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第四章 聖女じゃない令嬢
対策会議
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ステラとトラヴィスは王都に戻ってすぐに婚約証書を提出した。王妃と因縁のないイストワーズ公爵家から提出したため、すぐに受理された。
婚約が確定してから、ステラはイストワーズ公爵夫妻に挨拶に行った。ジュリエットの誘いで訪問したときに夫人とは何度か顔を合わせたことがある。公爵とは初対面だったが、ふたりともステラを歓迎してくれた。
トラヴィスを暗殺から守ったこと、ジュリエットとアレクシスの仲を取り持ったことなど、公爵夫妻から聞かされると美化されすぎていて別人の話のようだ。
嫁いでから何もできないことがわかって幻滅されないか心配になる。
魔獣の大発生で短くなってしまった夏休みだったけれど、最後に少しだけ領地に帰ることができた。
辺境伯夫妻に挨拶したいというトラヴィスも一緒で、「お兄様だけずるい」「ジュリエットが行くなら私も行く」と、なぜかジュリエットとアレクシスもついてきた。
「お前が来るといちいち大所帯になってうっとうしい」
などと文句を言いながらも楽しそうなトラヴィスに、ジュリエットと笑いあった。
往復に時間がかかるため、領地にいられるのは三日だけだった。
ダレルとクレアに挨拶をして、ジュリエットたちにブランを紹介する。
「ブラン! ただいま!」
いつもの木に止まっていたブランは、ステラが呼ぶとカァと鳴いた。
「へえ、本当に白いね」
「お兄様と同じだわ」
珍しくブランは木から降りてきた。
「トラヴィスがいるから? 私だけのときは全然降りてきてくれないのよ」
ステラが憤慨すると、アレクシスがトラヴィスの肩を叩く。
「君、仲間だと思われてるんじゃないの?」
ブランは少し離れたところから、こちらを見ている。ステラはマーサが用意してくれた餌を撒いた。
「まあ、赤いわ! 瞳もお兄様と同じなのね」
「綺麗でしょ?」
「そうね。ルビーみたいだわ。あら、お兄様のことじゃなくってよ? ブランのお話ですわ」
「トラヴィスも綺麗よ」
話しながら、木陰に準備されたブランケットに座る。
二年前にトラヴィスとお茶をしたときと同じ場所だ。
「変わってないな」
トラヴィスが周りを見回した。
「そうね。花壇はともかく、このあたりはあまり手をいれていないのよ」
「あとで時間があったら、襲撃された河原にも行ってみよう」
「いいわよ。あちらも変わっていないから懐かしいと思うわ」
ステラとトラヴィスが話すのに、アレクシスが呆れる。
「暗殺未遂現場をふたりの素敵な思い出の場所みたいに言うの、やめてくれる?」
「いや、実際、この木陰とあの河原くらいしか思い出の場所がないかもしれん。あとはステラの部屋か」
「そうね」
トラヴィスの言葉にステラはうなずいた。
意外にも、二年前はそれほど交流してなかったのね、と不思議に思う。
今までの思い出よりも、これから先の付き合いのほうが長くなるのだろう。
「あ、そうだわ。私、トラヴィスにお願いがあったの」
「ん? なんだ?」
「髪、結わせてくれない?」
ずっとさらさらを堪能したいと思っていたのだ。
トラヴィスは「いいけれど、交換条件がある」と言う。
「交換条件? なあに?」
「俺もステラの髪を結わせてほしい」
「ええ、もちろん構わないわ」
ステラは了承したのだけれど、控えていたマーサから待ったがかかった。
「トラヴィス様。お嬢様の髪に触れるのでしたら、その前に侍女長の特訓を受けていただきます」
「わ、わかった。滞在中に合格できるだろうか……?」
「手紙での添削も可能ですわ」
トラヴィスは難しい顔でうなずいたのだった。
突然、ばさっとブランが飛び立った。
表門の方が騒がしい。
「早馬のようですね」
ブルーノが言い、「戻ってみようか」とアレクシスが提案したとき、表から駆け込んできたのは王都にいたオスカーだった。
「ステラ! 緊急事態だ!」
ステラたちはオスカーに促されて応接室に入った。
そこにはダレルとクレアもいた。
ダレルたちの向かいにステラとトラヴィスとジュリエットが座り、オスカーとアレクシスがそれぞれ一人がけソファに座った。
「何があったのですか?」
「ステラがマルヒヤシンス聖国に行かなければならなくなった」
「え?」
オスカーの言葉にステラは驚く。
ダレルから話は聞いていたけれど、それが現実になるとは思っていなかった。
