奥様はエリート文官

神田柊子

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第二章 「奥様は……?」「エリート文官!」

愛を告げる晩餐

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 ペルトボール辺境伯夫妻、初めての晩餐である。
 人事面談のあと、アニエスはナタンと料理長に相談した。結婚と引っ越しの記念の晩餐にしたいと言うと、突然だったのにふたりとも快く引き受けてくれた。
 料理が豪華なら当然だ、とコレットとセシルが張り切って、メイド三人も巻き込み、アニエスは時間をかけて支度をする羽目になった。
「全身マッサージは結婚式までで終わったと思ったのに……」
「いいえ! 毎日やりましょう!」
「そうです、奥様! だって、奥様はこんなにお綺麗なんですから!」
 盛り上がるのはドロテとミュラで、美容や服飾に興味があるのに、今まで辺境伯家には夫人も令嬢もいなかったのが不満だったようだ。
 二度手間になっても構わないから一度ドレスを全部見たいと、暫定の衣装部屋を決めて荷解きしたらしい。
「奥様は王城時代、『執務室の妖精』って呼ばれてたのよ」
 コレットが茶化すと、元気になったらしいスフィーも「きゃあ!」と騒ぐ。
「妖精は妖精でも『氷の妖精』でしょ?」
 それでもメイドたちは楽しそうだ。
「庭からリラの花をもらってきて、髪に散らしましょうか」
「ううーん、でも奥様の髪色にリラはかすんでしまうわよ」
「奥様、髪をおろしたらいけませんか?」
「できればまとめておいてほしいわね」
 文官に就職してからずっと、夜会でも髪をおろしていたことなどない。
「ゆるく編んで、ふんわりさせたらかわいいかも」
「先に少し巻きましょうよ」
「そうしたら水晶の飾りをつけて……」
「あ、それよ!」
 メイドたちが盛り上がる横でコレットがアニエスに向けて苦笑する。
 公爵家でもアニエスの支度をするときには皆楽しそうだったが――令息だけだったからとベテランメイドが話していた――、年若い分だけ勢いが違う。幼少時代に姉たちの着せ替え人形になっていたころを思い出す。
 一緒に盛り上がるのかと思っていたセシルはコレットに並んで一歩引いていて、どちらかと言うとメイドたちの所作を観察しているようだった。本分は護衛騎士らしく、余念がない。
 そうやって皆でわいわいしながらアニエスの支度は完成し、晩餐の時間になった。

 フィリップは騎士団の本部から直接来たため、アニエスが降りていくのを玄関で待っていてくれた。
 結婚式と披露宴の準備に奔走するアニエスに代わって、義母クリステルが指示して作ってくれたドレスは、ふわふわしたシフォンスカートを重ねた水色のドレスだ。年齢から考えたら少し子どもっぽいのだけれど、アニエスの童顔には違和感がない。どうしてもかわいさを追求したかったらしいメイドたちの一推しで決まった。
(外に行くわけじゃないから、まあいいわ)
 フィリップは騎士団長の騎士服だった。結婚式の正装よりは装飾が少ない。
 ゆっくりと階段を降りるアニエスを、フィリップは呆けた顔で見つめていた。
 残り二段の位置まで来た時、フィリップはふいにひざまずいた。
「アニエス。私は君を愛している」
「え? あ……」
 いきなりどうしたのかしら、と疑問に思ったあと、自分がフィリップに頼んだのを思い出した。
 とっさに視線を巡らせると、玄関ホールには執事のナタンのほか、家政婦長のマルゴもいた。彼女はフィリップの挙動に驚き、次いでアニエスを睨んだ。
 予想通りのマルゴの反応に、アニエスは満足する。
「ありがとうございます」
 アニエスは社交用の笑顔を浮かべて、フィリップに礼を言った。
 これで彼は立ち上がるかと思ったが、
「今改めて、君を永遠に愛すると誓う。どうか、これから先もずっと、私が君を好きでいることを許してほしい」
 フィリップはアニエスのスカートの裾に口づけた。
 コレットを始め、メイドたちが声にならない悲鳴をあげる。マルゴはぎりぎりと歯を食いしばって悔しそうにしていた。
 アニエスは、身をかがめてフィリップの手を取り「もちろんですわ」と彼の身体を引き起こした。
 途中、フィリップの耳元でマルゴから見えないように、
「やりすぎなくらいですけれど、私のお願いを聞いてくださってありがとうございます」
 そっと囁いた。
 本人にあまり自覚はないが、計画が予定通りに進んだときや難しい案件が完了したときなど、アニエスはほんの一瞬笑うことがある。
 間近で妖精の笑顔を向けられたフィリップは、真っ赤になった。
「フィリップ様は、騎士服が本当にお似合いですわね」
「そ、そうだろうか。あ、アニエスも似合っている。綺麗だ」
「ありがとうございます。皆ががんばって着飾らせてくれたのですよ」
 フィリップのぎこちないエスコートで、ふたりは食堂に移動した。
 食堂に着くと、フィリップは向かい合わせになっていた自分の席をアニエスの隣に移させた。
「なぜですか?」
 アニエスが聞くと、フィリップは小声で、「隣のほうが仲良く見えるだろう?」と目配せする。
 納得しながらちらりをマルゴを見ると、不機嫌そうにしている。
「これはうまいな」
 前菜のカッテージチーズとトマトのサラダに、フィリップが声を上げる。
「まあ、良かったですわ。お義母様からフィリップ様のお好みをうかがっておいたのです」
「それは、ありがとう」
「こちらは食材がどれも新鮮で、料理長の味付けはそれをうまく活かしてますわね」
 ナタンが「申し伝えます」と微笑んだ。
 アニエスが到着する日程に合わせて、料理長が鴨肉のコンフィを仕込んでおいてくれたそうで、メインはこんがりと焼いた鴨肉だった。
(本当に、マルゴさえいなければ何の問題もない屋敷だわ)
「んんっ。これもまたうまいな」
 フィリップはそう言って、小さく切った鴨をアニエスの前に差し出した。
「君も」
「え? 自分で食べられますわよ」
「ほら。見せつけるんだろう?」
 ちらりとフィリップは横に目をやる。マルゴはもう十分にやりこめたと思うけれど、フィリップは引きそうにない。
 仕方ないのでアニエスは口を開けて受け入れる。
 食べ方はどうであれ、鴨肉はおいしい。
 おいしいのだけれど……。
 フィリップが笑っているから、自分はからかわれているのだと思う。
 むっとしたアニエスは、付け合わせのじゃがいもをフォークにさして、フィリップの前に差し出した。
「はい。フィリップ様も。あーん?」
「は?」
「どうぞ。お返しですわ。はい。あーん?」
「は、あっ! あつっ!」
 フィリップが戸惑ったところに無理やりじゃがいもを押し込むと、熱かったのか彼は目を白黒させた。
 大きな彼が椅子の上で跳ねるのがおかしくて、アニエスは珍しく「ふふっ」と声を出して笑ったのだった。

