四人で話せば賢者の知恵? ~固有スキル〈チャットルーム〉で繋がる異世界転移。知識と戦略を魔法に込めて、チート勇者をねじ伏せる~

藤ノ木文

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184話 筒抜け合戦

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 自宅に到着後、回復魔法で目覚めたトモノリにこちらの事情を説明すると、こちらが心配になるくらい疑うことなく納得してくれた。

「その、どうして助けてくれたんですか?」
「助けたかったから?」
「それだけの理由で!?」

 俺の即答にトモノリが納得いかないといった表情を見せる。

 そこはすんなり受け入れないのな……。
 まぁ助けたのは俺を命懸けで助けてくれたモーディーンさんやザァラッドさんの影響なんだけど。
 それに〝マルケオスに歯向かった勇気に心が動かされた〟なんて、それこそこっ恥ずかしいので言いたくない。
 
 こちらを見てニコニコするリシアが、まるで全てを見透かしているみたいで非常に居心地が悪い。

「それだけの理由だ。それよりも、俺達のスキルを返してくれる? 無いと何かと不便なんだよ」

 主に実務では〈ワープゲート〉、精神的な支柱では〈チャットルーム〉だ。
 長距離ワープゲートでMPをごっそり持っていかれるのは、魔法に依存した戦闘スタイルの俺には色々と支障が出る。
 チャットルームはまだ魔法化が出来ておらず、シンくん達と連絡が取れないと今後の活動方針や問題が発生した時の対処に困る。

「そ、そうですね、直ぐに戻します!」

 トモノリが慌てながらも慣れない手つきで眼前に浮かんでいるであろうステータス欄を指で操作し、素直にスキルを返してくれた。 
 これは賭けではあったが、奪われたら二度と戻ってこない類の能力じゃなくて本当に良かったと安堵する。

「キミのスキルって、奪った相手とは別の人に移すことって出来るの?」
「え、いや、それは出来ないです」
「そうなんだ」

 悪人からスキルを奪取してPTメンバーに移すとかってできたら、チート具合が爆上がりするのにな。
 特にユニークスキル持ちの勇者相手には無類の強さを発揮しそう。

 トモノリがチャットルームを使ったらどうなるのか気にはなったが、今はそんな実験をしてる場合でもないので考えを放棄する。

「んじゃ、後は異世界ものでお約束の冒険者でもやってハーレム作るなり、スローライフで平穏に暮らすなり好きにしていいよ」
「良いんですか?」
「別に構わないよ?」

 他人様に迷惑をかけなければ。
 
「大勢で少数を囲んでおいてスキル奪取など、我ならば放逐なんぞせず殺しておるがな」
「ひっ!?」

 怒り心頭なイルミナさんが、瞳だけを蛇の虹彩に戻して威圧する。
 だがイルミナさんの怒りも分からなくはない。 

「普通の魔法使いならそれだけで詰みますからね。まぁ敢えて言うなら、今後は無暗に他人のスキルを奪ったりしないように」
「は、はい……」

 イルミナさんを宥めつつ、トモノリに注意だけはしておいた。
 口頭での注意なので、強制力なんて一切ないが。

「さてと、行ってくるか」
「行くって、まさかまたあの国ウィッシュタニアに戻るつもりですか!?」
「そうだよ? 第二王子とその手下を無力化しただけで、本命の国王と第一王子がまだだからね」
「無茶ですよ! あそこには大勢の兵隊が待ち構えてて、それに僕以外にも勇者が居るんです!」

 トモノリが俺を制止しながらも貴重な情報を流してくれる。

 思った以上に良い奴だな。
 でも勇者のおかわりは勘弁願いたい。

「そいつの特徴とユニークスキルはわかる?」
「歳は僕と同じくらいの女子です。固有スキルは僕には教えてくれなかったので分かりません……」
「そうか」

 女の子なら戦闘に積極的とも限らない。
 よしのんみたく案外何とかなるかも。
 仲間(?)にスキルを教えない慎重さを持っているようなので油断はできないけど。

「トモノリ様、私はウィッシュタニア第三王子であらせられるエルネスト様に仕えるフリッツと申します。私からもいくつかお聞きして宜しいですか?」
「あ、はい。……え、第三王子って、今捕まってる人ですよね?」
「やはりそうでしたか。それで、我が主の安否はご存じで?」
「僕がマルケオスさん達とは一緒にあの場所に行ったときには、王様が座る椅子のある広い部屋で捕まっていました。顔には殴られた様な痕がありました」
「お聞かせ頂きありがとうございます。トシオ様、これで我々の行動が漏れていた理由も分かりましたね」
「だな」

 俺達が新冒険者ギルドで軍服を入手し忍び込むという計画は、第三王子の指示で行った行動だ。
 指示を出した本人がとうの昔にとっ捕まってそう指示を出せと言われていたのなら、そりゃ待ち伏せもされるというものだ。

「捕まったんならさっさと連絡くれやと」
「奴隷紋で縛られ〝計画を話すな〟と言われているやもしれません」

 俺の脊髄反射なボヤキに、ユニスが弓の弦を確かめながらそう告げた。

「だったら俺達に状況を知らせるのも無理な話か」
「あり得ますね。第一王子が貴族の子息を隷属化し、謀反を押さえていると聞き及んでいます」
「俺の国でも昔は謀反を起こさせないために同じような事をしてたし、その説は濃厚だな」

 これではうかつに王族を殺すなんてことは出来ない。
 そういう意味でもマルケオスを捕縛したのは正解だった。
 それと第三王子の居場所も分かったし、フリズスキャールヴからのワープコンボで救出だけは出来そうだな。

「それと、王都には自分の同僚も何人かいるはずですが、彼らとの連絡も取れなくなっています。何処かで幽閉されているやもしれません」

 フリッツが眉間にしわを寄せ、同僚の安否を懸念する。

 王子1人居ればその部下なんて人質としての価値は皆無なため予断を許さない。

「運が良ければ今頃投獄中、悪ければ早々に殺されているといったところだろうな。なんにしろ予定を変えないといけなくなったことだし、一先ずは状況を掴むところから始めるか。よしのん、ウィッシュタニア城近くにワープを出してくれる?」
「人気の無い所で良いんですよね?」
「もちのろんだ」
「では、ワープゲート!」

 開かれた先は民家と民家の間の細くて暗い裏路地。
 路地の先には水の張った堀と高い城壁が見える。
 城壁の向こう側からは無数のエネミー反応が検知した。
 ウィッシュタニア城の広い敷地内を大量の兵士が詰めており、廊下には常に巡回の目が光っている。
 それはもううじゃうじゃと居るため、まるでゴキブリの巣にでも入るかのような錯覚にとらわれ背中に怖気が走る。
 そして城の中央、一際賑わっている場所に意識に意識を向けると、縦長の広い部屋にバトルマスターやマナロードなんてジョブ持ちが、数十人単位でわんさかい居たりする。
 それらが守る玉座には、豚の様に肥え太った男が頬杖をついて座っていた。

 んで、その隣に立っている長身の男がランペール・フォン・ウィッシュタニアの名からして、彼が第一王子なんだろうなぁ。

 そして、玉座の前で縛られた状態で転がされているエルネスト第三王子と、そのエルネストの背後には、種族に統一性の無い若い女性が4人縛られていた。

 なんだろこの人達。
 人に獣人にドワーフにコボルト。
 脈絡が無さ過ぎて全くわからん。
 貴族の御令嬢とかかな?

 次に第一王子の腕にしがみ付く少女に索敵魔法を集中させた。


〈勇者〉ルージュ
 人 女 17歳
 ベース:Lv410
 ファーストジョブ:マナロードLv104
 セカンドジョブ:セージLv182
 サードジョブ:ハイエンチャンターLv179


 髪はセミロングで背の低い小柄な女の子だ。

 そのお胸はどうされました? お散歩中ですか?
 なんて一番ツッコミたい所からは敢えて目を反らしてみたけど、やはり無理だよるーじゅちゃん!
 ルージュってなんだよ!
 漢字で書いたら口紅? それとも当て字で琉卯樹? 
 どっちにしてもDQNドキュンネームか。
 いや待て落ち着け、これは俺の頭を混乱させるための神の悪戯に違いない。
 気が散って仕方がないが、彼女の名前に関しては全力で無視しよう。

 更に周囲の人物の様子を伺っていると、第一王子が何やら言葉を吐きながら眼前に座る異母弟を蹴りつけた。 
 
 完全に取っ捕まって痛めつけられていますって状態だな。
 この分だと服の下には相当痣があるのではないだろうか。
 男の服の下なんぞに興味が無いどころか見たくもないが。
 しかし、さすがに話し声までは分からないな。
 空気の振動を捕らえればいけそうだけど……。

 空気の振動を感知はするものの、音に変換することは流石にできなかった。
 顎の動きでなんて発音をしているのかはわかるが、日本語ではないのでその動きからでは言葉の意味が分からない。

 喉の振動は直接触れればボーナススキルの言語習得が機能してくれるのになぁ。
 ……まてよ、フリズスキャールヴで触れた相手の喉に言語習得スキルを乗せたらどうなるんだ?

 早速試してみると、これが思いのほか上手く行った。

『念話にも出ぬとはあの愚弟め、状況も理解出来んのか』
『殿下、マルケオス様は元々気性の荒いお方、一度敵と遭遇すれば素直に言うことを聞きますまい。それに、ここで迎え撃つよりも出撃させた方が城内の被害も少のうございます』
『それもそうだな』

 煌びやかな服を着た第一王子の癇癪に、無骨な老将といった出で立ちのヴィクトルが恭しい仕草と口調で宥める。
 そしてそっと近付き『もし討たれる様な事があろうと、それはそれで謀反の心配が消えるだけかと』と耳元でささやくと、ランペールが大きな笑みを浮かべた。
 
 マルケオスも自分が大陸の覇者になるとか言ってたし、これはお互いに死んでほしいと思っていたクチか。
 だったらマルケオスに人質としての価値は無いな。
 これで実は索敵魔法に気付いてそう思わせる高度な情報戦でしたってオチは……いやまぁ仮にそうだとしても、最初から交渉する気はないので問題は無い。
 それにしても、魔力感知に敵性感知、接触感知に鑑定に盗聴と、どんだけ万能やねん複合索敵魔法〈世界を見渡す高座フリズスキャールヴ〉。
 ちょっと考えただけでこれだけチート臭しかしない索敵魔法が生まれるのに、妨害魔法を発動させてないウィッシュタニア陣営にも問題はあるが。
 
 一先ず今知り得た情報を皆に告げる。

「罠に飛び込んで来いと言わんばかりの歓迎ぶりですね」

 フリッツがいつもの真面目口調でお道化るが、普段と比べて表情は硬く、お道化切れていなかった。

「嬉しくない歓迎だなぁ。人質が無ければ広域魔法で城ごと潰してるわ」

 城の中では使用人らしき非戦闘員まで居るので無差別爆破と言う訳にもいかない。
 それに、フリッツの同僚も玉座の間へ乗り込む前に助けておきたい。

「この城の牢獄とかはどこにある?」
「城の地下と城の南東と北西の塔にそれぞれ。城の方は他国の要人やスパイを捕まえておく場所ですから、捕らえるとしたら恐らくは塔の方でしょうね」
「了解」

