10 / 84
出会いから告白まで
4話 友達以上、彼女未満
しおりを挟む
爆弾発言の後
和やかムードだった和室はシーンと静まりかえる。
優里ちゃんは真っ赤な顔でうつむいている。
真矢さんはよしよしと頭を撫でていた。
慶さんは魔王の形相でこっちを見ている。
母さんはのんきな顔であらあら、
まあまあと笑っている。
父さんはニヤニヤしながらこっちを見ている。
腹立つわー・・・
凜は唖然とした表情で優里ちゃんと俺をキョロキョロとしている。
なんという奇襲だ。
桶狭間の今川義元か俺は・・・
「お答えをいただけるかしら?」
考える間もなく、真矢さんが問う。
「優里ちゃんはまだ小学生ですし、まだそういうことは早いのではないでしょうか・・・」
何とか解答を探る。
「優人くん、そんなに重く考えないで欲しいの。毎朝一緒に登校して、土曜日や日曜日に少し遊ぶみたいな関係になって欲しいの」
なるほど。今までより少し進んだ関係ということか?
うん?しかしその関係は世間一般的に言う恋人というのでは?
まだ答えに詰まっていると、
「優人くんは優里の事は嫌いなの?」
優里ちゃんが泣きそうな顔でこっちをみてくる。
そんな訳ない!
しかし、相手は小学生だし、倫理観的にも問題があるが。
「嫌いではありません。むしろ好きです。
同級生なら喜んでお願いしてます」
優里ちゃんは少し嬉しそうに笑う。
「ではなぜ迷うのですか?」
「優里ちゃんはまだ小学生です。倫理観的にも高校生の僕とそういった関係になるのはまだはやいと思います」
「ふふっやはり思った通りの人ですね。
しっかりした考えをもち優里の事を考えてくれている。
しかし優里の精一杯の気持ち汲んであげてくれませんか?
親の欲目かもしれませんが優里は他の小学生よりも精神的には大人に近いと思います。
同級生の男の子はキライだって言ってた優里が初めて好きだと思ったのですから」
あかん。勝てん。押しきられる。
「父さん、母さん、凜はどう思う?」
俺は一旦援軍を求める。
「しっかりした約束を決めて節度ある関係をつくれば問題ないんじゃないか?10年すれば26と21だろ?それくらい普通だろ?」
「母さんも優人の気持ち次第じゃないかとおもうわ。母さんも優里ちゃんくらいの時に友達のお兄さんとか好きだったわー懐かしいわねー」
「兄ちゃん、優里ちゃん泣かせたら承知しないよ?兄ちゃんも好きなんでしょ?問題ないじゃん」
あかん。四面楚歌だ。
慶さんには・・・
聞けん・・・
魔王がいる・・・
確かに優里ちゃんのことは好きだ。
妹の様に思っていた部分も大きい。
じゃあ、2、3年後に優里ちゃんに彼氏ができたと考えて祝福できるか?
いや、嫉妬するだろう。
ああ、俺は好きになってるんだな・・・
1人の女の子としてこのまっすぐで純粋な優里ちゃんを・・・
1週間しか一緒に過ごしていないのに頭の中を
大部分を優里ちゃんとの思い出が占めている。
大好きなアニメの話をしたり、一緒に登校してる間の楽しさはもう何物にも変えられない大事な時間だったんだ・・・
「僕も優里ちゃんのことが好きです・・・」
うつむいた顔をパッとあげ泣きそうな声で聞いてくる?
「本当で、すか?」
「本当だよ。優里ちゃんの笑顔や楽しい一時は僕にとっても大事な時間だった。もっと一緒にいたいなと思っているよ」
「お兄さん!」
ポロポロと泣きながら笑顔を浮かべる優里ちゃん。
「慶さん、真矢さん。僕は優里ちゃんを一番に考えていきます。
そして優里ちゃんが小学校を卒業した時に、
改めて僕から優里ちゃんに
告白をさせてくれませんか?
今からは友達以上彼女未満という関係でお願いしたいのですが?」
「もちろんですよ。それだけしっかり考えてくれているのならなにも問題ないわ」
「・・・」
慶さんは何も喋らない。
「貴方?自分の目で見て優人君はどうだったの?優人君は精一杯の誠意を見せてくれたわ。貴方はどうなの?」
慶さんは唇を噛みしめて険しい顔をしている。
そしてその重い口を開いた。
「いい青年だと思う・・・優里を大切に考えて、想っていてくれている・・・」
「では問題ありませんね?」
「それとこれとは別だー!駄目だ駄目!」
「あ・な・た・・・?いい加減になさい?