 晩餐のあとは報告会と決めていた。
 しかし、フィリップが「騎士団の話を聞いてからまたあとで部屋に行く」と言ったため、アニエスは手紙を書いたり人事計画を考えているうちにすっかり忘れ、メイドに促されて入浴し、気づいたら寝支度をした状態でフィリップを迎えていた。
 アニエスが扉を開けると、ドアを叩いたフィリップは固まった。
 フィリップは晩餐の格好から上着を脱いだだけの状態。アニエスは夜着にガウン。
 まだ、部屋割りをしておらず、今アニエスがいるのは客室だ。
 そういえば、フィリップは今夜どこで寝るのか聞いていなかった。
 初夜といえば、今夜もそうだ。
 少し迷った末、拒否するのもおかしいと思って、アニエスはフィリップを室内に促した。
「いや、あの、すまない」
 何をフィリップが謝ったのかよくわからないけれど、そう謝られたら自分だけが準備して待っていたようで恥ずかしくなり、アニエスは、
「すみません。お約束忘れて、着替えてしまいました」
「そうか……遅くにすまなかった。朝出直して」
「謝らないでください。なんだか悲しくなるので。フィリップ様はそんなつもりもないのに、私……」
 アニエスがそう言って一歩下がると、フィリップは「それは違う!」とアニエスの手首をつかんで引き留めた。
「そんなつもりは、ある。ものすごくある。そんなつもりしかないと言っても過言ではない」
「は? ええと……」
 アニエスが戸惑って見上げると、フィリップは空いた手で髪をかきあげた。「とりあえず、座ろう」と言われて、ソファに並んで座った。
「まず、何から話したらいいかな」
 フィリップはテーブルの上にあったグラスに蒸留酒を注いで自分の前に置く。アニエスは聞かれたが首を振って断った。
「もう何度も言っているが、私は君を愛している。そのままの言葉で受け取ってほしい」
 そして聞かされたのは、五年前の夜会と議会の話だ。アニエスには全然心当たりがない。
「逆境にめげずに努力して、自分の道を切り開いていく姿に心惹かれた。老獪な議員と渡り合う堂々とした姿と、妖精のような笑顔の落差も」
「…………」
「君は私を見てもひるまない。怖がらない。まっすぐに見上げてくれる」
 フィリップはアニエスの髪を一束手に取った。おろしている髪は少し波打っている。
 彼は髪の先に口づけて、アニエスを見据えた。
 怖くはないけれど、アニエスは動けなかった。青い双眸がアニエスをとらえる。
「俺が愛を乞うのは、君しかいないと思った」
「あい……」
「公爵家からの縁談でもきっちり断ると聞いたから、あきらめていたんだ。しかし、王太子妃の件もあって、陛下や殿下が俺に気を回して、こんな結果になってしまった。君から文官の仕事を取り上げることになって本当に申し訳ないと思う。そんな俺が言っていいのかわからないが、俺は君を愛している。いつか君からも愛されたいと思う」
 アニエスはフィリップを呆然と見上げた。
 彼の一人称が「俺」になっていることに気づく。
「大丈夫か? アニエス? 聞いていた?」
 フィリップは心配そうに身をかがめて、アニエスの顔をのぞきこんだ。頬を軽く指の背で撫でられる。
 アニエスは混乱したまま、何度か瞬きした。
「結婚するまで近くで顔を見る機会がなかったが、君はまつ毛が長いな。こんなにかわいらしいと思っていなかった。妖精というのは誇張でもなんでもないんだな。誓いの口づけのとき、あまりに綺麗だったんで、どうしたらいいかわからなくなってしまった」
「ええっ!」
 フィリップの笑顔があまりにも幸せそうで、「ああ、この人は本当に自分が好きなのだ」とすとんと理解した瞬間、アニエスは驚いて身をのけぞらせた。
「え? 私のことが好きなのですか? 本当に?」
「そうだが、今か。やっと理解してくれたか……」
 愛されない想像はしていたけれど、愛される想像はしていなかった。
「ど、どういう……。どうしたら……?」
 求婚されたら断ればいい。
 しかし、すでに結婚した夫から求愛されたら、なんて答えればいいのだろう?
「ええと、この件は持ち帰らせていただいてもいいでしょうか」
「ああ、もちろん。とりあえず、俺が君を愛していることを理解してくれたら、今はそれで十分だ」
「あの、初夜は……」
「君が私と同じ気持ちになってから、で構わない」
「私がフィリップ様の希望する答えにたどりつくかどうか、現状のところ不明なのですが、よろしいのでしょうか」
「回答期限は、君が私の希望する答えにたどりつくまで、とするから、問題ない」
「え……それは……」
 アニエスが言葉に詰まると、フィリップは笑って、アニエスから離れた。
「君に私の気持ちを押し付けることはしないから、今まで通りで構わない。同居人? 上司? 共同経営者? 君がどう思っているかわからないが、私のことは嫌ではないだろう?」
「はい、もちろんです」
「今はそれで」
 フィリップはグラスに口をつけた。
 アニエスも無性に何か飲みたくなり、同じ蒸留酒を薄い水割りにしてもらった。
 義母クリステルの買い物の話や、アニエスの姉たちが学院で目立っていた話、王太子フェルナンの失敗談など、ふたりで飲みながら話をした。
「晩餐のときにおもしろがってマルゴを煽ったが、君に何かしてくるのではないかと心配なんだ。何もしないから、このまま一緒に寝よう」
 そう言われて、半ば酔っていたアニエスは了承した。
 ぎゅっと抱きつくと温かくて、アニエスはすぐに夢の世界に旅立った。
「熊が好きという話は本当だったんだな」
 と、苦笑する声が聞こえた気がした。

 アニエスは王都を出る前にクリステルに頼み、公爵家で購読している新聞と同じものを週に一度まとめて送ってもらうことにしていた。
 政治や経済の記事ばかりの一流紙を三紙と、大衆向けのゴシップ紙もひとつ。
 辺境に行ってから最初に届いた新聞には、アニエスたちの結婚の記事が載っていた。
 一流紙は、フィリップの第三騎士団時代の実績やアニエスが筆頭補佐官時代に手がけた大きな案件を紹介しつつ、ペルトボール辺境伯領の今後に期待、というようなごく小さな記事だ。
 しかし、ゴシップ紙ではまあまあ大きく取り上げられていた。おそらくは王家の情報操作だろうが、――フィリップはアニエスを以前から見初めていたが、グレース王妃の遺志に配慮していた。しかし、辺境に行くのに愛するアニエスを伴いたいと心を決め、長年の思いを告げる。ふたりは手に手を取って辺境へ――という内容だ。
(真相を聞くと、それほど間違っていないのがなんとも言えないわ……)
 そのゴシップ紙に、アニエスと幼いころから親しい某夫人の話として『アニエス嬢は昔から熊が大好きでした』と書かれていた。
「バルバラ姉様!」
 アニエスの声が屋敷に響いたとか、響かなかったとか。
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