物創造】が可能となった。
セラはオークの【怪物創造】が可能になった。
セラはワームの【怪物創造】が可能になった。
「あっ!今の爆撃でゴブリンとオークも何匹か倒していたみたい。私だけのオリジナルゴブリンやオリジナルオークが創れる様になったよ」
オリジナルのゴブリンやオークって一体・・・。
「そういえばワームって糸を吐くモンスターだったよね、おじちゃん?」
「ああ、そうだな。糸で身動きが取れない様にして襲いかかる怖いモンスターだよ」
セラが急に顎に指を当てて考え込み始める、また何かやらかすかもしれないと不安を覚えたリリアは何を創ろうとしているのか聞いてみた。
「ねえ、セラ。今度はどんなモンスターを創ろうとしているの?」
「いや折角だから、ミスリルで出来た糸を吐くワームでも創ろうと思って」
(ミスリルで出来た糸?)
ミスリルは聞いた事は有る、非常に希少な金属で物凄く高価でもあると。でも金属が糸になった話など聞いた事も無い。
「我が願いに応え出でよ、【ミスリル繊維蚕(ミスリルファイバーワーム)】
この瞬間、体内でミスリルを生成し繊維状に変えてから口から糸として吐き出すありえないモンスターが誕生した。だがこれは教会をも巻き込んだ【ミスリル価格暴落事件】のほんの始まりに過ぎなかった・・・。
「こっちはね、訓練場になっていて色んな状況の戦闘を想定して実戦練習をする事が出来るの。とりあえず村の近くに似ている草原を出してみるから、ちょっと待ってね」
リモコンを取り出したセラが操作を始めると空間が歪みながら、岩山や海岸の景色が次々と流れていく。そして空間の歪みが収まると目の前には広大な草原が広がっていた。
「ほへ~! 何だか、もうどうでも良くなってくるね。 これが有ればセラは村の中で何時でも冒険者で生きていく為の訓練が出来るのだから」
「そうだよ、それにいざとなったらこの中に逃げ込めば良いからね」
「ためしにセラがどんな訓練をしているのか、見せてもらっても良い?」
「良いよ、でもリリアに見られていると思うと何だか緊張しちゃうな」
「そんな事無いでしょ、スキルを覚えた途端にいきなり冒険者崩れを追い払った村のヒーローが謙遜しすぎ」
リリアの期待に応える様にセラは準備運動代わりのゴブリン100匹を出した。
「ちょっ! 何よこれゴブリンが一杯居る、一体何匹出したの!?」
「う~んと100匹かな?」
「100匹って、セラ無理だよ危ないよ」
「大丈夫、私にはこれが有るから」
そう言って左腕を上げるといつのまにかセラの左腕に白く輝く小楯が装着されていた。
「セラ、何それ?」
「これはガトリングバックラーと言って、こう使うんだよ。でも私にしか使えないから参考にならないかも」
目の前のまだ襲い掛かってこないゴブリンに怯えているリリアの前でセラは小楯をコツンと叩いてガトリンガンを出した。そして準備が出来た所で実戦練習を開始する。
「それじゃ始めるからリリアは少しだけ離れていてね」
戦闘の開始と同時に一斉に向かってくるゴブリン、セラは落ち着いてガトリングガンの照準を合わせると無慈悲な攻撃を開始した。
ドルルルルルルルルル・・・・・・!!