優里の気持ちを考えてあげなさい」
慶さんが優里ちゃんを見る。
泣きそうに慶さんを見つめる優里ちゃん。
「私はお兄さんを好きになっちゃ
駄目だった・・・」
慶さんはガックリとうなだれ
「駄目じゃないよ・・・いいよ・・・」
優里ちゃんは笑顔になり
「ありがとうパパ!大好き!」
抱きつかれ慶さんは泣いた・・・
そしてなぜか父さんも泣いていた・・・
凜と優里ちゃんがダブったのだろうか?
母さんと真矢さんはまた楽しく話始め、
凜は優里ちゃんを抱きしめて
「良かったねー。でも本当に兄ちゃんでいいの?優里ちゃんなら他のもっといい人いるとおもうよ?」
「私はお兄さんがいいです。
大好き・・・です。」
顔を真っ赤にしてこちらをみる。
もう駄目だ・・・。
俺も顔が熱い・・・。
「ああ!兄ちゃんも真っ赤になってるー!
ラブラブだねー」
からかってくる凜。
こいつは本当に優里ちゃんより年上なのか?
「優人君」
慶さんが話しかけてくる。
「は、はい。」
「付き合いは認めよう・・・。だが優里は小学生だ。ルールは守ってもらおう」
当たり前の事だ。
「はい」
「まずは門限だ。5時までには家へ送り届けること。あまり遠くまでは連れて行かないこと。高額な物を送らないこと。そして一番大事なことだ」
ゴクンと唾を飲む。
「優里を泣かせないことだ!これらを守らない場合は覚えておきたまえ・・・」
「は、はい!」
威圧的が半端ない・・・。
心に誓おう・・・。
鉄の掟を破らない・・・絶対に・・・。
そうして今度こそお開きとなった。
優里ちゃん達を見送り、
「また明日。いつもの場所でね」
「はい!」
満面の笑顔で返してくれた。
(ちなみに運転は真矢さんがしていった)
車が走り去った後、
「大事にしろよ?あんなにいい子はそうはいないぞ?」
「そうよ?もう私の娘だと思ってるんだから」
「兄ちゃんばっかり優里ちゃん独占させないからな!いつか一緒に遊びに行こうっと!」
当然だ。
(凜のことはどうでもいいが)
これから少しづつ成長して優里ちゃんに見合う男になる。
そして今度は自分から告白をするんだ!
恋人になるために・・・
和やかムードだった和室はシーンと静まりかえる。
優里ちゃんは真っ赤な顔でうつむいている。
真矢さんはよしよしと頭を撫でていた。
慶さんは魔王の形相でこっちを見ている。
母さんはのんきな顔であらあら、
まあまあと笑っている。
父さんはニヤニヤしながらこっちを見ている。
腹立つわー・・・
凜は唖然とした表情で優里ちゃんと俺をキョロキョロとしている。
なんという奇襲だ。
桶狭間の今川義元か俺は・・・
「お答えをいただけるかしら?」
考える間もなく、真矢さんが問う。
「優里ちゃんはまだ小学生ですし、まだそういうことは早いのではないでしょうか・・・」
何とか解答を探る。
「優人くん、そんなに重く考えないで欲しいの。毎朝一緒に登校して、土曜日や日曜日に少し遊ぶみたいな関係になって欲しいの」
なるほど。今までより少し進んだ関係ということか?
うん?しかしその関係は世間一般的に言う恋人というのでは?
まだ答えに詰まっていると、
「優人くんは優里の事は嫌いなの?」
優里ちゃんが泣きそうな顔でこっちをみてくる。
そんな訳ない!
しかし、相手は小学生だし、倫理観的にも問題があるが。
「嫌いではありません。むしろ好きです。
同級生なら喜んでお願いしてます」
優里ちゃんは少し嬉しそうに笑う。
「ではなぜ迷うのですか?」
「優里ちゃんはまだ小学生です。倫理観的にも高校生の僕とそういった関係になるのはまだはやいと思います」
「ふふっやはり思った通りの人ですね。
しっかりした考えをもち優里の事を考えてくれている。
しかし優里の精一杯の気持ち汲んであげてくれませんか?
