奥様はエリート文官

神田柊子

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第一章 「辺境伯といえば……?」「君を愛することはない!」

ミナパート公爵家

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 ミナパート公爵家に求婚の承諾の手紙を送ったあとのやり取りは素早く、両家の顔合わせは三日後に決まった。
 日取りは任せるとの公爵家の返事にアニエスが、「面倒なことはさっさと終わらせましょう」と最速の日程を選んだからだ。
 王都の王城近くにある大きな屋敷は、マネジット家の建物どころか庭まですっぽり入ってしまいそうな規模だった。敷地全体ではどれだけか。
 アニエスたちマネジット家一同――ポーラは留守番でアニエスと両親と弟の四人だ――は、整然と整えられた前庭で馬車を降り、従僕が開けてくれた重厚な扉をくぐる。吹き抜けのホールは少しひんやりとしていて、それが高級感を引き上げる。幾何学模様が美しい寄木張りの床。ぐるりとホールを取り巻く階段の絨毯は落ち着いた臙脂色。正面の壁にかかっているのは、初代公爵だろうか、軍服の男性の肖像画だ。華美ではないけれど上品な調度は歴史を感じさせる。匂いまで異なるようだ。
 マネジット伯爵夫妻は圧倒されたようで目を見開いているし、ルシアンも息をのんでいた。
 その玄関ホールでフィリップの両親の前公爵夫妻が出迎えてくれたのにはアニエスも驚いた。
 フィリップの母である前公爵夫人クリステル・ミナパートは、国王の姉でグレース王妃とも交流があり、アニエスはグレースの補佐官をしていたときに挨拶したことがある。
 金髪と青い瞳の王家の色を持つクリステルは、そのときも好意的に接してくれたけれど、今はとてもうれしそうな笑顔を浮かべている。
「アニエスさん、お久しぶりですわね」
「はい。前公爵夫人、ご無沙汰しております」
「クリステルでいいわよ。母と呼んでくれてもいいのよ」
「え、……では、クリステル様と」
 予想外の好意に戸惑いつつ、アニエスは社交用の笑顔でごまかす。
 クリステルの隣の前公爵ウジェーヌは、顔は知っているが面識はない。黒髪を後ろにきっちり上げているが印象は柔和だ。
「アニエス・マネジットと申します。この度は、国王陛下よりご紹介いただき、僭越ながらフィリップ様とご縁を賜ることになりました。至らぬところもあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」
「そんな堅苦しい言葉遣いはやめてくれ。アニエスと呼んでもいいかな」
「ええ、もちろんですわ、閣下」
「私のことはウジェーヌと呼んでくれたまえ。父でもいいぞ?」
 ウジェーヌもクリステル同様に上機嫌だ。
 長く独身だった次男が結婚するのが喜ばしいのはわかる。でも、相手がアニエスのような嫁き遅れの元文官では公爵家は不満だろうと思っていたのだが。
 そこで後ろからアドリアンの小さな咳払いが聞こえた。
 当主である父をほったらかしにしてアニエス自ら先に挨拶してしまったことに今さら気づく。
 最初からそういう予定だったように、アニエスは一歩下がると場を父に譲った。
「そういうところですよ」
 並んだルシアンがアニエスを軽く肘で突いてささやく。言いたいことはわかる。
 でしゃばりだと自分でも思う。でも、これから長く付き合っていくのに取り繕ってもしかたない。
 文官時代はおとなしくしていても何もならなかったからこの性格で良かった――他人から陰口は言われたが――。家族も受け入れてくれているので、問題はない。
(フィリップ様はどうかしら)
 その未来の夫が出迎えの中にいないのも気になる。
 思ったよりも自分はフィリップの反応を気にしているのだな、とアニエスは意外に思ったのだ。

