女子小学五年生に告白された高校一年生の俺

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友達以上彼女未満

37話 血のバレンタイン

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一月も、
あっという間に過ぎ去って行った。

早いものだな日常となった日々は。

そして、二月となる・・・。
今までは憂鬱な月だった・・・。

もらった事はあるんだ。

顔を赤くして、
「これお願いします!」

「ぼっ、ぼくに・・・?」

「いえ?涼君に渡してください」

何回、何十回あっただろう・・・。
期待することは無くなった。

しかし!今年はもらえるはず!
(凜なんか興味なーいでくれない)

優里ちゃん!期待してます!

二月十三日。

「おっ、お兄さんは、
チョコレートすきですか!?」

「好き!大好き!」

「そっそうですか・・・」

「毎年くれる人いないからなー」

チラッ。

「が、がんばって作ります!」

「ありがとうー!」

これで今年はハッピーだ!

昼休み。

「優人・・・。
今日、気持ち悪いよ・・・?」

どうやらにやけていたらしい。
そんなことは知らん!

「明日、
優里ちゃんから貰えそうなんだ!
チョコレート!」

「良かったじゃないか。
おめでとう!」

「ありがとう!
毎年毎年涼への、
配達人だったからな・・・」

「それはごめんね・・・」

「気にすんな!
俺は一つあればいい!
楽しみだなー!」

「バレンタインなんて・・・」
「滅べ・・・」
「爆発しろ・・・」

女の子にも、
複雑な気持ちがあるんだな・・・。

その夜、
相当浮かれていた様で、
家族から、
「「「気持ち悪い」」」
と言われた・・・。

気にしない!

翌日!
今までは呪われた日だった!
しかし、聖なる日へと変貌する!

ウキウキで優里ちゃんに会う。

「おはようございます・・・」

「おはよう!今日はいい天気だね!」

「そうですね・・・」

うん?元気がないな・・・?

催促する事も出来ずに、
普通に話ながら登校する・・・。

あれっ?着いちゃうよ?
無いの・・・?

学校終わりに渡すという、
約束も無いまま、到着した・・・。

「それじゃ、お兄さん・・・」

「うん・・・」

あれっ?
今日だよね?
スマートフォンで確認する。
間違いない・・・。

とぼとぼ登校する・・・。

俺と同じような顔を、
した奴等がいる・・・。

今年は違うと信じていたのに!

教室に向かい、
ぽけーとしていると、
クラスメート達が来る。

女子たちは浮かれて話し、
大半の男子は、
死んだ目をしている・・・。

「どうしたの?優人?」

「優里ちゃんがくれなかった・・・」

「本当に?」

「ああ・・・」

「そんなはずは無いと、
思うんだけどな?」

「いいんだ・・・。
何か事情があったんだよ」

「元気だしなよ」

「ありがとう・・・」

絶望の中、
授業は始まっていく・・・。

昼休み、
ただ呆然と、昼食を取り、
涼と話して教室に帰る・・・。

ざわざわ・・・。

うん?教室が騒がしいな?

教室に入ると、
女子グループが固まって騒いでいる。

なんだ?

「あっ!来たよ!」

男子は憎しみの目で、
女子はニヤニヤした顔で、
こちらを見る。

優里ちゃんが女子生徒に、
囲まれて俺の席に座っていた!

「おっお兄さん!これ!」

ピンク色で綺麗に
ラッピングされた箱を受けとる。

「上手くできたかわかりませんが、
がんばって作りました!」

真っ赤な優里ちゃん。

「ありがとう!嬉しいよ!」

「失礼します!」

逃げる様に去って行った・・・。

「いやーあつあつだねー!」
「可愛いなー!」
「私も頑張ろう!」

女子からは冷やかされ、
男子の目は血走っている。

「よかったね?優人」

「ああ!」

朝の憂鬱な気分は消え去り、
幸せな気持ちで一杯だった!

その後は、
どうでもよかった。

ダッシュで家に帰り、
自分の部屋で開封する。

可愛い箱には
ハート型の一口サイズの、
チョコレートが入っていた・・・。

美しい・・・。
十分に眺め、堪能たんのうすると、
おそるおそる、一粒食べる。

甘い味にとろける・・・。
大事に食べよう・・・。

「兄ちゃん!チョコもらえた!?」

突然入ってくる。
「だから急に入って来るな・・・」

言い終わる前に、

「わー可愛い!一つもーらい!」

ぱくっと食べやがった!

「うーん甘くて美味しいねー!」

俺は凜に強烈なデコピンを与える。

「いったーーーーー!
何すんだよ!兄ちゃん!」

「キサマハユルサレナイ・・・」

「兄ちゃん・・・?」

「サアザンゲヲスルガイイ・・・」

「ごめん!ごめんなさい!
これあげるから許して!」

市販品だったが、
可愛いチョコレートだった。

正常に戻ると、

「興味ないんじゃなかったのか?」

「なんとなく・・・。
あげたくなったの!」

「ありがとうな」

「うん・・・」

先ほどまでの憎しみはどこへやら。

あれ?こんなに可愛かった?

「ごめんね・・・。兄ちゃん・・・」

「いやもう気にすんな!
俺も悪かったから!」

「ありがとう!兄ちゃん!」

有名タイトルの、
ラノベのセリフがでそうになる。

俺の妹は可愛いーーーー!

最高の一日だった・・・。

ハッピーバレンタイン!




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