次々と肉の塊からミンチへと姿を変えるゴブリン達、突然の出来事と大きな音にリリアは耳を塞ぎながら唖然とした様子で見ていた。
ドルルルル・・・・・! カラララララララ・・・・・。
魔力を使い果たして残弾が無くなった様で、銃身は空回りを始めるとやがて完全に停止した。
「はぁ、やっぱりまだ魔力が低いから長時間の連射は厳しいな。でも、これを続けていればきっと上限まで上げられる筈だから頑張らないと!」
地面に座り込みながらも両手でガッツポーズするセラ、鳥のモンスターを創るだけでも凄かったのにコレはそれすら霞んで見えてしまう。リリアは父がなんで急にセラを様付けで呼ぶようになったのか感覚で理解した。更にはこのままセラに置いていかれる焦燥感にまで襲われた。
「セラ、私も頑張るから! 私も一杯練習して、セラの隣にずっと居るから」
それからセラとリリアはよくこの訓練場に来てはお互いの魔力を上げる秘密の特訓をする様になった、しかし2人の異常な魔力の上昇はすぐに村人の間に知れ渡ってしまった。村長とセラの称号の事を知る者達はある夜、皆が寝静まった頃を見計らって集まり対応を話し合った。
「これは・・・セラが原因でほぼ間違い無いだろう。最近2人の姿が村からよく消えておる、我らの想像の及ばない場所で魔力を上げる練習でもしているのではないだろうか?」
「実は昔うちの娘が1度だけ聞いた話なのですが、セラはどうやら冒険者を目指しているようなのです」
「冒険者とな!? なるほど、そう考えればこれ位の練習をしておかねば生きてゆけないかも知れぬな」
「あの子の場合は、爆撃する鳥で脅迫すれば皆従うしかないのですけどね・・・・」
ハハハハ・・・・と乾いた笑いが広がる、とりあえず村に危害を加える意思は無いのでこのまま様子を見るという事でこの日の話し合いは終わった。この数日後、セラが村の経済を根底から覆す事を仕出かすとは気付かないまま。
その日、セラとリリアは今日も秘密の特訓をしようと見つからない場所を探していると、村の広場で猟師の人が数人集まって話し合いをしているのを見つけた。
「こんにちわ~! 一体、何を話し合いしているの?」
「ああ、セラちゃんか。 実は村の南の森にゴブリンとオークがエサを求めて住処を移動してきたらしくてね、どうやって追い払おうか相談していた所なんだよ。 鹿や兎の狩場がその森を抜けた先に在るからどうしても通らないといけなくてね」
「それなら、私がゴブリン達が潜んでいる森を今から爆撃します。 そうすれば、拓けた場所に住み続けようとは流石のゴブリン達もしないでしょうから」
セラは止めようとする村人の声も聞かずに爆撃鳥を新たに10羽創り出した、だが新たに産み出された鳥は最初に創ったのより二回りほど大きなカラスの姿をしていた。
「あれ? もしかして、この爆撃鳥って私の魔力とフンの爆弾の威力が連動してるのかな?」
(おいおい、まさか冗談だろ?)
最初冗談かと思っていた猟師達だったが、たった10羽の鳥のフンで森があっという間に更地と化すのを見てセラが女の子の姿をした魔王に見えた。
セラはゴブリンの【怪物創造】が可能となった。
セラはオークの【怪物創造】が可能になった。
セラはワームの【怪物創造】が可能になった。
「あっ!今の爆撃でゴブリンとオークも何匹か倒していたみたい。私だけのオリジナルゴブリンやオリジナルオークが創れる様になったよ」
オリジナルのゴブリンやオークって一体・・・。
「そういえばワームって糸を吐くモンスターだったよね、おじちゃん?」
「ああ、そうだな。糸で身動きが取れない様にして襲いかかる怖いモンスターだよ」
セラが急に顎に指を当てて考え込み始める、また何かやらかすかもしれないと不安を覚えたリリアは何を創ろうとしているのか聞いてみた。
「ねえ、セラ。今度はどんなモンスターを創ろうとしているの?」
「いや折角だから、ミスリルで出来た糸を吐くワームでも創ろうと思って」
(ミスリルで出来た糸?)
ミスリルは聞いた事は有る、非常に希少な金属で物凄く高価でもあると。でも金属が糸になった話など聞いた事も無い。
「我が願いに応え出でよ、【ミスリル繊維蚕(ミスリルファイバーワーム)】
この瞬間、体内でミスリルを生成し繊維状に変えてから口から糸として吐き出すありえないモンスターが誕生した。だがこれは教会をも巻き込んだ【ミスリル価格暴落事件】のほんの始まりに過ぎなかった・・・。
0
お気に入りに追加
126
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
神々の仲間入りしました。
ラキレスト
ファンタジー
日本の一般家庭に生まれ平凡に暮らしていた神田えいみ。これからも普通に平凡に暮らしていくと思っていたが、突然巻き込まれたトラブルによって世界は一変する。そこから始まる物語。
「私の娘として生まれ変わりませんか?」
「………、はいぃ!?」
女神の娘になり、兄弟姉妹達、周りの神達に溺愛されながら一人前の神になるべく学び、成長していく。
(ご都合主義展開が多々あります……それでも良ければ読んで下さい)
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しています。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる