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四、六
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俺は魔術愛好会の看板があるドアの前に立つ。芸術学部の棟にあったそこは、学生運動を彷彿とさせる一歩間違えると撤去されかねないパネルやら、戦争反対を訴えたいのか銃火器を持った子どもの油絵やら、アンニュイな横顔の少女のモノクロ写真やら、とにかくあんまり深く考えたくはない作品の数々の放置に圧倒されて、肝心の看板が目立っていなかった。
特殊撮影のサークルだろうか、怪獣のパーツの列が背後を過ぎる。俺はだらりと頭を垂らす。
本当に、何やってんだろうな、俺。つい、ため息を漏らす。
クラゲのように場に流されやすい立ちなのか。そうだ、俺が『日々精進』をやめたのはそのせいだ。同じ時を過ごしたバンド部のあいつらを責める気はない。羞恥心に負けた俺が悪い。すべては俺の意思。俺の責任。俺の選択。お前らのように生きていれば楽だと思って。
まあ、今は感傷に浸っている場合ではない。自分も作品の一つであるかのように突っ立ってまごついている訳にもいかず、俺は意を決し、ドアを開けた。せーの。
「遅かったな。オーギガヤツ」
「ええええええっ!?」
川中島が偉そうにパイプイスに座っていた。
「なん、なっ! お前なんで! よくここがわかったな!?」
「トーキョーにどこのキャンパスか聞いた。そして事務局に行って要件を言った。この通り入校許可証ももらっている」
奴は厚顔で首にかけているカードを見せつけた。おっさんオイ! 許可をするんじゃない、事務局! うおお!
そうか、ここは芸術学部。服飾関係だか撮影関係だかコスプレ関係だか何だか知らないが、勝手に周りに勘違いされて意気揚々とここまで来れたのだチキショー。
電気もつけず、仄暗い教室に似非天使と松旭が相対する。松先輩は黒板の前で、レースのテーブルクロスがかけられている長机を境にして川中島を見下ろしていた。他女子部員が二人いて、窓辺で慎重に場をうかがっている。
薄黄色の古びたカーテンの隙間から漏れる春の光がテーブルを照らす。やけにそれが眩しく感じる。そっちに目をやってしまっていると、松先輩が冷ややかに口を開いた。
「あなたの知り合いらしいわね。急に天使の恰好をした男が入ってきたから驚いた」
俺は「はぁ。すみません」と、とりあえず謝罪をしておく。誰でもこんなのが入室したなら変質者ドッキリだと思う。許可証のせいで下手に警察を呼べなかったのだろうか。
「私は天使だ」
「またあんた堂々と……」
呆れる俺に対して、より一層に川中島はふんぞり返ってパイプ椅子を軋ませる。
「あんたではないハクトーさんだ。私は天使だ。本当のことを堂々と言って何が悪い?」
「あなたは只者ではなさそう。オーラが違うもの。でも翼をつければ天使と呼べるとは限らない。どう見てもその服にくっついているようにしか見えない」
松先輩は大口を叩く川中島に敵対心をぶつける。それが自然の摂理とでもいうべきか、彼女も奴を信じていない。オーラについてはよくわからないが、変質者だからヤバそうに見えるだけだと思う。
「この翼はオプションだ。これがなければ人間は私が天使だということがわからない」
「翼があっても本物どうかわからないじゃない。こんなにはっきりと、まるで普通の人間みたいにこの場に存在している天使なんて、おかしいわ」
川中島は「ふむ」と顎をしゃくる。浮世離れした男と同等に渡り合う松先輩に、俺は称賛したくなった。
重苦しい空気の中、女子部員Aが恐る恐ると手を上げる。
「あのう。天使ってやっぱり、キューピッドの矢とか持ってるんですか……?」
川中島は「む?」と片眉を上げ、彼女に顔を向けた。
「ほ、ほら。その矢に当たると恋しちゃうっていう……」
彼女はいい子だ。こいつが天使だと前提しての質問だ。
「支給された弓矢一式なら部屋にある」
「持ってないのね?」
すかさず松先輩が冷たく問い詰める。
「今は持ってない。警察官だって誰でも常に拳銃を持っているのか? 私は会ったこともない天使のブランド品なんか持ってない。持っていたとしても使う気にはならん。欲しいとも思わん。弓矢は武器だ。私が持つ矢を放ったところで大惨事になるだけだぞ」
川中島節が胡散臭く炸裂する。恋でもしていたか、女子部員Aは凹んでいて、女子部員Bが彼女の肩に手を置いて慰めだす。
「なんでもいいから、あなたが本当に天使だっていう証拠、見せて」
松先輩はホームに立っているからこその余裕もあるのだろう。今度は鷹のような目で追い込む。取り調べに近い状況で、川中島がリアル天使であることを証明する簡単な方法は一つある。飛翔だ。だが仮に証明に成功しても、それはそれで面倒なことになる。ゆえに俺は傍観者を貫いていた。
「いや、その前にマツアキラの魔術が見たい」
あ、逃げたな。松先輩もそう捉えたか、彼女は小さく鼻を鳴らした。
「私が魔術を見せたら、あなたも証拠、見せる?」
「いいだろう」
むむむ、両者とも本気のよう。松先輩は長机の上に透明なボードと砂入りの瓶を置いた。
「この砂は、気を込めることで様々な変化を見せます」
松先輩は説明しつつ砂をボードの上に半分ほど出し、片手で広げ、かき混ぜる。一度は蛇の目に圧倒されている俺は彼女の『気』発言に説得力を感じてしまった。
しかしまあ、所詮は手品なのだ。俺は間近で見ようと川中島の隣に移動した。
「まずは種を植えます」
松先輩はチラリと俺を上目づかいでにらむと、また視線を落とし、人差し指で砂の下ら辺に丸を描いた。
「植えただけでは芽が出ないので、少しだけ、水を与え……」
水の入った小さいビンを取り出し、描いた丸に水を一滴入れた。
「気を注入します」
松先輩は弧を描くようにして、砂のキャンバスに手をかざした。するとどうだ、ただの丸から線が伸び、二葉が描き足されているじゃないか。
「この通り、芽が出ました」
「わ、すっげぇ!」
俺は驚嘆する。彼女は丸を描いてからは一切砂に手を触れていない。実は砂は砂鉄で……といった勘繰りもできるが、砂鉄ではないことは一目瞭然だった。
「また水を与えましょう」
今度は二つの葉にそれぞれ水を入れ、同じように手をかざした。砂絵が手で隠れる一瞬の内に二葉は大きくなり、花が咲いた。
「花が咲きました」
「すげぇー!」
俺は身を乗り出した。至近距離で見ていたのに隙がない。これは本格的な砂絵マジック。悪霊とか悪魔とか、そんなことはどうでもいい。もの凄いテクニックだ。女子部員も拍手を浴びせている。
特殊撮影のサークルだろうか、怪獣のパーツの列が背後を過ぎる。俺はだらりと頭を垂らす。
本当に、何やってんだろうな、俺。つい、ため息を漏らす。
クラゲのように場に流されやすい立ちなのか。そうだ、俺が『日々精進』をやめたのはそのせいだ。同じ時を過ごしたバンド部のあいつらを責める気はない。羞恥心に負けた俺が悪い。すべては俺の意思。俺の責任。俺の選択。お前らのように生きていれば楽だと思って。
まあ、今は感傷に浸っている場合ではない。自分も作品の一つであるかのように突っ立ってまごついている訳にもいかず、俺は意を決し、ドアを開けた。せーの。
「遅かったな。オーギガヤツ」
「ええええええっ!?」
川中島が偉そうにパイプイスに座っていた。
「なん、なっ! お前なんで! よくここがわかったな!?」
「トーキョーにどこのキャンパスか聞いた。そして事務局に行って要件を言った。この通り入校許可証ももらっている」
奴は厚顔で首にかけているカードを見せつけた。おっさんオイ! 許可をするんじゃない、事務局! うおお!
