奥様はエリート文官

神田柊子

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第二章 「奥様は……?」「エリート文官!」

アニエスとフィリップ

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「あら、コレットの朝食は?」
 食堂に用意されていたのはひとり分だったから、アニエスはコレットに尋ねた。
「もう取ったわよ」
「え、一緒じゃないの?」
「当たり前でしょう?」
 旅行中は特別よ、とコレットは笑う。
 王城の女子寮では皆で一緒に食事を取っていたのに、と思うと、コレットに侍女になってもらって本当に良かったのか不安になった。代わりに大切なものをなくしてしまったような気分。
「明日からはフィリップ様と一緒なんだから、そんな顔しない」
 アニエスがすがるような目をしていたのか、コレットは無理やりアニエスを椅子に座らせると、「お茶だけね」と自ら茶を用意して隣に座る。
 給仕のメイドは控えていない。
「人出が足りないみたいで、落ち着くまでは私がやるって言ったのよ」
「前からの使用人の面談と採用計画、ね。……一気に片づけるってわけにはいかないからひとつひとつ解決して行きましょう」
 アニエスは気持ちを入れ替えて、フォークを手にした。
 朝食は、実家と同じような定番の献立だった。
 新鮮な生野菜はしゃきしゃきしていておいしいし、パンもふんわり温かい。卵やベーコンも凝った味付けでないから余計に素材の良さがわかり、アニエスは頬を押さえた。
「まあ! おいしいわね」
「そうよね、おいしいわよね?」
 アニエスが思わず口に出すと、コレットも身を乗り出す。
「家政婦長がいなくなるだけでずいぶん過ごしやすい屋敷になりそうじゃない?」
「確かにそうね」

 アニエスは朝食後すぐに、騎士団の本部棟に向かった。
 ペルトボール辺境伯領は南北に長い。その真ん中辺りに領都があり、領都の東部に辺境伯邸がある。領地の東端は国境の山脈。辺境伯邸は山裾にあり、街を見下ろしていた。
 昨日到着したときはすでに薄暗くよくわからなかったが、山の木々の手前までが敷地だとしたら、かなり広そうだ。
 騎士団の本部棟や寮、訓練場などは敷地の東側にあった。
 昨日の約束通りにフィリップの予定を確保してくれたアンドレが、食堂までアニエスを迎えに来て、今も案内してくれている。
「元辺境騎士団長は信用できそうですが、他の団員はまだ不安もあるため、第三騎士団出身の者以外は近くに寄せないようにお願いします」
 アンドレは歩きながら申し訳なさそうに言った。
「わかりました。エリクとブリスとあなたには会ったから、あとひとりですね」
「はい。このあと紹介します」
「そうだわ、公爵家の護衛の方は? 帰るときに王都への手紙を託すつもりなのだけれど、引き続き残ってもらうのですか?」
「いえ、王都へ返します」
「ちょっと気になる問題が発生して、フィリップ様に報告するから、それも合わせて判断してください」
「問題ですか……」
 アンドレはまた眉間のしわを深くした。
 そんな話をしながらたどり着いた本部棟は木造二階建ての建物だった。二階の団長室に通される。
「奥様がいらっしゃいました」
 中に入ると、正面の執務机を回り込んでフィリップがアニエスの前に来た。
「アニエス殿、今まで申し訳ない」
「はい?」
 突然頭を下げられてアニエスは目を瞬かせる。彼の頭はアニエスの目線より下にあった。
「何についての謝罪でしょうか?」
「結婚式の準備を任せてしまったこと、昨日不在にしていたこと。あとは……あの夜先に寝てしまったこと、だ」
 フィリップは言いにくそうに答えた。
「なるほど、わかりました。でも、どれも私は気にしておりませんので、謝っていただくほどではごさいません」
「いや、しかし」
「頭を上げてください」
「しかし、無理をいって嫁いでもらったのは私のほうなのに、誠意のない対応を重ねてしまい申し訳ないと思っている」
「結婚が王命で断れなかったのはお互い様ですわ」
 それだけ言っても引かなそうなフィリップに、アニエスは、
「そんなに気になるのでしたら、私のお願いをきいていただけますか?」
「私にできることなら、何でも叶えよう」
「今日の晩餐のときに、私のことを愛してると言ってください」
 アニエスがそう言うと、フィリップは「もちろん!」と大きな声を出し、その場にひざまずいてアニエスの手を取った。
「愛している。ずっと以前から好きだった」
 精悍な顔が真剣にアニエスを見上げている。
 団長室には、アニエスとフィリップの他、案内してきたアンドレ、一緒に来たコレット、元第三騎士団の騎士三人がいた。
 騎士たちはぎょっとしてフィリップを見て、コレットは「きゃあ、急展開っ!」と小声で悲鳴を上げた。
 確かにコレットが喜びそうなロマンス小説のワンシーンのようだった。
(プロポーズみたいね)
 大げさだわ、とアニエスは思った。
(でもそのくらいのほうがいいかしら)
 皆が固唾をのんで見守る中、アニエスはフィリップにうなずいてみせる。
「ええ、そのような感じで問題ありません」
「は? 問題ない、とは?」
 フィリップはひざまずいたまま、目を瞬いた。
「今のセリフを、晩餐のときに家政婦長の前でお願いします」
「家政婦長?」
「彼女に一番響く仕打ちがこれかと」
 さすがに私もちょっと目に余ったので、とアニエスは続ける。
「それではさっそく、現在の一番大きな問題について報告差し上げたいのですが、よろしいでしょうか?」
「あ? 問題……報告……?」
「ええ」
「俺は君を愛しているんだが……」
 納得いかなそうなフィリップにアニエスは再度うなずく。
「ですから、それは晩餐のときにお願いします」
 アニエスは彼に取られていた手をくるりと返して、フィリップの手をつかんでひっぱる。されるがままに、フィリップは立ち上がった。
 姿勢を戻したフィリップを目の前にして、アニエスは「そういえば」と思い出す。
 一歩下がってからカーテシーをした。
「改めまして。アニエスと申します。これから辺境伯夫人として精一杯務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします」
 フィリップからは「よろしく」という返事と一緒にため息が返ってきた。

 第三騎士団からついてきた騎士の四人目は、セザール・ニーサニックと名乗った。彼とエリクが二十八歳、アンドレは二十九歳だそうだ。そして、フィリップが三十三歳。――王太子と補佐官たちも年近い男性の集まりだったが、騎士団の彼らの方が気安い雰囲気だった。
 セザールは第三騎士団でも斥候を担っていたそうで、彼は辺境領に移ってからずっと管理官を監視していたという。
「実は事前に殿下から、管理官に不正の疑いがあると聞いていた」
 セザールに指示を出していたフィリップが説明してくれる。
「殿下もご存じだったのですね」
「君に指示をするのは宰相だと言っていたから、私が余計な手を出してしまっては悪いと思った。しかし、新しい領主が就任しただけでも圧力になってしまうから、念のためセザールに見張らせておいたのだ」
「お気遣いありがとうございます」
「管理官には、領地経営は騎士団が落ち着いてから相談するから、数か月ほどは現状維持で仕事を続けてほしいと話してある」
 フィリップはソファの後ろに控えていたセザールを振り返った。
 彼は一歩前に出て、「管理官に不審な動きはありません」と報告する。中肉中背、あまり騎士らしく見えない彼は、印象が薄い。
「離れで執務をしている他は、街で食事や買い物をしています。街で菓子や花などを買って、本邸の家政婦長に贈っていました」
「ええっ? マルゴに?」
 すでに知っていたらしいフィリップがうなずいた。
「あの家政婦長は、管理官にいい顔をしつつ、私にも近づいてきたのだ」
「まあ!」
 自分の方がアニエスよりもフィリップと親しいと言わんばかりだったマルゴの態度から、予想はついたが、フィリップから聞くと呆れる。
「私は、昔からああいった……地位や金がなによりも大事という女に好かれやすくてだな。いや、あの、自慢ではなく迷惑しているわけなんだが。本来、私が女性から好まれないのはわかっている。だからこそ、ちょっと好意を見せれば落ちると思われるらしい。非常に腹立たしい」
「なんとなくわかりますわ」
「……わかるのか?」
 しゅんとした声に、アニエスははっとして、「フィリップ様がどう見えるかということではなく」と否定する。
「私も、以前、家格と見た目から『ちょうどよい相手』と判断されて縁談を持ち込まれたときに、馬鹿にされた気分になったものですから。――今考えれば、家格と見た目で相手を選ぶのは普通のことだと理解できますけれど、若かったもので……。ですから、フィリップ様が、好意を寄せられて不快に思う気持ちがわかります、という意味ですわ」
「そうか……ありがとう」
「それで、フィリップ様はマルゴを避けていたということですね」
「ああ、その通りだ」
 解雇しても良かったが、他の使用人と合わせて検討しようと、騎士団寮に避難することで棚上げしたという。
「その結果、君に迷惑がかかったようで申し訳ない」
「いいえ。解雇せずにいたのは良い選択だったと思います」
 そこで、アニエスは、マネジット領のコモンオパールの話をした。そのオパールと似た石をマルゴが身に着けていたことを伝える。
「メイドとしてついてきてくれたセシルは、元第一騎士団で私の護衛をしてくれていた騎士なのです。彼女が、今、マルゴを探ってくれています」
「セザール、様子を見てきてくれ」
「わかりました」
 フィリップに命令されたセザールが出ていくと、彼は腕を組んでアニエスを見た。
「君はどんな可能性があると思うんだ?」
「私の意見を聞いてくださるのですか?」
 アニエスは驚いて顔を上げた。
「もちろん、聞かせてほしい」
「ありがとうございます! うれしいです。新しい職場で、門外漢の私がどこまでお力になれるかわかりませんが、フィリップ様の期待に答えられるようにがんばります」
 アニエスは両手をぎゅっと握りしめて、無表情ながらもほんのり頬を染めた。感動で少し潤んだ瞳でフィリップを見上げる。
「あ、あー、よ、よろしく頼む」
 フィリップはアニエスの表情に「ぐっ」と胸を押さえながら、なんとか威厳を保ってうなずく。
「それでは、僭越ながら」
 アニエスは姿勢を正した。
「まず考えられるのは、偶然の一致です」
「偶然? ありうるか?」
「マルゴにはホワイトミントオパールなどと適当なことを言いましたが、あの色合いは特に珍しくありません。マルゴが持っていたブローチと、マネジット領に持ち込まれた原石が偶然同じ色合いだった可能性はなくはありません。しかし、人気の品でもなく、王都や近隣の街で出回っているわけでもないオパールです。偶然とはあまり考えにくいでしょう」
 ここまではよろしいでしょうか、とフィリップを見ると、面食らっていたようだがうなずいてくれた。
「また、一方は原石。もう一方も新しいデザインですから、仕立ては最近――長く見積もっても二年以内です。同じ鉱山がルーツと考えるのが良さそうに思います」
「ああ」
「マルゴは、私が指摘したからブローチをネタにしようとしただけで、もともとは単なる装飾品として着けているだけでした。買ったのかもらったのかわかりませんが、由来を知らない可能性が高いです。――一方で原石を持ち込んだ青年からは鉱山の存在が感じられます。マルゴと彼女に関わる者の近くに新しいオパール鉱山があるのではないでしょうか。おそらくはこのペルトボール辺境伯領に」
 そこで、「あっ!」とアンドレが声を上げた。
「その青年はモーリスではないでしょうか?」
「ああ、確かに!」
「そうだ!」
 騎士団勢が手を叩く中、アニエスは「モーリスとは?」と首をかしげる。
「治安悪化の話が出てきた半年ほど前だが、辺境伯家を辞めた従僕のモーリスが街の路地裏で、遺体で発見されたのだ。殴られた跡があり、そのころ街の酒場にガラの悪い連中がたむろしていたそうだから、喧嘩か一方的にやられたかという話になっていた。犯人は見つからないままだ」
「そのガラの悪い方たちは?」
「いつのまにか消えていたらしい。私たちが赴任したころにはもういなかった。しかし、代わりに盗賊の被害が届くようになったから、同じやつらかもしれない……。領内の各地で軽微な被害が報告されているが、広範囲すぎて根城の想定もできん。騎士団の勢力を分散させるのが目的とは思うが、騎士を派遣しないわけにもいかん」
「領地での狼藉は形だけで、実際は鉱山からオパールを盗掘している……? 国内に出回っていないから、密輸かしら? 管理官がマルゴに言い寄っているなら、ブローチは彼のプレゼントという可能性はないですか?」
「管理官が盗賊の黒幕ってことか?」
「うーん、そんな度胸がある感じではなかったっすよね。マルゴに騙されて貢がされてるって言われた方がしっくりくるような……?」
 ブリスがそう言った。
 アニエスは管理官に早めに会わないと、と思ったのだが、それを言うとフィリップが待ったをかけた。
「君が管理官に会うのは、こちらの状況がもう少しはっきりしてからにしてほしい。危険はできるだけ避けたい」
「わかりました」
 アニエスが素直に了承すると、フィリップはとんとんと指で机を叩いた。いつもの仕草なのか、アンドレが「何か?」と尋ねた。
「山狩のために第三騎士団を借りることになっているが、月末だろう? それまでの間に動かせる手勢がほしいな」
「元団長のリオネル・ウォーナーは信頼してもいいのではないですか」
「ああ。そうだな。……モーリスの人相をリオネルに聞いておいてくれ。アニエス、マネジット領に照会を頼めるだろうか」
 最初は『アニエス殿』だったのが呼び捨てになったことに、アニエスは信頼されたようでうれしくなる。
「ええ、もちろんですわ。私がでっちあげた『ホワイトミントオパール』について探りや鑑定依頼があったら盗掘団の関係者かもしれないから通報するように、宝飾品店組合と宝飾品職人組合に知らせる連絡もしておきます。できれば、同盟国の組合にも伝わるようにしたいですね。あっ! 鉱山の場所に当たりをつけるのに必要でしたら、アカデミーの地質学教授に伝手がございます。そもそも鉱山の可能性が全くないのでしたら、見当違いになってしまいますものね」
 アニエスはうきうきと手帳を出して、必要事項を書き込んだ。
「そうそう。管理官の不正問題に関して、以前の職場の部下を呼んでもよろしいでしょうか? 彼に頼めば、他国の鉱山の情報も得られると思います。モーリスではなかった場合、他国の鉱山から拾ってきた原石ってこともありますから」
「あ、ああ、構わない」
「ありがとうございます。ミナパート公爵家からついてきてくださった護衛の皆さんが帰るときに、マネジット家と部下への手紙を持って行っていただきたいのですが、問題ございませんか?」
「も、もちろん。君のいいようにしてくれ」
「ありがとうございます! 今後、何か重要な物事に取り掛かる場合は、都度ご相談するつもりですが、さして重要でない場合は私の裁量で進めてもよろしいですか?」
「ああ」
「ありがとうございます!! その場合も報告はさせていただきますね。ええと、そうですね。晩餐のあとに一日の報告会にいたしましょう。フィリップ様も、差し支えのないことは私に共有していただけると助かります。あ、今さらですが、領地経営と家政は私の担当にしてしまってよいでしょうか。まず手始めに、このあと、もともとの使用人と面談する予定でいます。それから、屋敷の設備の把握。そのあとで部屋割りと採用計画をまとめますので、ご覧いただいてご意見を聞かせてください。セシルが戻ったら私のほうに来るように伝えてくださいね」
「ああ」
「それでは、失礼いたします。また晩餐で」
「あ、待ってくれ! 面談は私も同席する!」
 ひとりで進めて団長室を出ていくアニエスをフィリップが追いかけた。
 ため息をついたコレットが一礼して、後を追って出ていく。

 残された騎士たちは呆然としていたが、エリクが「ぶっ」と噴き出したことで、他のふたりも我に返った。
「旅の間から思っていましたが、奥様はおもしろい方ですね」
「奥様は、参謀や司令塔に見せかけた先鋒だな。けっこう気が短い」
 アンドレは、昨夜マルゴをすぐに敵認定したアニエスを思い出す。
「そっすよね。団長とは逆ですね。――てか、あの団長の『前から好きだった』は本気っすか」
 ブリスとエリクが事情を知っていそうなアンドレに目を向ける。
 アンドレは軽くうなずいた。
 フィリップは長期戦にはめっぽう強い。なんせ五年も片思いを続けたくらいだ。
 結婚生活は先が長い。
「奥様には分が悪い勝負になりそうだな」
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