6 / 10
フォーグラフ夫人の初日
しおりを挟む
翌朝、クラリスが起きたとき、ハリーはすでに出勤したあとだった。
「そんなに遅く起きたつもりはないんだけれど……」
「旦那様は休み明けにはいつも早く出勤されますね。朝食は事務所で召し上がるそうで、サンドイッチをお作りしています」
「そうなのね」
クラリスは一人で朝食を取りながら、ベティの話に相槌を打つ。
どうしてそれを自分に教えてくれないのだろうか。
家庭に向かないという彼の言葉は単なる言い訳ではないのだな、と思う。
自覚があるなら改善すればいいのに。その必要を感じないということかしら。
釣った魚にエサはやらないというけれど、ハリーはそもそも釣ったつもりもないのかもしれない。
前の二人とも勧められたから結婚しただけで、ハリーは相手をなんとも思っていなかったのかも。
ハリーが帰ったら話をしようとクラリスは決めた。
ハリーが心配していた通り、オーガスト夫人はこちらから会いに行くより先に自ら会いに来た。
ただし、ハリーの事務所ではなく、フォーグラフ邸にだった。
ハリーは不在のため、クラリスが相手をするしかない。
彼女は、クラリスと事務所ですれ違ったことには気づいていないようだった。
二階の応接間は裏庭に面していて明るい。自宅への来客はほとんどないそうで、滅多に使われないこの部屋は殺風景を競うなら一番だ。親戚なのだから居間に案内したほうが良かったかもしれない。
クラリスはオーガスト夫人と対面に座った。
挨拶を交わしてすぐに「突然、結婚だなんて」と口火を切った夫人に、クラリスは微笑んだ。
「ハリーとは専門高等学校魔術科の同期でした。私は昨年夫と死別しました。先日、事務所に相談に行った際に意気投合して……学生時代に仲良くしていたこともあって、きっとうまくやっていけるだろうと思って結婚することにいたしましたの」
全てを説明しているわけではないが、嘘はない。
「まあ、あなたも魔術師ですの?」
「ええ」
もう簡単な魔術陣しか覚えていないけれど。
「そう……若い娘よりあなたみたいな落ち着いた方のほうがいいのかしら……」
夫人は大きくため息をつく。
そして、聞かせてくれたのは、ハリーの二度の結婚についてだった。
最初は彼が二十五歳。相手は二十歳の準男爵家の令嬢だった。二年後、ハリーの事務所の秘書と駆け落ちしたのだそうだ。彼女はハリーに昼食を届ける名目でたびたび事務所を訪れていて、ハリーが接客している間などは秘書が相手をしていたらしい。秘書が事務所の金をいくらか持ちだしたこともあって、大々的に捜索されて二人は見つかった。持ち逃げの件をハリーが示談にしたため、二人は結婚して地方都市で暮らしている。
「駆け落ちなんてするお嬢さんだとは、わたくしも思いもしなかったのよ」
二度目の結婚は彼が三十歳のとき、相手は二十六歳の中流階級の娘だった。
「お相手がハリーさんを気に入ったの。だから今度こそはと思ったのに」
そのときにはすでに結婚契約を開発しており、彼女とも魔術契約を結んだのだそうだ。結果、彼女の心はハリーから離れて、指輪が効力を発した形になった。
友人の茶会で知り合った別の男性と恋に落ちた彼女と離婚。結婚生活は三年間だった。
それが今から二年前のことになる。
「子どもができたら違ったのかもしれないけれど、こればっかりは何ともねぇ」
探るように目を向けられ、クラリスは緩く首を振る。
「私も前夫との間には子どもができなくて……。私はもうどちらでも構わないと思っています」
「そう……。ハリーさんも子どもが欲しいって感じではないものね」
同居気分の結婚だから、子どもの話なんて一切しなかった。
結婚したくないと思っていたハリーだから、夫人の予想は間違っていないだろう。
エルトンと結婚してから、子どもができないことはずっと悩みだった。結婚当初は健在だった義父母は何も言わなかったけれど、親戚の中には口さがない者もいた。そんなクラリスの不安を宥めてくれたのはエルトンだった。医者の見立てでは二人とも問題なかった。「いつか時がくれば授かるよ」とエルトンは言ったけれど、いつかは永遠に来なかった。
重くなった空気を感じたのか、オーガスト夫人は軽く咳払いをした。
「わたくしの人選が失敗して、ハリーさんがこの先ずっと一人きりかと思うと申し訳なくて、新しい縁談を持ってきていたところでしたの」
ちょうどその現場にクラリスは居合わせたのだ。
「あなたは大丈夫なのかしら」
オーガスト夫人はクラリスの左手に咎めるような視線を向けた。
薬指には指輪が二つある。
「これは、ハリーも理解してくれていますわ。だから彼と結婚しようと思ったのです」
クラリスは微笑んで、夫人をまっすぐに見つめた。
「私も彼も、恋に身を狂わせる年でもありませんでしょう? それに、結婚生活の維持はハリーより私のほうがきっと得意ですわ」
夫人はクラリスの反論に軽く目を瞠って、それから頬に手をあててため息をつく。
「確かに、ハリーさんはねぇ……」
夫人も思い当たることがあるようだった。
「お手並み拝見といきますわね」
にっこりと笑う夫人に、クラリスも笑顔を返したのだった。
その日、帰宅したハリーにオーガスト夫人のことを話す。ハリーは夫人を苦手にしているのか、「助かった」とほっとしていた。
それから、出勤時間や帰宅時間の予定は共有してほしいと告げた。
「ベティに伝えるのではダメなのか」
「緊急でなければ、直接私に教えて」
きっぱり言うと、彼は「わかった」と引き下がった。
「それから、今度写真を撮りにいきましょう」
「写真? 何の?」
「私たちの結婚記念のよ」
「結婚記念? 必要か?」
「必要よ」
再度きっぱり言うと、彼は「君がそう言うなら」と引き下がった。
「今までの奥様とは?」
「写真かい? いや、特に何も言われなかったから……」
言えなかったのかもしれないわね、とクラリスは思う。
劣勢をごまかすためか、ハリーはあからさまに話題を変えた。
「そういえば、ブラッドが半年ほど前に結婚したのは知ってるかい?」
「まあ、知らないわ。それよりも、エイプリルさんってずっと未婚だったの?」
クラリスはここ数年隠居状態だったせいか社交界の話に疎い。
「伯爵なのに」
「親戚から優秀な魔術師を養子にすれば跡継ぎは自分の直系でなくても構わないから、って言っていたな」
「まあ、いかにも魔術師伯爵のお家ね。お相手は?」
「一番弟子だってさ。フィーナ・マーチ。ほら、『新しい魔術文字の可能性について』の」
「フィーナ・マーチ? 有名な方?」
「知らないのか?」
ハリーは驚いた顔をした。
二人とも、魔術三昧な学生時代を過ごした。
彼はずっとそこにいるけれど、クラリスはもうそこにいない。
ハリーは魔術科時代のクラリスしか知らないのだ。
取り残されたような寂しさを感じながら、クラリスは首を振った。
「卒業してからほとんど魔術には触れていないの」
「ああ、そうか。すまない……いや、謝ることでもないのか」
複雑な表情を浮かべるハリーに、クラリスは微笑む。
「いえ。それで? エイプリル伯爵夫人のこと」
「そう、彼女の魔術科時代に書いた論文が有名なんだ」
「書斎にあるの? 読んでみたいわ」
「もちろん」
ハリーはほっと息をつく。それから、くくっと小さく声を上げて笑った。
「何かおかしい?」
「いや、すまない。君じゃない」
咳払いをしたあと、
「今までの相手は、魔術の話なんて興味を持たなかったから、君が論文を読みたいって言ったのがうれしくてさ。……そんな自分がおかしかった」
ハリーは笑顔で、でも困ったように眉を下げて、そう言った。
「そんなに遅く起きたつもりはないんだけれど……」
「旦那様は休み明けにはいつも早く出勤されますね。朝食は事務所で召し上がるそうで、サンドイッチをお作りしています」
「そうなのね」
クラリスは一人で朝食を取りながら、ベティの話に相槌を打つ。
どうしてそれを自分に教えてくれないのだろうか。
家庭に向かないという彼の言葉は単なる言い訳ではないのだな、と思う。
自覚があるなら改善すればいいのに。その必要を感じないということかしら。
釣った魚にエサはやらないというけれど、ハリーはそもそも釣ったつもりもないのかもしれない。
前の二人とも勧められたから結婚しただけで、ハリーは相手をなんとも思っていなかったのかも。
ハリーが帰ったら話をしようとクラリスは決めた。
ハリーが心配していた通り、オーガスト夫人はこちらから会いに行くより先に自ら会いに来た。
ただし、ハリーの事務所ではなく、フォーグラフ邸にだった。
ハリーは不在のため、クラリスが相手をするしかない。
彼女は、クラリスと事務所ですれ違ったことには気づいていないようだった。
二階の応接間は裏庭に面していて明るい。自宅への来客はほとんどないそうで、滅多に使われないこの部屋は殺風景を競うなら一番だ。親戚なのだから居間に案内したほうが良かったかもしれない。
クラリスはオーガスト夫人と対面に座った。
挨拶を交わしてすぐに「突然、結婚だなんて」と口火を切った夫人に、クラリスは微笑んだ。
「ハリーとは専門高等学校魔術科の同期でした。私は昨年夫と死別しました。先日、事務所に相談に行った際に意気投合して……学生時代に仲良くしていたこともあって、きっとうまくやっていけるだろうと思って結婚することにいたしましたの」
全てを説明しているわけではないが、嘘はない。
「まあ、あなたも魔術師ですの?」
「ええ」
もう簡単な魔術陣しか覚えていないけれど。
「そう……若い娘よりあなたみたいな落ち着いた方のほうがいいのかしら……」
夫人は大きくため息をつく。
そして、聞かせてくれたのは、ハリーの二度の結婚についてだった。
最初は彼が二十五歳。相手は二十歳の準男爵家の令嬢だった。二年後、ハリーの事務所の秘書と駆け落ちしたのだそうだ。彼女はハリーに昼食を届ける名目でたびたび事務所を訪れていて、ハリーが接客している間などは秘書が相手をしていたらしい。秘書が事務所の金をいくらか持ちだしたこともあって、大々的に捜索されて二人は見つかった。持ち逃げの件をハリーが示談にしたため、二人は結婚して地方都市で暮らしている。
「駆け落ちなんてするお嬢さんだとは、わたくしも思いもしなかったのよ」
二度目の結婚は彼が三十歳のとき、相手は二十六歳の中流階級の娘だった。
「お相手がハリーさんを気に入ったの。だから今度こそはと思ったのに」
そのときにはすでに結婚契約を開発しており、彼女とも魔術契約を結んだのだそうだ。結果、彼女の心はハリーから離れて、指輪が効力を発した形になった。
友人の茶会で知り合った別の男性と恋に落ちた彼女と離婚。結婚生活は三年間だった。
それが今から二年前のことになる。
「子どもができたら違ったのかもしれないけれど、こればっかりは何ともねぇ」
探るように目を向けられ、クラリスは緩く首を振る。
「私も前夫との間には子どもができなくて……。私はもうどちらでも構わないと思っています」
「そう……。ハリーさんも子どもが欲しいって感じではないものね」
同居気分の結婚だから、子どもの話なんて一切しなかった。
結婚したくないと思っていたハリーだから、夫人の予想は間違っていないだろう。
エルトンと結婚してから、子どもができないことはずっと悩みだった。結婚当初は健在だった義父母は何も言わなかったけれど、親戚の中には口さがない者もいた。そんなクラリスの不安を宥めてくれたのはエルトンだった。医者の見立てでは二人とも問題なかった。「いつか時がくれば授かるよ」とエルトンは言ったけれど、いつかは永遠に来なかった。
重くなった空気を感じたのか、オーガスト夫人は軽く咳払いをした。
「わたくしの人選が失敗して、ハリーさんがこの先ずっと一人きりかと思うと申し訳なくて、新しい縁談を持ってきていたところでしたの」
ちょうどその現場にクラリスは居合わせたのだ。
「あなたは大丈夫なのかしら」
オーガスト夫人はクラリスの左手に咎めるような視線を向けた。
薬指には指輪が二つある。
「これは、ハリーも理解してくれていますわ。だから彼と結婚しようと思ったのです」
クラリスは微笑んで、夫人をまっすぐに見つめた。
「私も彼も、恋に身を狂わせる年でもありませんでしょう? それに、結婚生活の維持はハリーより私のほうがきっと得意ですわ」
夫人はクラリスの反論に軽く目を瞠って、それから頬に手をあててため息をつく。
「確かに、ハリーさんはねぇ……」
夫人も思い当たることがあるようだった。
「お手並み拝見といきますわね」
にっこりと笑う夫人に、クラリスも笑顔を返したのだった。
その日、帰宅したハリーにオーガスト夫人のことを話す。ハリーは夫人を苦手にしているのか、「助かった」とほっとしていた。
それから、出勤時間や帰宅時間の予定は共有してほしいと告げた。
「ベティに伝えるのではダメなのか」
「緊急でなければ、直接私に教えて」
きっぱり言うと、彼は「わかった」と引き下がった。
「それから、今度写真を撮りにいきましょう」
「写真? 何の?」
「私たちの結婚記念のよ」
「結婚記念? 必要か?」
「必要よ」
再度きっぱり言うと、彼は「君がそう言うなら」と引き下がった。
「今までの奥様とは?」
「写真かい? いや、特に何も言われなかったから……」
言えなかったのかもしれないわね、とクラリスは思う。
劣勢をごまかすためか、ハリーはあからさまに話題を変えた。
「そういえば、ブラッドが半年ほど前に結婚したのは知ってるかい?」
「まあ、知らないわ。それよりも、エイプリルさんってずっと未婚だったの?」
クラリスはここ数年隠居状態だったせいか社交界の話に疎い。
「伯爵なのに」
「親戚から優秀な魔術師を養子にすれば跡継ぎは自分の直系でなくても構わないから、って言っていたな」
「まあ、いかにも魔術師伯爵のお家ね。お相手は?」
「一番弟子だってさ。フィーナ・マーチ。ほら、『新しい魔術文字の可能性について』の」
「フィーナ・マーチ? 有名な方?」
「知らないのか?」
ハリーは驚いた顔をした。
二人とも、魔術三昧な学生時代を過ごした。
彼はずっとそこにいるけれど、クラリスはもうそこにいない。
ハリーは魔術科時代のクラリスしか知らないのだ。
取り残されたような寂しさを感じながら、クラリスは首を振った。
「卒業してからほとんど魔術には触れていないの」
「ああ、そうか。すまない……いや、謝ることでもないのか」
複雑な表情を浮かべるハリーに、クラリスは微笑む。
「いえ。それで? エイプリル伯爵夫人のこと」
「そう、彼女の魔術科時代に書いた論文が有名なんだ」
「書斎にあるの? 読んでみたいわ」
「もちろん」
ハリーはほっと息をつく。それから、くくっと小さく声を上げて笑った。
「何かおかしい?」
「いや、すまない。君じゃない」
咳払いをしたあと、
「今までの相手は、魔術の話なんて興味を持たなかったから、君が論文を読みたいって言ったのがうれしくてさ。……そんな自分がおかしかった」
ハリーは笑顔で、でも困ったように眉を下げて、そう言った。
30
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。

純白の牢獄
ゆる
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

傷心令嬢と氷の魔術師のスパイス食堂
ゆちば
恋愛
【スパイスオタク令嬢×傲慢魔術師×歪んだ純愛】
王国の男爵令嬢フィーナは、薬師業の傍ら、大好きなスパイス料理の研究をしているスパイスオタク。
ところが、戦地に遠征中の婚約者の帰りをひたすら待つ彼女を家族は疎み、勝手に縁談を結ぼうとしていた。
そのことを知ったフィーナは家出を計画し、トドメに「婚約者は死んだのよ!」という暴言を吐く義妹をビンタ!!
そして実家を飛び出し、婚約者がいるらしい帝国を目指すが、道中の森で迷ってしまう。
そこで出会ったのは、行き倒れの魔術師の青年だった。
青年を救うため、偶然見つけた民家に彼を運び込み、フィーナは自慢のスパイス料理を振る舞う。
料理を食べた青年魔術師は元気を取り戻し、フィーナにある提案をする。
「君にスパイス料理の店を持たせてあげようってコトさ。光栄だろ?」
アッシュと名乗る彼は、店を構えれば結婚資金を稼ぎながら、行方知れずの婚約者の情報を集めることができるはずだと言う。
甘い言葉に釣られたフィーナは、魔術師アッシュと共に深夜限定営業の【スパイス食堂】をオープンさせることに。
じんわりと奥深いスパイス料理、婚約者の行方、そして不遜で傲慢で嫌味でイケメンなアッシュの秘密とは――?
★全63話完結済み
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!


嫌われ王妃の一生 ~ 将来の王を導こうとしたが、王太子優秀すぎません? 〜
悠月 星花
恋愛
嫌われ王妃の一生 ~ 後妻として王妃になりましたが、王太子を亡き者にして処刑になるのはごめんです。将来の王を導こうと決心しましたが、王太子優秀すぎませんか? 〜
嫁いだ先の小国の王妃となった私リリアーナ。
陛下と夫を呼ぶが、私には見向きもせず、「処刑せよ」と無慈悲な王の声。
無視をされ続けた心は、逆らう気力もなく項垂れ、首が飛んでいく。
夢を見ていたのか、自身の部屋で姉に起こされ目を覚ます。
怖い夢をみたと姉に甘えてはいたが、現実には先の小国へ嫁ぐことは決まっており……
竜神に愛された令嬢は華麗に微笑む。〜嫌われ令嬢? いいえ、嫌われているのはお父さまのほうでしてよ。〜
石河 翠
恋愛
侯爵令嬢のジェニファーは、ある日父親から侯爵家当主代理として罪を償えと脅される。
それというのも、竜神からの預かりものである宝石に手をつけてしまったからだというのだ。
ジェニファーは、彼女の出産の際に母親が命を落としたことで、実の父親からひどく憎まれていた。
執事のロデリックを含め、家人勢揃いで出かけることに。
やがて彼女は別れの言葉を告げるとためらいなく竜穴に身を投げるが、実は彼女にはある秘密があって……。
虐げられたか弱い令嬢と思いきや、メンタル最強のヒロインと、彼女のためなら人間の真似事もやぶさかではないヒロインに激甘なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:4950419)をお借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる