詞詩集

鳥丸唯史(とりまるただし)

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執着

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レモンとラベンダー アロマの香りの
安らかな夢の中では
桜は舞い散るし 翼は広げるし
瞳は閉じるし

だけどホントは私の中に潜む赤い理想は
生易しい友情でも青春でもない
カルメンのような……愛憎劇!

失ってくもの 忘れ去ってくもの
おばあちゃんが優しく
教えてくれた花の折り紙の
折り方さえも

ゆらゆら クラゲのように
ピカピカの毒をまとって
不埒な世界を生きてゆく
なんてそれって諧謔的かいぎゃくてき

レモンとラベンダー アロマの香りの
穏やかな夢の中では
闇夜は切り裂くし あなたに会いたいし
リンゴは丸かじり

カルメンだったら自由に生きて死ぬ それで終わり
どちらといえばドン・ホセな気がしていたから
折り紙なんて……キライだから!

気がついたもの 芽生えてくるもの
愛なんて不思議
初めて知った恋の執着を
あなたに与えるよ

ゆらゆら クラゲのように
ピカピカの毒を駆使して
キライな世界をかき分ける
なんてそれって諧謔的?

気がついたもの 芽生えてくるもの
言葉の嵐
初めて知った愛を丸かじり
あなたに与えたい……
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