女子小学五年生に告白された高校一年生の俺

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友達以上彼女未満

27話 真矢さんの誕生日

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前に聞いた真矢さんの、
誕生日が近づいてくる。

母さんには、
楽に買って渡せたのにな。
(エプロンとかキーホルダーなんか)

しかし、今回はそうはいかない。
流石の涼も力になれそうにない、
と言われてしまった・・・。

キーワードで考えてみよう。
美人・上品・家族想い。

正解はなんだ?

俺はまたしても、
デパートをさまよった。

考えに考えた結果、
たどり着いた答えがあった。

正解は真矢さんのみぞ知る・・・。

7月6日
優里ちゃんと一緒に登校する。
慣れたもので、
楽しく話をしていると、

「パパとママが、
明日お兄さんも、
来てくれないか?って」

「えっ?僕も?」

「直接渡してほしいってママが、
パパも前回もらったから、
来るなら来いって」

「お邪魔していいの?」

「お兄さんが、
来てくれるなら、
わたしもうれしい!」

正直、慶さんに会うのは怖い。
しかし、断るのも怖い。
ならば進もう。

「わかった行くよ」

「やったー!」

優里ちゃんは、
喜んでくれたがどうなる事か・・・。

両親に許可をもらい、
紙袋を持ち、
五時に優里ちゃんの家に向かう。

到着し、インターホンを鳴らす。

真矢さんが出迎えてくれる。
「わざわざありがとう。優人君」

「いえ!
お誕生日おめでとうございます!」

「ありがとう♪あがってくれる?」

「失礼します!」

慶さんはまだ帰っていない様だ。

「お兄さん!いらっしゃい!」

「よろしくね、優里ちゃん」

和やかに話をしていると、
慶さんが帰ってくる。

「パパ、お帰りなさい!」

「ただいま!優里」

にこやかな笑顔、初めて見たかも。

しかし、こちらを見ると、

「お邪魔しています!」

「今日は、
楽しんでいってもらおうか?」

怖っ!
悪役のセリフじゃないか!?

慶さんが汗を流し着替えてくる。

そして、パーティーは始まった。
和やかな雰囲気で、
食事は進む。

美味しい料理に、
優里ちゃんや真矢さんの笑顔。
慶さんも、
オーラを放つ事は無かったので、
楽しめた。

そしてデザートにケーキを食べ、
そこからプレゼントタイムだった。

まず優里ちゃんが、
可愛い犬のキーホルダー。
頭を撫でながら、
笑顔でありがとうと言う。

慶さんは、
高そうなブレスレットだった。
ありがとう貴方。
嬉しそうだった。

その後に出したくないな!

「僕からはこれを!」

一本の赤い薔薇と、
ラッピングされた包みを渡す。

「うれしいわ♪なにかしら?」

包みを開けると三枚のハンカチ。
同じような刺繍のデザインだが、
色ちがいにしてある。
薄いピンク、白、黒。

真矢さん達、家族をイメージした。

「その、
三人は大変仲が良いので、
お揃いで使っていただけたらな、
と思いまして、
薔薇は真矢さん個人への、
プレゼントです・・・」

「優人君ありがとう。
とてもうれしいわ!」

「はい、優里、貴方」

「わーお揃いだ!」

「・・・ありがとう」

何とか喜んでくれた・・・。

そして、パーティーは終了した。

そろそろ失礼しようとすると、

「送るから、待っていなさい」

慶さんが言う。
お酒は飲んではいなかったが、

「いえ、大丈夫ですよ」

「乗っていきたまえ」

「は、はい」

「では失礼します」

「ありがとう優人君」

「バイバイお兄さん!」

俺は二人きりで、
慶さんと車で帰ることになった。

沈黙だ・・・。

「優里とは仲良くしているか?」

「そ、そうですね。
仲良くさせてもらっています」

「そうか。君の話をする時、
優里は幸せそうに笑うんだ」

「僕も同じ気持ちです」

「これからも優里を頼む」

「はっはい!」

家に到着する。

「ありがとうございました」

「今日はありがとう」

「いえ!こちらこそ!」

「では、失礼する」

慶さんは帰っていった。

少しは認めてもらえたのかな?

空を見上げると、
星が綺麗に輝いていた。

短冊には書かないが、
これからも、
皆が幸せでありますように。

願った・・・。

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