 応接室に移ると、ウジェーヌがさっそく口を開いた。
「フィリップなのだが、辺境伯領から戻れないのだそうだ。申し訳ない」
「いえ、そんな頭を上げてください。領主不在だった領地に着任したばかりでいろいろ大変なことはわかります」
 アドリアンが慌てて両手を振る。
 アニエスも、
「治安も悪化していると聞きましたわ」
「そうらしい」
 うなずくウジェーヌの膝をクリステルが叩いて、
「あなた、そんな不安になることを! アニエスさん、安心してね。盗賊なんてフィリップが一掃してしまうから」
「ああ、そうだ。君が嫁いでくる前に片付けると張り切っていたからな」
(治安悪化って盗賊だったのね……)
 初耳の情報への驚きは表に出さずに、アニエスは「ええ、フィリップ様は大変お強いと聞きましたから、頼りにしております」と無難に返す。
「公爵を継いだ長男夫妻も今は領地でな。我々だけですまないが、息子たちを待っているより、早く婚約を成立させてしまうほうが重要だと思ったのだよ」
 ウジェーヌが言うと、家令らしき男性がさっと机に書類を広げた。ウジェーヌとアドリアンの間に置かれたそれは、婚約書だった。
「現公爵とフィリップの署名は済んでいる」
 当事者がふたりとも成人なので、当事者以外は、保証人ふたり以上の署名が要る。通常は両家の当主が署名して終わりだが、今回は国王の署名があった。
 アドリアンは「ひぇ、陛下と同じ紙にサインするなんて!」と小声で慄いてから、恐る恐る署名した。
「ひとつ伺ってもよろしいでしょうか」
  自分の前に回ってきた婚約書を見て、アニエスは思い切って尋ねることにした。
「今回の縁談は王命のようなもので、公爵家の皆さまには突然のお話だったと思います。私は歓迎されないのではと危惧していたのです。それなのに、こうやって温かく迎えていただき驚いております。皆さまは今回の縁談について、どのようにお考えでしょうか」
「もちろん、我が家はアニエスを歓迎している。君との縁がなかったら、愚息の結婚は永遠になかっただろう」
「ええ、ええ。そうですわ。あの子が不甲斐ないばっかりに、陛下のお手を煩わせ、あなたにも断れない状況に陥らせてしまって……」
 前公爵夫妻はフィリップが独身なのを気に病んでいたようだ。
「フィリップ様はなんておっしゃっているのでしょうか」
「フィリップは神に祈りを捧げていたな」
「はい?」
「あーいや、とても喜んでいた」
「そうよ。本当に」
 やはり結婚してこそ一人前だという風潮はある。爵位についたら結婚しないと体裁が悪いのだろう。
 アニエスはひとり納得しながら、
「親族の方々はいかがでしょうか。王家から厄介者を押し付けられたと思われていませんか?」
「まさか! 我が一族は王家第一だ。君がグレース妃殿下の忠臣だったことは皆知っている」
「そうよ。グレース様のお心を慮って、結婚もせずに王太子殿下に仕え続けていたんですもの」
 クリステルの言葉にアニエスは驚く。実際は全然違うが、視点を変えればそう見えなくもない。
「とにかく、アニエスさんが縁談を受けてくれて良かったわ」
「フィリップは他の令嬢を探す気がないのだから、アニエスだけが頼みの綱だったのだよ」
 確かに、フィリップとつり合う年の独身の令嬢などほとんどいないだろう。他の令嬢を探すならずいぶん年下になる。
 それよりアニエスは、公爵家ではフィリップの事情を汲んで国王が縁談を斡旋したと認識されているのが気になった。
「私のほうでも文官を辞めねばならない事情がありましたので。そちらについてはご存知でしょうか」
「ええ、もちろん」
 答えたのはクリステルだが、ウジェーヌもうなずいている。
「王太子妃殿下も本気で勘繰っているわけではないのよ。今は時期がちょっとね……」
「はい。承知しております。私がもっとうまく立ち回れたら良かったのですが」
「いいえ。フィリップの件がなかったら、きっと異動だけで、陛下も王太子殿下もあなたに縁談なんて押し付けなかったわ。あなたは何も悪くないの」
「お気遣いありがとうございます」
 確かに、新しい辺境伯に妻――体裁は必要だ。年齢のつり合いを考えれば、アニエスはうってつけ。
 一方で、縁談はアニエスを退官させる大義名分にもなる。世間的に見れば、王家に近い血筋の辺境伯の妻なんて、文官よりも幸せな立場なのだから。
 フィリップの事情に加えて、王家の思惑も忖度したなら、公爵家がアニエスを受け入れるのも理解できる。
 そこで、ウジェーヌが咳払いをし、
「それでだな。アニエスはどうなのだ? 縁談は納得しているのだろうか」
「もちろん納得しておりますわ。辺境伯夫人という役しょ……いえ、辺境伯夫人の務めを果たしていきたいと考えております」
「ああ、そうか。ありがとう」
「フィリップのことはどう思っているのかしら?」
「フィリップ様ですか。お話したことはなく、遠目に拝見しただけですが、騎士らしい体格の方だと認識しております。あとは、宰相閣下から、女の文官もお認めくださる柔軟な方だとお聞きしました」
「話したことがない!?」
「一度も?」
 前公爵夫妻は目を見開く。アニエスは彼らの反応に驚きつつ「ええ」と返すが、夫妻は「そこまでだったとは……」「交流くらいあると思っていたのに」と頭を抱えている。
「女性と見れば話しかける方より、硬派な方のほうが良いと思いますけれど」
「いや、しかし、他でもない意ちゅ」
「アニエスさんが良いなら、良いのよ!」
 ウジェーヌを遮ってクリステルが手を叩き、視線を婚約書に向ける。
 それに促されて、アニエスも婚約書を見た。あとはアニエスが署名するだけだ。
「はい。そうですね。私もこの縁談に異論はございませんわ」
 アニエスがペンを手に取ると、前公爵夫妻はじっとアニエスの手元を見つめた。気になって顔を上げると、ふたりは何でもないと首を振るが、視線は変わらない。
 ほとんど空気になってアニエスと前公爵夫妻のやりとりをハラハラ見守っていたマネジット家の両親と弟も、息を詰めてアニエスを見ている。
 皆が見つめる中、アニエスは婚約書に署名した。重要書類への署名は慣れたものだ。
 そっとペンを置くと、皆が一斉にほうっと息を吐いた。
 ウジェーヌが婚約書を確認して家令に渡す。彼は「すぐに提出して参ります」と退出した。
(それほどまでに王家から急がされていたのかしら。そうよね。妃殿下の出産も控えているし)
 面倒をかけてしまって申し訳ない、とアニエスは思う。
 今日最大の課題が終了したかのように場の空気が緩んだが、アニエスの気分としてはここまでは前提、ここからが本題だった。
「早速ですが、今後の予定はどうお考えでしょうか。諸々を考慮しますと、私はすぐにでも辺境に嫁いだほうが良いのでないですか?」
 いつものようにアニエスが話を進めたところ、横からアドリアンが止めたいけれど止められないというような呻き声を上げた。幸い、前公爵夫妻は気分を害すことなく、
「それなんだが、陛下から来月頭に大聖堂を押さえておくと言われている」
「大聖堂? それは結婚式の会場ですか?」
 アドリアンが声を上げ、サビーナが「ひっ」と小さな悲鳴を上げる。
 アニエスといえば、公爵家なら妥当な式場だ、と思うだけだ。
 それよりも。
「来月頭でしたら、もう一か月もありませんね」
 切迫した日程、今まで一度も仕切ったことがない結婚式。実にやりがいのある仕事だ。
 アニエスは心をときめかせて、手帳を取り出した。
(会場と日取りが決まっているなら、まずやらなくてはならないのは招待客の選定、招待状の発送)
「社交シーズンではないですし、日程も差し迫っていて準備期間がありませんし、招待客ははじめから厳選したほうがよろしいですわね。公爵家のお客様はお任せしてもよろしいでしょうか」
「ああ、もちろん」