親の欲目かもしれませんが優里は他の小学生よりも精神的には大人に近いと思います。
同級生の男の子はキライだって言ってた優里が初めて好きだと思ったのですから」
あかん。勝てん。押しきられる。
「父さん、母さん、凜はどう思う?」
俺は一旦援軍を求める。
「しっかりした約束を決めて節度ある関係をつくれば問題ないんじゃないか?10年すれば26と21だろ?それくらい普通だろ?」
「母さんも優人の気持ち次第じゃないかとおもうわ。母さんも優里ちゃんくらいの時に友達のお兄さんとか好きだったわー懐かしいわねー」
「兄ちゃん、優里ちゃん泣かせたら承知しないよ?兄ちゃんも好きなんでしょ?問題ないじゃん」
あかん。四面楚歌だ。
慶さんには・・・
聞けん・・・
魔王がいる・・・
確かに優里ちゃんのことは好きだ。
妹の様に思っていた部分も大きい。
じゃあ、2、3年後に優里ちゃんに彼氏ができたと考えて祝福できるか?
いや、嫉妬するだろう。
ああ、俺は好きになってるんだな・・・
1人の女の子としてこのまっすぐで純粋な優里ちゃんを・・・
1週間しか一緒に過ごしていないのに頭の中を
大部分を優里ちゃんとの思い出が占めている。
大好きなアニメの話をしたり、一緒に登校してる間の楽しさはもう何物にも変えられない大事な時間だったんだ・・・
「僕も優里ちゃんのことが好きです・・・」
うつむいた顔をパッとあげ泣きそうな声で聞いてくる?
「本当で、すか?」
「本当だよ。優里ちゃんの笑顔や楽しい一時は僕にとっても大事な時間だった。もっと一緒にいたいなと思っているよ」
「お兄さん!」
ポロポロと泣きながら笑顔を浮かべる優里ちゃん。
「慶さん、真矢さん。僕は優里ちゃんを一番に考えていきます。
そして優里ちゃんが小学校を卒業した時に、
改めて僕から優里ちゃんに
告白をさせてくれませんか?
今からは友達以上彼女未満という関係でお願いしたいのですが?」
「もちろんですよ。それだけしっかり考えてくれているのならなにも問題ないわ」
「・・・」
慶さんは何も喋らない。
「貴方?自分の目で見て優人君はどうだったの?優人君は精一杯の誠意を見せてくれたわ。貴方はどうなの?」
慶さんは唇を噛みしめて険しい顔をしている。
そしてその重い口を開いた。
「いい青年だと思う・・・優里を大切に考えて、想っていてくれている・・・」
「では問題ありませんね?」
「それとこれとは別だー!駄目だ駄目!」
「あ・な・た・・・?いい加減になさい?
優里の気持ちを考えてあげなさい」
慶さんが優里ちゃんを見る。
泣きそうに慶さんを見つめる優里ちゃん。
「私はお兄さんを好きになっちゃ
駄目だった・・・」
慶さんはガックリとうなだれ
「駄目じゃないよ・・・いいよ・・・」
優里ちゃんは笑顔になり
「ありがとうパパ!大好き!」
抱きつかれ慶さんは泣いた・・・
そしてなぜか父さんも泣いていた・・・
凜と優里ちゃんがダブったのだろうか?
母さんと真矢さんはまた楽しく話始め、
凜は優里ちゃんを抱きしめて
「良かったねー。でも本当に兄ちゃんでいいの?優里ちゃんなら他のもっといい人いるとおもうよ?」
「私はお兄さんがいいです。
大好き・・・です。」
顔を真っ赤にしてこちらをみる。
もう駄目だ・・・。
俺も顔が熱い・・・。
「ああ!兄ちゃんも真っ赤になってるー!
ラブラブだねー」
からかってくる凜。
こいつは本当に優里ちゃんより年上なのか?
「優人君」
慶さんが話しかけてくる。
「は、はい。」
「付き合いは認めよう・・・。だが優里は小学生だ。ルールは守ってもらおう」
当たり前の事だ。
「はい」
「まずは門限だ。5時までには家へ送り届けること。あまり遠くまでは連れて行かないこと。高額な物を送らないこと。そして一番大事なことだ」
ゴクンと唾を飲む。
「優里を泣かせないことだ!これらを守らない場合は覚えておきたまえ・・・」
「は、はい!」
威圧的が半端ない・・・。
心に誓おう・・・。
鉄の掟を破らない・・・絶対に・・・。
そうして今度こそお開きとなった。
優里ちゃん達を見送り、
「また明日。いつもの場所でね」
「はい!」
満面の笑顔で返してくれた。
(ちなみに運転は真矢さんがしていった)
車が走り去った後、
「大事にしろよ?あんなにいい子はそうはいないぞ?」
「そうよ?もう私の娘だと思ってるんだから」
「兄ちゃんばっかり優里ちゃん独占させないからな!いつか一緒に遊びに行こうっと!」
当然だ。
(凜のことはどうでもいいが)
これから少しづつ成長して優里ちゃんに見合う男になる。
そして今度は自分から告白をするんだ!
恋人になるために・・・
0
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる