女子小学五年生に告白された高校一年生の俺

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出会いから告白まで

優里ちゃんの日記(土曜日)

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土曜日の朝

ママと作戦会議をする。

パパは部屋にこもっていた。

「まずはお兄さんの印象をかえてもらう必要があるわ」

「印象?」

「そう。真っ白な紙に大きく妹と書かれているの、貴方の印象は。そこに女の子を書こうとしてもどうしても小さな文字になっちゃう。
わかる?」

「うん、なんとなくわかるかも」

私は頭のなかで想像する。

「その文字を消すのは難しいわ。ボールペンで書かれた文字は消えないでしょう?」

「うん、消せない・・・」

「落ち込む必要はないわ。どうすれば新しく女の子って書いてもらえると思う?」

「えーと、新しい紙を用意する?」

「それは出来ないはお兄さんの記憶という紙は一枚しかないの。」

うーん 

考えてもまるでわからない。

「どうすればいいの?」

「簡単よ。その紙をひっくり返すの。そしたたら白い紙になるでしょう?そこに女の子という文字をおっきく書いてもらうの!」

「えっ?どうやってするの?」

「優里は制服姿しか見せてないわよね?」

「うん、お兄さんと会うときは、
制服だけだよ?」

「そこが狙い目ね。これで優里が持っているいつもの可愛い服を着ていっても、印象はかわらないわ。」

「えっ・・・どうしよう・・・」

「優里、出かけるわよ?」

「どこに?」

「服を買いにいくの!」

そう言って家を出て、いつも洋服を買うデパートのお店に来た。

「いらっしゃいませー。あら真矢さまと優里ちゃんじゃないですか?お世話になっております」

いつもの店員さんの世良さんだ。

綺麗なお姉さんで茶色の長い髪と白と黒のスーツみたいな制服がよくにあってて憧れのお姉さんなの。

「今日はどういったご用件でしょうか?」

ママがこそこそしゃべってる。 

世良さんはうんうんと頷く。

「うーん甘酸っぱいですね!」

「でしょう?」

二人がにこやかに笑ってる。

「かしこまりました。優里ちゃんを大人にしちゃいましょうか。」

「お願いできるかしら?」

「任せてください!」

ふふふっと笑うふたりがこっちを見ている。

何だか少し怖かった・・・

そこからは何時間くらいたったのか
わからない・・・

世良さんが持ってきた服を着ては脱ぎを何度も繰り返したの・・・

私はヘトヘトになりながらも二人が満足するまで頑張った・・・

「これでどうでしょう?」

「うん。いいんじゃないかしら。大人びた雰囲気の中、可愛らしさもある」

やっと決まったみたいで自分の姿を見る。

いつもの私じゃない私がいた!

「綺麗ですよ。優里ちゃん」

「よく似合ってるわよ優里」

二人とも褒めてくれてちょっと照れちゃった。

「後は髪ですね?」

「そうねー印象をがらりと変えたいし」

「ポニーテールとかどうです?やはり男の人の好きな髪型ですし」

「そうね。ちょっと試してみてくれる?」

「任せてください!」

試着室からでて、椅子に座らせてくれる。

「綺麗な髪で羨ましいなぁ」

世良さんが髪をとかしながらいってくれた。

「世良さんだって綺麗で私の憧れの人です」

「嬉しいなー!」

白いフリルの付いた髪ゴムで束ねた髪をまとめてくれた。

「どうですか?真矢様」

「いいわね!完璧じゃないかしら」

鏡を見せてもらって更にかわっている自分にびっくりしちゃった!

「あっ、ちょっと男の人の意見も
聞いてみません?いくつくらいに見えるか?」

「あらでも大体ここの人は顔見知りじゃないかしら?」

「隣の店に新しく男性店員が入ったんですよ」

「そうなの?じゃあちょっと聞いてみましょうか?」

そういうと世良さんは隣の店に行って、すぐ帰って来た。

「えっ?この子がいくつか当てるんですか?」

若い男の店員さんがこちらを見てくる。

凄く恥ずかしくてうつむいちゃった。

「うーん?滅茶苦茶難しいですね?
大人びた雰囲気のなかに可愛さもあり、
綺麗さもかね備えている・・・」

「高校生?いや身長とあどけなさを考えると中学生か?中学2年生でどうでしょうか?」

「それで間違いない?」

「はい。多分・・・」

「正解は・・・小学5年生でしたー!」

「はあーーーーーー!?」

男の店員さんがびっくりした表情でこっちをみてきた。

「いやいや!えっ!?マジで!?」

「こら言葉づかいに気をつけなさい?」

「あ・・・失礼しました・・・」

呆然とこちらをみる店員さん。

「女の子は分かりません・・・」

「協力ありがとうねー」

礼をして隣の店に帰っていった。

「真矢様、いけますね?」

「ええ、間違いないわ。協力感謝します。」

「いえいえ恋の話で燃えない女の子はいませんよ!こっちこそありがとうございます!」

二人は笑顔で話していた。

「優里ちゃん、頑張ってね!恋は勇気が大事だよ!恥ずかしがって逃げちゃ駄目!自分の気持ちを素直に打ち明けるの!」

世良さんに応援されちゃった。

勇気が大事・・・

「分かりました!
ありがとうございます!」

そうして作戦会議は終わった。

家に帰り、パパに

「どうかな?」

照れながら見せるとパパは泣いちゃった・・・

夕食が終わり眠りにつく前、

「優里、最後の作戦よ。」

「なにママ?」

「明日は告白しなさい?」

「告白?」

「お兄さんに好きです。彼女にしてくださいって言うの。」

「えっ!?そんなの無理だよ・・・
恥ずかしいし・・・」

「世良さんも言ってたでしょう?恋は勇気が大事だって?そしてあちらの御家族にも認めてもらう必要があるの。」

「どうして?」

「その理由は今の優里には必要ないわ」

「でも明日が最後のチャンスだと思いなさい?それを過ぎると仲の良い兄と妹みたいな関係で終わりよ。」

私はふるふる震えちゃった・・・

何だか怖いし、泣きそうになった。

ママは優しく抱きしめてくれて、

「大丈夫。もし断られたとしてもお兄さんは態度を変えたりしないわ。だから頑張りなさい?」

ママのいい香りにつつまれる。

なんだかほっとした気持ちになる。

私は少しでた涙をぬぐい、

「明日!告白する!」

ママは優しく頭をなでてくれた。

「ママも応援するからね」

「うん!」

「じゃあおやすみ。」

「おやすみなさい。」

部屋に戻りベッドにもぐりこむ。

明日はがんばらなきゃ!

でもドキドキして眠れない。

お気に入りの熊さんのぬいぐるみを抱きしめ、

少しづつ、少しづつ落ち着いていった・・・

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