そうか、ここは芸術学部。服飾関係だか撮影関係だかコスプレ関係だか何だか知らないが、勝手に周りに勘違いされて意気揚々とここまで来れたのだチキショー。
電気もつけず、仄暗い教室に似非天使と松旭が相対する。松先輩は黒板の前で、レースのテーブルクロスがかけられている長机を境にして川中島を見下ろしていた。他女子部員が二人いて、窓辺で慎重に場をうかがっている。
薄黄色の古びたカーテンの隙間から漏れる春の光がテーブルを照らす。やけにそれが眩しく感じる。そっちに目をやってしまっていると、松先輩が冷ややかに口を開いた。
「あなたの知り合いらしいわね。急に天使の恰好をした男が入ってきたから驚いた」
俺は「はぁ。すみません」と、とりあえず謝罪をしておく。誰でもこんなのが入室したなら変質者ドッキリだと思う。許可証のせいで下手に警察を呼べなかったのだろうか。
「私は天使だ」
「またあんた堂々と……」
呆れる俺に対して、より一層に川中島はふんぞり返ってパイプ椅子を軋ませる。
「あんたではないハクトーさんだ。私は天使だ。本当のことを堂々と言って何が悪い?」
「あなたは只者ではなさそう。オーラが違うもの。でも翼をつければ天使と呼べるとは限らない。どう見てもその服にくっついているようにしか見えない」
松先輩は大口を叩く川中島に敵対心をぶつける。それが自然の摂理とでもいうべきか、彼女も奴を信じていない。オーラについてはよくわからないが、変質者だからヤバそうに見えるだけだと思う。
「この翼はオプションだ。これがなければ人間は私が天使だということがわからない」
「翼があっても本物どうかわからないじゃない。こんなにはっきりと、まるで普通の人間みたいにこの場に存在している天使なんて、おかしいわ」
川中島は「ふむ」と顎をしゃくる。浮世離れした男と同等に渡り合う松先輩に、俺は称賛したくなった。
重苦しい空気の中、女子部員Aが恐る恐ると手を上げる。
「あのう。天使ってやっぱり、キューピッドの矢とか持ってるんですか……?」
川中島は「む?」と片眉を上げ、彼女に顔を向けた。
「ほ、ほら。その矢に当たると恋しちゃうっていう……」
彼女はいい子だ。こいつが天使だと前提しての質問だ。
「支給された弓矢一式なら部屋にある」
「持ってないのね?」
すかさず松先輩が冷たく問い詰める。
「今は持ってない。警察官だって誰でも常に拳銃を持っているのか? 私は会ったこともない天使のブランド品なんか持ってない。持っていたとしても使う気にはならん。欲しいとも思わん。弓矢は武器だ。私が持つ矢を放ったところで大惨事になるだけだぞ」
川中島節が胡散臭く炸裂する。恋でもしていたか、女子部員Aは凹んでいて、女子部員Bが彼女の肩に手を置いて慰めだす。
「なんでもいいから、あなたが本当に天使だっていう証拠、見せて」
松先輩はホームに立っているからこその余裕もあるのだろう。今度は鷹のような目で追い込む。取り調べに近い状況で、川中島がリアル天使であることを証明する簡単な方法は一つある。飛翔だ。だが仮に証明に成功しても、それはそれで面倒なことになる。ゆえに俺は傍観者を貫いていた。
「いや、その前にマツアキラの魔術が見たい」
あ、逃げたな。松先輩もそう捉えたか、彼女は小さく鼻を鳴らした。
「私が魔術を見せたら、あなたも証拠、見せる?」
「いいだろう」
むむむ、両者とも本気のよう。松先輩は長机の上に透明なボードと砂入りの瓶を置いた。
「この砂は、気を込めることで様々な変化を見せます」
松先輩は説明しつつ砂をボードの上に半分ほど出し、片手で広げ、かき混ぜる。一度は蛇の目に圧倒されている俺は彼女の『気』発言に説得力を感じてしまった。
しかしまあ、所詮は手品なのだ。俺は間近で見ようと川中島の隣に移動した。
「まずは種を植えます」
松先輩はチラリと俺を上目づかいでにらむと、また視線を落とし、人差し指で砂の下ら辺に丸を描いた。
「植えただけでは芽が出ないので、少しだけ、水を与え……」
水の入った小さいビンを取り出し、描いた丸に水を一滴入れた。
「気を注入します」
松先輩は弧を描くようにして、砂のキャンバスに手をかざした。するとどうだ、ただの丸から線が伸び、二葉が描き足されているじゃないか。
「この通り、芽が出ました」
「わ、すっげぇ!」
俺は驚嘆する。彼女は丸を描いてからは一切砂に手を触れていない。実は砂は砂鉄で……といった勘繰りもできるが、砂鉄ではないことは一目瞭然だった。
「また水を与えましょう」
今度は二つの葉にそれぞれ水を入れ、同じように手をかざした。砂絵が手で隠れる一瞬の内に二葉は大きくなり、花が咲いた。
「花が咲きました」
「すげぇー!」
俺は身を乗り出した。至近距離で見ていたのに隙がない。これは本格的な砂絵マジック。悪霊とか悪魔とか、そんなことはどうでもいい。もの凄いテクニックだ。女子部員も拍手を浴びせている。
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