書状を読んでいたダレルが、それをクレアに回してから、
「最初向こうは、聖国の教会に入れと言っていたらしい。それを、聖女の判定のやり直しをするために聖国に行く、に落ち着かせたとか」
「また聖女……」
ムスカリラ王国でステラは二度判定を受けたが聖女ではなかった。
魔獣の大発生のときも、聖女じゃないことを嘆いた。
今度は、ステラが聖女だった場合は聖国の教会にとらわれることになる。
「そもそも、聖国の要求をのむ必要なんてありませんよね?」
トラヴィスが聞くと、ダレルはアレクシスに目をやった。
「王妃殿下が勝手に約束したらしいですよ」
「まさか! 王妃は他国の者との接触は禁じられているはず。そんな意図を持っている者なんて、自国の者でも排除されるだろうに」
「元アテナリスク公爵が手引きしたそうです」
「ああ……」
マーガレットの父親だ。
マーガレットを逃がすために、ステラとジュリエットはアレクシスの力を借りた。こういうときのために押さえておいた不正を指摘して失脚させ、爵位はマーガレットの異母兄に代替わりすることになった。
それを恨みに思っての行動だろうか。
「少し見通しが甘かったようですね。相手次第では完膚なきまでに叩き潰しておいたほうがいい場合もあります」
「肝に銘じよう」
アレクシスは少しうつむいた。
ステラも反省する。マーガレットを公爵家から連れ出してあげたかったけれど、もっとやり方があったのだろう。
「不正をしていたのは元公爵ですもの。逆恨みするほうが悪いのですわ」
ジュリエットが言うのに、ダレルは苦笑して軽くうなずいた。
「元公爵は陛下が対処したようだから、もう何も言いません。しかし、元公爵がどうであれ、ステラの処遇を勝手に決めたのは王妃です。これはパターリアス辺境伯家から厳重に抗議します」
「承知した」
アレクシスがうなずいたところで、ステラは口を開く。
「あの、お父様。もう決定事項なのでしょうか」
「そうだな。決まってしまっている」
「行ったら帰ってこれない可能性が高いのですよね?」
「そうだ。行かなくて済むようにするのが一番だが……」
考え込んでしまったダレル。
ジュリエットがステラに聞いた。
「ステラは聖女じゃないんでしょう? 聖国に行って聖女じゃないってわかったら帰ってこられるのではないの?」
「それが……、ムスカリラ王国のように結界があるわけではないし、魔獣が多いわけでもないから、聖国は聖女の力は求めていないの。求めているのは聖女っていう広告塔? だから誰でもいいのよ」
「そんな……!」
「でっちあげてでも取り込むつもりなのか」
ぐっと歯をかみしめるトラヴィスに、ステラはうなずく。
どうしたらいいのだろう? ステラはずっとミモザナ王国にいたい。トラヴィスと結婚したい。
なぜ、ミモザナ王国のステラがマルヒヤシンス聖国の聖女にさせられるのだろう。聖国の人がやればいいのに。
そこでステラは疑問に思った。
――聖国に聖女はいないの?
「ムスカリラ王国以外には聖女は生まれないのかしら?」
「え?」
各々がステラを見た。
「ムスカリラ王国だけだと思っていたが……」
「この国では聖女かどうか誰も調べていませんよね?」
「建国のころは調べていたりしないかな」
「結界もないのに、何のために?」
「聖女の護符を作るためではないのか?」
「聖女の護符は百年くらい前までは秘匿されていたって習いました」
「確かに、取引し出したのは同盟締結後だから、八十年くらい前かな」
「もしかしたらムスカリラ王国以外にも聖女がいるかもしれないということ?」
ステラは聖女見習いの教科書を思い出す。
「ムスカリラ王国には聖女が生まれる、と習いましたが、ムスカリラ王国以外はどうなのかは特に書いてありませんでした」
ダレルが、「そうか」と膝を打つ。
「聖国にステラ以外の聖女がいればいいのか。殿下、我が国でも聖女探しをすることは可能でしょうか」
「そうだね。どうにかしよう」
「私の身代わりを立てるのですか?」
「いや、そういうわけではない」
ダレルは首を振る。
「まずムスカリラ王国以外にも聖女がいるのかどうか、それを調べるのが先だ」
「もしいた場合は?」
「我が国でも聖女制度を取り入れる。それを聖女派の同盟国や、聖国の周辺の女神派の国にも広めるんだ」
ダレルは一度言葉を切り、
「ムスカリラ王国の聖女は、早期引退もできるし給料ももらえる。名誉ある職だ。聖女に選ばれて嘆き悲しむ人はいないだろう?」
「はい」
