女子小学五年生に告白された高校一年生の俺

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友達以上彼女未満

19話 Wデート!

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後日、真矢さんから連絡があった。

「日曜日の11時はどうですか?」
と連絡がきた。

「俺は大丈夫です」

「じゃあ楽しみにしてますね。
待ち合わせ場所は、
優人くんのお家まで伺いますね?」

「いいんですか?」

「いいですよ」

「では、よろしくお願いします」

やった!楽しみだな!

そして、浮かれた気持ちで、
その日を待った。

優里ちゃんも楽しみですね!
と嬉しそうにしていた。

しかし、待ち遠しい日が来るのは、
時間を長く感じる・・・。

そうしてその日はきた!

車で迎えに来てくれた、
優里ちゃん一家に、
こちらの両親も、
よろしくお願いします。
と、丁寧に挨拶をする。

俺は車に乗り込み、
「今日は、よろしくお願いします」

「気を使わないでね」

「お兄さん!こんにちは!」

快く迎えてくれる二人。

「やあ、よく来てくれたね」

口調は優しいが凄まじい圧を感じる。

「じゃあ、いきましょうか?」

「わかった」

車が走っている間に、
「お魚いっぱい見れるかな?」

「そうだね、
いろいろいると思うよ?」

「楽しみだなー!」

「ふふっ。二人とも仲良しね」

「うん!お兄さん大好き!」

ピキッピキッ!

「そうか。
仲が良くて何よりだ・・・」

絶対そう思ってないよ!

圧がくるっ!

「じゃあご飯を、
食べて行きましょうか?」

「お腹すいた!」

「優人君も食べてないわよね?」

「はい」

「じゃあ貴方、
あそこのファミレスへ、
いきましょうか?」

「わかった」

相変わらず不機嫌そうに頷く。

そこは普通のファミレスだった。

「お店の名前は変わったけど、
パパとママが、
初めて一緒に食事をした所よ」

「そうなんだ!」

「そうなんですか?」

「あの時のパパは可愛かったわ♪
緊張して、
お水飲もうとして、
こぼしちゃったりしてね」

「パパ可愛い!」

「・・・」

俺は何も言えない・・・。

慶さんからの圧が・・・。

俺達は適当に注文をし、
なんとか食べ終えた。

「おいしかったね!お兄さん!」

正直、
あんまり味を覚えていない・・・。

「おいしかったよ」

だが、笑顔で答えた。

会計を支払うつもりでいると、

「構わない」

慶さんが言う。

「でも・・・」

「優里にスイーツを、
ご馳走してくれたんでしょ?
そのお礼よ」

ここは素直に甘えておく。

「では、ご馳走さまです」

「ああ」

そして、車に乗り込み、
水族館へと到着する。

家族で一度来たことがあったが、
あまり覚えていない。

「じゃあ、入りましょうか?」

入場チケットまで支払ってもらい、
中へと入っていく。

そこは別世界だった。

色合い豊かな魚や海の生物が、
展示されていた。

「優里ちゃん綺麗だね!」

「すごい綺麗です!」

俺と優里ちゃんは、
夢中で辺りを見回した!

「貴方、私達も行きましょう?
私は何度来ても思い出すわ。
あの時の気持ちを、
今も変わらないけどね」

「そうだな・・・」

慶さんと真矢さんは、
仲良く腕を組んで歩いている。

手を繋ぐくらい、いいかな・・・。

いや!駄目だ・・・。
と思ったとき、
優里ちゃんが手を繋ぎ、

「お兄さん!次はあっち行こう!?」

俺は驚きながらも、

「そうだね!」

一緒に優里ちゃんと歩いていく。

後ろからの圧が半端なく怖いが、
幸せな気持ちの方が大きい。

「さすが、私の娘ね。
貴方、緊張しちゃって、
全然動かないんだもの。
私が手を引いてあげたのよね」

「そ、それはもう忘れてくれ!」

「嫌よ。私の思い出だもの」

色々見て回っていると、
いい時間だった。

「そろそろ帰りましょうか?」

「えー、もうちょっと見たい!」

「駄目よ。お時間だからね」

「はーい・・・」

そして、水族館を出て車に乗り込む。

「少しだけ遠回りしましょうか?」

「まさか、真矢・・・」

「海岸に行きましょう?」

「本当にもう・・・」

諦めた慶さんは、車を進める。

着いたのは海岸だった。

「わーきれい!」

夕焼けの海は凄く美しかった・・・。

車から降り、海を眺める。

「ここはね?
パパがママに、
プロポーズしてくれた場所なのよ」

「えっ!?いいなー!
こんなきれいな場所だったんだ!」

「優人くんも、
こんな場所でしてあげてね?」

「お兄さん・・・」

真っ赤にして見上げてくる。

ヤバい!
二つの意味でヤバい!

まずかわいい!
上目遣いで、
こっちを向く優里ちゃん!
これはかわいい!

しかし、後ろからの殺意もヤバい!
ギリギリと歯ぎしりの音がする!
こちらもヤバい!

答えを間違えると、死ぬ!

考えろ!考えるんだ!

「そうですね!
優里ちゃんが大人になって、
僕もしっかりした仕事に就いた時、
優里ちゃんが、まだ僕のことを、
好きでいてくれたら、
そうしたいですね!」

優里ちゃんは俺のシャツを掴み、

「私は・・・。
ずっとお兄さんがすきだよ?」

上目遣いで真っ赤な顔で言ってくる!

ギャーーーーー!
はいっ!死んだ!
俺は今、昇天する!

かわいい!かわいい!かわいい!

ボキボキ!
ビリっ!ビリビリ!

後ろをそーと振り返ると、
服のボタンや生地が弾け飛び、
拳を鳴らしていた。

フシュー!
息を吐いている慶さん。

あっ死んだ・・・。

「ふふっ貴方、帰りましょうか?」

「コイツヲシズメル」

「あ・な・た!帰りますよ」

はっと我に返る慶さん。

「ああ・・・。わかった」

助かった・・・。

しかし、帰り道は静かだった。

お互い恥ずかしくて、
何も喋れない・・・。

でも、勇気を出して手を握った。

優里ちゃんはこっちを見て、
笑顔で握り返してくれた。

その様子を真矢さんは、
笑って見てくれていた。

俺の家に着くと、家族を呼んだ。

「本当に今日はお世話になりました」

「いえいえ、こちらこそ」

母親同士仲良く話している。

父親同士は固く握手し、
泣きそうになっている。

「優里ちゃん!
今日は楽しかった?」

「はい!とっても!」

「また、家にもきてよ!」

「はい!」

挨拶が終わり、
優里ちゃん一家は車に乗り込む。

「お兄さん!バイバイ!」

「またね!」

お互いに手を振り合う。

そうして、
楽しくもあり、怖くもあった、
一日は終わった。

優里ちゃんは、
ずっと好きでいてくれるのだろうか?

不安を感じながらも、
優里ちゃんの言葉を信じ、
眠りについた・・・。

一生忘れない優里ちゃんの、
表情を思い出しながら・・・。



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