「マネジット家は……お父様?」
「わ、わかった」
「急ぎですから、三日後に一度持ち寄るのでよろしいでしょうか。そこで調整して、可能なら今週末までに招待状を発送したいところですね」
「あ、ああ……」
 さすがにウジェーヌも戸惑っているが、アニエスは話を進める。
 次に決めなくてはならないのは、新郎新婦の衣装。
「フィリップ様は騎士団の正装がありますか? 退団されたから難しいでしょうか」
「第三騎士団の騎士服は返却したけれど、辺境騎士団の服を手配していたから、間に合うと思うわ」
「それでは、私は母のドレスを手直しして着ることにいたします」
「陛下が王家御用達のドレスメーカーに注文して良いと言っていたが、いいのか?」
「ええ。王太子妃殿下と張り合っているように見えては本末転倒ですから」
「それなら、アクセサリーは私がつけたものをつけたらいいわ」
 クリステルが楽しそうに提案するが、サビーナは「まあ」と言いながら微笑みが少し引きつっている。アニエスの脇腹を扇の先でぐいぐい押してくるのは、どうにかして、ということだろう。
 伯爵令嬢が伯爵家に嫁いだときのドレスに、王女が公爵家に嫁いだときのアクセサリー。釣り合いが取れるわけがない。
 ドレスはできる限り豪華に見えるように直してもらおう。そういえば、北の隣国アンダンテ王国の王太子の結婚式で新婦がドレスに色とりどりのリボンをつけていたのを思い出す。白いドレスがここ百年ほどの定番だったため、華やかな色合いは目新しく、今後の流行になるに違いない。フェルナンの公務だったが、定例の三国会議も開催されたため、アニエスはもちろん補佐官のほとんどが同行した大きな仕事だった――今思えばその公務が終わるまでアニエスの退官は保留にされていたのかもしれない。一か月前のことだ。おそらく国内では誰もまだ真似していない。
 それを伝えると、クリステルは非常にうれしそうに賛成してくれた。
「絹なら領地で手配できるわ」
 ミナパート公爵領は西岸に位置し、大洋の向こうの国との貿易の玄関口だ。
「リボンだと幼く見えるかもしれませんわ。花飾りにしてはどうでしょうか」
 調子を取り戻したサビーナが提案して、ドレスの方向性は決まった。
 そうやって課題を確認し、決められることは決め、アニエスたちはミナパート公爵家をあとにした。
 結婚式と披露宴の準備と花嫁修行も兼ねて、アニエスは三日後から公爵家に滞在することになった。
 今後の予定が見えてきたことにアニエスはほっとする。
(今日の会議はとても有意義だったわ)
 誰かがアニエスの心の声を聞いたら「会議じゃない」と突っ込んだかもしれない。

 帰りの馬車の中、ルシアンが口を開いた。
「アニエス姉上はフィリップ様と本当に面識がないのですか?」
「ないわよ。どうして?」
「フィリップ様は姉上以外と結婚する気がなく、前公爵夫妻は諦めていたところ、事情を知った陛下が姉上を斡旋したってことでしょう?」
 ルシアンは驚くことを言う。
「え? そんなことおっしゃっていたかしら? 辺境伯の体裁を保つために妻が必要だけれど、フィリップ様と年の合う独身令嬢がいなくて困っていたところに、私を退官させたい殿下と陛下の思惑が合致した、ということでしょう?」
「え? そんなことおっしゃっていましたか?」
 ルシアンも首を傾げる。
 両親に目を向けたけれど、やっぱりふたりとも首を傾げた。
「まあ、歓迎されているのは間違いないな」
 アドリアンが適当にまとめて、マネジット一家はそれぞれうなずいた。
 帰宅後、留守番をしていたポーラが話を聞いて、「ルシアンの認識とアニエスの認識は全然違うじゃない! どっちが正しいのか重要なことなのに、どうして誰も気にしないの!?」と地団駄を踏むのだった。
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