 城の地下と並行してその離れた塔へ索敵魔法を走らせる。

 塔2つ発見。

 そのまま塔の扉を抜けると中は簡単な詰め所になっており、数人の兵士達が居たが、牢屋のある場所に直接ワープゲートを開くのでこいつらは無視する。

 出て来られると面倒なので、詰所には施錠スキルで鍵をかけてやるとしよう。

 ボーナススキルの〈ロック〉を発動。
 魔法の鍵で施錠したため、魔法で解呪を試みるか、同じくボーナススキルの〈アンロック〉でしか開かなくなる。

 更に地下へと続く扉を抜けると、地下牢と思しき場所を探り当てる。
 そして牢屋の前には見張りが2人。
 北西の塔の牢屋には不精髭を生やした男達が詰め込まれており、城を挟んだ南東の塔では、牢屋の中で腕を前にして手枷を嵌められた男達が数人ぶち込まれれ、全員が押し黙って俯いている。
 北西の奴らは数日前から入れられている風なのでフリッツの仲間は南東の方だろう。
 だがこいつらが果たして本当にエルネストの私兵なのか俺には判別が付かない。
 なので判断が付く奴に聞くとしよう。

「フリッツ、ワープゲートを開くからちょっと確認してくれ」
「わかりました」

 フリッツが水平に開いたワープゲートで牢の中を上から覗き込む。
 確認を終えこちらに頷きを返したので一旦閉じる。

「どうだった?」
「間違いありません、彼らです」
「そうか、それじゃぁ早速」

 見張りの兵士2人を魔法の紐で縛り迷宮監獄へと引きずり込むと、覗き見していたワープゲートを広げた。
 牢屋の中からは驚きの眼差しでこちらを見ているフリッツの同僚たち。

 捕縛魔法からの迷宮送りコンボ酷過ぎワロタ。
 全くちょろいものである。

「皆さん、救出に来ました」

 靴を履いたフリッツがワープゲートを抜けて牢獄へ入り、全員の手枷を外していく。
 救出したのは18人、丁度3PT分だ。
 俺が彼らを見る様に、彼らもまた物珍し気にこちらを見ていた。
 フリッツがダンディな髭のおじさんダンクマールに声をかける。

「大隊長、一体何があったのです?」
「クロードの奴が寝返りおった」
「まさか、あのクロードがですか?」
「あぁ、本当の話しだ」

 裏切りを聞かされ驚愕するフリッツに、告げたダンクマール本人や他の隊員も未だに信じられないといった面持ちで悔しがる。

「クロードって?」
「エルネスト殿下の腹心であり、冷静沈着で頭の切れる優秀な男です」

 お前みたいなのがまだ居んのか。
 どんだけ人材豊富なんだよ第三王子派は。
 裏切られているけど。
 クロードクロードっと……居た。

 索敵魔法で玉座の周辺を調べると、老将ヴィクトルの背後に控える同名の若い男を発見する。

 ジョブはマナロードか……。

「クロードって長い前髪で片目を隠した男か?」
「そうだ。ところで、キミがライシーンのトシオ殿ですかな?」
「はい、そうです」
「私はダンクマール。エルネスト殿下の下で全部隊を統括する大隊長を務めております。以後お見知りおきくだされ」
「あ、どうも。こちらこそよろしくお願いします」

 俺の問いに頷き、名乗りと共に胸に拳を当てる敬礼をしてきたので軽く会釈する。

「しかし、クロードが敵に回るとは厄介極まりないですね」
「それほどなの?」
「毎日顔を会わせているに殿下にすら悟られることなく、こうして一網打尽ですからな」

 フリッツへの問いにダンクマールさんが苦々し気に応え、その後ろでは他の隊員が「くそっ、殿下の親友の癖になぜ裏切りやがった!」「殿下の信頼を裏切ったヤツを、俺は絶対に許さない!」などと憤りを露にした。

 末端のスパイに飽き足らず腹心の裏切りか、エルネスト駄目だな。
 流石に部下の前でんな冗談は言えないが。

 隊員達を牢屋から連れ出すと、作戦会議を行った。


――――――――――――――――――――

 次回からウィッシュタニア城攻略戦です。
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