女子小学五年生に告白された高校一年生の俺

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友達以上彼女未満

最終話 卒業式

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とうとうこの日が来た。

優里ちゃんの卒業式だ。

自分もここで卒業した事を、
思うと感慨深い。

俺達一家も参加させてもらった。

保護者席から、
ガチガチになって、
歩いて行く優里ちゃんを見る。

俺もあんなんだったな・・・。

校歌斉唱。

校長先生の話。

卒業証書授与。

「司優里ちゃん」

「はい!」

元気に返事はしたものの、
手足はガチガチだ。

「卒業おめでとう」

「ありがとうございます!」

震える手で受けとる。

無事に壇上から降り、
席に戻る。

何故だろう。
自然と涙がこぼれる。

優里ちゃんは、
優里ちゃんなんだけど、
あの小学生の制服を着て、
ランドセルを背負った、
優里ちゃんは、
もういなくなったんだ・・・。

新しい優里ちゃんになる。

それは素晴らしいことでもあり、
寂しくもある・・・。

二年間、一緒に歩んできた。

一緒にゲームをしたり、
誕生日を祝ったり、
海に行ったり、
些細な日常でも、
大切な思い出だ・・・。

別に一緒に登校することを、
辞める訳でもない・・・。

離れる訳でもない・・・。

なのに、
何故涙が止まらないのだろうか?

俺には理解できない・・・。

周りの人も、
涙を流している・・・。

慶さん、真矢さん。
父さん、母さん。
凜までも。

そして他の方々も泣いている。

嬉しさ、懐かしさ、寂しさ、
感情がごちゃごちゃになる。

この想いはなんというのだろう?

分からない・・・。

ただこれからも二人で、
いられますように、
笑い合える日々が続く様に、
祈りながら、
卒業式を見ていた。

無事に終了し、
それぞれが、
家族の出迎えを受ける。

優里ちゃんも俺達の方に来る。

ただ果奈ちゃんだけは、
誰も居なかった・・・。

おじいさんが体調をくずし、
来れなくなった様だ。

「優里ちゃん?
果奈ちゃんも、
一緒に写真撮らない?」

「いいんですか!?」

「もちろん」

優里ちゃんが果奈ちゃんを、
連れてくる。

「僕もいいんですか・・・?」

「もちろんだよ。
優里ちゃんの、
大事な友達だからね」

「はい!」

「ありがとうございます・・・」

それからは撮影会が始まった。
何枚撮っただろう?

桜が咲き、
美しい背景と共に数多くの、
写真を撮った。

泣いたり笑ったり様々だ・・・。

夕暮れ時になり、
人もずいぶんと減った。

「優里ちゃん」

「なんですか?お兄さん?」

「卒業おめでとう」

「ありがとうございます!」

「伝えないと、
いけない事があるんだ」

「なんですか・・・?」

皆が黙って聞いている。

「優里ちゃんが告白してくれて、
正直戸惑ったよ。
年も離れてるし、
妹よりも年下だしね」

悲しい顔をする優里ちゃん。

「でも僕の中で、
優里ちゃんがいない事を、
もう考えられないんだ。
改めて言わせてください」

「優里ちゃん。
君が好きです。
共に歩んでくれますか?」

優里ちゃんは涙を流しながら、
抱きついてくる。

「うれしいです!
わたしもお兄さんと、
一緒にいたいです!
ずっと!ずっと!」

俺はしゃがみ抱きしめた。

「ありがとう。大好きだよ」

「わたしもです!」

お互いに涙を流しながら、
抱き合った・・・。

桜舞う木の下で・・・。





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