「ムスカリラ王国の聖女制度を見習えばいい。それを聖国にも持ち込めば……。言い方は悪いが、ステラは何の力もないだろう? 本物の聖女にはかなわない」
さっそくムスカリラ王国に連絡を取ることになった。
婚約が確定してから、ステラはイストワーズ公爵夫妻に挨拶に行った。ジュリエットの誘いで訪問したときに夫人とは何度か顔を合わせたことがある。公爵とは初対面だったが、ふたりともステラを歓迎してくれた。
トラヴィスを暗殺から守ったこと、ジュリエットとアレクシスの仲を取り持ったことなど、公爵夫妻から聞かされると美化されすぎていて別人の話のようだ。
嫁いでから何もできないことがわかって幻滅されないか心配になる。
魔獣の大発生で短くなってしまった夏休みだったけれど、最後に少しだけ領地に帰ることができた。
辺境伯夫妻に挨拶したいというトラヴィスも一緒で、「お兄様だけずるい」「ジュリエットが行くなら私も行く」と、なぜかジュリエットとアレクシスもついてきた。
「お前が来るといちいち大所帯になってうっとうしい」
などと文句を言いながらも楽しそうなトラヴィスに、ジュリエットと笑いあった。
往復に時間がかかるため、領地にいられるのは三日だけだった。
ダレルとクレアに挨拶をして、ジュリエットたちにブランを紹介する。
「ブラン! ただいま!」
いつもの木に止まっていたブランは、ステラが呼ぶとカァと鳴いた。
「へえ、本当に白いね」
「お兄様と同じだわ」
珍しくブランは木から降りてきた。
「トラヴィスがいるから? 私だけのときは全然降りてきてくれないのよ」
ステラが憤慨すると、アレクシスがトラヴィスの肩を叩く。
「君、仲間だと思われてるんじゃないの?」
ブランは少し離れたところから、こちらを見ている。ステラはマーサが用意してくれた餌を撒いた。
「まあ、赤いわ! 瞳もお兄様と同じなのね」
「綺麗でしょ?」
「そうね。ルビーみたいだわ。あら、お兄様のことじゃなくってよ? ブランのお話ですわ」
「トラヴィスも綺麗よ」
話しながら、木陰に準備されたブランケットに座る。
二年前にトラヴィスとお茶をしたときと同じ場所だ。
「変わってないな」
トラヴィスが周りを見回した。
「そうね。花壇はともかく、このあたりはあまり手をいれていないのよ」
「あとで時間があったら、襲撃された河原にも行ってみよう」
「いいわよ。あちらも変わっていないから懐かしいと思うわ」
ステラとトラヴィスが話すのに、アレクシスが呆れる。
「暗殺未遂現場をふたりの素敵な思い出の場所みたいに言うの、やめてくれる?」
「いや、実際、この木陰とあの河原くらいしか思い出の場所がないかもしれん。あとはステラの部屋か」
「そうね」
トラヴィスの言葉にステラはうなずいた。
意外にも、二年前はそれほど交流してなかったのね、と不思議に思う。
今までの思い出よりも、これから先の付き合いのほうが長くなるのだろう。
「あ、そうだわ。私、トラヴィスにお願いがあったの」
「ん? なんだ?」
「髪、結わせてくれない?」
ずっとさらさらを堪能したいと思っていたのだ。
トラヴィスは「いいけれど、交換条件がある」と言う。
「交換条件? なあに?」
「俺もステラの髪を結わせてほしい」
「ええ、もちろん構わないわ」
ステラは了承したのだけれど、控えていたマーサから待ったがかかった。
「トラヴィス様。お嬢様の髪に触れるのでしたら、その前に侍女長の特訓を受けていただきます」
「わ、わかった。滞在中に合格できるだろうか……?」
「手紙での添削も可能ですわ」
トラヴィスは難しい顔でうなずいたのだった。
突然、ばさっとブランが飛び立った。
表門の方が騒がしい。
「早馬のようですね」
ブルーノが言い、「戻ってみようか」とアレクシスが提案したとき、表から駆け込んできたのは王都にいたオスカーだった。
「ステラ! 緊急事態だ!」
ステラたちはオスカーに促されて応接室に入った。
そこにはダレルとクレアもいた。
ダレルたちの向かいにステラとトラヴィスとジュリエットが座り、オスカーとアレクシスがそれぞれ一人がけソファに座った。
「何があったのですか?」
「ステラがマルヒヤシンス聖国に行かなければならなくなった」
「え?」
オスカーの言葉にステラは驚く。
ダレルから話は聞いていたけれど、それが現実になるとは思っていなかった。
書状を読んでいたダレルが、それをクレアに回してから、
「最初向こうは、聖国の教会に入れと言っていたらしい。それを、聖女の判定のやり直しをするために聖国に行く、に落ち着かせたとか」
「また聖女……」
ムスカリラ王国でステラは二度判定を受けたが聖女ではなかった。
魔獣の大発生のときも、聖女じゃないことを嘆いた。
今度は、ステラが聖女だった場合は聖国の教会にとらわれることになる。
「そもそも、聖国の要求をのむ必要なんてありませんよね?」
トラヴィスが聞くと、ダレルはアレクシスに目をやった。
「王妃殿下が勝手に約束したらしいですよ」
「まさか! 王妃は他国の者との接触は禁じられているはず。そんな意図を持っている者なんて、自国の者でも排除されるだろうに」
「元アテナリスク公爵が手引きしたそうです」
「ああ……」
マーガレットの父親だ。
マーガレットを逃がすために、ステラとジュリエットはアレクシスの力を借りた。こういうときのために押さえておいた不正を指摘して失脚させ、爵位はマーガレットの異母兄に代替わりすることになった。
それを恨みに思っての行動だろうか。
「少し見通しが甘かったようですね。相手次第では完膚なきまでに叩き潰しておいたほうがいい場合もあります」
「肝に銘じよう」
アレクシスは少しうつむいた。
ステラも反省する。マーガレットを公爵家から連れ出してあげたかったけれど、もっとやり方があったのだろう。
「不正をしていたのは元公爵ですもの。逆恨みするほうが悪いのですわ」
ジュリエットが言うのに、ダレルは苦笑して軽くうなずいた。
「元公爵は陛下が対処したようだから、もう何も言いません。しかし、元公爵がどうであれ、ステラの処遇を勝手に決めたのは王妃です。これはパターリアス辺境伯家から厳重に抗議します」
「承知した」
アレクシスがうなずいたところで、ステラは口を開く。
「あの、お父様。もう決定事項なのでしょうか」
「そうだな。決まってしまっている」
「行ったら帰ってこれない可能性が高いのですよね?」
「そうだ。行かなくて済むようにするのが一番だが……」
考え込んでしまったダレル。
ジュリエットがステラに聞いた。
「ステラは聖女じゃないんでしょう? 聖国に行って聖女じゃないってわかったら帰ってこられるのではないの?」
「それが……、ムスカリラ王国のように結界があるわけではないし、魔獣が多いわけでもないから、聖国は聖女の力は求めていないの。求めているのは聖女っていう広告塔? だから誰でもいいのよ」
「そんな……!」
「でっちあげてでも取り込むつもりなのか」
ぐっと歯をかみしめるトラヴィスに、ステラはうなずく。
どうしたらいいのだろう? ステラはずっとミモザナ王国にいたい。トラヴィスと結婚したい。
なぜ、ミモザナ王国のステラがマルヒヤシンス聖国の聖女にさせられるのだろう。聖国の人がやればいいのに。
そこでステラは疑問に思った。
――聖国に聖女はいないの?
「ムスカリラ王国以外には聖女は生まれないのかしら?」
「え?」
各々がステラを見た。
「ムスカリラ王国だけだと思っていたが……」
「この国では聖女かどうか誰も調べていませんよね?」
「建国のころは調べていたりしないかな」
「結界もないのに、何のために?」
「聖女の護符を作るためではないのか?」
「聖女の護符は百年くらい前までは秘匿されていたって習いました」
「確かに、取引し出したのは同盟締結後だから、八十年くらい前かな」
「もしかしたらムスカリラ王国以外にも聖女がいるかもしれないということ?」
ステラは聖女見習いの教科書を思い出す。
「ムスカリラ王国には聖女が生まれる、と習いましたが、ムスカリラ王国以外はどうなのかは特に書いてありませんでした」
ダレルが、「そうか」と膝を打つ。
「聖国にステラ以外の聖女がいればいいのか。殿下、我が国でも聖女探しをすることは可能でしょうか」
「そうだね。どうにかしよう」
「私の身代わりを立てるのですか?」
「いや、そういうわけではない」
ダレルは首を振る。
「まずムスカリラ王国以外にも聖女がいるのかどうか、それを調べるのが先だ」
「もしいた場合は?」
「我が国でも聖女制度を取り入れる。それを聖女派の同盟国や、聖国の周辺の女神派の国にも広めるんだ」
ダレルは一度言葉を切り、
「ムスカリラ王国の聖女は、早期引退もできるし給料ももらえる。名誉ある職だ。聖女に選ばれて嘆き悲しむ人はいないだろう?」
「はい」
「ムスカリラ王国の聖女制度を見習えばいい。それを聖国にも持ち込めば……。言い方は悪いが、ステラは何の力もないだろう? 本物の聖女にはかなわない」
さっそくムスカリラ王国に連絡を取ることになった。
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