王国の飛行騎士

神田柊子

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第二部

サリヤとシャーサ

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 手合わせが終わったときはもう日が暮れかけていたため、会談は翌日となった。
 外務省の職員がシャーサの宿泊場所を用意すると言ったが、彼女は船に戻ると断った。
 明日はこちらから迎えの船を出すことを伝えて、ブライアンとシャーサを見送った。
 そのあと、王城基地に現状を報告し――手合わせのくだりには皆が絶句したらしい――、海軍や外務省と打ち合わせてから、サリヤたちは西基地に移動した。
 西基地はミュリースリーユの港よりも北にある。こちらの基地は、小さな湾を臨む岬の上にあった。灯台を兼ねているそうだ。
 基地に着いたときにはもう夜だった。
 西基地の当番の騎士たちと情報共有しながら夕食をとり、サリヤは部屋に入った。一人部屋は久しぶりだ。
 午後の茶会以降の怒涛の展開で、サリヤはくたくただった。
 ベアトリクスが魔法に使う魔力はサリヤから提供されるため、そのせいもあるだろう。
 ベッドに横になると、海の音がする。気にする余裕もなかったが、風の匂いも王都とは違っていた。
「ベアトリクス、おやすみ」
『サリヤ、おやすみなさい』
 なんとなく声をかけてみたら、返事があってうれしくなる。
 ベアトリクスがいれば、サリヤはどこにいても一人じゃないのだ。

 翌朝。
 朝食をとってからすぐに港に向かう。
「西基地は海風があって、下位の種は着陸と離陸に気を遣うんだが、カーティスもベアトリクスも心配はないな」
 ミクラがそう言った通り、風の中でも危なげなく二機の飛行機は飛び立った。
 王都にはいない海鳥が飛行機に驚いて逃げていく。
 今日はあまり天気が良くなさそうだ。どんよりとした曇り空が広がっていた。
 ミュリースリーユの港では、昨日と同じ場所に着陸する。
 会談の場になる海軍の砦は歩いて行ける距離だが、立場上、馬車の迎えが来ていた。
「サリヤは馬に乗れるんだったか?」
「はい。幼いころから習っていました」
 王子だったから、乗馬と剣術は必須だった。
「そういえば、披露目の夜会でダンスを踊らないとならないんだが……」
「はい。わかりました」
「踊れるのか? 女性パートだぞ?」
 目を瞠るミクラに、サリヤはうなずく。
「両方踊れますね。女性側は母に習いました」
 平民出身のタールラルは城に連れてこられた当初に、妃教育を一通り受けたのだそうだ。タールラルもやる気がなかったが、教師も同様だったらしい。一度さらっただけで終わったが、タールラルに公務はなく、たまに式典に呼ばれるくらいだったから真面目に頑張らなくてちょうどよかった、と本人は言っていた。
「母は酒場の歌い手だったんで、踊りながら歌う歌もあるため、ダンスの授業は他よりは熱心に受けたんだそうです」
 サリヤは、王城から逃げたあと歌い手として生活していけるように酒場の踊りも習っていた。
 そんなことを話しながら、砦に着く。
 応接間には、砦の司令官と外務省の支局長が来ていた。双方の事務官も大勢いる。
 サリヤとしては、疎遠だった姉と話をするくらいに思っていたけれど、支局長から外交における注意点を聞かされて気を引き締めることになった。
 まだ婚約者であるだけのサリヤに権限はないが、失言は許されない。
 シャーサは時間通りにやってきた。
 彼女も近衛騎士と文官を数人連れている。
「シャーサ王妃、こんにちは。ご足労いただきありがとうございます」
「こちらこそ、突然の申し入れを受けてくださりありがとう」
 先方が名指ししてきたのがサリヤだから、サリヤが代表して出迎えた。
 ――面会よりも昨日の手合わせの方がよほど突然だったが。
 ブライアンに乗っていたときのシャーサは騎士服だったが、今日はドレス姿だ。一方のサリヤは今日も騎士服だが、西基地にあった予備の礼装を借りてきた。
 シャーサに司令官と支局長を紹介すると、彼女は自分が連れてきた文官を示して、
「文官たちが国同士のお話を希望しています。貴国に会談を受けていただくご用意があれば、別室でお願いできませんか? 私は妹と話がしたいだけなので」
「私はサリヤと共にこちらに参加させていただいても構いませんか?」
 ミクラがそう尋ねると、シャーサは許可してくれて、二手に分かれることでまとまった。
 外交となると自信がないため、サリヤは内心ほっとした。
 海軍の事務官が緊張しながら茶を用意して退出する。中年の士官が護衛代わりにサリヤの斜め後ろに控えた。
 その士官のほか、応接室にはサリヤとミクラ、シャーサと近衛騎士が二人。
 サリヤは、目の前に座るシャーサを見る。
「改めて、サリヤです。シャーサ王妃とお呼びしてもよろしいですか?」
「ミュキとは会ったのかしら?」
「ええ、はい」
 戸惑いつつサリヤがうなずくと、「ミュキはなんて呼んでいるの?」と聞かれる。
「姉上か、お姉様です」
「まあ。じゃあ、ウェダは?」
「陛下か、兄上かお兄様ですね」
 陛下、とシャーサは繰り返して微笑み、
「私も姉でいいわ。私はサリヤと呼ぶわね」
「はい、シャーサ姉上」
 比較的年が近い第四王女や第五王女は、王子時代からサリヤを馬鹿にする態度だったが、シャーサはきちんと接してくれる。サリヤは胸を撫で下ろした。
「それで、お話とは?」
「そうねぇ。昨日の手合わせで結構満足してしまったのだけれど……、サリヤがウェダのお気に入りだって聞いたから、通りすがりに会っておこうかと思ったのよ」
 飛行機がいるからすぐ来れるでしょう? と、シャーサは微笑む。
「それはそうですけれど、私にも騎士団の任務があるので……」
「あら、王族にも任務があるの? エリアンダリエは広さの割に飛行機が少ないから騎士団も形だけで、戦力に数えていないのよ。災害救助か、輸送か、式典参加かしら」
 確かに、組織立てて飛行騎士団が活動しているのはベールルーベ王国くらいかもしれない。
「だから、昨日は久しぶりに攻撃魔法を使えて楽しかったわ。ブライアンも楽しかったみたい」
「ベアトリクスも楽しかったようです」
 西基地までの間は機嫌良く、あのときはああだったこうだったと話していた。
「大陸南方の国々は落ち着いているそうですね」
「そうね。敵といえば南の群島から来る海賊くらいよ。北方だって、荒れているのはメデスディスメだけじゃない? こちらのベールルーベ王国だってメデスディスメがなければ平和でしょう?」
「そうですね」
 ちらりと隣のミクラを見ると、苦笑していた。肯定も否定もしづらいだろう。
「ウェダ兄上が即位してくださって良かったです」
「ええ、本当に。――私ね、マスモットが即位したと聞いたから、メデスディスメに戦を仕掛けるつもりで出発したのよ」
「は?」
 ブライアンで王城に乗り込むシャーサの幻が、サリヤには見える。
「途中で、ウェダが制したと連絡がきて、弔問に切り替えたわ」
「はぁ……、ええと、それは良かったです」
「私は、ウェダ以外が王になるなんて認められないのよ」
 シャーサは笑みを消す。
「あなたを離宮に移したのはウェダでしょう? 私をエリアンダリエに出すように進言してくれたのもウェダなの」
 それから、シャーサは自身の生い立ちを教えてくれた。
「ウェダのところは第一妃の発言力が大きいし、メーミヤ王女も好き勝手していたけれど、私の母は祖父の言いなりで女はとにかく軽視されていたのよ。兄が最優先、私は最下層。祖父が来て帰ったあとなんかは、母からも八つ当たりされたわ」
「……それは……」
 大変でしたね、と安易に言うわけにもいかず、サリヤは言葉を失う。
 サリヤは、母と暮らす棟の中だけは安全だった。
「子どもだと思われているうちに死なないともっとひどいことになると思ったわ」
「逃げようとは思わなかったのですか?」
「そうね。死ぬ方法は知っていたけれど、逃げる方法は知らなかったの」
 シャーサはにこっと笑う。
「どうせ死ぬなら一矢報いてからにしようと思ったけれど、兄や母に攻撃しても死ぬよりつらい目に遭わされるだけで殺してくれないかもしれない。だから、アンザイ三世を標的にしたわ」
「え? アンザイ三世に、何か仕掛けたのですか?」
「ええ。武器なんて持っていなかったから、かんざしを目に刺そうとしたの」
「えっ?」
「もちろん、未遂で取り押さえられたわよ」
「ああ、はい……」
 アンザイ三世には護衛も多いし、本人も強い。サリヤは彼が戦っているところも訓練しているところも見たことがなくて、話を聞いただけだが、武勇伝はいくらでもあった。
「そもそも執務室の場所がわからなくて、たまたま会ったウェダとミュキに連れて行ってもらったの。二人とも私の暴挙に驚いていたわね」
「それはそうでしょうね」
「アンザイ三世は笑っていたわ。気迫があって良かった、ですって」
 後にも先にも褒められたのはあのときだけね、とシャーサは目を細めた。
 唯一の良い思い出がそれか、とサリヤは思うが、何の思い出もない自分よりはましかもしれない。
『二の姫に褒美をやろう。ああ、建前は罰だな。どこに行きたい?』
 アンザイ三世は護衛に取り押さえられたシャーサにそう言ったそうだ。
「父は、ろくに宮の外に出してもらえなかった第二王女の顔を知っていた。きっと私の境遇も知っていたんでしょうね。それなのに、私が仕掛けるまで父は何もしなかった。……ひどい人だと思ったわ」
 サリヤの口から「ああ……」と息が漏れた。
 サリヤも同じだ。
 アンザイ三世は、タールラルの子どもが王子ではなく王女だと知っていたらしい。しかし、彼はどちらでも良いと放置していたそうだ。
 それで幻滅しなかったのは、サリヤが彼を父だと認識していなかったからだろう。
「行きたい場所なんて思いつかなかった私が何も言えないでいると、ウェダが父に提案してくれたの。お忍びで大陸一周旅行をしていたエリアンダリエ王国の王太子の船がちょうどメデスディスメ王国の北の港にいたのよ。ウェダは秘密裡に近づいて、王太子と仲良くなったらしいの」
 その王太子がシャーサの夫だ。
「私は婚約するつもりなんてなくて、エリアンダリエ王国で働かされるんだろうと思っていたのよ。それが、ウェダに紹介された殿下が私を気に入ってくれたみたいで、知らないうちに婚約していたわ。ミュキのところで二晩匿われたあと、そのまま母にも兄にも会わずに海の上だった」
「……そうですか……」
 人生の流れが変わるのは一瞬の出来事だとサリヤも知っている。
「ブライアンの騎士になったのは、エリアンダリエ王国に行ってからですか?」
「ええ、そう。飛行機はいいわね。どこにでも行ける」
「姉上は船でもここまで来るじゃないですか」
 サリヤが笑うと、
「それもそうね」
 シャーサは微笑んでから、笑顔を消してサリヤを見た。
「タールラル様にはお悔み申し上げます」
「っ! いえ、お気遣いありがとうございます」
 きょうだいの中では、ミュキやウェダが同じようにタールラルの死を悼んでくれた。
「シャーサ姉上は母と面識があったのですか?」
「話したことはないわ。でも、私がアンザイ三世を刺そうと思ったとき、タールラル様のことを考えていたわね」
「それは、どういうことですか?」
 母がアンザイ三世を刺そうとしたとは聞いたことがない。
「題名は知らないけれど、殺したいほど愛している、というような歌詞の歌があるでしょう?」
「ああ、はい。歌劇『女盗賊ギャラリーズ』の『恋歌』ですね」
「タールラル様が王城にやってきたときの戦勝の宴で、彼女はあの歌をアンザイ三世に向けて歌ったのよ」
「え?」
 愛の歌を歌ったとは聞いたけれど、どの歌かまでは知らなかった。
「あの歌は、『憎らしいほど愛している』とか『殺したいほど愛している』とか、そういう歌詞ばかりですよ」
「そうなのよ。タールラル様は玉座をにらみつけていたわ。でも父は楽しそうだったわね」
 周りの者はいきり立っていたけれど、とシャーサは笑う。
「サリヤは歌えるかしら?」
「ええ、母から習いました」
 歌いましょうか? とサリヤが立ち上がったとき、
『ミクラ! 遭難信号を受信しました!』
 カーティスの声がした。
「何?」
 ずっと黙ってサリヤの隣に座っていたミクラが勢いよく立ち上がる。
 飛行機の声が聞こえないシャーサの近衛騎士が気色ばみ、サリヤの後ろの士官が身構えた。
『ラファエル! 私よ、ベアトリクスよ! 私に繋ぎなさい!』
 今度はベアトリクスの声だ。
「ブライアン? どうしたの?」
 シャーサがそう問いかけながら、近衛騎士に「飛行機よ」と説明する。彼女にはカーティスの声が聞こえずにブライアンの声が聞こえたのだろう。
『ミクラ、西基地近くの島の遺跡から遭難信号を受信。所属不明の飛行機だったためブライアンにも届いたようですが、ベアトリクスが対応しました。今はもうベールルーベ王国の所属です』
 ――所属不明の飛行機?
 飛行機は群れが決まっていると聞いている。
 サリヤは疑問に思ったけれど、他国の者がいる場では何でもない顔をしていた。
「我が国の飛行機の問題だったようです。お騒がせしてしまい、申し訳ありません」
 ミクラも顔に出さずに座りなおして、シャーサに謝った。
『信号を発したのはエフ種最上位の飛行機です』
『私の弟みたいなものね』
 サリヤはミクラと顔を見合わせる。
 以前にベアトリクスから、エフ種はもう一機いると聞いたことがあった。
 どこにいるのかは聞かなかったけれど、遺跡で眠っていたのか。
 さすがに難しい顔をしてしまったサリヤたちに、シャーサが、
「ブライアンも一瞬だけ遭難信号を受け取ったようでした。他の群れの飛行機にも届くなんて、大きな問題が起こったのでしょうね」
「ええ、そのようです」
「会談は終わりにいたしましょう」
「ご配慮ありがとうございます。申し訳ありません」
 シャーサの提案に、ミクラが頭を下げる。
「サリヤともお話できたし、ウェダにも早く会いたいものね」
 と、シャーサはサリヤに顔を向けた。
「帰りにまた寄ってください。歌はそのときに。――練習しておきます」
 サリヤはシャーサに約束した。
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